第640回 【危険な状態だった、クリスマス当日の東京市場】

12月18日のFOMC終了後にテーパリング開始決定の発表があったことで、外国為替市場参加者の大半は、心おきなくクリスマス休暇に入りました。

クリスマス・イブの12月24日は、参加者が少ないのですが、ニューヨーク市場も開いています。

しかし、クリスマス当日の12月25日は、東京市場を除き、主要市場が休場となります。

そのため、12月25日は、世界的なトレーディングシステムの多くが止まっていたはずで、
『テレビでは盛んにドル/円相場の情報が流れているのに、なぜトレーディングシステムの値段が更新されないのだろう?』
と、不思議に思っていた投資家もいたのではないでしょうか?

国内の投資家はあまり意識していないと思いますが、東京市場だけが開いている状態は、非常に危険です。

あってはならないことですが、こんな時に、万が一、主要国を狙った大規模テロや、要人暗殺といった大事件が起こった場合、世界中が大パニックとなり、東京市場に注文が殺到して大混乱に陥るでしょう。

東京株式市場は、主に日本株の取引だし、大納会に向けて盛り上がっていくのは結構なことですが、
『海外と直結している東京外国為替市場は、(平日とはいえ)、クリスマスの日(12月25日)は、元旦と同じように休場にしたほうがいいのではないか?』
と、この時期、毎年、思っています。

逆に、年明けの1月2日、1月3日は、お正月で東京市場が休場ですが、海外市場はオープンしています。

特に、来年(2014年)の1月2日、1月3日は、東京市場がやっていなくとも、注視した方が良い、と考えています。

東京市場(日本市場)は、外国為替市場の中で三大市場のひとつですが、東京市場の慣行はローカル・ルールに過ぎないことを認識することが大切です。

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(2013年12月30日東京時間03:00記述)

第639回 【年内のビッグ・イベントが終了―――1月2日、3日に注目】

12月18日のFOMCで、テーパリング(量的緩和策の縮小)が決まりました。

債券購入額を毎月850億ドルから750億ドルに縮小する方針を示しました。

FOMC声明では、少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1-2年のインフレ率が2.5%を上回らないと予想する限り、FF金利の誘導目標を0-0.25%で維持するとし、超低金利政策の維持を表明していますが、一方で、「労働市場の改善とインフレ見通しが長期目標へ向かえば更なる縮小の可能性」も示唆しています。

テーパリング実施が決まったことで、金融政策が180度転換されて、市場に潤沢に供給されていた資金の蛇口が絞られることになります。

テーパリングは、外国為替市場での「ドル買い材料」となります。

ジャブジャブに放出されていた資金の還流が起こるからです。

つまり、米国から他の国に流れていた資金の回収が始まる訳です。

だから、特に気を付ける必要があるのは、テーパリングが「ドル買い新興国通貨売り」の材料である点です。

現在のマーケットは、まだ、「テーパリング実施という材料」を、十分に織り込んだとは言えない状況と考えます。

「テーパリングの12月実施決定」は、多くの市場参加者にとって、意外性があった、と考えるからです。

ただし、今週はクリスマスの週です。

クリスマスの週は、市場参加者が極端に少ないので、積極的な売買を行うことが不可能です。

要するに、FOMC(12月18日)の発表以降は、クリスマスなので、この材料(テーパリング実施)を織り込む時間は、今のところほとんどなかった、ということです。

この「テーパリング実施」という材料は、年内に十分にこなす時間が無かったので、来年に持ち越しされる、ということです。

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12月18日(日本時間19日)に、FOMCで、「テーパリング実施」が発表されたことで、これで、マーケットが注目していた年内のビッグ・イベントがすべて終わりました。

今年は特殊な年でした。

例年ならば、サンクスギビングデーを境に、市場参加者が三々五々クリスマス休暇に入り、12月の相場は、「クリスマス相場」(=市場参加者がおらず、閑散とした状態)のはずです。

しかし、今年は12月17・18日のFOMCに注目が集まったために、市場参加者は休みたくても休めずにいました。

そして、12月18日に結論が出ると、世界の外国為替市場の参加者たちは、さっさとクリスマス休暇に入った、と考えます。

外国為替市場の参加者(FX投資家)は、『世界の慣行』に従って、年内は休むことをおすすめします。

なお、年明けは日本の感覚では1月6日なのでしょうが、来年の1月2日は木曜日なので、外国為替市場は、1月2日から通常通りの取引になります。

1月3日も金曜日なので外国為替市場はオープンしています。

もちろん、1月2日、3日は、東京市場は休場ですが・・・。

三が日の最中に、無理に参戦する必要はありませんが、1月2日・3日の値動きは見ておいた方が良い、と考えます。

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(2013年12月26日東京時間03:00記述)

第638回 テーパリング(量的緩和策の縮小)が決定

昨日(12月18日)のFOMCで、テーパリング(量的緩和策の縮小)が決まりました。

債券購入額を毎月850億ドルから750億ドルに縮小する方針を示しました。

テーパリング実施に関しては、市場参加者の事前予想は「五分五分」だった、と考えます。

12月に発表された雇用統計には改善傾向が見られ、各種経済指標も全体として良好と言えますが、しかし、それをもって12月のFOMCで「実施が決まる」とは、断言できない状況だったからです。

