世界通貨セレクト月間レポート(2025年8月)

2025年8月の世界通貨セレクトの各通貨ペアは全体として比較的落ち着いた値動きとなりましたが、一部の通貨ペアでは政策金利などの影響で局所的に大きな動きがありました。
本レポートでは、月間の世界通貨セレクトの成績を振り返り、今後の運用判断に役立てていただける情報をお届けします。これから始める方も運用中の方も、自動売買選びの一助としていただければ幸いです。
収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年8月1日~31日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキング形式でまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。
8月のノルウェー/スウェーデンは全体的に下落基調にありました。その中で11日にノルウェーの消費者物価指数(CPI)、21日に国内総生産(GDP)の発表があり大きく反発。この動きの中で、下落局面では買い建玉を積み上げ、11日、21日の上昇でそれらを決済する動きとなりました。これにより収益を大きく伸ばし首位を獲得しました。
5月の世界通貨セレクトリリースから3か月間連続で首位を保ち続けていたNZドル/カナダドルは2位に順位を落としました。7月末から8月の上旬にかけて下落基調となり0.8120付近で推移したのち、8月半ばにかけて0.8240付近まで上昇。これにより取引が活発に成立し収益の獲得につながりました。
今月3位にランクアップしたのはユーロ/英ポンドです。
8月初めに0.8738付近まで上昇し、売り建玉を多く保有しました。その後は下落基調に転じ、中旬には0.8597付近まで下落しました。この値動きにより取引が活発化し、収益を伸ばしました。
レンジ内推移

※上図は、2024年9月~2025年8月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています。
「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。
8月は大きく価格が動いた通貨ペアと、落ち着いた値動きをした通貨ペアに分かれました。
特にNZドル関連の通貨ペアは、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が 20日に0.25%の利下げを公表したことからNZドル売りが優勢となり、豪ドル/NZドルは1.1063付近まで上昇、NZドル/カナダドルは0.8067付近まで下降の動きが見られました。
ユーロ/英ポンドは、初日の上昇から7日のイングランド銀行(BOE)による0.25%の利下げ以降、緩やかに下降しました。その後月末にかけては穏やかな値動きが見られました。
ノルウェー/スウェーデンは、前述のとおり11日と21日に反発する動きがみられたものの、全体的に下落基調となりました。
豪ドル/カナダドルと米ドル/カナダドルは、設定レンジ内で穏やかな値動きを繰り返しました。決済は多く発生しておりませんが、建玉を増やす相場状況となったため、次月以降の値動き次第では収益に期待が持てます。
米ドル/スイスフランは、目立った動きはなく設定レンジ内で推移しました。
注目通貨ペア―「米ドル/カナダドル」
8月のUSD/CAD(米ドル/カナダドル)相場は、1か月の間に穏やかな値動きを繰り返しました。
米国は、9月5日に発表される雇用統計で労働市場に大幅な改善がみられない限り、16日~17日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに踏み切る公算が大きいとみられます。
一方カナダ銀行(BOC)も次回の金融政策決定会合を17日に予定しており、政策金利は据え置かれる確率が高いと見込まれています。
およそ半年間にわたり政策金利の据え置きで同調してきた両国ですが、今月は異なる結果となる可能性が高まっており、これによりUSD/CADが大きく変動することが考えられます。
仮に米ドル売り・カナダドル買いとなった場合、世界通貨セレクト「米ドル/カナダドル」においては、設定レンジの中央付近に向かって価格が下落することで、決済の機会が増え収益につながることが見込まれます。
世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。