赤い巨人・中国に投資!iシェアーズ中国大型株ETF

巷の話題は現在すっかりブリグジット一色で市場も大混乱している真っ只中ですが、ちょっと気分を変えて中国株のご紹介を。

このiシェアーズ中国大型株ETF(中国代表株50)は、香港証券取引所に上場している中国株式の中の代表的な50銘柄に投資できるというもの。

中国の株式市場は上海証券取引所、深セン証券取引所、香港証券所の3つがあるのですが、そもそも外国人の参入が一部制限されていたり、同じ中国株なのに売買時の取引通貨も人民元、米ドル、香港ドルの3種類に分かれていたりと仕組が複雑なことから、例え投資してみたいと思ってもスタート時点で高いハードルがあります。

しかしながら、世界最大の人口とアメリカに次ぐ世界第2位のGDPを誇る中国。競争力のある企業も数多く誕生しているため投資対象としての魅力があるのも事実です。

世界の企業の時価総額ランキングを見てみると、上位30位はほとんどアメリカが独占している状態ですが、次いで中国4社(香港含む)、スイス3社、ベルギー・韓国・日本が1社ずつと、中国がなかなかの健闘をしています。

その中でも最上位に来るのがチャイナモバイルです。名前の通り、携帯電話事業を手掛ける企業で、中国版ソフトバンクといったところでしょうか。人口が13億人以上もいるため、中国国内携帯電話事業最大手となるとその規模は必然的に世界最大となります。契約者数は優に7億人を超えます(!)日本の総人口が1.2億程度なので、その6倍以上、もはや想像が及ばない規模感です。社員数も40万人以上と、通信サービスを手掛ける企業自体はどの国にも存在しますが、規模では他社を寄せ付けない絶対的なトップに君臨しています。

リテールが圧倒的に強い中国

では、このiシェアーズ中国大型株ETFの構成銘柄はどうなっているかというと、先ほどご紹介したチャイナモバイルの組み入れ比率は第3位で1位はTencent(テンセント、騰訊)、2位はチャイナコンストラクションバンク(中国建設銀行)となっています。

テンセントは中国版Lineのようなサービスを提供する企業で、インターネット関連の様々なビジネスを手掛けています。チャット等のコミュニケーションはもちろん、SNS、ゲームコンテンツ、各種決済機能サービスなどを提供しており、アクティブユーザー数はなんと6億5000万人。日本でもフィンテックが騒がれるようになっているところですが、このテンセントが提供するサービスは、Lineのアドレスを交換するような手軽さでどこでもお金が支払えたり、楽天のような通販サイトを持っていて支払いまで全て携帯電話上で完了できたりと、日常に無くてはならないものになっています。

2位のチャイナコンストラクションバンクは中国五大商業銀行の一角で、メインの銀行業のほかにファンドや不動産業、保険業といった各種金融サービス業を傘下に有しています。中国国内に14,000もの支店を持ち(2012年時点)、中国最大の「インダストリアル&コマーシャルバンクオブチャイナ(中国工商銀行)」に次ぐ規模。ちなみに、そのインダストリアル&コマーシャルバンクオブチャイナ(中国工商銀行)は4位に、5位にはバンクオブチャイナ(中国銀行)、続いて保険会社も2社組み入れられており、約半分が金融関連企業で構成されています。トップ10のうち7社が人の多さを存分に活かすリテール業に強みを持つビジネスとは、人の多さの底力が垣間見れますね。

値動きは?

中国は過去10年、激動の時代を駆け抜けてきました。

水色が中国大型株50、赤がS&P500、緑が日経225の値動きなのですが、日本とアメリカが似通った値動きをしているのに対しかなりダイナミックな値動きをしています。不動産バブルが終わり経済が停滞している事は否めませんが、この人口と企業規模は他の国にはないものです。欧州も米国も混沌とする中で、赤い巨人が再度マーケットに活気をもたらしてくれる日は来るのでしょうか・・・?