米ドル/シンガポールドル(USD/SGD)とは?通貨バスケット制で安定しやすいレンジ型通貨ペアの魅力を解説
USD/SGDは、アメリカの通貨である米ドル(USD)と、シンガポールの通貨であるシンガポールドル(SGD)の組み合わせで取引を行う通貨ペアです。
USD/SGDは、比較的ボラティリティが低く、一定の範囲で上下を繰り返しやすいところが魅力です。レンジ内の値動きを捉えて継続的な売買を狙う自動売買と相性がよく、安定性を重視して運用する通貨ペアを検討する際の選択肢の一つです。
この記事では、USD/SGDの魅力や特徴、相場変動の要因を解説していきます。USD/SGDの魅力を知っていただき、今後の運用に役立てていただけますと幸いです。
USD/SGDの魅力
USD/SGDの魅力は、ボラティリティが低く、安定性の高いレンジ相場の通貨ペアという点です。
実際にUSD/SGDのチャートを見てみましょう。

※2023/5/2~2026/4/30のUSD/SGDの価格推移を表したグラフ(インヴァスト証券作成)
2023年5月~2026年4月の3年間のチャートを確認すると、1.25~1.40の範囲で上下を繰り返しながら推移していることが分かります。
また、他の通貨ペアに比べると相場が安定しており、ショック相場に強い通貨ペアとされています。
実際にトライオートFXで取り扱っている他のレンジ通貨と、価格変動の度合いを示すボラティリティを比較してみました。

※2020/3/1~2026/6/30の期間の週足から標準偏差を算出(インヴァスト証券作成)
このグラフではコロナ期も含む2020年~2026年の値動きの標準偏差を集計し、それぞれの通貨ペアのボラティリティを比較しています。このように、他のレンジ系の通貨ペアと比べてもボラティリティが低く、ショック相場に強いことが分かります。
そのため、安定性を重視して自動売買を運用していきたい方におすすめの通貨ペアです。
トライオートでは、USD/SGDのレンジ内での値動きを捉える自動売買を用意しています。実際のシミュレーション結果を見てみましょう。

※トライオート取引画面の画像。2025/6/20~2026/6/28のシミュレーションの結果であり、成果を保証するものではありません
2025/6/20~2026/6/28の約1年間を対象にシミュレーションをした結果、収益率は43%となりました。
レンジが安定しているだけでなく、収益率もしっかり狙える設計の自動売買です。
では、このようにレンジを形成するUSD/SGDの特徴や値動きの要因を見てみましょう。
USD/SGDの特徴
USD/SGDはレンジを形成しやすいという特徴がありますが、その理由は、シンガポール金融管理局(MAS)が金融政策を行い、通貨バスケット制という仕組みでSGDの価格を管理しているからです。
SGDの為替は、シンガポール国内の景気動向と、通貨バスケットの対象となる主要通貨によって調整されています。
そのため、主要通貨であるUSDとの組み合わせのUSD/SGDは制御されている通貨ペアと言われています。
通貨バスケット制とは
通貨バスケット制とは、いくつかの主要通貨に自国の為替レートを連動させる仕組みです。
米ドルや円などの一般的なメジャー通貨は流動的なマーケットによって相場が動く「変動相場制」で、香港ドルなどは米ドルの動向のみに連動させる「固定相場制」ですが、SGDは「固定相場制と変動相場制の中間」ともいえるハイブリッド型です。
「変動相場制」の一般的な通貨は政策金利を通じて国内のインフレの調整を行いますが、通貨バスケット制のシンガポールでは政策金利ではなく為替レートを通じてインフレや景気を調整する点が特徴です。
通貨バスケット制ではどのような比率でどの通貨と連動させているかは非公開となっておりますが、基軸通貨であるUSDとの相関性は高いとされています。そのため、USDの相場動向に注目することでUSD/SGDの相場動向の理解に繋がります。
金融政策の方向はシンガポール国内の景気動向を確認
シンガポール国内の景気動向によってMASが取る金融政策の方向が変わるため、シンガポールの消費者物価指数(CPI)や、MASが発表する政策バンドを確認するのもよいでしょう。
シンガポールの政策バンド(Policy Band)とは、MASが管理するS$NEER(シンガポールドル名目実効為替レート)の許容変動範囲のことです。
S$NEERとは、主要貿易相手国の通貨を組み合わせた通貨バスケットに対して評価したSGDの為替指数です。どの通貨をどの割合で組み入れているかは公表されていません。
S$NEERの政策バンドは、MASが原則として年に4回(4月、7月、10月、および1月)定期的に発表する金融政策声明(Monetary Policy Statements)の中で発表されます。
シンガポールが好景気の時は通貨高を強めて、反対に不景気の時は通貨高を弱めるように為替の調整が行われます。
シンガポール経済は他の新興国よりも発展しており、直近20年ほどで安定した成長を続けているため、SGDは通貨としての信頼性もあります。
USD/SGDの相場変動要因
USD/SGDは、USDとSGDの2つの通貨の動きによって相場が変動します。
USDが買われる場合やSGDが売られる場合は相場が上昇し、反対にUSDが売られる場合やSGDが買われる場合は相場が下落します。
USDの相場変動要因
米国の金利が上昇したり、米国経済の景気が拡大したりすると、USDが買われやすくなり、USD/SGDの上昇要因となります。
逆に、米国の金利が下がったり米国経済の景気が悪化したりすると、USD売りの傾向が強まります。
SGDの相場変動要因
シンガポール経済が進展すると、シンガポール金融管理局がインフレ抑制のためにS$NEER政策バンドの傾斜を引き上げ、SGD高となりUSD/SGDの相場が下落傾向となります。
逆に、シンガポール経済が悪化すると、シンガポール金融管理局が国内景気支援のためにS$NEER政策バンドの傾斜を引き下げ、SGD安となりUSD/SGDの相場が上昇傾向となります。
相場変動要因まとめ
基本的には、USD側の政策金利発表や相場動向がメインの要因とされていますが、シンガポール経済からの影響もあります。
また、米ドル/円が主要国通貨同士の通貨ペアであるため、USD/SGDは米ドル/円とも相関があると言われています。そのため、米ドル/円の動向を参考にすることもUSD/SGDの相場動向を追う上で有効です。
経済イベントの最新情報はこちらからご確認ください。
まとめ
USD/SGDは、通貨バスケット制の仕組みなどを背景に、他のレンジ通貨と比べてもボラティリティが低く、一定のレンジ内で推移しやすい通貨ペアです。
そのため、自動売買で安定性を重視した運用を検討する際の選択肢の一つです。
最新の相場状況やシミュレーション結果は、トライオートの取引画面でご確認いただけます。USD/SGDに興味を持った方は、ぜひ取引をご検討ください。
