2025年4月度【トライオートレポート】

このレポートでは、FXのレンジ戦略向きの通貨ペア—豪ドル/NZドル、ユーロ/英ポンド、米ドル/カナダドル、ノルウェー/スウェーデン、豪ドル/カナダドル、NZドル/カナダドルおよび米ドル/スイスフランを加えた、計7つにフォーカスしたお客様の実際の取引成績と運用に役立つ相場状況などをお伝えします。
収益推移

※ロスカット取引を除く取引から集計。
[レンジ戦略向き通貨ペアの※収益を確認]
7通貨ペアのお客様の実際の損益をランキング形式で表したものです。ランキングが高いほどお客様が高い収益をあげたと言えます。
4月はトランプ米大統領の動向に世界中が振り回される月となりましたが、レンジ戦略のトライオートには理想的な相場となりました。
トランプ米大統領の発言によって市場が乱高下した結果、レンジ内で価格が上下することで収益を積み重ねるトライオートでは、多くの通貨ペアで高い成績を上げることができました。
一方米ドル/スイスフランは、米国発のリスク回避相場の影響を受け、スイスフランが「安全資産」とされる通貨であることから下落傾向となり、大きな反発も見られなかったため、収益は低調に終わりました。
レンジ内推移

各通貨ペアのレートの、レンジにおける現在地を示したものです。米ドル/カナダドルは4月で1.44から1.37まで下落し、2024年11月の大統領選挙前の水準のレンジ中央まで価格を戻しました。
また、米ドル/スイスフランは世界的なリスク回避によりスイスフランが買われ、月末にはレンジ内に戻ったものの、一時的に想定レンジをレンジアウトしました。
※セレクトハーフロジックの注文レンジを基準に集計。米ドル/スイスフラン[1.02-0.824]、米ドル/カナダドル[1.5-1.255]、ユーロ/英ポンド[0.9-0.784]、豪ドル/NZドル[1.15-1.042]、豪ドル/カナダドル[1.05-0.795]、NZドル/カナダドル[0.995-0.663]、ノルウェー/スウェーデン[1.2-0.8535]
4月の振り返り
変動が大きかった4月を振り返ります。
トランプ米大統領は2日、導入を予定していた相互関税の詳細を発表しました。一方、中国は報復措置を取ると発表したことで、貿易摩擦により世界経済が悪化すると懸念され、株安・ドル安・米国債安のトリプル安となる『トランプ関税ショック』が起こりました。
日銀関係者はトランプ関税ショックについて、「政策を起点とした類例のないショックなので、過去の変動に基づいて定量的インパクトを読むのが難しい」と述べました。
これは『リーマンショック』や『コロナショック』とは性質が異なる新しいタイプのショックであると報じられています。
その後トランプ米大統領は「報復措置を取っていない国・地域は引き上げを90日間停止する」と発言した上で、中国への関税は最大145%の導入を発表しました。
他にもトランプ米大統領は、SNSで「パウエルFRB議長を解任すべき」と投稿後、「解任するつもりはない」と発言するなど、二転三転する場面が多く見られ、そのたびに様々な金融商品の価格が動く難易度の高い相場になりました。
そんな中、トライオートでは短期的な価格の上下が追い風となり、多くの通貨ペアが収益を伸ばしました。
例としてNZドル/カナダドルを見ていきましょう。
4月はじめにトランプ米大統領の発言で300pipsほど下落し、買い建玉(画像ピンク線)を保有。その後トランプ米大統領の「一部関税引き上げを停止する」との発言や、「FRBは利下げすべき」とのFRBへの介入を示唆した発言をしたことで米国に対し敬遠ムードが高まり、貿易の結びつきが強いカナダドルの下落要因となりました。
NZドル/カナダドル日足 下落後

結果としてNZドル/カナダドルは4月上旬に下落した分を戻し、決済を積み重ねることができました。
このように、4月を振り返るとトランプ米大統領を起点に変動が多い月でしたが、トライオートは収益の機会が多くなりました。
5月注目の通貨ペア「ノルウェー/スウェーデン」
ノルウェー/スウェーデンは想定レンジで推移しているものの、下落傾向が続いています。
ノルウェー/スウェーデンの価格の変動要因は主に原油価格と両国の政策金利差とされており、現在価格を下げている要因は以下の点とされています。
・スウェーデンの金利は現行の水準で維持との声明
・石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の増産
・米中貿易摩擦によるリスク回避の動き
5月は上記の下落要因に関する動向に注目しましょう。
スウェーデン中央銀行は3月の会合で政策金利を維持する方針を示唆しています。5月の会合で同様の方針を示した場合、ノルウェー/スウェーデンには下落圧力が加わります。
5月13日から16日までトランプ米大統領はOPECを主導するサウジアラビアをはじめ、中東諸国を訪問します。トランプ米大統領は1月のダボス会議で原油価格の引き下げを要求しており、OPECプラスは2月の声明では「減産の計画を維持する」と発表したものの、反転し減産を解除。
結果的に原油は下落傾向にあります。
中東訪問によりOPECプラスの方針に進展があった場合、原油と密接な関係にあるノルウェー/スウェーデンは変動する可能性があります。
米中貿易摩擦に関しては、トランプ米大統領は中国への145%追加関税に対し「そんな高さにならないし、ゼロにもならない」と述べ、引き下げも視野に入れていることを示唆しました。米中の摩擦が解消した場合、世界経済が改善され、結果として原油が上昇し、ノルウェー/スウェーデンが上昇する可能性があります。
このように、ノルウェー/スウェーデンは現在様々な要因によって下落傾向にありますが、二転三転するトランプ相場では反転する可能性もあります。5月はトランプ米大統領の中東訪問など重要なイベントが控えている為注目です。
引き続きトライオートの月間レポートでは、レンジ戦略向きの7通貨ペアを中心に自動売買の運用に役立つ情報を発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。