認定ビルダー「おにーさんのATM_米国NQ100」について
こんにちは。Ony(Xアカウント:@withOny3)と申します。今回の記事では、米国の株価指数であるNasdaq100指数を対象とした自動売買設定についてご紹介します。
本プログラムの名称は「おにーさんのATM(*)_米国NQ100」です。
(*) ATM : Automatic Trading Module の略を意図した造語
ビルダーの内容
項目 | パラメータ |
スタート価格 | 17000 |
レンジ幅 | 7000 |
本数 | 70 |
数量 | 0.1 lot |
利確幅 | 400 |
損切幅 | -2000 |
カウンター値 | -400(カウンター固定) |
2021年秋以降の高値と安値をカバーするようにレンジを設定しています。
バックテスト結果
バックテスト結果はテスト期間によって大幅に成績が変わり、下落局面を含む場合は損益曲線が非常に見栄えの悪いものとなります。ただし、損切り設定によって損失を限定しているため、いずれの期間においてもリスク評価が★5であることは注目すべき点です。
直近1年は上昇トレンドだったため、最も成績が良くなります。
直近2年で見た場合、金利動向の変化による大幅下落が発生したため、非常に不調となります。ただし最終的には累計プラスに転じていることも確認できます。
直近3年で見た場合には、直近2年の場合よりももう少し良好な結果となります。
株価指数で運用を行う場合、長期的な株価上昇を期待することになります。下落による損益悪化を食い止めつつ、長い目で続けて行くことが大事になるでしょう。
本ビルダーの使い方
株価指数は長期的には高値を更新していく傾向にあるため、今後高値が更新されていくたびに、レンジ設定を高値方向に更新していく必要があります。現在レートをカバーするようにレンジを設定したら、当面はビルダーの稼働状況を見守りましょう。
利確幅は400ドル、トラップ間隔は100ドルで注文をセットしています。この間隔は、Nasdaq100指数が1週間あたりおよそ500ドル弱動いていた(週足200本分のATR値を参照)、という過去実績に基づいて調整しており、1週間に1回程度のペースで利確が発生することをねらっています。収益率を重視したい場合には、利確幅を広げることが有効と考えられますので、ご自身の期待値に合わせてアレンジを行ってみてください。
一方、損切幅および損切り発生時の対応は非常に重要です。損切幅は2000ドルとしておりますが、これはレンジ上限値の11.8%に相当します。一般的に、直近高値から10%を超えて下落すると「調整局面入り」と見なされます。これを踏まえると、調整局面入りする手前までは耐え、調整局面入りすると見なされた後なるべく早い段階で損切りを行う、という設定であることがわかります。
損切幅を別の視点で見た場合、下図白枠部分のように、上昇トレンドにおけるスピード調整の下落には耐えられる幅であることも確認できます。
前述の内容から、上昇トレンドであるならば損切りは発生しにくいと考えられます。逆に損切りが1本でも発生した場合には下降トレンドであることが示唆されるため、一度ビルダー全体を全停止し、全損切りを行って様子を見た方が良い、ということになります。この時、保有しているポジションは20本分のみとなり、即座に全損切りを行うことで、最低限の本数および値幅の損切りのみで損失を収めることができます。
一度全停止した場合、再開ポイントは裁量判断が必要になります。例えば、ダブルボトムが明確に確認された後に稼働再開する、などです。
なお、価格水準が大幅に更新された場合、損切幅も広げていく必要が生じることが想定されます。今回の設定と同様の考え方を取りたい場合、最高値×12%前後に値を更新すると近しくなるでしょう。
おわりに
Nasdaq100指数はトレンドが強く出やすい指数であるため、いかに損失リスクを限定しつつ利を伸ばすかが重要となります。今回のビルダーでは、損切幅を設定することで損切りの目安(トリガー)を設けて、損失を限定できるよう意識しました。損失を限定するということは、過剰な入金が不要となり、結果として利益率の改善効果をもたらします(利益率=利益額÷入金額で算出する場合を想定)。
このビルダーそのもので利益を期待することは勿論ですが、このビルダーのアレンジやバックテストなどをお試しいただくことで、現物株などの運用にも適した知見を養うことができる可能性があります。
ぜひ一度、本ビルダーを活用なさってみてください。