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【志摩力男監修_コアレンジャー_スイスフラン円】レポート

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お客様に大変ご好評いただいております「有名ストラテジスト監修コアレンジャー」ですが、今回2023年3月までの相場を想定したロジックとして2022年7月30日にバージョンアップ!

ストラテジストによる解説動画

こちらのレポートではファンドマネージャー等を経て、現役のトレーダーでもある志摩力男氏の予想するスイスフラン/円相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「志摩力男監修コアレンジャースイスフラン/円」と、相場の先行きについて解説致します。

1.概論

1- 1. 設定値

通貨ペア:CHF/JPY
想定期間:2022年7月~2023年3月末

自動売買プログラム設定値

※ストラテジスト想定レンジの±100pipsの範囲にてレンジ幅設定

CHF/JPYストラテジスト想定値想定レンジ利確幅
サブレンジ(売り)180.00~165.00164.25~156.15135pips
コアレンジ(売り買い)165.00~120.00156.15~128.8565pips
サブレンジ(買い)120.00~105.00128.85~120.75135pips
出所:トライオートFXのツール画面よりインヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、他のコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」というアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し、


①将来の相場予測に基づいたレンジ設定であるという認識をもってください。
②運用通貨ペアがレンジ相場を形成するかどうかについて。
③ストラテジストの相場予測が腑に落ちるかどうかについて。

という点から自動売買プログラムを選出して頂けますと幸いです。

1-3.注意点

ストラテジストによる相場想定は、2022年7月時点のものです。
今後の相場状況等の変化により、想定が変更される可能性がございます。
相場の状況と、解説レポートの内容、及び自動売買ロジックの注文設定をご確認いただき、お客様のご判断のもとで運用をご検討ください。

2.想定レンジ根拠

2-1.スイスフラン円の急騰の理由

この半年程でスイスフラン円は急騰しました。

一つの理由は、日本銀行による超金融緩和政策によるもの。ウクライナにおける戦争の後に、ドル円が急騰し、スイスフラン円も当然ながら同様に上昇しました。

もう一つの理由は、スイス中銀が超金融緩和政策を放棄したからです。ジョーダン・スイス中銀は6月16日の政策決定会合において、「スイスフランはもう割高ではない」と断じ、これまでユーロスイス市場で1.00が割れないようにスイスフラン売り介入していたのですが、これを取りやめました。状況次第では、今度はスイスフラン買い介入まですると言っています。

スイスの政策金利は、6月16日会合で0.5%利上げして-0.25%まで上昇しましたが、年4回ある会合において、今後も0.5%ずつ利上げして行くものと想定されています。+0.5%を6回と、+0.25%を1回利上げし、最終的にスイスの金利は1.5%にまで引き上げられるでしょう。

2-2.円とスイスフランの類似/相違

これまで、為替市場では「円」と「スイスフラン」は、いわゆる「リスクオフ」通貨とされ、市場の状況が良くない時に資金が流入する通貨とされてきました。しかし、円は完全にリスクオフ通貨としての地位を失いました。ウクライナにおける戦争が起こっても、円高となりませんでした。

むしろ、世界中が利上げに転じても、日本においてインフレ率が上昇すると容易に見込まれても、黒田日銀総裁は頑なに金融政策の変更を否定し続けています。

この「長短金利操作付き、量的質的緩和」をどこまで続けるのか? 黒田日銀総裁は、おそらく、自らの人気いっぱい続けるのでしょう。そうなると、円安がどこまで行くのか不安になります。

スイスと日本の決定的な違いは、産業の競争力、そして累積政府債務の金額です。日本は累積債務が多いので、金利上昇が将来の債務拡大に繋がります。よって、取り得ない選択肢となっています。

今後も、スイスフラン円の上昇が続くものと考えます。ドルスイスが0.90、ドル円が150円といったレベルを考えると、166.66円となります。これまでスイスフラン円は1979年12月に158円前後を示現し、2015年の「スイスショック」時にも(おそらく)158円近辺まで上昇していますが、黒田総裁が現状の政策を続けるとなると、166円も不思議ではないと言うことです。

2-3.スイスフラン円の設定値について

今回は、コアレンジを120円-165円と想定しています。165円を超えるとオーバーシュートで180円を示現することもあるかも知れません。

相当広いとお感じになるかも知れませんが、日銀が現状のYCC(イールドカーブ・コントロール)政策を続けるとなると、どこまで円安が進むかわかりません。また、YCC政策を修正したとしても、その時にJGB(国債)市場における激震がどう作用するか考えると、果たして180円で十分なのかという思いもあります。

できれば、このスイスフラン円という通貨ペアは、レンジ取引と言うよりは、ただただスイスロングを持ち続けた方が良いのではないかと思っております。

昨年、この企画のお話を頂いたときも、同様のことを言いました。その時、スイスフラン円の変動率はあまり高くありませんでしたが、できればロング回転で行ってほしいと書きました。

スイスは世界で最もファンダメンタルズが良好な国の一つです。そして、日銀の超金融緩和政策にも限界が見え始めていました。今年に入ってからスイスフラン円上昇は目覚ましいですが、既にこの様になることは見えていました。

あまりにもスイスフランが上昇したので、反落する局面はあるはず。。。と考えられる方も多いと思います。もちろん、その可能性を否定するものではありませんが、YCCと言う異様な政策を取っている以上、そのすべての歪みは円に反映され、日本の置かれたリスクを考えると、現時点では過度に円高方向のリスクを期待すべきではないのではないかと思っております。