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三大陸の運用成績低下〜現状と今後の注目点は?

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はじめに

現在トライオートで提供している「三大陸制覇」の収益率が低下傾向にあります。「自動売買の稼働を停止した方がよいのではないか」や「運用を見送った方がいいのではないか」と迷われるお客様も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、足下の成績は低下傾向ではありますが、長い目で見るとレンジから外れておらず、長期運用を目指すことができる状態です。この記事では三大陸ルールの現状と、今後の運用で気を付けるポイントについて解説します。



三大陸制覇の現状

三大陸制覇とは、「豪ドル/NZドル」「ユーロ/英ポンド」「米ドル/カナダドル」の3つの通貨ペアを同時に稼働することを指します。
現在、豪ドル/NZドルとユーロ/英ポンドが一方的な値動きになっており、セレクトで提供している「三大陸」ルールも収益率が低下傾向にあります。
他方、米ドル/カナダドルは依然として安定した収益を積み重ねています。

直近、前述の2通貨ペアがなぜ一方的な値動きになっているか、過去から見て現在の価格はどうなのか、それぞれ詳しく見ていきましょう。



豪ドル/NZドル

一般的に、通貨ペアの値動きは2国間の金利差に影響を受けますが、直近の豪ドル/NZドルにおいてもこの金利差が相場に影響を与えていると考えられます。

RBA(オーストラリア準備銀行)は今月、政策金利を据え置き、今後も政策金利の据え置き姿勢を見せる一方、RBNZ(ニュージーランド準備銀行)は8月に続いて今月も利下げを実施後、将来もさらなる利下げを行う可能性を示しました。両国の政策の違いが浮き彫りとなり、結果として「豪ドル/NZドル」は上昇しています。

2024年9~10月の豪ドル/NZドルの値動きと出来事

(インヴァスト証券作成)

足下の豪ドル/NZドルはニュージーランドの政策金利発表後、価格は2024年8月以来となる高値に到達し、その後も同水準で推移しています。

■2014~2024年の週足の豪ドル/NZドルの値動き

(インヴァスト証券作成)※黄色の破線は当社が設定したレンジを表しています。

一方、現在の価格を長期的な視点でみると、依然としてこれまでと同様に一定のレンジ内で推移しています。過去の高値圏ではいづれも反転する動きを見せており、一時的な値動きとなりました。これは経済的な結びつきが強い両国の政策が、これまで最終的には同調してきたためです。しかし政策の“時間差“によって豪ドル/NZドルの変動が生まれています。

現状、オーストラリアは依然インフレを警戒する姿勢を崩しておらず、ニュージーランドとの政策の違いが市場参加者に意識されやすくなっていますが、オーストラリアも2025年2月以降には利下げに転じるとの観測も出ており、今後の消費者物価指数など経済指標に注目していきたいです。



ユーロ/英ポンド

豪ドル/NZドルと同様に、2国間の政策金利の方向性によってユーロ/英ポンドは一方的に下落しています。今月、ECB(欧州中央銀行)は利下げを実施し、今後も追加利下げも示唆しましたが、一方の英国は利下げを急がない姿勢を見せました。

■2024年9~10月のユーロ/英ポンドの値動きと出来事

(インヴァスト証券作成)

上記が影響し、ユーロ/英ポンドは2022年4月以来の安値圏に到達しました。

BOE(イングランド銀行)の総裁は「インフレ鈍化が続けば徐々に利下げが可能になる」と発言しており、10月発表された消費者物価指数(CPI)の前年同月比は1.7%と物価目標の2%を下回っています。このことから11月、12月には利下げの観測が出ており、これはユーロ/英ポンドの上昇要因となりうる可能性があります。

次に、長期的な視点で見た場合の現在の価格です。

■2017~2024年の週足のユーロ/英ポンドの値動きと出来事

(インヴァスト証券作成)※黄色の破線は当社が設定したレンジを表しています。

現在の価格は豪ドル/NZドル同様、一定のレンジの中にいることが分かります。2024年1月から半年ほど値動きが少なかったこと、直近では一方的な値動きで買いポジションが評価損を抱えたことで収益率の低下が目立ちますが、今後英国の政策動向により上昇する可能性も考えられます。


米ドル/カナダドル

最後に、米ドル/カナダドルについては、米国、カナダどちらも足並みを合わせて利下げを行っており、安定した値動きを続けています。

足下では米国のトランプ氏が大統領への再選を期待したドル高が進行しており、11月の大統領選挙の結果が注目となります。

■2022~2024年の週足の米ドル/カナダドルの値動き

(インヴァスト証券作成)※黄色の破線は当社が設定したレンジを表しています。


3通貨ペア運用によりリスクが軽減

上記のとおり、直近の市場イベントにより、現状は、豪ドル/NZドルとユーロ/英ポンドの収益は低下傾向となっています。一方、米ドル/カナダドルの成績は安定しています。

短期的には通貨ペアごとに様々な理由で値動きが発生するため、ひとつの通貨ペアを運用している収益が上がらない局面が訪れますが、複数の通貨ペアを稼働することによって長期的な成績をより安定させることができます。過去、米ドル/カナダの成績が良くないときに、ユーロ/英ポンド、豪ドル/NZドルが良かった時期もあり、互いに補ってくれるメリットがあります。3通貨ペアの値動きの相関性が低いところが、三大陸制覇の強みです。

どれも同じような値動きではリスク分散にはなりませんが、相関性が低い、この3通貨ペアで長期的を意識していただき、運用リスクの分散効果を高めていきましょう。

ご提案させていただいている通貨ペアの選定理由や、短期的なトレンドをカバーするポートフォリオ運用の有効性については以下の記事で解説されていますのでぜひご覧ください。

【徹底解説】トライオート「三大陸制覇」の効果 第1弾 | トライオートブログ|インヴァスト証券



運用で気を付けるポイント

トライオートの自動売買は収益をコツコツと積み上げていきます。また、レンジ内で網のように注文を設定しているため、運用中は評価損を抱えながら取引する特徴があります。そのため、短期的なトレンドの発生に慌てず、長期的な運用を心がけましょう。

また、運用を停止させるべき状況は、すべての通貨ペアが想定レンジから外れてしまった場合です。詳細についてはこちらからご覧ください。

【徹底解説】トライオート「三大陸制覇」の効果 第3弾 | トライオートブログ|インヴァスト証券

まとめ

現在、相場の変動によって収益率が低下している三大陸制覇ですが、複数の通貨ペアを稼働することで互いに補ってくれることや、長期的には、依然一定のレンジ内で推移していることを解説しました。また短期的な相場の変動は取引の機会を生み出し、これまで高い収益につながった側面もあります。

引き続き今後の経済指標など結果に注目し、ご自身が運用するルールに設定されたレンジで推移していることを確認しながら運用をおこなっていきましょう。