【NZD/CAD】政策金利発表後の下落要因と今後の見通し
2026年9月以降、NZD/CADは下落基調で推移しています。特に10月28日には、ニュージーランドとカナダの政策金利発表を受けて大きく下落しました。
今回の相場変動を受けて、下落の背景や今後の値動きが気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、9月以降のNZD/CADの下落要因と、10月28日の政策金利発表の内容を振り返ります。また、今後の相場見通しや注目すべき経済イベント、自動売買を運用するうえで確認しておきたいポイントについて解説します。
NZD/CAD下落の背景
NZD/CADは8月に上昇した後、9月に入ると下落に転じました。その背景には、ニュージーランドとカナダの金融政策に対する市場の見方の違いがありました。

※2026年7月~10月のNZD/CADの相場推移
9月2日、NZ中銀は政策金利を2.50%から2.75%に引き上げました。利上げは市場でおおむね予想されており、NZ中銀は今後の追加利上げの可能性も示しました。ただし、追加利上げの時期やペースについては慎重な姿勢を示したことから、発表後はNZDが売られました。
一方、同日にカナダ中銀は政策金利を2.25%に据え置きました。ただし、景気の持ち直しやインフレへの警戒から追加利上げへの期待が高まり、CADを支える材料となりました。
こうした金融政策に対する市場の受け止め方の違いから、NZD/CADは9月上旬から中旬にかけて下落しました。その後はおおむね横ばいで推移しましたが、10月28日の政策金利発表を受けて再び大きく下落することになります。
10月の政策金利発表でNZD/CADが急落
10月前半のNZD/CADは、方向感に乏しい展開が続きましたが、両国の政策金利発表を受けて大きく下落しました。
政策金利発表結果は、以下のとおりです。
NZ中銀は、市場で利上げが広く予想されていたなかで政策金利を据え置き、発表後はNZDが大きく下落しました。一方、カナダ中銀は据え置きと利上げで市場の見方が分かれるなか、利上げを実施しました。これらの政策判断を受け、NZD/CADは大きく下落しました。
NZ中銀|景気への懸念から利上げを見送り
NZ中銀が利上げを見送った背景には、インフレ率の鈍化と、国内の景気回復への懸念がありました。
ニュージーランドのCPI上昇率は、2026年4~6月期の4.1%から7~9月期には3.7%へ鈍化しました。ただし、依然として中銀の目標レンジを上回っており、コアインフレにも上昇がみられたため、インフレへの警戒は続いています。
輸出関連の経済活動は堅調だった一方、国内需要は低迷しており、景気回復にはばらつきがみられました。
こうした状況を踏まえ、NZ中銀はインフレを警戒しつつも、景気への負担を考慮して政策金利を据え置きました。決定は4対3の僅差で、3人の委員は利上げを支持しており、今回の据え置きは金融引き締めの終了を意味するものではありません。
カナダ中銀|インフレへの警戒から利上げを実施
カナダ中銀は、政策金利を2.25%から2.50%へ引き上げました。これは2023年7月以来となる利上げです。
今回の利上げの主な理由は、原油高などによるエネルギー価格の上昇が、ほかの商品やサービスの価格にも波及し、インフレが長期化することへの警戒です。
また、カナダで景気の回復が進んでいたことも、利上げを後押ししました。
今回の会合では、政策金利の据え置きを予想する見方もありましたが、カナダ中銀は利上げを実施しました。インフレに対する警戒姿勢が改めて示されたことは、CADを支える材料となりました。
今後のNZD/CADの見通し
今後のNZD/CADの値動きを考えるうえでは、両国の追加利上げの動向が重要になります。
NZ中銀、カナダ中銀ともに追加利上げの可能性を残していますが、実際の判断は今後の物価や景気の動向次第です。
また、為替相場は政策金利の結果だけでなく、市場が事前に予想していた内容と、実際の発表にどの程度違いがあるかによっても変動します。
NZ中銀|追加利上げの可能性と今後の注目点
