自動売買セレクトを始めると、名前の後ろに“_スリーカード”ってついているけど、これって何のことだろう?下のほうを見ると“_追尾”ってついているものもあるな・・・と思ったことありませんか?
現在、皆さんが一番利用しているナスダック100トリプルをもとに、「スリーカード」と「追尾」の特徴と違いについて解説します。はじめに、「スリーカード」と「追尾」は、自動売買の設定(特徴)がそれぞれことなるため名称を変えています。
- _スリーカード : 上昇相場を得意とする自動売買
- _追尾 : レンジ相場、もみ合い相場を得意とする自動売買
この2つの大きな特徴をおさえながら、それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
スリーカードについて
スリーカードの名前の由来は3本の自動売買プログラムが1セットとして用意されていることからスリーカードと名づけられています。ここでは1セット3本の自動売買プログラムを3兄弟として説明します。ちなみにスリーカードには3兄弟1セットが3セット入っているため、各銘柄で9本のプログラムが設定されています。
下の表は自動売買セレクトを設定後、表示される注文確認画面です。
9本全部を説明すると分かりづらくなるので、注文確認画面の上から3行部分の1セット(3本)にフォーカスして説明します。
まず3本ともエントリー価格は同じ価格になっています。つまり3兄弟が稼動するタイミングは同時ということです。
利益確定幅(利確幅)も3本とも1.4ドルになっていますので、同じ価格にて自動で決済するところまで同じです。
変わってくるのは、決済後の次の新規注文のタイミングです。 では、次の注文のタイミングについて注文ごとに説明をしていきます。
No.1 三男(一番元気で動き回るイメージ)
決済後の次の新規注文(フォロー、カウンター)は決済価格から、+1.15ドル上がるか(フォロー値)、-2.8ドル下がるか(カウンター値)いずれかの場合に注文します。図にするとこんなイメージになります。
※決済価格は取引開始時に相場が大きく上昇して始まった場合、指定の価格以上で決済する場合があります。その場合、次の買い注文の価格は決済価格を元に算出されるため、上記に記載した価格にならない場合があります。
No.4 次男(三男よりは落ち着いていて、バランスを取るイメージ)
フォロー値(相場が上がった場合)は+1.15ドルなので三男と変わりないですが、カウンター値(相場が下がった場合、上図でいうと次の買い注文②の価格)が三男と異なり、-3.85ドルとやや大きくなっています。
相場が下がった場合には三男よりも下がったところで、次の買い注文を発注するように待機しています。
No.7 長男(三兄弟の中で最もどっしりと構えているイメージ)
フォロー値は+3.6ドル、カウンター値が-8.15ドルとなっています。
相場が上がった場合でも下がった場合でも次男・三男より、次の注文のタイミングをじっくり待っているイメージです。
1セット3本のプログラム(三兄弟)の構図
三男が細かく注文を出す。(値上がり時、値下がり時ともに設定値が最も細かい)
次男は、値上がり時は三男と同じ動き。値下がり時は、三男の注文後から少し間をあけて注文する。
長男は、値上がり時も値下がり時もさらに待ってから注文というものになります。
上昇相場に強い理由
スリーカードが上昇相場に強い理由は相場が上昇しているときは三男、次男がフォロー値+1.15ドルと小幅に注文して、利確幅1.4ドルの値上がりで決済を繰り返しながら小幅に上昇を追う点です。また、+3.6ドルと大きく値が上がった際には長男も注文を仕掛けることで3本の注文で細かく利益を積み上げていきます。
これらの注文の動きを動画にしたものが下記です。相場が下がったときは注文が少なく、上がったときには新規注文と決済を積み重ねるイメージです。
スリーカード取引イメージ
このブログを書いている11月24日(金)時点ではナスダック100トリプルは下記のチャートのような完全な上昇相場になっていますので、上昇相場に強いスリーカードの特徴が最大限に発揮できています。
※ナスダック100トリプル2016/11/28~2017/11/20の週足チャート
そんな3兄弟にも追尾と比較すると弱点があります。それはカウンター値(相場が下がったときの次の注文)が広いことです。値下がり時の注文が入りにくいということは、レンジ相場など相場が停滞しているとき(同一価格帯で相場が上下しているような相場)は下がったときの注文が入りづらいため、利益を積み上げられなくなります。
追尾について
