認定ビルダー「為替研究所_米ドル/スイスフラン」について
こんにちは。為替研究所のYukiと申します。今回は認定ビルダー戦略に追加頂いた、米ドル/スイスフランの自動売買戦略について解説したいと思います。
この通貨ペアは元々0.85とか0.87とか安値圏の時に買って、スワップを貰いつつ、上がれば利確という裁量戦略でやっていたのですが、後でも書くように、最近は中長期での安値圏の中でかなり綺麗なレンジを形成しており、しかも買いでスワップが貰えるという、自動売買にも非常に向いていそうな通貨だったので、自動売買戦略を検証したところ、バックテスト検証をしてもガチホより良さそうな自動売買戦略ができたので、今回登録させて頂きました。
この戦略は、自動売買ならではの「利確があることでキャッシュフローが得られる」「レンジで上下している相場で小刻みに稼げる」という楽しみもあるので、興味があればぜひ最後までご一読ください!
米ドル/スイスフランの特徴
この通貨ペアは、米ドルを買って、スイスフランを売るという通貨で、今回私は買い(米ドル買い、スイスフラン売り)のみで設定を作りました。
一般論として自動売買に向いている通貨というのは、
・レンジになりやすい
・スワップがマイナスになりにくい(買いだけならプラスが大きい、売りだけなら売りスワップが大きい)
というものがありますが、ドル/フランについては、直近10年くらいは0.87-1.0をメインとしたレンジ(中心は0.935)が形成されており、今も0.9前後と買いゾーンにあり、しかも買いでスワップが貰えるというように、非常に自動売買をしやすい通貨ペアに見えます。
【ドル/フラン チャート】
【ドル/フラン 長期チャート】
このように、長期で見るともっと高い時代もあったものの、ここ10年以上はレンジ相場が続いており、そして今はスワップが貰える買いレンジという点で、かなり自動売買的に面白い通貨と言えそうです。
ちなみに0.87-1.0というと約15%のレンジで、自動売買の最強通貨である豪ドル/NZドルの1.0-1.15と大体同じくらいの割合で、その点でもこのドル/フランという通貨ペアも自動売買に向いた通貨と言えそうです。
米ドル/スイスフランはガチホと自動売買、どちらが良いか?最適利幅を検証
このように、ドル/フランは自動売買に向いていそうな通貨と言えますが、実際にバックテストをしてみた上で、ガチホとどちらが良いのか、自動売買だとどのくらいの利幅が良いのかを検証してみることにして、具体的には、トライオートFXで0.85-0.915までのレンジで50pips刻みで利幅だけ変えて検証してみました。
トライオートのバックテストだと、スプレッドやスワップ、手数料の影響や、含み損益は自動的に考慮され、今回は特に「スワップの影響」も気になるポイントだったので、トライオートの直近1年間と3年間のバックテストを使用することにしました。
そして、トライオートで利幅を変えながらバックテストをしてみた結果が、以下の通りです。
【実現利益と利益率】
【利益率の利幅別推移】
トライオートだと、利幅をレンジ設定(今回で言うと0.915-0.85の650pips)より狭くできないので、便宜的に「一番広い650pips」をガチホとみなしてやってみましたが、それでも最適点が1年だと140pips、3年だと120pipsというように、ガチホよりも自動売買で運用した方が良さそうというのが分かります。
ちなみに、自動売買の利幅として割と参考にされることの多いATRについては、以下の通りでした。
自動売買の利幅の傾向として「大体ATRくらい、高金利通貨だとATRよりちょっと広めくらいが良く、最適ゾーンより利幅が狭いとドカンと利益率が下がるが、そこから先はあまり大きくは動きづらい」というのが一般的な傾向ですが、今回の結果を見ても、ATR+αの80pipsくらいまでは明確に利益率改善傾向、その後上げ下げもあって、最適点は若干ブレるものの、大きくは違わないという点で、一般的な傾向とも合致するかなと思っています。
また、今回の検証では650pipsを仮想的に「ガチホ」とみなしましたが、実はこれでも利確される時はされてポジションを取り直すという「利益にプラス」になる動きもちゃんとしていることを考えると、実際のガチホは650pipsの結果より悪化する可能性が高く、その点でやはり自動売買の方が成績が良さそうと言えます。