NZ中銀は10月28日の会合で、今後さらに金融政策を引き締める必要が生じる可能性は高いものの、実際の判断は今後の経済・物価動向次第との姿勢を示しました。
さらに、ブレマン総裁は翌29日のインタビューで、12月に利上げする可能性は高いとの見方を示しています。
今後の焦点は、国内景気の回復とインフレの動向です。
雇用や個人消費が回復し、企業による値上げの動きも強まれば、追加利上げへの期待が高まり、NZDの支援材料となる可能性があります。
一方、国内需要や雇用の弱さが続き、物価上昇圧力も落ち着けば、追加利上げが先送りされる可能性があります。その場合、NZDは上昇しにくくなることが考えられます。
カナダ中銀|インフレと景気動向が追加利上げの鍵
カナダ中銀も、今後の追加利上げの可能性を残しています。ただし、追加利上げを急ぐ姿勢ではなく、経済指標を確認しながら慎重に判断する方針です。
カナダ中銀は10月の金融政策報告で、2027年の平均インフレ率の予測を、7月時点の2.0%から3.1%へ上方修正しました。インフレ率が2%の目標付近へ戻るのは、2028年半ばごろと見込んでいます。
今後の焦点は、エネルギー価格の上昇が幅広い商品やサービスの値上がりにつながるかどうかです。
原油価格の高止まりや企業による価格転嫁が進めば、追加利上げへの期待が高まり、CADの支援材料となる可能性があります。
一方、エネルギー価格の上昇が落ち着いた場合や、米国との貿易関係の悪化などによって景気が減速した場合は、追加利上げに慎重になることが考えられます。
今後のNZD/CADの3つのシナリオ
今後のNZD/CADは、両国の景気やインフレの動向によって、上昇・横ばい・下落のいずれの方向にも動く可能性があります。
特に重要なのは、NZ中銀とカナダ中銀の金融政策に対する市場の期待が、今後どのように変化するかです。
なお、両国がともに利上げを実施した場合でも、必ずしもNZD/CADが横ばいになるとは限りません。実際の政策判断が市場予想とどの程度異なるかによって、相場の反応は変わります。
今後は、両国の経済指標や中銀の発言を確認しながら、追加利上げの見通しがどのように変化するかに注目することが重要です。
今後の注目イベント
今後のNZD/CADの相場を見通すうえでは、ニュージーランドとカナダの景気やインフレの動向が重要になります。
特に、以下の経済指標や政策金利発表は、両国の追加利上げに対する市場の見方を変化させ、NZD/CADの相場に影響を与える可能性があります。
※日程は2026年10月29日時点の公表予定です。発表予定は変更される場合があります。
自動売買の対応について
NZD/CADの相場が下落している局面では、現在の運用状況を確認し、今後の運用方針を検討することが大切です。
相場の下落局面では、買いポジションの評価損が拡大したり、決済による利益が発生しにくくなったりする場合があります。ただし、自動売買は一定の値動きを想定して運用する仕組みのため、相場が下落したことだけで運用の継続・停止を判断するのではなく、現在の運用状況を確認することが大切です。
特に、以下の3点を確認しましょう。
① 現在の相場と設定レンジの位置関係
NZD/CADの現在の相場が、自動売買の設定レンジ内で推移しているか確認しましょう。
② 評価損と口座の資金状況
保有ポジションの評価損や有効比率を確認し、さらに相場が下落した場合でも、資金面で無理のない運用ができるか検討しましょう。
③ 今後の相場見通しと運用方針
今後の金融政策や経済指標を確認しながら、ご自身の想定する運用期間や許容できる損失に照らして、運用の継続・見直しを検討しましょう。
なお、相場が設定レンジ内で推移していても、評価損の拡大やロスカットが発生する可能性があります。相場が必ず反発するとは限らないため、今後の値動きにも注意が必要です。
今後も、ニュージーランドとカナダの金融政策や経済指標によって、NZD/CADの相場は変動する可能性があります。今回ご紹介した相場の見通しや注目ポイントを参考に、ご自身の運用状況に合わせて、今後の運用方針をご検討ください。
