2023年7月度トライオート【FX月間レポート】
動画で見る
7月の振り返り
日本円が大きく荒れる為替相場となり、目玉となったのは28日の日銀金融政策決定会合と政策金利発表でした。
諸外国が利上げを継続するなか、日銀はマイナス金利政策の継続を発表し、米ドル円は139円台から15分足らずで141円台まで急上昇しました。
しかしその後、YCC修正が発表され、国債の指値オペレーション実施の金利水準が0.5%から1.0%に引き上げられたことにより、141円台から138円台まで急落する大荒れの相場となりました。
同日28日の午前2時(日銀金融政策決定会合前)には、日銀のYCC修正議論の報道のみで米ドル円・クロス円が急落するなど、市場は日銀の政策動向に大きく注目している様子です。日銀は今回もマイナス金利政策の継続を決定したものの、少しずつ金利上昇を容認していく方針に進み始めている印象を受け、今後も日銀の動向に目が離せない相場が続きます。
このように日銀の動きに左右された7月の為替相場でしたが、トライオートではどのような通貨ペアを稼働させることが収益につながったのか振り返りましょう。
7月の収益通貨ペアランキング
米ドル円・クロス円の収益上昇!
(インヴァスト証券作成)
こちらは自動売買取引によるお客様の収益額を通貨ペア別に合算し、ランキング形式に集計したものです。「収益があがっている」「多くのお客様に選ばれている」通貨ペアほど上位にランクインするため、お客様がどの通貨ペアで収益をあげているのかが一目瞭然です。
7月は米ドル円・クロス円の収益が上昇しました。3位から5位の豪ドル/円、米ドル/円、NZドル/円の共通点は、セレクトで提供されているロジック、コアレンジャーのコアレンジ帯など、通貨ペアの主なレンジの中での値動きとなったことです。同じく日銀の政策修正発表などで大きく価格が変動したユーロ/円と英ポンド/円は、コアレンジャーにおいてはひと月を通してコアレンジ帯から外れ、サブレンジ帯で推移していたため、収益は伸び悩みました。
セレクト稼働の際は通貨ペアの特性に加えて、設定されたルールが相場に合っているか確認していただくことも重要となります。
7月の自動売買約定件数ランキング
「豪ドル/円」と「NZドル/円」の取引増加!
(インヴァスト証券作成)
こちらは7月の自動売買取引の件数を集計したものです。7月はどの通貨ペアが多くのお客様に選ばれ、取引されたのでしょうか?
7月の自動売買約定件数ランキングTOP5は、収益通貨ペアランキングTOP5と同じ結果となりました。豪ドル/円とNZドル/円は先月よりランクを上昇させ、収益ランキングでも上位であったことから多くのお客様が収益を獲得できたことが確認できます。
※約定件数は期間中の新規約定と決済約定の合計。
7月の移動距離(日足,pips)と高低差
「ユーロ/豪ドル」が1位!
