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認定ビルダー「為替研究所_レンジ戦略詰め合わせセット_豪ドル/NZドル_投資適格社債」について

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こんにちは。為替研究所のYukiと申します。今回は「為替研究所レンジ戦略詰め合わせセット豪ドル/NZドル_投資適格社債」について解説します。

これは「自動売買ではレンジ相場になる銘柄こそが最強である」という信念を持っている私が、FXとETFの中で、「レンジ相場になっていて良さそうだ」と思った2つを組み合わせたもので、具体的には

・最強(?)の天然レンジ通貨:豪ドル/NZドル
・毎月の分配金を期待するレンジETF銘柄:投資適格社債

に自動売買で運用しようというものです。

この2つは値動きのロジックも全く違うので、「同じタイミングで上下するからリスクが上がる」みたいなことがない点も良いかなと個人的には思っています。

以下、それぞれの戦略について解説していきます。

1.豪ドル/NZドル戦略について

 この戦略は、1.0~1.14という、直近5年以上のレンジを全てカバーした上で、2019年1月からのバックテスト結果で収益率87.84%、20万円以内から始められるというなかなか面白い戦略です。

※2021年7月時点。シミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

豪ドル/NZドルという通貨ペアは、「豪ドルを買ってNZドルを売る(売りなら逆)」というように、豪ドルとNZドルを逆方向でトレードする通貨ペアなのですが、この2つの通貨は、

・どちらもオセアニア諸国の通貨
・どちらも中国経済の影響を大きく受ける
・どちらも先進国の中では元々高金利だったが、今はかなり利下げしている
・どちらも緩やかに長期間経済成長が続いている
・どちらも公的債務残高が少なく、財政リスクが低い

というように、特徴が非常に似ているため、為替もほぼ同じような動きをするものです。

出所:筆者作成

 ちなみに豪ドル円とNZドル円の日々の値動きで相関係数を取ると、0.957という驚異的な相関度を誇り、とてつもないレベルの連動性の高さであることが分かります。

その結果、豪ドル/NZドルという通貨ペアは、非常にレンジ相場になりやすい通貨ペアで、実際に2015年以降の相場で見ると、以下のように1.0~1.14で綺麗なレンジ相場となっております。

出所:トライオートのツールより

このように、レンジ相場になりやすい通貨ペアなので、高い時に売って、安い時に買う自動売買にはうってつけの通貨ペアと言えます。

この天然レンジ通貨ペアとでもいうべきものを使って、高い利回りを目指すのが、今回の「為替研究所コアレンジャー改豪ドル/NZドル」です。

1-1.為替研究所_コアレンジャー改_豪ドル/NZドルの具体的な設定

設定としてはシンプルで、以下のようにレンジを分けてトレードするものです。

出所:トライオートのツールより筆者作成

具体的には

・売りサブレンジ:1.1~1.14に80pips間隔で売り仕掛け
・売りコアレンジ:1.075~1.1に20pips間隔で売り仕掛け
・両建てレンジ;1.05~1.075に20pips間隔で両建て仕掛け
・買いコアレンジ:0.997~1.05に20pips間隔で買い仕掛け
・利幅は全て80pips

というものです。以下、何故こういう設定にしたのかを説明していきます。

まずこのレンジの決め方については、豪ドル/NZドルの分布レートを取ると、以下のように、まるで正規分布のような図になり、真ん中あたりは発生頻度がかなり高い反面、外の方は頻度が低い結果になっています。

出所:筆者作成

ただ単に0.25刻みで分けただけなのに凄く綺麗な分布図になってますね(笑

これを見ると若干上の方が発生しやすい(高めにいきやすい)ことが分かりますが、これについては、オーストラリアとニュージーランドを比べると、

人口(2,499万人VS495万人)
GDP(13,379億ドルVS2,015億ドル
貿易総額(7,986豪ドルVS1,101NZドル)

というように、基本的にはオーストラリアの方が国力が強いのが原因と考えられ、特段違和感はないかなと思います。

このことは下値の1.0の底堅さからも分かり、1.0というのはつまり豪ドル=NZドルになるということですが、そこまで下がると急反発しやすい傾向が過去のチャートを見ても見て取ることができます。

