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2023年12月度【トライオートレポート】

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12月の振り返り

月初、米長期金利が4.3%台で推移するなか、米ドル/円は148円台前半で推移。7日には植田日銀総裁の「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」といった発言が、金融政策への強気姿勢と受け止められたことで、マイナス金利の解除観測が強まり、米ドル/円は1日で147円台から144円台へ約300pipsの大幅下落となりました。13日のFOMCでは、9月から3会合連続の政策金利維持が決定しました。FOMC後にパウエルFRB議長が、利下げ開始時期について協議したと発言したことで、翌14日までに米長期金利は3%台まで低下し、米ドル/円も140円台後半まで下落する結果となりました。

米国と日本の金融政策転換が見込まれ、円高とドル安が進行した12月の為替相場において、トライオートではどの通貨ペアが収益につながったのか振り返りましょう。

12月の収益通貨ペアランキング

円高進行で対円通貨ペアの収益が増加

こちらは自動売買取引によるお客様の収益額を通貨ペア別に合算し、ランキング形式に集計したものです。「収益があがっている」「多くのお客様に選ばれている」通貨ペアほど上位にランクインするため、お客様がどの通貨ペアで収益をあげているのかが一目瞭然です。

4位の米ドル/円、5位のユーロ/円は、レンジ帯へ価格が戻ったことで収益の増加につながりました。それぞれのお客様の収益額は11月比較で約2倍以上に増加しています。ドル円・クロス円はレンジから上方へ外れていた価格が、12月の円高進行によりレンジへ復帰してきており、収益機会の増加が期待できる相場となっています。

12月の自動売買約定件数ランキング

円高進行で3つの対円通貨ペアが上位にランクイン

こちらは12月の自動売買取引の約定件数※を集計したものです。12月はどの通貨ペアが多くのお客様に選ばれ、取引されたのでしょうか?

結果は11月と同様のランキングとなりましたが、米ドル/円とカナダドル/円は、円高進行によりレンジへ価格が戻ったことで、11月と比較して約定件数はそれぞれ約2倍増加しました。下記はコアレンジャー_米ドル/円のチャート画像ですが、12月からは設定レンジ中央の注文数量の多いコアレンジ帯へ価格が戻ったことで取引回数が大きく増加しています。

※約定件数は期間中の新規約定と決済約定の合計。

12月の移動距離(日足,pips)と高低差

豪ドル/NZドルはレンジ戦略に理想的な値動き

トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことで評価損を抑えながら、利益を積み上げていく運用が期待できます。「ポイント」は当月の「移動距離」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高いほどトライオートで理想の通貨ペアといえます。

豪ドル/NZドルとユーロ/英ポンドが上位にランクインしました。豪ドル/NZドルは高低差わずか160pipsのなかで移動距離2,000pipsの理想的な値動きとなりました。ユーロ/英ポンドも1,700pipsの値動きで引けを取らない結果です。この2通貨ペアはレンジから外れる様子も見られず、引き続き高い収益が期待できそうです。対円通貨ではスイスフラン/円が唯一のランクインとなりましたが、高低差が700pipsを超え、2023年夏ごろから最高値更新が続くスイスフラン/円の自動売買の稼働には注意が必要でしょう。高低差が大きいことで設定の注文範囲を広げる必要があるため資金効率は悪くなります。加えて一方方向への値動きはレンジアウトが発生する可能性が高くなり、現状スイスフラン/円の運用はハイリスクといえるでしょう。

セレクトパフォーマンス

セレクトのルールの中から直近3カ月で、収益率が最も高いルール を紹介します。実際にどのルールが高い収益を獲得しているのか確認しましょう。

ランキングは2023年12月31日時点で提供しているルールが対象となります。
集計期間:2023年10月1日~2023年12月31日
集計時刻は朝7時となります。稼働されていないセレクトは集計から除外しています。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。

※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円

「山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円」が2カ月連続で全体1位となりました。こちらのセレクトはストラテジスト山中康司氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。

10月から12月は全期間をコアレンジ帯で推移しており、3カ月間の高低差は、高値110.685円、安値104.294円で639pipsとなりました。

・10月~11月
107円台半ばから110円台半ばの価格をコアレンジ帯で推移したことで着実に収益を積み重ねることができました。

・12月
104円台半ばから109円台半ばの価格推移となりました。10月~11月と比較して円高進行しましたが、コアレンジ帯での推移は続き、日銀のマイナス金利解除観測やFOMCの利下げ協議開始を受け大きなボラティリティが生まれたことで、12月も収益を伸ばす結果となりました。

ロジックの解説記事はこちら
ロジックの解説動画はこちら
山中康司氏のTwitterはこちら

おわりに

12月はFOMCの利下げ協議や、日銀のマイナス金利解除観測など、先行き不透明な金融政策に影響して、大きな円高進行が発生したドル円・クロス円相場でした。

日銀の金融政策転換が意識され始めた現在の為替相場では大きな価格変動に注意が必要となるでしょう。集計結果では、円高によるレンジ回帰で収益増加が確認できたドル円・クロス円の運用ですが、円安局面が終了したと断言できない状況であるため、引き続きリスクの高い運用といえそうです。

一方で豪ドル/NZドルやユーロ/英ポンドは、レンジ相場が継続しており、多くのお客様が安定して収益をあげられたことが確認できました。上記2通貨ペアに加えて、トライオートではレンジ戦略が機能しやすい通貨ペアとして、米ドル/カナダドルとユーロ/ポーランドズロチを新たにリリースしました。地理的に隣接する通貨が組み合わさることで、一方方向への値動きが起きにくく、長期的なレンジ相場が期待できます。集計結果を踏まえ、現在の為替相場ではリスク回避的な戦略として、これらレンジ戦略が機能しやすい通貨ペアの運用がリスクの低い運用といえるでしょう。