2024年11月度【トライオートレポート】
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11月の振り返り
米ドル/円は152.58円で11月を迎えました。世界が注目した米国大統領選挙ではトランプ氏が当選し、米長期金利の上昇と共にドル高へ推移。15日には11月高値となる156.75円を付け、月前半はドル高・円安相場となりました。またトランプ氏が自身のSNSで、メキシコ、カナダに対して、就任日初日に関税措置の意向を示したことで26日のメキシコペソ/円は約20pips、カナダドル/円は約140pipsの下落となり、関連通貨が売られました。月終盤には植田日銀総裁の追加利上げの時期が近づいてきているという趣旨の発言に市場が反応し、米ドル/円は一時150円を下抜ける円高推移となりました。トランプ発言に大きな影響を受けた11月の為替相場でしたが、トライオートのリピート取引ではどの通貨ペアが収益を獲得することができたのでしょうか。
11月の1万通貨あたり収益ランキング
ボラティリティ上昇により米ドル絡みの通貨ペアで収益が増加
こちらは自動売買取引によるお客様の収益額※を取引量で割り、1万通貨あたりの収益額をランキング形式に集計したものです。
トランプ氏の発言によりボラティリティの高まったドルストレート(米ドル絡みの通貨ペア)が4通貨ペアランクインしました。4位にはユーロ/英ポンドがランクイン。ユーロ/英ポンドは引き続き安定して収益が獲得できていますが、ドイツで連立政権が崩壊するなど、政治不安を抱える欧州情勢からユーロの下落が続いています。直近8年間でサポートとして強く意識されている0.83近辺から上昇転換できるのか注目です。
※収益額は期間中の収益合計でロスカット執行および手動決済の損失を除く。
11月の移動距離(日足,pips)と高低差
トランプ発言で豪ドル/NZドルに下落転換の値動き
トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことで評価損を抑えながら、利益を積み上げていく運用が期待できます。「ポイント」は当月の「移動距離※」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高いほどレンジ戦略が機能した通貨ペアといえます。
1位には豪ドル/NZドルがランクインしました。豪州が政策金利を高水準で維持する一方、ニュージーランドは11月に0.5%の金利引き下げを実施しました。2か国間の金利動向から豪ドル高・NZドル安の見通しが強い相場状況ではあるものの、トランプ氏が大統領就任後に中国へ追加関税を課すと表明したことで豪ドルが売られ、月終盤には豪ドル/NZドルに下落転換の値動きが見られました。豪ドル/NZドルは11月末時点で1.10近辺に位置し、2014年から続く長期レンジの上値圏を推移していますが、米中貿易摩擦の深刻化は豪ドル/NZドルにとって下落材料となる見方が強く、トランプ次期政権による対中国貿易政策に要注目です。
※移動距離=(高値-始値)+(高値-安値)+(終値-安値)
セレクトパフォーマンス
セレクトの中から直近3カ月で、収益率が最も高いルールを紹介します。実際にどのルールが高い収益を獲得したのか確認しましょう。
ランキングは2024年11月29日時点で提供しているルールが対象となります。
集計期間:2024年9月2日~2024年11月29日
集計時刻は朝7時となります。稼働されていないセレクトは集計から除外しています。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。
※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円
「山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円」が5ヶ月連続で全体1位となりました。こちらのセレクトはストラテジスト山中康司氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。
3か月間の高低差は、高値111.565、安値102.849で871pipsです。
10月後半から11月半ばにかけた円安が影響し、売サブレンジ帯とコアレンジ帯を行き来する値動きが続きましたが、11月後半、トランプ氏がカナダに対して関税措置の意向を表明し、カナダドルが売られたことで価格が下落し収益が増加しました。米国が隣国に位置するため、カナダドルは米国の影響を強く受けることが特徴です。トランプ氏の大統領就任は来年1月ですが、発言力は既に高まっており、今後もトランプ氏の発言でカナダドルのボラティリティが高まることが予想されます。
ロジックの解説記事はこちら
ロジックの解説動画はこちら
山中康司氏のXはこちら
おわりに
11月はトランプ発言により、関連通貨に大きな値動きが発生しました。中国への追加関税は、中国が最大貿易相手国となる豪州の経済にとってマイナス要因となりますが、レンジ上値圏で推移する豪ドル/NZドルにとっては、下落転換に繋がる好材料となる可能性が高く、11月の移動距離と高低差ランキングでも全体1位の結果となりました。ユーロ/英ポンドは欧州の政治不安に加え、インフレ鈍化を見込んだECBによる利下げ継続が予想されており、ユーロ安が続いている状況です。ユーロ/英ポンドの0.83近辺は過去8年間で反発を繰り返すサポートラインとして強く意識されていますが、今後の値動きに注意が必要となるでしょう。