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世界通貨セレクト月間レポート(2025年10月)

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2025年10月は、世界通貨セレクトの多くの通貨ペアで落ち着いた値動きとなりました。一方で、政策金利などの影響を受け、一部の通貨ペアでは比較的活発な動きも見られました。

本レポートでは、世界通貨セレクトの成績と振り返りを行い、今後の運用判断に役立つ情報をお届けします。これから始める方も運用中の方も、自動売買選びの一助としていただければ幸いです。

収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年10月1日~31日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキングとしてまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。

10月の首位となったのはNZドル/カナダドルです。
前半は上昇しましたが、中旬以降は緩やかに下落しました。短期的な上下動が多く発生したことで取引が活発となり、収益を伸ばし首位となりました。

2位となったのは豪ドル/カナダドルです。
前半に下落しましたが、その後は上下動を繰り返し、月後半にかけて再び上昇しました。このような動きにより取引が活発になり、収益機会が増えたことで2位となりました。

3位となったのは、米ドル/スイスフランです。
前半で緩やかに上昇しましたが、中旬にかけて下落し、月末には再び緩やかな上昇基調となりました。下降局面で約定した新規注文が、後半の上昇で決済され、収益を伸ばして3位となりました。

ディーリング部 宮野智丹
ディーリング部 宮野智丹
カナダは雇用統計が市場予想を上回る結果となり、加えてCPIも堅調に推移しました。 主要輸出品である原油は、月初に米金利の高止まりやOPECプラスの増産観測を受けて下落しましたが、その後、米国がロシアの石油大手2社に制裁を科したことで反転し上昇。CAD買いを後押ししました。 月末にはカナダ中銀が政策金利を2.25%へ引き下げつつも、「利下げは打ち止めに近い」とのスタンスを示唆し、CADの下落は限定的でした。

ニュージーランドは、インフレ圧力の高まりと景気減速リスクを背景に、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を2.5%に引き下げました。 声明では「引き下げ幅が小さいと経済抑制リスクが高まる」との見解が示され、緩和姿勢が強調されました。 その後発表されたCPIは目標レンジ上限付近となり、市場では「追加利下げの可能性」を警戒する動きが強まり、NZDは軟調に推移しました。

NZD/CADは、ニュージーランドの金利引き下げによるNZD安が進む場面が目立ったものの、原油関連のニュースがボラティリティを生み収益を積み重ねました。

レンジ内推移

※上図は、2024年11月~2025年10月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています。

「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。

10月は9月に比べて多くの銘柄で落ち着いた値動きとなりましたが、NZドルを含む通貨ペアでは引き続き動きが目立ちました。
特に豪ドル/NZドルは10月以降も上昇基調を維持しており、直近ではレンジ上限に近い水準で推移しています。
一方で、豪ドル/カナダドルやNZドル/カナダドルは中間~下限付近で推移し、比較的落ち着いた値動きが続きました。
また、ユーロ/英ポンドは安定したレンジ内での推移が続いており、大きな方向感は見られませんでした。

10月の注目通貨ペア―「NZドル/カナダドル」

2025年10月のNZドル/カナダドル(NZD/CAD)相場は、前半は上昇していましたが、RBNZの利下げ発表を背景に下降しました。中旬は相場がもみ合いましたが、後半はやや下降しました。

11月には、カナダでは17日に10月消費者物価指数(CPI)の発表があり、28日には9月月次国内総生産(GDP)の発表があります。
ニュージーランドでは26日にRBNZの政策金利発表があります。
これらのイベントの影響で値動きが発生し、取引機会の増加が期待できます。
両国とも10月に利下げを実施しているため、RBNZが11月にどのようなスタンスを示すかに注目が集まります。

現在、相場はレンジの中央付近でやや下降しつつも比較的落ち着いた動きが続いています。
「NZドル/カナダドル」で安定した運用をしながら収益機会を狙うのに良いタイミングと言えるでしょう。ただし、11月のRBNZ政策金利発表直後は一時的なボラティリティ上昇に注意が必要です。


世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を引き続き発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。