【だいまん監修_コアレンジャー_豪ドルNZドル】レポート
お客様に大変ご好評いただいております「有名ストラテジスト監修コアレンジャー」ですが、今回2023年3月までの相場を想定したロジックとして2022年7月30日にバージョンアップ!
ストラテジストによる解説動画
こちらのレポートでは有限会社フォレックス・ラジオ代表、だいまんこと文一雄氏の予想する豪ドルNZドル相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「だいまん監修コアレンジャー豪ドルNZドル」と、相場の先行きについて解説致します。
1.概論
1- 1. 設定値
通貨ペア:AUD/NZD
想定期間:2022年7月~2023年3月末
自動売買プログラム設定値
AUD/NZD | ストラテジスト想定値 | 想定レンジ | 利確幅 |
サブレンジ(売り) | 1.170~1.140 | 1.170~1.140 | 60pips |
コアレンジ(売り買い) | 1.140~1.080 | 1.140~1.080 | 25pips |
サブレンジ(買い) | 1.080~1.050 | 1.080~1.050 | 60pips |
1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方
有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、他のコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」というアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し、
①将来の相場予測に基づいたレンジ設定であるという認識をもってください。
②運用通貨ペアがレンジ相場を形成するかどうかについて。
③ストラテジストの相場予測が腑に落ちるかどうかについて。
という点から自動売買プログラムを選出して頂けますと幸いです。
1-3.注意点
ストラテジストによる相場想定は、2022年7月時点のものです。
今後の相場状況等の変化により、想定が変更される可能性がございます。
相場の状況と、解説レポートの内容、及び自動売買ロジックの注文設定をご確認いただき、お客様のご判断のもとで運用をご検討ください。
2.想定レンジ根拠
2-1.ファンダメンタルズ面
ここ数年は、トランプ政権の対中政策の激化による新冷戦への懸念、新型コロナウィルスの世界的な蔓延、加えてロシアのウクライナ侵攻と金融市場に、激震が走る事変が多く発生し、相場の攪乱要因となっていました。
今後も何が起きるか不透明感が続きそうです。そうなるとなかなかファンダメンタルズ面で相場を想定するのは難しくなりそうです。また、ご存知の通り、豪州とNZは、両国ともイギリス連邦の加盟国であって地理的にも近く、豪ドルNZドル相場を見るにあたって、ファンダメンタルズ面での比較は、今後の両国中銀の利上げペースの差を除くと、大きな意味をなさないかもしれません。
ただ、以下のチャートをご覧ください。豪州とNZの10年物国債利回り差と、豪ドルNZドル相場を比較したものです。
御覧の通り2016年頃までは、金利差と豪ドルNZドル相場は、比較的連動していましたが、2017年以降は、全く連動性を見せていません。直近では若干連動性が見えていますが、これは豪中銀の利上げが、NZ中銀の利上げに追いつき始めただけかもしれません。
ファンダメンタルズ面での違いと言えば、豪州は資源国通貨で、NZは資源国通貨ではないということぐらいです。また、現状の豪ドルNZドル相場の軟調な展開が、中国経済の減速懸念や豪州との政治的な軋轢が要因となっていると想定されるぐらいでしょう。
従って、豪ドルNZドル相場の方向性を見るにあたっては、ファンダメンタルズ面よりも、テクニカル面を中心にお話させて頂きたいと思います。
2-2.豪ドルNZドルの長期サイクル
以下は豪ドルNZドル相場の1992年からの長期の月足チャートです。
御覧のように比較的過去は上下に大きく動いていますが、2013年以降は、安値圏での保合が続いています。これが現状の三角保合から今年の3月以降一定の上放れが発生していることに大きく注目してください。
また、過去の動きには一定のサイクルがありますので、それを確認しておきましょう。
まず、高値の動きを見ると①が8年4か月、②が10年6か月となっています。もし、2年多くなるパターンを想定すると、次の高値③が、12年後と仮定すれば2023年となります。そうなると現状の三角保合の動きが、2023年に向けて、大きなトレンドの転換となる可能性があるかもしれません。
一方下値は、過去④の1年11か月、⑤の2年10カ月とダブル・ボトムをつけてその後反発しています。今回は、⑥で4年11か月と長くなっていますが、1.0020と0.9994でダブル・ボトムを形成して、更に1.0282の戻り安値でサポートを形成しています。今後もこのサポートが維持されると強気が蘇るか注目となります。
