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世界通貨セレクト月間レポート(2025年7月)

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2025年7月は世界通貨セレクトの多くの通貨ペアがレンジ中央付近で安定的に推移しました。
全体として穏やかな展開でしたが、一部の通貨ペアでは目を見張る値動きもありました。

本レポートでは、世界通貨セレクトの成績と振り返りを行い、今後の運用判断に役立つ情報をお届けします。これから始める方も運用中の方も、自動売買選びの一助としていただければ幸いです。

収益順位

「収益順位」は、世界通貨セレクトの、2025年7月1日~31日の1か月間の実現損益(スワップポイントを除く)を比較し、ランキング形式でまとめたものです。上位の自動売買ほど、良い成績を示しています。

7月の収益順位では、またしてもNZドル/カナダドルが首位を獲得しました。これで3か月連続の首位をキープとなります。
NZドルはニュージーランド準備銀行(RBNZ)の利下げ観測を背景におおむね軟調に推移。
とくに下旬以降は継続的な下落基調となりました。
この値動きにより、取引が活発に成立し、収益の獲得に繋がりました。

ノルウェー/スウェーデンも3か月連続で2位を維持。
両国の目立った政策変更は見られず、引き続き安定したレンジ相場を形成しました。
ひと月を通して一定の取引機会が生まれ、着実に成果を積み上げました。

そして、今月大きく順位を伸ばしたのが米ドル/スイスフランです。
7月30日に発表された米国のADP雇用統計とGDP速報値は、いずれも市場予想を上回る好結果となり、米ドル買いの流れを後押ししました。
これを受け、米ドル/スイスフランは月末にかけて力強く上昇。
価格上昇に伴い多くの決済が入り、収益順位を一気に押し上げて3位を獲得しました。

レンジ内推移

※上図は、2024年7月~2025年7月にかけてのデータをもとに作成しています。
※本グラフにおける「100%」は各通貨ペアの想定レンジ上限、「0%」はレンジ下限を示しています。

「レンジ内推移」は各自動売買で設定しているレンジ帯における、月末時点の価格位置を表したものです。
世界通貨セレクトのレンジ帯は長期運用を目的に、過去10年間の相場を参考に設定しています。

多くの通貨ペアがレンジ中央付近で推移し、全体的に大きな動きは見られませんでした。
とくにNZドル/カナダドル、豪ドル/NZドル、豪ドル/カナダドルは終始落ち着いた値動きが続きました。

ユーロ/英ポンドは、6月後半からの上昇基調を維持していましたが、7月下旬には息切れし、緩やかに反落。
最終的にはレンジ中央へと舞い戻る形となりました。

一方、ノルウェー/スウェーデンは月前半に一時0.96付近まで上昇しました。
しかし、その後は目立った材料もなく、穏やかな値動きに戻り、落ち着いた1か月を終えました。

米ドル/スイスフランは7月初旬に0.78台まで下落したものの、月後半から反転し、わずか数日で約0.79から約0.81まで急回復。
月末にかけて力強い上昇を見せました。

注目の通貨ペア ― 「NZドル/カナダドル」 

2025年7月のNZD/CAD(NZドル/カナダドル)相場は、RBNZによる利下げ観測が高まったことで軟調に推移しました。
市場では、RBNZが8月20日に予定している政策金利および経済見通しの発表に注目が集まっています。足元のインフレ鈍化を受けて、同中銀が緩和的な金融政策へ舵を切るとの見方が強まっており、市場参加者の間では利下げが意識されています。

対するカナダ銀行(BOC)は7月の会合で政策金利を据え置き、8月は会合の予定がないことから、当面は政策変更がない状況です。こうした両国中銀のスタンスの違いが、NZドル売り・カナダドル買いが優勢となっています。

世界通貨セレクトでは、レンジ内で値動きが出ることにより結果として高い収益に繋がる可能性があります。異なる金融政策を行う両国の通貨ペアが、これからどんな展開を描くのか。その行方から目が離せない通貨ペアです。

世界通貨セレクト月間レポートでは、運用に役立てていただける情報を発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。