TOPIXと日経平均株価指数は皆さんにとっていちばん身近な指数で、意識しなくても朝晩のニュースで毎日1回は意識していなくてもその名前を聞く事があると思います。
TOPIXが東証1部に上場している全銘柄を対象にした指数であるのに対し、日経平均株価は日経225とも呼ばれ、その名の通り日本を代表する225銘柄の株で構成されています。
この、馴染み深い2つの株価指数ですが、その算出方法や組み入れ銘柄の違いや仕組みについては意外と知られていません。
今回は、日本を代表するこれらの指数とETFについてご紹介します。
TOPIX
TOPIX(東証株価指数)は東証1部に上場している2000近い銘柄を1968年1月4日を100としてその後の時価総額を指数化したもので、選別は行われず新たに1部に上場した銘柄を追加、外れた銘柄を除外する仕組みになっています。ちなみに東京証券取引所は第一部、第二部、ジャスダックなどに分かれており、企業の規模や社員の数でそれらの中のどれに属するかが決まっています。企業の規模によって寄与率が決まるため、時価総額の高い銘柄が上位に来る仕組みとなっており、トヨタ、三菱東京UFJ銀行、NTTドコモといった歴史の長い大企業が上位銘柄に名を連ねています。日経225に比べ構成銘柄が多いため、基本的にはマイルドな値動きになることが多いです。
日経平均株価
日経平均株価は、東京証券取引所の第一部に上場する2000近い銘柄の株式のうち、様々な基準で選別された225銘柄で出来ています。計算方法は、アメリカのダウ平均株価の算出方法で使われている「ダウ式平均型方式」を基にしています。株価が大きく違う様々な銘柄から指数を算出するため、株価の高い銘柄の影響を受けやすくなってしまうことを避け、もしそういった銘柄が株式分割や上場廃止となり指数から外れてしまっても指数の連続性等が失われないような修正がなされています。定期的に見直しが行われており、常に日本の市場バランスを反映する株価指数を目指しています。日経平均株価に影響をしやすい代表的な銘柄としてユニクロ等のブランドを手掛けるファーストリテイリング、携帯電話でお馴染みのKDDI、テルモ、ソフトバンクなど。
日銀が大量に買い入れているETF
ちなみにこのETFは日銀が購入していることでも有名です。日銀が買い入れるETFは日経平均連動型、TOPIX連動型、JPX日経インデックス400連動型など、対象が決まっています。日銀によるETFの大量買い入れのニュースを耳にした事がある方もいるかも知れません。この、日銀によるETFの購入は一体何のためかみなさんご存知でしょうか。
日銀が資産を運用するため?小額で分散投資するため?
答えは簡単。日本の株価を買い支えるためです。
自国の通貨や市場を守るため、その国の中央銀行は様々な方法で市場に介入をします。為替市場における、中央銀行による介入であれば、アベノミクスの時にかなりの額で介入をし、ニュース等でも騒がれていたのでイメージがしやすいかもしれませんね。
日銀が介入するのは為替市場だけではありません。株式市場も、様々な基準から判断して「下がりすぎている」場合には介入をします。
日銀がETFの買い入れを始めたのはリーマンショックで日経平均株価が1万円を遥かに下回っていた頃から。過去にない金融危機で日経平均株価は1980年代ぶりに7,000円を割ってしまうかもしれない、というところまで低迷していました。
東証の出来高も細り、世界経済も不透明で、このままでは本当に日本の株式市場がどうなってしまうか分からない、なんとかしなければ!と一刻を争う状況だったのですが、日銀はルール上個別株を購入することが出来ない事になっています。
日経平均株価との連動性が極めて高い日経平均先物も、間接的に介入し相場を買い支える事は出来るのですが、あいにくデリバティブに分類されるこの先物も、日銀は直接買い入れることができません。そこで、大活躍したのがこのETFです。
ETFはご存知の通りマーケットで取引できる上場投資信託。日銀はこのETFと、上場不動産投資信託REITは購入することができます。トライオートETFでも取引可能な1321(日経225連動上場投資信託)や1306(TOPIX連動型上場投資信託)といった、ポートフォリオに現物株を原資産として保有しているこれらの銘柄を購入することで間接的に日本のマーケットを買い支え、当時の日本の株価指数は一層の下落を回避しました。(ちなみに、先日のイギリスのEU離脱投票で日経平均が暴落した日も日銀は350億円分のETFの購入によりマーケットを買い支えています。)日銀はすでにトータル4兆円以上分ものETFの買い入れを行っており、このままでは日経平均株価やTOPIX指数に組み込まれている比率が大きい銘柄の実質株主になってしまうのでは?という心配が出ていたり。(実際の持ち主はETFを設定しているプロバイダーなのであくまで間接的に影響力のない大株主になるだけです)
ちなみに、欧州の不安を受け円が高くなっていますが、日経平均もリスク回避先としてこれから強くなるのでは?という声も出ています。
日経レバ&インバ
トライオートETFでは日経平均に連動するETFを、以前ご紹介したレバレッジ型のもの(1570:日経平均レバレッジ上場投信・日経レバ)とインバース型のもの(1357:日経ダブルインバース上場投信・日経Wインバ)もご用意しています。レバレッジ型の方は日経平均が1上がれば2上がり1下がれば2下がるという正の相関、インバース型は1上がれば2下がり、1下がれば2上がるという逆の相関をします。方向感が分かっている時にはこちらの方が値幅が大きいためトレードに向いています。(どちらの銘柄も複利効果により2日め以降は値動きの幅がずれることがございますのでご注意ください)
インバース型