追尾はもともとトライオートETFで採用されている自動売買のプログラムです。自動売買セレクトではなく、自分で「自動売買を作る」機能ではこのプログラムを作成できるため、特徴を押さえておくと便利です。この設定を「追尾」と呼ぶのでそのまま追尾と名づけられています。
こちらも同じく自動売買セレクトの注文確認画面の設定をもとに説明します。
スリーカードと大きく異なる点は、あらかじめ用意された自動売買プログラムのエントリー価格が全て違う点です。
現在の価格から全て下の価格でエントリー価格が設定されていて、1本ごとのエントリー価格の間隔が0.85ドルずつ均等に分かれています。スリーカードが3兄弟なら、追尾はチームで注文を出していくイメージでしょうか。
エントリー価格以外の設定値は全て同じで、利益幅0.85ドル、フォロー値+5.98ドル、カウンター値-0.85ドルとなっています。利益確定後、+5.98ドル上がった場合に次の注文に入ります。カウンター値は-0.85ドルと小さいので、下がったらすぐに次の注文を出して上がるのを待ちます。1本のプログラムを図にするとこんなイメージになります。
※決済価格は、取引開始時に相場が大きく上昇して始まった場合には、指定の価格以上で決済する場合があります。その場合、次の買い注文の価格は決済価格を元に算出されるため、上記に記載した価格にならない場合があります。
1本ごとの間隔が0.85ドル、利益幅0.85ドルということは、1本が新規に注文をして0.85ドルで利益確定したら次のメンバーが注文に動くように連動するイメージです。
レンジ相場に強い理由
追尾がレンジ相場・揉み合い相場に強い理由は、同一価格帯を基準にした相場の小さな上げ下げで取引を行い利益確定を繰り返すためです。
全員が均等な間隔で細かく網を張るように設定されているので、小さく利益確定して下がったときにすぐに注文を入れる、という取引を繰り返します。網を張って利益確定を繰り返すイメージが以下の動画になります。
追尾取引イメージ
下のチャートはナスダック100トリプルの2015年9月からの1年間のチャートですが1年を通して一定の幅で上昇、下降を繰り返しています。相場にはこのようなレンジ相場の局面が現れることもあり、その時に追尾の強みを発揮します。
※ナスダック100トリプル2015/9/1~2016/9/5の週足チャート
オールマイティ型のー方で追尾も弱点として上げるなら、スリーカードと比較すると相場が上がった場合の次の注文の価格幅(フォロー値)が大きく設定されているため、大きく上昇する相場では機会ロスを生じることがあります。
上昇相場とレンジ相場時の成績の違い
上昇相場、レンジ相場(もみ合い相場)など相場状況によってスリーカードと追尾の成績が変わってきます。下の図は自動売買セレクトで表示される損益チャート2015年1月の期間をもとに、スリーカードと追尾を同一期間で比較しています。
※2017年11月24日時点ナスダック100トリプル自動売買セレクト口数14口で計算
※評価損益は含まれておりません。
●もみ合い相場
【2015年9月】実現損益 | 【2016年9月】実現損益 | 差額(2015年-2016年) | |
スリーカード | 141,376円 | 208,938円 | 67,562円 |
追尾 | 271,472円 | 379,027円 | 107,555円 |
※2015年9月1日~2016年9月1日の成績
●上昇相場
【2016年11月】実現損益 | 【2017年11月】実現損益 | 差額(2017年-2016年) | |
スリーカード | 248,970円 | 979.426円 | 730,456円 |
追尾 | 454,588円 | 960,947円 | 506,359円 |
※2016年11月28日~2017年11月20日の成績
上記のように、レンジ相場では「スリーカード」1年で6.7万円のプラスに対して「追尾」は1年で10.7万円の利益と「追尾」のほうが利益をコツコツと積み上げていることがわかります。今の上昇相場ではアメリカの相場に合わせて「スリーカード」は1年間でなんと73万円もの利益を出しています。
まとめ
自動売買セレクトは選ぶだけで簡単に設定できる機能になっていますが、銘柄だけでなくスリーカードや追尾の自動売買の特徴を理解していただ上でご選択いただければと思います。
※補足※
注文確認画面の設定のエントリー価格の下にあるもう一個の価格は逆指値と呼ばれるものです。ここでは詳しい説明は省略しますが、相場が大きく変動してエントリー価格で注文できない場合でも、もう一つの指値にて自動売買の注文が稼動できるように待機している価格となります。