2024年7月度【トライオートレポート】
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7月の振り返り
160.85円で7月を迎えた米ドル/円は7月末には149.84円まで価格を下げ、約11円の円高進行となりました。大幅なドル安・円高には、米国の利下げ観測の高まりと日本の利上げが関係しています。
米国では消費者物価指数が大幅に低下したことを受け、パウエルFRB議長は9月利下げの可能性について発言。
また月末に日銀が政策金利を0.25%に引き上げたことが、大幅なドル安・円高を招きました。日銀の利上げはクロス円全てに影響し、ユーロ/円、英ポンド/円など米ドル/円以外の主要な対円通貨も約10円の大幅下落となるなど、7月はひと月を通して円全面高となりました。
7月の1万通貨あたり収益ランキング
ユー円高により対円通貨の収益増加。ロ安でユーロ/英ポンドの収益が減少
こちらは自動売買取引によるお客様の収益額※を取引量で割り、1万通貨あたりの収益額をランキング形式に集計したものです。
いままでの収益ランキングはお客様収益の合計額をランキングにしており、取引量が多ければ上位にランクインしやすい集計方法となっていましたが、1万通貨あたりの収益額をランキングにすることで取引量に関係なく収益をあげている通貨ペアを確認できるようになりました。
1位にユーロ/円、3位にカナダドル/円がランクイン。
長期的な円安が続いた対円通貨でしたが、7月の急激な円高が売建玉の決済機会に繋がり収益が増加しました。収益増加が確認できた対円通貨ですが依然としてレンジ戦略を狙うには厳しい一方的な値動きが続いています。7月の値動きを確認すると2位の英ポンド/米ドル、4位のユーロ/英ポンド、5位の豪ドル/米ドルのほうが、レンジ戦略を狙いやすい値動きだったといえます。
※収益額は期間中の収益合計でロスカット執行および手動ロスカットの損失を除く。
7月の移動距離(日足,pips)と高低差
豪ドル/NZドルが米ドル/カナダドルを上回る移動距離で1位にランクイン。
トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことで評価損を抑えながら、利益を積み上げていく運用が期待できます。「ポイント」は当月の「移動距離※」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高いほどレンジ戦略が機能した通貨ペアといえます。
豪ドル/NZドルが移動距離で米ドル/カナダドルを上回り1位にランクイン。豪州のインフレ高止まりからひと月を通して豪ドル高・NZドル安の値動きとなり、ボラティリティが上昇しました。対円通貨はランクインせず、大幅な円高により多くのペアで高低差が1,000pipsを超える結果となり、レンジ戦略に向かない値動きでした。
※移動距離=(高値-始値)+(高値-安値)+(終値-安値)
セレクトパフォーマンス
セレクトの中から直近3カ月で、収益率が最も高いルールを紹介します。実際にどのルールが高い収益を獲得したのか確認しましょう。
ランキングは2024年7月31日時点で提供しているルールが対象となります。
集計期間:2024年5月1日~2024年7月31日
集計時刻は朝6時となります。稼働されていないセレクトは集計から除外しています。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。
※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円
「山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円」が全体1位となりました。こちらのセレクトはストラテジスト山中康司氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。
6月半ばから7月半ばの約1ヵ月間レンジを上放れていますが、その他の期間は売サブレンジ帯とコアレンジ帯で推移しており、3カ月間の高低差は、高値118.862、安値108.372で1,049pipsです。
5月から7月までは円安により評価損が膨らむ耐えの期間が続きましたが、7月11日の米国CPI以降の円高が利益確定の機会となり、収益増加に繋がりました。
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おわりに
7月は日銀の利上げが急激な円高を引き起こし、対円通貨の価格が大幅に下落しました。この下落により売建玉の決済機会が増加したことで一部の対円通貨では収益が増加しました。加えてセレクトパフォーマンスではカナダドル/円のルールが全体1位の収益率となり、対円通貨は収益増加が目立ち好調だったように思えますが、一方的に大きく価格が下落した7月の円相場は、レンジ戦略には向かない値動きでした。移動距離と高低差ランキングでは三大陸通貨がランクインしており、7月のような円急騰相場でも関係なく三大陸通貨は安定したレンジを形成していることが確認できました。円高トレンドに転換したという声も聞こえる円相場ですが、今後も円高が継続するかは定かではなく、日銀の動向に注意を払いながら運用することが重要です。