(インヴァスト証券作成)
トライオートでは、レンジ相場で上下に値動きを繰り返す通貨ペアを選ぶことが重要です。「ポイント」は当月の「移動距離」を「高低差(高値-安値)」で割ったもので、高ポイントであるほどトライオートで理想の通貨ペアといえます。
7月は豪ドル/NZドルを抑え、ユーロ/豪ドルが1位にランクインしました。ユーロ/豪ドルは、高低差368pipsに対し、移動距離6,311pipsの好結果を叩き出しました。セレクトのコアレンジャー_ユーロ/豪ドルを見てみますと、7月はレンジ相場を形成できていることが確認できます。しかし、その価格はサブレンジ帯(売)の上部で価格推移しており、収益には繋がらない状況となっていました。
一方で、突発的な値動きが相次いだ米ドル円・クロス円は他通貨ペアと比較して、移動距離が大きく伸びたことで、豪ドル/円、米ドル/円、NZドル/円の3通貨ペアはお客様収益ランキングで上位の結果となりました。
下のチャートはコアレンジャー_豪ドル/円ですが、ユーロ/豪ドルのようなレンジ相場が形成されなかったものの、このセレクトでは、コアレンジ帯で価格推移したことで高い収益を獲得することができました。ボラティリティの大きさだけではなく、相場の推移とルールが合っていることがいかに重要であるかが確認できる結果となりました。
※移動距離は次の3つの数字の合計になります。
①日足の始値から高値 ②日足の高値から安値 ③日足の安値から終値
セレクトパフォーマンス
全体のセレクトの中から、収益率が高かった2つのトレードルールを紹介します。
ランキングは2023年7月31日時点で提供しているトレードルールが対象となります。
集計期間:2023年5月1日~2023年7月31日
集計時刻は朝6時となります。
順位は収益率の増加順に集計しております。
収益率 =(終了日の損益 – 開始日の損益)÷ 開始日の推奨証拠金
「期間損益」は集計期間におけるセレクトを1セット稼働した場合の「実現損益」と「評価損益」の合計となります。
「推奨証拠金」は、自動売買セレクトを利用する際の目安の金額となります。
※収益率は過去のシミュレーション結果であり、将来の利益を保証するものではありません。
(インヴァスト証券作成)
1位 奥村尚監修_コアレンジャー_ユーロ/英ポンド
こちらはストラテジスト 奥村尚氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したルールになります。
先月2位の「奥村尚監修_コアレンジャー_ユーロ/英ポンド」が全体1位の収益率を獲得しました。
コアレンジ帯の発注数量が1エントリーあたり0.6万通貨と他セレクトと比較して大きいものの、全体のエントリー数が少ないことで、必要証拠金を抑えた運用が可能となっております。
7月はコアレンジ帯0.8595英ポンドで取引を開始しました。高低差195pipsの狭い価格推移に対し移動距離は1,888pipsであったため、他通貨ペアと比較して特別良い値動きではなかったユーロ/英ポンドでしたが、ひと月のほとんどをコアレンジ帯に推移したことで着実に収益を伸ばしました。19日の上昇でも0.866英ポンドに設定された唯一の売サブレンジが見事に機能し、再度コアレンジ帯に回帰し、レンジ相場が継続したことにより、さらに収益を積み重ねることができました。
2位 奥村尚監修_コアレンジャー_米ドル/円
こちらはストラテジスト 奥村尚氏の為替相場予想をもとにインヴァスト証券が作成したトレードルールになります。
1位に引き続き、奥村尚氏監修の「奥村尚監修_コアレンジャー_米ドル/円」が全体2位の収益率を獲得しました。
1年間のチャート画像では7月の値動きの範囲を黄色枠で示していますが、ほとんどの期間をコアレンジ帯で推移していることがわかります。日銀の報道や政策変更の影響により、大荒れとなった米ドル/円でしたが、このようにコアレンジ帯で価格推移することによって、収益を積み重ねることが期待できます。
おわりに
7月は米ドル円とクロス円に大きなボラティリティが生まれた為替相場となりました。
現在も円安水準で推移していますが、徐々に金利上昇へ舵を切り始めた日銀の動きに今後も注目が集まります。大きな値動きが生じやすい状況にあるといえる米ドル円とクロス円で運用される際は、ルールと価格推移が合っているか確認していただくことがより重要となるでしょう。この機会に一度運用しているルールの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
セレクトを稼働する際はそれぞれのルールの特性を理解するだけではなく、口座の資金状況にも気を付けて運用することが大切です。昨年リニューアルされたバランスメーターは、口座の資金状況をひと目で確認することができるツールとなっております。ぜひ有効にご活用ください。
バランスメーターの活用方法(動画)
このレポートではお客様が参考にしたいデータや情報のご意見を募集しております。掲載可能な情報であれば、翌月レポートへの反映を考えております。
トライオート/インヴァスト証券株式会社の公式Twitterアカウントへご意見お待ちしております。