最高値更新中のナスダック100トリプル(TQQQ)の攻略を目指す

インヴァスト証券で提供中のナスダック100トリプル(TQQQ)が7月13日に過去最高値を更新しました。
そこで今回は最高値付近にあるナスダック100トリプル(TQQQ)の特徴と自動売買プログラム「ヘッジャー」のヘッジ売り注文を活用し攻略を目指す方法をご紹介いたします。

1.ナスダック100トリプル(TQQQ)の”今”

ナスダック100トリプル(TQQQ)は、名前のとおりナスダック100指数(QQQ)の3倍の値動きになるよう設計されたETFです。
大きな変動を繰り返しながら、長期的に見ると右肩上がりのようなチャートを形成しています。値動きの基準となるナスダック100指数(QQQ)の採用銘柄は、その時代を代表する企業や主要産業の銘柄を入れ替えているため、トレンドが表れやすい傾向があります。それによりナスダック100トリプル(TQQQ)も似たようなチャートを形成することが多い銘柄です。
また毎営業日の値動きが非常に大きいため、キャピタルゲイン(決済利益を積み上げる)を狙いやすい分、評価損(含み損)が発生しやすい銘柄と言えるでしょう。

2.高値付近では「ヘッジャー」でリスクをヘッジしつつ、上昇トレンドをつかめ!

トライオートETFはキャピタルゲイン(決済利益を積み上げる)を狙いとしています。
特にナスダック100トリプル(TQQQ)は日々の値動きが大きい分、上昇場面では効率よく利益を上げてくれます。その反面、下落時には評価損も発生します。現在のナスダック100トリプル(TQQQ)のような最高値付近では「上昇相場を追いかけて利益を狙いつつ、下落局面は売り注文を仕掛けて評価損失をヘッジする」をコンセプトとした自動売買プログラム「ヘッジャー」が活きる局面と言えるでしょう。

3.ETF自動売買プログラム「ヘッジャー」

2020年7月16日時点のナスダック100トリプル(TQQQ)の「ヘッジャー」の設定値を簡単にチャート上で表すと図1のようになります。

図1 ヘッジャーの買い注文とヘッジ売り注文のゾーン
※自動売買プログラムの設定値は適宜見直しが行われます。

ヘッジャーの買い注文は、「前日終値」を参考に設定されます。つまり、直近の価格帯にて複数の買い注文が設定されます。

上昇トレンドを追う買い注文は決済後にOCO注文を発注し、上昇トレンドをフォローする買い注文、相場下落時に下値を拾う買い注文の2種類が新たに発注される仕組みとなります。
そして、リスクヘッジのための売り注文は大幅な相場下落時に売りポジションを建てることで、買い注文の評価損失を軽減することを目指します。

売り注文は利確か、損切りかのどちらかを行う仕様となりますが、損切り幅は一律の損切り幅で、数量は買い注文の2倍の数量となっているのも大きな特徴です。 (図2)

図2 売りヘッジ注文の詳細

また、売り注文の設定値は相場の上昇とともにトレールしない、つまり設定値が固定されているため、相場下落時において売りヘッジを有効に作用させるためには、売り注文の設定値を相場状況に合わせて再設定をする必要があります。

米国の株式が今後もこれまでと同様に上下をしながら上昇し続けることを前提とすれば、自動売買プログラム「ヘッジャー」は、トレンドをつかみキャピタルゲインを上げる方法として期待できます。

4.「ヘッジャー」の売りヘッジ注文を動かして、リスクをさらにコントロール

さらにリスクをコントロールするために有効な手段として、売りヘッジ注文の位置を変更する方法、数量を調整する方法の2種類が挙げられます。

4-1.注文の位置を変更する。

上昇トレンドの時には売りヘッジ注文のレンジ帯を変更するのも有効な手段です。

売りヘッジ注文によるリスク回避を行いたい場面は、トレンドを追う買い注文と売りヘッジ注文のレンジ帯を近づけることで、さらにリスクのコントロールが可能となります。


例えば、2020年7月16日時点のナスダック100トリプル(TQQQ)のへッジャーは、売りヘッジ注文において一番高い値で設定されているレートは68.29ドルですが、それを78.29ドルに変更し、それに合わせて他の売りヘッジ注文の注文価格も変更します。


参考までにテクニカルな視点でチャートを見ると、長い期間で見たときに75ドル付近にサポートラインがあるように見えます。よって75ドル割れを起こしたら、トレンドが変わる可能性があると判断し、リスクヘッジをするようにヘッジ売り注文を調整します。(図3)


これはあくまでも一つの例ですが、ヘッジをどの価格帯からしたら良いかを考えるのはリスク管理として有効な手法です。

図3 買い注文(トレンドを追う)と売りヘッジ注文のゾーンを近づけてリスクコントロールする手法

4-2.売りヘッジ注文の数量を変更する。

もう一つのリスク管理方法として数量の調整が挙げられます。

デフォルトではヘッジャーの売りヘッジ注文は買い注文の2倍の数量が設定されています。
相場下落時の買い注文の評価損を抑えるための有効な行動として「ヘッジを行う価格帯において、できるだけ高い位置で大きな数量の売りポジションを建てること」が挙げられます。直近のコロナ相場では最高値を付けてからの下落のスピードは速く、リスクヘッジをより重視されたい方にはこの手法も有効だと言えるでしょう。

例えば、2倍の数量になっている売りヘッジ注文の中で高い価格にある売り注文の上位3つの数量を1.5倍に変更し、その代わりに低い価格の注文の3つの数量を0.5倍にします。そうすることで大きな下落が発生した場合でも、高い価格帯で効果の大きいヘッジが行えるため、その後更に相場が下落する局面において評価損を抑えるのに有効と言えるでしょう。ただし1回で大きな数量をヘッジしてしまうと、損切りしたときに想定以上に利益を減らしてしまうことが考えられ、ヘッジは複数回に分けるべきと言えます。

またこの数量のバランスは自身のリスク許容度合いによって数量を調整するだけでも対応でき、売りヘッジ注文の位置の変更と数量の変更を併用することも有効でしょう。

5.まとめ

2020年3月の下落から今日の最高値更新まで、ナスダック100トリプル(TQQQ)の価格はすさまじい勢いで上昇してきました。

最高値を更新している間はトレンドを追い利益を上げていく良い場面ですが、反面、下落のリスクも抱えています。今一度、リスク管理を考えてみるのはいかがでしょうか。