豪ドルの現状と今後【月間レポート 2026年1月】
今月から、セカツウ月報から月間レポートにリニューアルし、お客様の運用にお役立ていただける情報をお届けしていきます。
これから始める方も運用中の方も、自動売買運用の一助としていただければ幸いです。
今月は、足元で値動きが活発になっている豪ドルに注目します。
現在、豪ドルは上昇基調が続いており、特に1月中旬から上昇が顕著となっております。
弊社の「セレクト」で展開している豪ドル関連の通貨ペアに影響が出ておりますので、豪ドル関連の自動売買を稼働されている方はぜひご一読ください。
現在の豪ドルの状況
2月11日のオーストラリア準備銀行副総裁の発言を受けて、豪ドルは対米ドルで2023年2月以来の高値圏となりました。

※インヴァスト証券 トライオート取引画面より画像作成
※AUD/USDの2023~2026年現在のチャート画面
1月中旬から豪ドルは上昇を続けており、1月末から2月頭にかけては上下しましたが、その後現在に至るまで再び上昇基調に戻っています。
豪ドルの相場変動の背景
12/9には、オーストラリア準備銀行は政策金利を予想通り3.60%に据え置き、以前より続いていた金融緩和の流れが止まりました。
インフレを巡るリスクが高まっており、物価圧力の持続性を見極めるためには時間が必要だと言及し、その一方で利上げを急がない姿勢も示唆していました。
また、国内需要が想定を上回る強さを示しており、生産能力への圧力が高まる可能性があると言及しました。この生産能力への圧力が高まると、インフレを押し上げることに繋がります。
1月中旬には、インフレを裏付ける関連のデータを踏まえて市場が利上げ予想に見直しはじめ、同時期に米国側の経済指標の軟化や長期金利の低下があった影響で、豪ドルが上昇方向に舵を切り始めました。
2/3には、オーストラリア準備銀行は政策金利を引き上げて3.85%としました。2年ぶりの利上げで、中銀は経済が予想よりも速いペースで成長しており、インフレ率が当面目標を上回る水準になる見通しと述べました。
中銀は声明で「インフレ加速の一部は一時的な要因によるものと評価されているが、民間需要が予想より急速に伸び、供給能力のひっ迫が以前の評価より大きく、労働市場の状況がややひっ迫していることは明らかだ」として、インフレ率は暫く目標を上回る見通しのため利上げするべきだと言及しました。
豪ドル/カナダドル、豪ドル/NZドルはなぜ高値圏にあるのか
セレクトのレンジ戦略で展開している豪ドル/カナダドル、豪ドル/NZドルについても高値圏に位置しています。

※インヴァスト証券 画像作成
※2023年1月~2026年2月までの政策金利の推移を表しています。2026年2月はNZドル・カナダドル・米ドルの政策金利発表がないため、豪ドルのみ記載しております。
このグラフからも、米ドルよりも低い基準を長らくキープしていた豪ドルの政策金利が、2026年2月に逆転していることが分かります。
この政策金利の推移を踏まえながら、豪ドル/カナダドル、豪ドル/NZドルについても解説していきます。
豪ドル/カナダドルの現状
オーストラリア準備銀行が3.85%へ利上げした一方、カナダ銀行は政策金利を2.25%で据え置いており、豪ドルが有利な金利差となっています。
カナダドルは原油への感応度が高く、これが豪ドル/カナダドルの逆風になる可能性があります。
短期的には地政学要因で原油が70ドル台まで上昇する場面も見られましたが、中期的には、米エネルギー省エネルギー情報局が2026年のブレント平均を56ドル/バレルと予測しています。
・今後上昇する場合(豪ドル高・カナダドル安)の条件
オーストラリア準備銀行が追加利上げ、または高金利維持姿勢を強める
金属・金・農産物を中心にコモディティが底堅い
原油が中期的に伸び悩む
・今後下落する場合(豪ドル安・カナダドル高)の条件
原油が地政学要因で持続的に上振れ
豪州需要が減速し、オーストラリア準備銀行がタカ派姿勢を後退
豪ドル/NZドルの現状
豪州ではインフレ再加速と需要の強さを背景にオーストラリア準備銀行が利上げに動いた一方、 NZではインフレ沈静化と需給の緩みを受け、ニュージーランド準備銀行が利下げ局面にあります。
ニュージーランド準備銀行は2025年11月に政策金利を2.25%へ引き下げ、インフレは2026年半ばに2%近辺まで低下していくとの見通しを示しています。
この結果、政策金利差は概ね +1.60%豪ドル優位となっており、これが豪ドル/NZドルが高値圏にある背景です。
・今後上昇する場合(豪ドル高・NZドル安)の条件
豪州のインフレが続き、オーストラリア準備銀行がタカ派を維持
ニュージーランドの景気回復が鈍く、ニュージーランド準備銀行がハト派を継続
・今後下落する場合(豪ドル安・NZドル高)の条件
ニュージーランドの景気が想定以上に回復し、ニュージーランド準備銀行が利下げ停止やタカ派へ転換