以上がバックテスト結果の分析でした。この分析は、「直近1年と3年の相場でどうなったか」というのを検証したに過ぎず、将来も必ずそうなるというものではありませんが、ただ「直近の傾向としてはこう」という点でかなり参考になるかと思います。
ドル/フラン自動売買戦略、私の設定
私の認定ビルダー戦略は、以下のような設定となっています。
方向性:買い
想定レンジ:0.85-0.915
値幅:50pips(0.005)
利幅:80pips(0.008)
数量と資金:1000通貨辺り50万円(私は1000通貨で50万円運用)
想定最悪レート:0.7
トライオートの場合、0.85-0.915で14本仕掛けたければ、700pipsで14本とする必要があるので、上の入れ方になっています。
まず想定レンジについては、0.87-1.0をメインレンジと想定すると中央値が0.935ですが、直近1年で言うと0.85まで落ちたり、0.925辺りで反落することも多いので、レンジ設定としては、0.925辺りまでと考えて0.85-0.915としました。
【設定レンジ】
※トライオートの仕様上、0.85-0.915で14本設定したければ、0.845-0.915の700pipsを取らないといけないので、上のような画像になっていますが、この設定の入れ方でちゃんと0.85-0.915に50pips刻みで入ります。
これについては、0.94くらいまで付いて行ってもいいかなとはじめは考えたのですが、そこに変えてみても、2021年の相場にはばっちりとハマるものの、長期で見ても正直「このレンジにしてもあんまり変わらないな」となったのと、あとは高値で持つと、下がった時に含み損が大きくなる(=必要資金が多くなる)ことから、私は0.915を上限で設定しました。
【参考0.85-0.94レンジ】
ちなみに売りを入れないのは、長期チャートを見ると上に行き出すとどこまで行くか分からない&売りだとマイナススワップもあるという点から、ハーフアンドハーフにはせず、あえて買いのみで設定しています。
利幅については、上の最適利幅検証では直近1年では120pips、直近3年では140pipsとなりましたが、80pipsより上は「あまり変わらない中で、一回利確されたかされてないかの違いでボコボコしているだけ」という感じなので、それだったら約定が多い方が自動売買らしいと考えて、80pipsとしました。
【再掲:実現利益と利益率】
【利益率の利幅別推移】
実際に、バックテストの損益グラフを見ても、80pipsだとある程度なだらかに右肩上がりなのに対して、120pipsや140pipsだと階段状になっており、「一回約定されたかされなかったか」に左右される要因がかなり大きそうなので、じゃあ80pipsが良いかなと個人的には考えました。
【80pips損益グラフ】
【120pips損益グラフ】
【140pips損益グラフ】
この辺りは正直好みの問題なので、利幅広くしたい方は広めにしていただければと思います。
想定最悪レートとしては史上最安値の0.7で考えて、それで必要資金を計算すると、1000通貨だと50pips刻みの値幅でやって50万円になったので、それで考えています。
これについては、もし仮に下値を0.8(史上最安値までドカンと落ちた時以外の最安値で重要な節目)にすると288,540円になり、30万円以内からでも投資できるようになる(=利益率も倍近く上がる)ので、そうしたい方は資金を25万円とか30万円くらいでやって頂いても大丈夫です。
自動売買の場合、全く利確もなく想定最悪レートまで落ちるということはほとんどなく、その点で必要資金で出ているより多少少なめでも問題ないかとは思うので、色々と工夫してもらえればと思います。
以上が私のドル/フランの自動売買戦略でした。ドル/フランという通貨は、特にフラン側の要因で、世界的なリスクオフが起こった時にはいきなり急落することもありますが、ただスイスもフラン高に対しては割と断固たる措置を取って、その結果急角度で戻すことも多いので、私の設定ではなるべくロスカットは避けながらも、コアのレンジはしっかり取り切るという形で作っております。
上でも書いたように、設定レンジにしろ利幅にしろ資金にしろ、色々なアレンジパターンもありえるので、興味のある方は、私と同じ設定でも、アレンジして頂くでも、ぜひ一緒にやってみましょう!(もちろん投資は自己責任でお願いします)
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