有効比率って何?自動売買の稼働後のチェックポイント

はじめに
「自動売買=何もしなくていい」と運用状況の確認を行なわずにいると、思わぬリスクに気づかないまま運用を続けてしまう恐れがあります。特に注意したいのが、「有効比率の低下」です。有効比率は、口座内の資金状況を示す重要な指標で、低下するとロスカットの可能性が高まり、運用が終了してしまうリスクがあります。
本記事では、自動売買を稼働させた“その後”に注目し、稼働後に意識しておきたい有効比率のチェックポイントについての考え方を具体的に解説していきます。
有効比率とは
有効比率とは
「有効比率」とは、証拠金維持率とも呼ばれ、建玉を維持するために必要な資金がどれだけあるか、その余力を示す数値です。有効比率が高いほど、口座の資金に余裕がある=安全な状態といえます。
有効比率が下がり、100%になるとロスカットが自動的に執行され、評価損の損失が確定し、稼働中の自動売買は停止します。そのため、自動売買の運用ではまず有効比率を確認し、口座を適切な状態に保ちましょう。
※ロスカットや評価損損益に関する基礎知識は、以下の記事も参考にしてください。
【共通】ロスカットとはなんですか? – インヴァストNAVI
評価損益って何?自動売買においての考え方 | トライオートブログ|インヴァスト証券
有効比率の計算式
有効比率の求める計算式は以下の通りです。
有効比率(%)= 有効証拠金 ÷必要証拠金× 100
有効証拠金…評価損益を含めた口座の純資産(時価ベース)
必要証拠金…現在保有している建玉の維持に必要な証拠金

有効比率が下がる要因
有効比率が下がる原因はなんでしょうか?
有効比率が低下する背景には、大きく分けて2つの原因があります。
1つ目は、相場変動によって評価損が発生し、有効証拠金が減少することです。
評価損が増えると有効証拠金が減り、それに伴って有効比率も低下します。
2つ目は、保有する建玉が増加することで、必要証拠金や発注証拠金が膨らむケースです。取引を拡大すればするほど、口座に必要となる証拠金も増えるため、相対的に有効比率は下がってしまいます。
このように、有効比率は「有効証拠金の減少」または「必要証拠金の増加」によって低下する仕組みとなっています。
有効比率は何%が適切必要なのか
トライオートで実際に運用を行うお客様の有効比率を見てみると、約8割のお客さまは300%以上となっており、さらにその半数以上は500%以上となっています(※)。相場の急変時にも慌てず、自動売買を安定して稼働させるには、一定の余裕資金を確保しておくことが重要です。
資金に余裕がない状態で運用を続けてしまうと、相場が大きく動いた際にロスカットに直面する可能性が高まります。
こうしたリスクを避けるためにも、他のお客さまの運用傾向を参考にしながら、まずは「有効比率300%」以上を保つことを目安にしましょう。

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有効比率が下がったときの対処法は?
有効比率の低下には早い段階での対応が重要です。有効比率を回復するために必要な2つの方法をご紹介いたします。
まずひとつは、①口座に追加で資金を入金する方法です。資金が追加されることで有効証拠金が増え、有効比率が回復します。ポジションを維持したまま対処できるメリットがありますが、相場の流れが変わらない場合は、再びリスクが高まる可能性もあるため注意が必要です。
もうひとつは、②保有している建玉の一部を手動で決済する方法です。ポジションを減らすことで必要証拠金が下がり、有効比率が回復改善します。評価益のあるポジションを決済すれば、有効証拠金の増加も見込めるため、より効果的です。
いずれの方法でも有効比率は回復しますが、対応方法はお客さまの資金状況や運用方針に応じて判断してください。
なお、入金方法については以下の記事でご案内しておりますのでご参照ください。
【共通】入金方法を教えてください。 | トライオートブログ|インヴァスト証券
まとめ
自動売買の稼働後は有効比率の確認が非常に重要です。有効比率は口座の資金にどれだけ余裕があるかを示す指標であり、ロスカットを回避し自動売買の運用を継続するために最も基本的なチェックポイントの一つです。とくに相場が大きく動いているときや、ポジションを多く保有している場合は、有効比率が急激に低下することもあるため、こまめに確認するようにしましょう。ご自身のスタイルに合わせて、有効比率を意識した無理のない資金管理を心がけていただければ幸いです。
よくあるご質問(あわせてご参照ください)
【共通】ロスカット前に連絡はありますか? | トライオートブログ|インヴァスト証券
【トライオートFX】ロスカットまでの計算方法を教えてください。 | トライオートブログ|インヴァスト証券