世界通貨セレクト月間レポート(2025年12月)
2025年12月は、政策金利などの影響を受け、世界通貨セレクトの一部通貨ペアで値動きが目立ちました。一方で、経済指標発表における大きなサプライズは少なく、全体として落ち着いた値動きとなった1か月間でした。
本レポートでは、月間の世界通貨セレクトの成績を振り返り、今後の運用判断に役立てていただける情報をお届けします。これから始める方も運用中の方も、自動売買選びの一助としていただければ幸いです。
収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年12月1日~31日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキングとしてまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。
12月の首位となったのは米ドル/カナダドルです。
先月までは上昇基調で推移していましたが、12月に入ってからは下旬にかけて下落基調となり、月末にかけてやや持ち直す展開となりました。下落局面により、売り建玉が決済されたため収益を伸ばし、首位となりました。このようなトレンドが発生した局面は、レンジ内で段階的に建てられていたポジションが順次決済されやすいため、レンジ型自動売買にとって収益を伸ばしやすい環境です。
2位となったのは豪ドル/カナダドルです。
月前半は先月からの流れを引き継ぎ、比較的堅調に推移していましたが、中旬にかけて下落しました。その後は下げ止まり、月後半は方向感に乏しい展開となりました。短期的な上下動により取引が活発になったため収益機会を増やし、2位となりました。
3位となったのは、NZドル/カナダドルです。
細かな上下動を繰り返しながら、12月全体を通して緩やかな下落基調で推移しました。価格は買いレンジの範囲内で推移していたため、緩やかな値動きの中で約定した新規注文がその後の上昇局面で決済され、収益を伸ばして3位となりました。
カナダでは、月初に発表された新規雇用者数が市場予想の0.5万人減少に反して5.4万人増加となり、失業率も市場予想を上回る結果となりました。このため、市場ではカナダ景気は急激に悪化しないとの見方が広がり、カナダドルに買い圧力が加わりました。さらに、カナダ中銀は12月会合で政策金利を据え置きとし、声明でも利下げに慎重な姿勢を示しました。
米ドル/カナダドルは2025年6月以降、米国が利下げに慎重な姿勢を維持していたことを背景に、1.35半ばから1.41前半まで上昇し、売り建玉を保有する局面が続きました。しかし、12月に入り1.36台半ばまで下落したことで、決済が続く展開となりました。
レンジ内推移

※上図は、2024年12月~2025年12月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています。
「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。
米ドル/カナダドルは10日のカナダ銀行(BOC)の政策金利据え置きの発表と、同じく10日のFRBの政策金利発表で0.25%の利下げ発表の影響により、12月を通して下落基調となりました。
また、ユーロ/英ポンドは、18日に欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表とイングランド銀行(BOE)の政策金利発表が行われました。ECBが景気下支えを意識した緩和的な姿勢を示した一方、BOEはインフレ抑制を重視し、引き続き慎重かつ引き締め寄りのスタンスを維持する姿勢を示したことから、両者の金融政策スタンスの違いが意識されました。これを受けてユーロ売り・英ポンド買いの動きが強まり、月後半は下落基調となりました。
今回のように政策金利発表をきっかけに方向感が生じた場合でも、相場が設定レンジ内にとどまっている限り、取引機会の増加につながりやすい点が世界通貨セレクトの特徴です。
豪ドル/NZドルは、月中旬までは設定レンジ内の上限付近で相場がもみ合っていましたが、ニュージーランド準備銀行が15日に政策金利を暫く現行水準にとどめる可能性が高いと示したことを受け、再び上昇基調に転じました。
現在豪ドル/NZドルは設定レンジから相場が外れ、レンジアウトとなっています。豪ドル/NZドルを稼働中の方は、今後の運用判断の一助に、こちらの記事もあわせてご覧ください。
レンジアウト時の対処方法 | トライオートブログ|インヴァスト証券
注目の通貨ペア-「米ドル/カナダドル」
2025年12月の米ドル/カナダドル相場は、BOCの政策金利据え置きの発表を背景に11月下旬より続いていた下落基調が一服し、やや持ち直す動きとなりました。
BOCは、「現在の政策金利が経済を支えつつインフレ率を2%近くに抑えるのにほぼ適切な水準にあるとみている」と述べている一方、FRBもまた、労働市場と物価情勢を見極めるため利下げを一時停止する可能性を示唆しています。
1月には、カナダでは28日に政策金利発表があり、米国でも同日にFRB政策金利発表があります。
これらのイベントの影響で値動きが発生し、取引機会の増加が期待できます。両国ともにどのような金融政策スタンスを示すかに注目です。
現在、価格はレンジの中央やや上付近で上昇しつつ、過去半年にかけて比較的緩やかな値動きが続いています。
「米ドル/カナダドル」で落ち着いた運用をしながら収益機会を狙うのには、引き続き良いタイミングと言えるでしょう。ただし、1月の両国の政策金利発表直後は一時的なボラリティの上昇に注意が必要です。レンジ上限・下限への接近度合いを確認しながら運用状況を見守ることが重要です。
今後も主要国の金融政策イベントを意識しつつ、相場がレンジ内で推移しているかどうかを確認することが、安定した運用を続けるためのポイントとなります。
世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を引き続き発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