ただ、それであっても、今後順次戻り高値を越えて行く状況が必要ですが、特に1.1680の戻り高値を越える動きが見えた場合、過去の安値となる1.0500、1.0668、1.0657、1.0430、1.0028、0.9994を平均した値1.03795と高値の1.4228、1.3644、1.3793を平均した1.3888の半値となる「1.2134」が、大きなターゲットなります。この位置は下記チャートに示したように、相場のネック・ラインとなっています。更にこのレベルまで超えると、過去の高値圏となる1.4228、1.3644、1.3793までの上昇期待となります。現状断言はできませんが、前述の高値サイクルが本当に実現するなら、こういった上昇が2023年中に実現する可能性があるかもしれません。
2-3.豪ドルとNZドルの対ドル相場のテクニカル
それでは、豪ドルNZドル相場を形成する豪ドルの対ドル相場のテクニカルをみておきましょう。
豪ドルドル相場は、0.4775の安値からの長期サポートを割り込むも、0.5510を下ヒゲに反発しましたが、これも0.8008で、0.8136の戻り高値やフィボナッチ・リトレースメント50%の0.8297を前に、レジスタンスやファンラインに抑えられて再調整となっています。また現状の位置は、0.5510をリバースH&Sのボトムと仮定したショルダー部分(緑色のレンジ)をも若干割り込んでいます。これが騙しの範囲に留まるなら、総じて0.8136-0.8008の戻り高値とのレンジ形成となる可能性がありますが、未だ下段のスロー・ストキャスティクスが下落を続けていることを考えると0.7284や0.7662の戻り高値が上値を抑え続けると0.6374-0.5982まで下値を試す可能性となりそうです。
従って、豪ドルドル相場の、来年3月末までの想定レンジを、0.6000~0.7200とします。
次にNZドルドル相場の月足です。一時2001年からの長期サポート・ラインを割れて、0.5469の安値まで下落しましたが、下ヒゲとなっています。ただ、この戻りも、大きなダブル・トップを基準としたショルダーやレジスタンス、0.7560の戻り高値を前に0.7465で抑えられて、再調整しています。今後0.66前後から0.7035の戻り高値などがレジスタンスとして上値を抑え続けると相場は弱く、下段のスロー・ストキャスティクスも下落余地が残っており、0.5843-0.5920ゾーンなどまでの調整もありそうです。ただ、この位置は修正したサポートに合致することで、下落が実現しても、一定の下げ止まりを見せるかもしれません。
従って、2023年3月末までのNZドルドル相場の想定レンジを、0.5800~0.6500とします。
また、豪ドルとNZドルの対ドル相場から算出したマトリックスチャートを見てみましょう。
2023年末のまでの想定レンジとして、豪ドルの対ドル相場を0.6000から0.7200、NZドルの対ドル相場を、0.5800から0.6500としました。これを基準とした豪ドルNZドル相場の最大想定レンジは、1.0000から1.2241となります。ただ、これは広すぎるので1.0472から1.1681が現実的なレベルかと見ています。
2-4.豪ドルNZドル相場のテクニカル
それでは、直近の月足からテクニカルをみてみましょう。
2020年の3月の0.9994の安値は、コロナウィルスのリスク回避で、世界的に株価が急落した時の動きですので、オーバー・シュートと見なした三角保合から、現状上方ブレイクが発生していることは大きな注目となります。
また、下値は0.9994の安値と1.0277の戻り安値で、堅調なサポートを形成しています。今後も1.0565-1.0786ゾーンの戻り安値やこのサポートを維持するならスロー・ストキャスティクスもゴールデン・クロスから反転が実現しており、上昇期待が続きそうです。
一方上値は、現状の戻り高値の1.1167が上ヒゲ気味で、直ぐに上昇を加速できるかは不透明です。ただ、超える動きが見えた場合、1.1174、1.1290、1.1436と順次戻り高値を目指す動きとなります。更に上昇が加速するかは不透明ですが、特に1.1680の戻り高値を越えるなら、前述の大きな過去のレンジの半値となる「1.2134までの上昇期待となります。
従って、2023年3月末までの豪ドルNZドル相場の想定レンジを、1.0500から1.1700とします。
2-4.想定レンジ
コア・レンジャーのレンジを想定する上で、豪ドルとNZドルの対ドル相場のマトリックスチャートでは、想定レンジを1.0472から1.1681としました。一方、豪ドルNZドルの短期月足からは、1.0500から1.1700としましたので、総じて整合性が見えるようです。こういった面を考慮したコア・レンジャー戦略のレンジは以下のようになります。
しかしながら、前述の通り豪ドルNZドル相場は、三角保合を上方ブレイクしていることで、テクニカル面からは、今後大きなトレンドの転換の可能性が想定されます。従って今後は押し目買い戦略の有効性が高いと考えています。確かに来年3月末までとなるとファンダメンタルズ面で不透明感が残ること、サイクル面では、想定された通りの動きとなる可能性はあまり高くありませんが、少なくとももし1.1834の戻り高値を越えるような動きがあった場合は、売りのみのサブレンジを1.1400から1.1700としていますが、しっかりとストップ・アウトすることをお勧めします。
<売りのみのサブレンジ>
1.1700~1.1400
<コアレンジ>
1.1400~1.0800
<買いのみのサブレンジ>
1.0800~1.0500