実は2015年より前の期間を取ると、1.14を超えていた時期はあるものの、1.0を明確に割り続けたことは存在せず、その点からも豪ドル/NZドルについては、下での買いは積極的に、上での売りは慎重にいった方がいいことが分かります。

出所:トライオートのツール画面より

何故過去においては1.14より上だったのが最近はレンジになっているかというと、豪ドル/NZドルという通貨ペアは、政策金利差との連動性が非常に高いのですが、その政策金利差がここ数年間はかなり低く安定しているのが原因です。実際に、政策金利差とレートの値動きを見比べた図が以下の通りです。

出所:筆者作成

このように2015年以降は政策金利の差がほとんどない状態が安定して続いている結果、豪ドル/NZドルも安定しており、長期で見ると、豪ドルの方が金利が高い時期が多かったため、豪ドル/NZドルも比較的高値を付けていたことが分かります。

この政策金利の見通しについては、今のところNZの方が先の利上げを示唆しており、NZは2022年7-9月での利上げ示唆もあり、一方で豪は2024年までは利上げはないとRBA声明で言われています。

ただ逆に言えばあと1年くらいはどちらも据え置きが基本線で、またこれからコロナの状況や世界的な金利状況が変われば、当然見通しも変わってくるであろうものの、豪とNZはコロナ感染や経済状況的にもかなり近いことを考えると、そこまで大きな違いが出てくるとも考えづらいと見ています。

こうしたことから、

当面は1.0~1.14のレンジ想定で問題なさそう
1.05~1.075の最頻レートは両建てで積極的に取りにいきたい
下がった時は積極的に買っていきたい
売りは1.1くらいまでは積極的にいけるが、1.1を超えると少し慎重に行きたい(そのため売りのサブレンジでは80pips刻みにした)

と考えて、このような設定にしました。

なお、利幅の80pipsについては、トライオートFXのバックテスト機能を使って2019年1月からの数値を取ってみると、20pipsや40pips等より80pipsの方が成績が良く、また私が過去にバックテストした時も80pipsくらいが一番良いと出て、ATRをとっても80pipsくらいなのでそうしました。

本当は本家コアレンジャーをリスペクトして、コアレンジは20とか40pips、サブレンジは80pipsみたいな設定にしようと思っていたのですが、バックテスト結果ではコアレンジも含めて80pipsくらいにした方が成績が良さそうだったので、バックテスト結果を信じてこの利幅にしました。

2.投資適格社債について

この投資適格社債(LQD)の正式名称はiシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETFで、これはドル建てで発行されている、投資適格(BBB以上の格付け)社債1500銘柄以上で構成されているETFです。

この銘柄が自動売買に向いていると思った理由は、

・長期で見てもある程度レンジ相場になっている
・社債であるため買い持ちなら分配金も貰える
・当面の相場で考えると、テーパリング観測もあって値動きがある程度ありそう(金利上昇は債券価格の下落方向に影響するのが一般論)

という感じです。

まず初めのレンジ相場になっているというのは、以下のチャートを見てもらえれば分かるかなと思います。

出所:トライオートのツール画面より

このように、アメリカが緩和方向に向かってからは上昇基調にあること、コロナショックの何でも売られる相場の時に一時的に大きく下がるというのはありましたが、基本的にはかなりレンジ相場になりやすい銘柄だというのが分かります。

次の分配金については、社債が原資であるため、ポジションを持っていると毎月分配金も貰えて、その利回りは年間3.31%(税後で2.3%前後)となっています。

※今後の利回りが保証されるものではありません。分配金は必ずしも毎月分配されるものではございません。

そして最後に、当面の見通しを考えると、今だとアメリカでテーパリング観測が高まっており、実際にそれが確実視されてくればこの銘柄も下がってくると予想しており、当面は「含み損を抱えながら、分配金を貰い、上がった時には利確する」という、自動売買らしい運用になるのではないかと考えています。

「下がりそうなのに買いなのか?」と思われるかもしれませんが、自動売買では含み損を抱えながらガチャガチャやっている時の方が成績は良く、逆に右肩上がりだと実はあまり利益が出なかったりするので、ある程度含み損を抱えられそうな時に始めた方が妙味があったりします。

上でも書いたように分配金もあるので、下がって含み損を抱えている時に、ある程度分配金が入ってくる(しかも下がった時の方がポジション量が大きいので分配金も多くなる)というのもありがたいと考えています。

