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2023年11月度【トライオートレポート】

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11月の振り返り

月初め、米長期金利が4.9%台で推移するなか米ドル/円は151円台半ばで推移。2日未明のFOMCでコンセンサス通りの政策金利据え置きが発表されると、米ドル/円が150円台半ばまで下落するなど、ドル全面安となりました。

パウエルFRB議長は市場に流れる利下げ観測をけん制したものの、FOMC以後、米長期金利の低下は止まらず11月末時点で4.3%台まで低下しています。米長期金利低下により、米ドル/円も月末には148円台前半まで下落したことで、日銀介入の警戒感は弱まりました。円安一服のドル円・クロス円相場でしたが、長引く中東情勢悪化によるスイスフラン高は継続しており、スイスフラン/円は15日に過去最高値となる170.70円を記録しました。

米国に次ぎ英国、豪国、ニュージランドでも金融政策発表が行われましたが、各国中銀は口を揃え利下げ議論は時期尚早でありインフレが長期的な問題であると声明を出したことから、市場の利下げ観測実現は当面の間は厳しいように思われます。

米長期金利低下によりドル安となった11月の為替相場において、トライオートではどの通貨ペアが収益につながったのか振り返りましょう。

11月の収益通貨ペアランキング

豪ドル/NZドルは高収益を維持

こちらは自動売買取引によるお客様の収益額を通貨ペア別に合算し、ランキング形式に集計したものです。「収益があがっている」「多くのお客様に選ばれている」通貨ペアほど上位にランクインするため、お客様がどの通貨ペアで収益をあげているのかが一目瞭然です。

豪ドル/NZドルのボラティリティは11月も低下することなく、お客様の収益額も10月同様の高水準を維持することができ、1位にランクインしました。

豪ドル/円は7月から5か月連続でトップ5以内にランクインしています。7月から10月まで92-97円のレンジ相場でしたが、豪国の政策金利引き上げなどが影響し、11月は96-99円間の値動きとなっています。円安一服のクロス円相場で豪ドル/円は今後もレンジ戦略を維持できるのか注目です。

11月の自動売買約定件数ランキング

米長期金利低下で米ドル/円は取引増加

こちらは11月の自動売買取引の約定件数※を集計したものです。11月はどの通貨ペアが多くのお客様に選ばれ、取引されたのでしょうか?

1位には豪ドル/NZドルがランクインしました。約定件数も10月同様に高い水準を維持しており、レンジ戦略に欠かせない値動きが戻ってきていることを確認できました。

対円通貨では米ドル/円が4位へ上昇。米ドル/円は11月半ばの151円台後半から半月で約5円反落しており、この大幅下落が取引機会の増加につながったと考えられます。この下落は米消費者物価指数でインフレ緩和が確認できたことにより米長期金利が急落したことが発端となっており、現在の相場は長期金利の影響を大きく受けていることも確認できます。
※約定件数は期間中の新規約定と決済約定の合計。

11月の移動距離(日足,pips)と高低差

資源国通貨が上位にランクイン

トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことで評価損を抑えながら、利益を積み上げていく運用が期待できます。「ポイント」は当月の「移動距離」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高いほどトライオートで理想の通貨ペアといえます。

11月は資源国通貨が上位にランクインしました。中東情勢の悪化や原産国の協調減産報道などを受けて原油相場が大きな値動きとなった影響もあり、資源国通貨である豪ドルやカナダドルのボラティリティは上昇したと推測できます。加えて円安の収束により高低差も抑えられ、豪ドル/円とカナダドル/円はレンジ戦略が機能し利益の期待できる通貨ペアだったと言えます。

セレクトパフォーマンス

セレクトのルールの中から直近3カ月で、収益率が最も高いルール を紹介します。実際にどのルールが高い収益を獲得しているのか確認しましょう。

ランキングは2023年11月30日時点で提供しているルールが対象となります。
集計期間:2023年9月1日~2023年11月30日
集計時刻は朝6時となります。稼働されていないセレクトは集計から除外しています。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。

※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。

山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円

「山中康司監修_コアレンジャー_カナダドル/円」が全体1位となりました。こちらのセレクトはストラテジスト山中康司氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。

9月から11月はコアレンジ帯と売サブレンジ帯で推移しており、3カ月間の高低差は、高値111.169円、安値106.692円で447pipsとなりました。

・9月
カナダ長期金利は月初めの約3.6%から9月末には約4.0%まで上昇し、金利上昇に応じて、107.7円から111.1円の月間推移となり、コアレンジ帯から売サブレンジ帯へ上伸したことで売注文を建てることに成功しました。

・10月
3日に発生した円高急伸により価格を107.6円まで下げたことで、9月の売建玉を決済することに成功しました。

・11月
カナダ長期金利は3.9%から3.4%へさらに低下したものの価格は押し下げることなく、コアレンジ帯を上下に推移したことで、買いと売りの両方で利益を上げることができました。

ロジックの解説記事はこちら

ロジックの解説動画はこちら

山中康司氏のTwitterはこちら

おわりに

11月は長期化する中東情勢悪化やOPECプラスの減産合意報道などを受けて原油の値動きが大きくなる相場が続きました。それによってボラティリティが上昇した資源国通貨の取引と収益は増加しました。これまではインフレ率に対する金融緩和政策の動向に注目が集まっていましたが、現在の市場の注目と価格変動材料としての重要性は長期金利へシフトしていると言え、長期金利の動向は11月の米ドル/円の値動きに顕著に表れました。

政策金利差拡大の影響を大きく受けてきたドル円・クロス円ですが、今後は長期金利の動向にも注意を向けつつ運用することが大切となるでしょう。