豪州の住宅・消費が減速し、オーストラリア準備銀行が「今回で打ち止め」色を強める
自動売買運用の観点での考え方
今回の豪ドルの相場変動のように、特定の通貨の影響で大きい動きがあった時に自動売買をどのように運用していければよいか、いくつか方法を説明します。
ポートフォリオ運用をする
特定の銘柄で評価損を抱えることになったとしても、他の銘柄の収益を組み合わせることで、口座全体の評価損を軽減する運用手法です。
ポートフォリオ運用については以下の記事で解説しています。
ポートフォリオ運用~分散投資で安定した収益を目指す~ | トライオートブログ|インヴァスト証券
例えば今回のように豪ドルの動きが激しいのであれば、豪ドル/カナダドルと豪ドル/NZドルでの組み合わせにしてしまうと、二重で評価損を抱えてしまうことになります。
同じ影響を受けてしまうような組み合わせにするのではなく、影響の薄い銘柄で組み合わせるようにしましょう。
現在の豪ドル/カナダドルだと今は売りレンジに相場があるため、売り建玉を抱えている方が多いかと思います。売り建玉はマイナススワップですので、建玉を持ち続けているとマイナススワップが溜まってしまいます。
しかし相場の状況的に今建玉を決済するのではなく、相場が回復して評価損が小さくなってから決済したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
その場合、プラススワップが見込まれる高金利通貨ペア(スワップ戦略のメキシコペソ/円、南アフリカランド/円)の自動売買を組み合わせることで、売り建玉に伴うスワップコストを相対的に抑える運用手法もあります。
レンジアウトをしている場合
レンジアウトをしている場合は、自動売買の新規注文が約定されない状態になっています。
しかし自動売買の稼働は続いているため、未約定の注文のために発注証拠金という担保を確保されている状態になっています。
ですので、該当の自動売買を一度稼働停止して、レンジ内に戻ってきたら再稼働をしたり、あるいは他の銘柄の自動売買を新しく稼働したりすることで、資金運用を有効的に行えます。
レンジアウトした場合の対処法については、詳しくは下記をご覧ください。
レンジアウト時の対処方法 | トライオートブログ|インヴァスト証券
トレンド戦略を使用する
トライオートでは上昇トレンド、下降トレンドのそれぞれに特化した自動売買「トレンド戦略」があります。
豪ドルのように上昇基調が続くトレンド相場における日々の細かい値動を捉え、短期的に収益を狙うことができる設計です。
トレンド戦略については、下記をご覧ください。
自動売買セレクトに新たな戦略「トレンド戦略」が登場!
今後の注目イベント
現在は上昇基調を継続している豪ドルですが、今後のオーストラリア準備銀行の動きによっては相場が変動する可能性があります。
豪ドルでの下記重要イベントを確認して、相場の状況を注視していきましょう。
政策金利発表など重要イベントの直後はボラティリティが高くなる場合がありますので、証拠金に余裕を持った運用を心がけましょう。
2/17 豪準備銀行、金融政策会合議事要旨公表
2/25 1月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
3/4 10-12月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比)
3/17 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
3/25 2月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
まとめ
今月の月間レポートはいかがでしたでしょうか。
足元の豪ドルは、インフレ再加速とオーストラリア準備銀行のタカ派姿勢への転換を背景に、対米ドルだけでなく豪ドル/カナダドル、豪ドル/NZドルといったクロス通貨でも高値圏で推移しています。
特に豪ドル/NZドルは政策金利差の拡大、豪ドル/カナダドルは金利差と資源構造の違いが相場を押し上げる要因となっています。
一方で、高値圏にあるからこそ、今後の金融政策や資源価格の動向次第では調整局面に入る可能性も十分にありますので、相場環境の変化にはこれまで以上に注意が必要です。
自動売買運用においては、
・通貨ペアを分散させたポートフォリオ運用
・レンジアウト時の柔軟な対応
・トレンド相場に適した戦略の活用
といった工夫により、相場変動をリスクではなく“機会”へと変えていくことが重要です。
今後もオーストラリア準備銀行の金融政策、インフレ指標、GDPなどの重要イベントを確認しながら、資金管理に余裕を持った運用を心がけましょう。
月間レポートでは、引き続き相場動向と自動売買運用に役立つ情報を引き続き発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
皆さまの資産運用の一助となれば幸いです。
