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世界通貨セレクト月間レポート(2025年9月)

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2025年9月の世界通貨セレクトは、各国の政策金利や景気動向の影響により動きがある通貨ペアが見られました。

本レポートでは、月間の世界通貨セレクトの成績を振り返り、今後の運用判断に役立てていただける情報をお届けします。これから始める方も運用中の方も、自動売買選びの一助としていただければ幸いです。

収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年9月1日~30日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキングとしてまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。

9月の首位となったのは豪ドル/カナダドルです。
月初から月中にかけて0.922付近まで上昇し、その後一時的に下落したものの、再び持ち直して上昇基調を強めました。
大きな上下動を繰り返し 、新規建てと決済が繰り返されたことで、9月の首位を獲得しました。

2位となったのはNZドル/カナダドルです。
月初から月中にかけて0.805付近から0.827付近まで上昇した後、月末には0.803付近まで下落しました。
値動きの振れ幅が大きく、収益機会に恵まれたことで2位となりました。

3位となったのは、米ドル/スイスフランです。
月初から月中にかけ、緩やかな下落基調となり新規約定の機会が生まれました。
0.782付近まで下落した後、月末にかけては上昇基調となったため収益順位を伸ばしました。

ディーリング部 宮野智丹
ディーリング部 宮野智丹
カナダは、雇用統計の下振れとインフレ鈍化を受け、政策金利を引き下げました。主要輸出品である原油は、OPECプラスの増産やイラク・クルド人自治区からの輸出再開を背景に下落し、CAD安を後押ししました。

オーストラリアでは、雇用統計が予想を下回ったものの、豪州中央銀行はインフレ抑制に慎重な姿勢を維持し、政策金利を据え置きとしました。主要貿易相手国である中国が住宅市場支援策を打ち出したことで、鉄鉱石需要の回復が期待され、AUD高要因となりました。

月初めは売りの価格帯で始まったAUD/CADは、原油と金融政策の方向差を背景に上下しながらも上昇基調を維持し、レンジ中央付近まで推移しました。

レンジ内推移

※上図は、2024年10月~2025年9月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています。

「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。

9月は外国為替市場で大きな変動があり、特にNZドルを含む通貨ペアの値動きが目立ちました。

豪ドル/NZドルは8月中旬からの上昇基調を維持し、今月も続伸して約2年10か月ぶりに1.12台へ到達しました。
豪ドル/NZドルの“影響“に関しては下記記事をご参考ください。
豪ドル/NZドル 高値圏へ

NZドル/カナダドルは、18日に0.821付近から0.810付近まで下落し、1日で大幅な値動きが見られました。 また、豪ドル/カナダドルは9月初旬から中旬にかけて0.922付近まで上昇した後、0.907付近まで反落しました。その後は方向感に欠け、月末にかけてもみ合う展開となりました。

10月の注目通貨ペアー「豪ドル/カナダドル」

9月の豪ドル/カナダドル(AUD/CAD)相場は、方向感を探るもみ合いの中で月末にかけて上昇基調となり自動売買ロジック内で着実に収益を重ねました。

オーストラリア準備銀行(RBA)は9月の会合で政策金利を3.60%に据え置き、今後はインフレ抑制の進捗を見ながら追加の対応を検討するとしています。
一方、カナダ銀行(BoC)は同月の会合で政策金利を2.50%へ引き下げ、追加緩和の余地を引き続き検討する姿勢を示しました。
このような金融政策の方向性の違いがあるなか、BoCは次回10月29日に政策金利の発表を予定しています。
今後の政策判断次第では、豪ドル/カナダドルの動きにも新たな展開が生まれる可能性があります。

現在、相場はレンジの中央付近で落ち着いた動きを続けています。
その為、上昇・下降どちらの局面に動いたとしても、取引の機会に恵まれる状況です。
自動売買ロジック「豪ドル/カナダドル」の稼働を開始する上で良いタイミングであり、また、現在稼働中の方も落ち着いて運用できる局面と言えるでしょう。

世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。