マーケット

豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)|相場・特徴・見通し

get_post_meta($thumb_id, '_wp_attachment_image_alt', true)

チャート(2015年2月~2025年1月)

月足・終値(インヴァスト証券作成)

通貨ペアの特徴

2021年1月以降のAUD/CADの推移をみると、概ね0.85~0.95のレンジ内で推移している。貿易収支面からは両者の直接的なつながりは少ない。しかし、ともに資源国であるという共通点がある。豪州の輸出品目は、石炭24%、鉄鉱石21%、天然ガス15%、以下、金、原油、小麦、その他鉱物と続く。鉱物資源がおよそ7割を占める。一方、カナダの輸出品目は、石油・天然ガスが18%、自動車・自動車部品が11%、木材・紙パルプが8%、石油製品3%、と続く。カナダに米国向け自動車輸出が多いものの、その他上位は資源エネルギー関連で共通している。これらの価格は国際商品市況に連動している。その商品市況は中国経済の動向に左右される。このため両国経済は連動しやすい。市場では商品市況の変動に応じて両通貨に上下同一方向の相場観を強める。その結果、AUD/CADはレンジを形成しやすい。

留意点があるとすれば、カナダが良くも悪くも米国の影響を強く受けやすい点だ。このことはレンジ相場から乖離する要因となる。米国景気が堅調な場合、とくに米中格差が拡大すればカナダ優位となりうる。一方、足元ではトランプ政権が対カナダで輸入関税を引き上げる動きを示している。カナダの対米輸出は76%と圧倒的なシェアを占めており影響は甚大だ。豪州は直接的な関税の影響を受けにくいことから、カナダドル安に振れるリスクが高くなる。当面はその動向に留意が必要だ。逆に金融政策面ではここまで利下げに慎重だった豪準備銀行が利下げを開始し急ぐ場合には、金利差がAUD不利に働く可能性がある。

2025年の予想レンジ

0.88~0.93

トランプ政権による対カナダ関税引き上げの動向に留意。ひとまず実施延期も燻り続けカナダドルに下落圧力をかけ続ける可能性がある。豪ドルのリスクは利下げ開始が遅れていること。今後キャッチアップして利下げ加速する場合は下限を試す可能性がある。

貿易

貿易相手国 オーストラリア カナダ
輸出 輸入 輸出 輸入
1位 中国 29% 中国 27% 米国 76% 米国 49%
2位 日本 20% ASEAN 18% 中国  4% 中国 13%
3位 ASEAN 13% EU 14% EU  5% EU  11%
※ブルームバーグより筆者作成

政策金利

※ブルームバーグより筆者作成