世界通貨セレクト月間レポート(2025年6月)

世界通貨セレクト月間レポートでは、世界通貨セレクト7通貨ペアの成績や相場の振り返り、運用に役立つ情報を毎月お届けしています。
これから始める方も、すでに運用中の方も、ぜひ戦略の理解や通貨選びの参考に今月のレポートをご活用ください。
収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトに採用されている7通貨ペアについて、2025年6月1日~30日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキング形式でまとめたものです。
上位の通貨ペアほど、良い成績を示しています。
5月に引き続き6月もNZドル/カナダドルが首位を獲得しました。
カナダドルは6月4日のカナダ中央銀行の政策発表を受け、小幅に上昇しました。
この影響でNZドル/カナダドルは下落傾向となりましたが、その後の全体の値動きは限定的に。
結果として、狭いレンジ内での取引が続き、着実に利益を積み重ねる展開となりました。
ノルウェー/スウェーデンも5月と同位の2位。
両国の中央銀行が6月19日に政策金利をそれぞれ0.25%ずつ引き下げ、レンジ回帰しやすい相場環境となり、レンジ内での売買が活発に機能しました。
3位は前回から大きく順位を上げた豪ドル/カナダドル。
6月後半のカナダドルは、原油価格の下落や一部経済指標の弱さなどを背景に、主要通貨に対して売られる場面が見られました。
一方で、原油需給は堅調に推移。
こうした材料を受けて豪ドル/カナダドル相場は上下動を繰り返し、自動売買の取引が頻繁に発生しました。
順位は月ごとに変動し、高順位の月もあれば低迷する月もあるため、複数の通貨ペアを組み合わせて運用することで、バランスの取れた成果が期待できます。
次にどの通貨セレクトを選ぶか迷っている方は、ぜひ「収益順位」を参考にしてください。
レンジ内推移

※上図は、2024年7月~2025年6月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています
※通貨ペア名の右に記載されているパーセンテージは、2025年6月時点の数値です。
「レンジ内推移」は世界通貨セレクトのレンジ帯における、各通貨ペアの現在地を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。
レンジの中央(50%)に近いほど短期的にレンジアウトの可能性は低く、下限や上限(0%や100%)に近いほど注意が必要となってきます。
5月に引き続き、多くの通貨ペアで前月からの立ち位置に大きな変化は見られない中、特にNZドル/カナダドル、豪ドル/NZドルはレンジの中央付近で安定した値動きを見せました。また一カ月で150Pipsほどの上昇となったユーロ/英ポンドはレンジの中心に回帰する動きとなりました。
一方、米ドル/スイスフランは世界的なリスク回避の高まり、また米国とスイスの金融政策を巡る思惑からレンジ内で下落が続き、月末現在は約0.79付近に位置しています。今後の相場の変動には引き続き目を配ることが重要です。
また、ノルウェー/スウェーデンは前月に0.95台を回復したあとも上昇を続け、中東情勢の高まりを背景に一時0.97近くまで上昇しました。
その後、事態の鎮静化とともに再び0.94付近まで下落し、現在はやや落ち着いた値動きとなっています。
注目の通貨ペア ― 「ユーロ/英ポンド」
2025年6月のユーロ/英ポンドは、月の中頃にかけては堅調に上昇しましたが、月末にかけては方向感に欠ける展開が続きました。
現在の水準は、直近のレンジのほぼ中央に位置しており、次の動きが注目されます。
今年、段階的に中央銀行が政策金利の引き下げを行って来たユーロとポンドですが、直近ではECB(欧州中央銀行)関係者からさらなる利下げに対して慎重な発言が相次ぐ一方、BOE(イングランド銀行)総裁は追加利下げを示唆するなど、両者のスタンスに違いが見られてきています。
隣り合う両国は政策金利の連動性が高いことがレンジ相場形成の一因となっていますが、このような短期的なスタンスの違いは相場に変動をもたらし、収益の機会に繋がるという利点もあります。
次回の政策金利発表は、ECBが今月24日、BOEが来月7日に予定されていますが、それまでの要人発言等に引き続き注目したいです。
世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を発信してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。