認定ビルダー「為替研究所_投資適格社債」について

こんにちは。為替研究所のYukiと申します。認定ビルダーに選んで頂いたので、ETF戦略として、投資適格社債の自動売買戦略を解説したいと思います。
トライオートETFというと、おそらく多くの方がS&P500やナスダック100、あるいはそのレバレッジ型ETF等の株価指数で運用されていると思いますが、あえてそこを外して投資適格社債という変化球なものを選んでみました。
何故株価指数ではなくこの投資適格社債を選んだのかも含めて、この記事では私の戦略を解説していきたいと思います。
1.投資適格社債(LQD)を選んだ理由
この投資適格社債(LQD)の正式名称はiシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETFで、これはドル建てで発行されている、投資適格(BBB以上の格付け)社債1500銘柄以上で構成されているETFです。
この銘柄が自動売買に向いていると思った理由は、
・長期で見てもある程度レンジ相場になっている
・社債であるため買い持ちなら分配金も貰える
・当面の相場で考えると、テーパリング観測もあって値動きがある程度ありそう(金利上昇は債券価格の下落方向に影響するのが一般論)
という感じです。
まず初めのレンジ相場になっているというのは、以下のチャートを見てもらえれば分かるかなと思います。

このように、アメリカが緩和方向に向かってからは上昇基調にあること、コロナショックの何でも売られる相場の時に一時的に大きく下がるというのはありましたが、基本的にはかなりレンジ相場になりやすい銘柄だというのが分かります。
次の分配金については、社債が原資であるため、ポジションを持っていると毎月分配金が貰えて、その利回りは年間3.31%(税後で2.3%前後)となっています。
※今後の利回りが保証されるものではありません。分配金は必ずしも毎月分配されるものではございません。
そして最後に、当面の見通しを考えると、今だとアメリカでテーパリング観測が高まっており、実際にそれが確実視されてくればこの銘柄も下がってくると予想しており、当面は「含み損を抱えながら、分配金を貰い、上がった時には利確する」という、自動売買らしい運用になるのではないかと考えています。
「下がりそうなのに買いなのか?」と思われるかもしれませんが、自動売買では含み損を抱えながらガチャガチャやっている時の方が成績は良く、逆に右肩上がりだと実はあまり利益が出なかったりするので、ある程度含み損を抱えられそうな時に始めた方が妙味があったりします。
上でも書いたように分配金もあるので、下がって含み損を抱えている時に、ある程度分配金が入ってくる(しかも下がった時の方がポジション量が大きいので分配金も多くなる)というのもありがたいと考えています。
このように、基本的には下目線でありながら、ある程度レンジになりやすく、また分配金も貰えるという点で、この投資適格社債というETFは、自動売買的にかなり面白そうだと考えました。
これがS&P500や、ナスダック100であれば、基本的には右肩上がりの銘柄なので、「それだったら自動売買なんてしないでガチホの方がいいのではないか」という思いもあり、実際に自分が比較運用してみても、ほぼ同じくらいのリスク選好度の設定で、ナスダックトリプルとS&P500のガチホが一進一退となっており、相場状況的にはナスダックトリプルの方が遥かに動きが大きいことを考えると、やはりそういう右肩上がり銘柄はガチホ最強なのではという思いが拭えません。
それに対して、こういうある程度レンジになりやすい銘柄こそ自動売買に向くのではないかという思いもあり、今回はあえてこの銘柄を選んでみました。
2.為替研究所_投資適格社債の設定解説
この戦略は本当にシンプルで、111ドルから144ドルに1ドルずつの間隔で買い下がり、利幅5ドルとしているだけです。非常にシンプルですね(笑
上でも書いたように基本的には当面は下目線で見ており、あまり上の方には仕掛けたくないという考えがまずありました。
そしてチャートを見ると、110ドルの辺りはここ10年くらいの間でかなり強い支持となっているので、そこを一旦の目安としました。

コロナショックの時には一時110ドル割れも起こしていますが、ただあの時は短期的には色々と異常値も出るくらいのショックで、その時ですら安値105.54ドルと「少し割った」くらいなので、110ドルを下値で見ておくのが一旦は良いのかなと考えました。
このレンジだと、1ドル刻みだと1セットでの推奨証拠金が15万円くらいで、まあこのくらいがちょうどいいかなと思ったので、1ドル刻みにしました。
利幅については、色々とバックテストもしてみながら良い利幅を検証したのですが、今の相場でバックテストをすると、以下のようになりました。
利幅($) | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
収益率 | 8.35% | 11.64% | 14.91% | 17.63% | 19.20% | 19.08% | 19.28% | 19.94% | 20.09% | 18.92% |
これを見ると、8ドルから9ドルくらいが一番良さそうな感じですが、ただ、これは今の「ゴリゴリの金融緩和で上昇した相場」を前提としており、一般化は難しいかなと思いました。
それも踏まえてみると、1ドル~3ドルまでは明らかに利幅が狭すぎて機会損失を起こしている反面、4ドル、5ドルと少しずつ上がり、それ以降は基本は横ばいながら8~9ドルが有利という感じであり、5ドルくらいにしておくのが良いのかなと考えて、利幅を5ドルとしました。
収益率を見ると19.2%とそこまで高いわけではないですが、ただ、社債という株式より安全性が高い(株式は金額に保証がない一方で、社債は潰れない限りは将来的に額面では返ってくるため、一般的に株式より債券の方が安全性が高い)資産でこの利回りなので、決して悪い数字ではないと思います。
以上が私の設定とその根拠でした。この設定は1セット15万円くらいからもできるので、「株式以外のETFも試してみたい」と思っていたり、あるいは「豪ドル/NZドルとかみたいなレンジ相場のものが好き」という人は、是非試してみてもらえればと思います!
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