このように、基本的には下目線でありながら、ある程度レンジになりやすく、また分配金も貰えるという点で、この投資適格社債というETFは、自動売買的にかなり面白そうだと考えました。

これがS&P500や、ナスダック100であれば、基本的には右肩上がりの銘柄なので、「それだったら自動売買なんてしないでガチホの方がいいのではないか」という思いもあり、実際に自分が比較運用してみても、ほぼ同じくらいのリスク選好度の設定で、ナスダックトリプルとS&P500のガチホが一進一退となっており、相場状況的にはナスダックトリプルの方が遥かに動きが大きいことを考えると、やはりそういう右肩上がり銘柄はガチホ最強なのではという思いが拭えません。

それに対して、こういうある程度レンジになりやすい銘柄こそ自動売買に向くのではないかという思いもあり、今回はあえてこの銘柄を選んでみました。

2-1.為替研究所_投資適格社債の設定解説

この戦略は本当にシンプルで、111ドルから144ドルに1ドルずつの間隔で買い下がり、利幅5ドルとしているだけです。非常にシンプルですね(笑

上でも書いたように基本的には当面は下目線で見ており、あまり上の方には仕掛けたくないという考えがまずありました。

そしてチャートを見ると、110ドルの辺りはここ10年くらいの間でかなり強い支持となっているので、そこを一旦の目安としました。

再掲_投資適格社債チャート 出所:トライオートのツール画面より

コロナショックの時には一時110ドル割れも起こしていますが、ただあの時は短期的には色々と異常値も出るくらいのショックで、その時ですら安値105.54ドルと「少し割った」くらいなので、110ドルを下値で見ておくのが一旦は良いのかなと考えました。

このレンジだと、1ドル刻みだと1セットでの推奨証拠金が15万円くらいで、まあこのくらいがちょうどいいかなと思ったので、1ドル刻みにしました。

利幅については、色々とバックテストもしてみながら良い利幅を検証したのですが、今の相場でバックテストをすると、以下のようになりました。

利幅($)12345678910
収益率8.35%11.64%14.91%17.63%19.20%19.08%19.28%19.94%20.09%18.92%
6/24時点バックテスト結果

※シミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

これを見ると、8ドルから9ドルくらいが一番良さそうな感じですが、ただ、これは今の「ゴリゴリの金融緩和で上昇した相場」を前提としており、一般化は難しいかなと思いました。

それも踏まえてみると、1ドル~3ドルまでは明らかに利幅が狭すぎて機会損失を起こしている反面、4ドル、5ドルと少しずつ上がり、それ以降は基本は横ばいながら8~9ドルが有利という感じであり、5ドルくらいにしておくのが良いのかなと考えて、利幅を5ドルとしました。

収益率を見ると19.2%とそこまで高いわけではないですが、ただ、社債という株式より安全性が高い(株式は金額に保証がない一方で、社債は潰れない限りは将来的に額面では返ってくるため、一般的に株式より債券の方が安全性が高い)資産でこの利回りなので、決して悪い数字ではないと思います。

3.まとめ

以上が私の設定でした。もう一度まとめると、

・最強(?)の天然レンジ通貨:豪ドル/NZドル
・毎月の分配金を期待するレンジETF銘柄:投資適格社債

に自動売買で運用する戦略で、具体的な戦略としては

【豪ドル/NZドル】
売りサブレンジ:1.1~1.14に80pips間隔で売り仕掛け
売りコアレンジ:1.075~1.1に20pips間隔で売り仕掛け
両建てレンジ;1.05~1.075に20pips間隔で両建て仕掛け
買いコアレンジ:0.997~1.05に20pips間隔で買い仕掛け
利幅は全て80pips

【投資適格社債】
111ドルから144ドルに1ドルずつの間隔で買い下がり、利幅5ドル

という感じです。これらの銘柄は、レンジ相場になりやすいという点では似ていても、同じような要因で上げ下げするようなものではなく、ある程度リスク分散にもなる点が面白いかなと思っています。

まとめて入れる場合、推奨証拠金は35万円程度で1セットくらいとなっているので、興味があれば是非少額からでも試してみてもらえればと思います!

ブログ:為替研究所

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