ポートフォリオ運用~分散投資で安定した収益を目指す~

はじめに
皆さまは『分散投資』という言葉をご存じですか?
『分散投資』は投資の考え方の一つですが、FXでも活用できる重要な考え方です。
今回はトライオートで自動売買のロジックを稼働する上での『分散投資』と『ポートフォリオ運用』について解説していきます。
分散投資とは
分散投資とは、投資先をいくつかに分けて運用することで、予想できない相場急変が起こった場合でもリスクの低減を図るとともに、収益機会の増加も狙う考え方です。
「卵を1つの籠に盛るな」という言葉をご存じでしょうか。
これは、卵を1つの籠に盛ると、その籠を落とした際にすべての卵が割れてしまう可能性があるという考え方です。
この例えのように、もし一つの投資先に一極集中投資をしている場合、突発的な相場変動の際に大きな損失を被ってしまう可能性があります。
投資先を分散することで予想できない相場急変の際もリスクの低減を図ることができます。
加えて、分散投資にはリスクの低減だけではなく、収益機会の増加も期待できます。
異なる値動きをしているものに分散投資をすることで、どれかの相場が落ち込んでいたとしても、どれかの相場が上昇する状態を作り、結果的に収益を得る回数を増やすことができます。
このように、投資先を分散し、リスクを抑えつつリターンの最適化を目指す運用のことを『ポートフォリオ運用』といいます。
ポートフォリオ運用の効果
上記で解説した考え方をもとに、現在弊社で扱っている自動売買セレクトの世界通貨セレクトを一例に、ポートフォリオ運用の効果を見ていきましょう。
世界通貨セレクトでは、7つの通貨ペアを自由に組み合わせて、自分に合ったポートフォリオを運用することができます。
世界通貨セレクトについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
自動売買で始める長期レンジ戦略ー世界通貨セレクトの特徴とポイントー | トライオートブログ|インヴァスト証券
下は過去3年間の運用実績から収益率を算出したグラフです。
1通貨ペアにつき運用資金を40万円に仮定し、通貨ペアで運用した場合と、複数通貨ペアで運用した場合の収益率を比較しています。

※1:全世界とは、世界通貨セレクトにおける7通貨ペア(AUD/NZD、EUR/GBP、USD/CAD、NOK/SEK、AUD/CAD、NZD/CAD、USD/CHF)を組み合わせたポートフォリオです。
※2022年7月1日~2025年6月30日におけるシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
このように複数の通貨ペアでポートフォリオを形成した7通貨ペア(全世界)の方が、グラフの推移がなだらかになっています。特定の通貨ペアで相場変動が起きた場合でも、分散によって安定した運用に成功していることが分かります。
ポートフォリオを運用する際に気を付けたいこと
より効果的なポートフォリオを作るには、異なる要因でレンジを形成する通貨ペアを組み合わせると良いとされています。
では、それぞれの相場変動の要因や、どういった考え方でポートフォリオを組み立てていけばよいか解説していきます。
比較的安定しているポートフォリオを構築・運用する上で大事にしたいポイントは下記の3つです。
①各通貨ペアの相関関係
②運用資金に適切な余力を持たせる
③ポートフォリオのメンテナンス
①各通貨ペアの相関関係
ポートフォリオを組むにあたって、選定する通貨ペア同士の相場変動の要因が似ていないことが重要です。
相場変動の要因に関連性がなく、異なるレンジを形成する通貨ペアの組み合わせであれば、ポートフォリオが安定しやすくなるとともに収益機会の増加につながります。
たとえば、USD/CADの主な相場変動要因は米国経済の動向や原油の価格変動で、EUR/GBPの主な相場変動要因は欧州経済の動向ですので、相場変動の要因は似ていません。そのため損益が発生するタイミングも異なり、ポートフォリオを安定させるのに効果的です。
一方で、通貨ペアの値動きに相関関係があると分散の効果は低く、相場変動により運用資金を圧迫しやすくなります。
たとえば、AUD/CADとNZD/CADは、オーストラリアとニュージーランドがどちらも資源国であり、中国・アメリカが主要な貿易先であることから、この2通貨ペアの値動きは連動しやすくなっています。そのため、リスク分散の効果は高くないと考えられます。
また、相場変動の大きい通貨ペアばかり運用すると、収益は出やすいですが評価損が膨らみやすく、運用資金に余力がないとロスカットになってしまう可能性があります。 そのため、自分の資金の状態と相談しながら、運用する通貨ペアのバランスを考える必要があります。
トライオートで主要な自動売買である、世界通貨セレクトの各通貨ペアの特徴を知りたい方はこちらをご覧ください。
FXの長期運用を目指す「世界通貨セレクト」|トライオート
②運用資金に適切な余力を持たせる
トライオートの自動売買の運用は、取引を継続することで効果を発揮する仕組みです。そのため証拠金不足によって自動売買が強制的に終了してしまうロスカットは、運用においてもっとも注意が必要です。
口座の資金に余力が多い状態だと、ロスカットになる可能性は下がりますが、その資金を運用に回していれば得られる収益を逃してしまいます。
一方で、資金の余力がない状態で運用していると、すぐにロスカットになってしまう危険があります。
そのため、資金が運用方針に対して適切な状態で保たれているか を【バランスメーター】や有効比率を見て確認しましょう。
バランスメーターの確認の仕方はこちらをご覧ください。
バランスメーター機能 | トライオートブログ|インヴァスト証券
また、運用資金が多ければ選択肢が広がり、効果的なポートフォリオの構築をしやすくなります。
自分の運用できる資金と相談しながら、自分にとってバランスが良い資金状態を保ちましょう。
③ポートフォリオのメンテナンス
自動売買は裁量取引とは違い四六時中相場を確認して瞬発的な判断をする必要はなく、事前に設定したルール通りに自動で売買が行われ、コツコツ収益を得られる仕組みですが、全く何もしなくてよいわけではありません。
前述した資金余力のほか、余力があっても、値動きが予想と合わなくなり、構築したポートフォリオのリスク・リターンのバランスが悪くなってしまったり、自動売買のルールが仕掛けた注文の範囲からレンジが外れてしまったりする場合があります。
そのため、定期的に取引画面を確認していただき、自分の思い描く理想の安定運用を目指しましょう。
まとめ
今回の記事のポイントをおさらいしていきます。
・分散投資は、リスクを抑えてリターンを安定化する投資の考え方
・ポートフォリオを作る際、各通貨ペアの特徴や値動きの相関関係を確認する
・資金の状態や稼働しているロジックの状態をこまめに確認する
ポートフォリオを運用することで効果的かつ安定的に自動売買で収益を目指すことができます。
また、ポートフォリオを構築し運用する際には、各通貨ペアの値動きの要因に注目したり、運用資金の余力を考えながら定期的にポートフォリオをメンテナンスしたりすることが重要です。
皆さまが自動売買を安心してより効果的に運用できる情報をお届けできていたら幸いです。 上記の考え方をもとに、自分だけのポートフォリオを運用してみましょう。