だから、このニュースは「織り込み済み」にはならず、マーケットは大いに反応しました。

テーパリング実施が発表された直後の外国為替市場は、ストレートに「ドル買い」に反応しました。

しかし、ドル/円(USD/JPY)は、「ドル買い円売り」気配が持続したのですが、ユーロ/ドル(EUR/USD)や豪ドル/米ドル(AUD/USD)は、発表直後に「ユーロ売りドル買い」「豪ドル売り米ドル買い」に反応したものの、強烈に反転しました。

つまり、ユーロ/ドル(EUR/USD)は、発表直後に急落したのですが、そこから強烈に反発上昇しました。

同様に、豪ドル/米ドル(AUD/USD)は、発表直後に急落したのですが、そこから強烈に反発上昇しました。

テーパリング実施の発表から1時間を過ぎて、マーケットに落ち着きが出てくると、改めて「ドル買い」が勝るようになりました。

FOMC声明では、少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1-2年のインフレ率が2.5%を上回らないと予想する限り、FF金利の誘導目標を0-0.25%で維持するとし、超低金利政策の維持を表明していますが、一方で、「労働市場の改善とインフレ見通しが長期目標へ向かえば更なる縮小の可能性」も示唆しています。

テーパリング実施が決まったことで、金融政策が180度転換されて、市場に潤沢に供給されていた資金の蛇口が絞られることになるので、マーケットはドル買い、新興国通貨売り、株売り、商品売りの方向へ動く、と考えていました。

さりとてNYダウが「大暴落」する可能性はかなり低いと考えていましたが、テーパリング実施を受けても米株は大きく上昇しました。

まだ、「テーパリング実施という材料」を、十分に織り込んだとは言えない状況と考えます。

最初に述べたように、市場参加者の事前予想は「五分五分」だった、と考えるからです。

ただし、来週がクリスマスの週ですから、この材料を織り込む時間は、今日・明日だけしかない、ということです。

明日は週末(金曜日)ですから、海外勢が積極的になるのは、今日だけかも知れません。

そして、テーパリング実施が発表されたので、年内のビッグ・イベントは全て終了しました。

この材料を織り込めば、即、クリスマス相場入りです。

先週のコラムでは、以下のように記述しました。その記述通りになっています・・・。

『往々にして物事は嫌な方向へ動くことが多いので、ひょっとしたらテーパリング実施が決まって株式市場は株安に見舞われ、為替市場はドル/円が104円程度まで動いて、クリスマス前だというのに、マーケットが右往左往するのかもしれません・・・。

そんなクリスマスプレゼントは、誰も望んでいませんが・・・。』

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(2013年12月19日東京時間09:30記述)

第637回 【12月17日、18日のFOMC】

今週の12月17日、18日に開催されるFOMCに対するマーケットの最大の関心事は、テーパリング実施を決めるのかどうかです。

12月に発表された雇用統計には改善傾向が見られ、各種経済指標も全体として良好といえます。

しかしそれをもって「実施が決まるのか」と問われれば、「五分五分」としか答えられません。

これまでFRBは重要な金融政策を決定する際に、「マーケットとの対話」を通じてコンセンサス作りをしてきました。

マーケットもFRBの言葉を信じて行動していました。

ところが、9月のFRBの裏切り――テーパリングの突然の延期――により、FRBの言葉が信じられなくなり、コンセンサスが形成されにくくなりました。

五分五分と考えるならば、「場合分け」をして、それぞれのケースに対して備えるしかありません。

ただし、先に答えを言えば、テーパリングに関しては、結論は同じになります。

まず、テーパリング実施を決めた場合。

金融政策が180度転換されて、市場に潤沢に供給されていた資金の蛇口が絞られることになるので、マーケットはドル買い、新興国通貨売り、株売り、商品売りの方向へ動くでしょう。

そして、NYダウは下がるでしょうが、「大暴落」となる可能性はかなり低いと考えます。

つまり、ポジション整理の下落となるのではないか、と考えます。

クリスマス相場入りはその後です。

テーパリング実施が見送られた場合。

来年へ先送りされただけなので、目先はともかく、為替や株価に与える影響はニュートラルでしょう。

その場合は即、クリスマス相場入りが予想されます。

ただし、来年の早い段階(1月または3月)で蛇口が絞られることになりますから、その時点でドル買い、新興国通貨売り、株売り、商品売りが起こりそうです。

繰り返しになりますが可能性は五分五分です。

でも、往々にして物事は嫌な方向へ動くことが多いので、ひょっとしたらテーパリング実施が決まって株式市場は株安に見舞われ、為替市場はドル/円が104円程度まで動いて、クリスマス前だというのに、マーケットが右往左往するのかもしれません・・・。

そんなクリスマスプレゼントは、誰も望んでいませんが・・・。

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(2013年12月15日東京時間23:20記述)

第636回 トレンドに従った売買を心がける

ご存じのように外国為替相場にはさまざまな通貨ペアが存在しています。

例えば、ドル、円、ユーロという3通貨を考えると、ドル/円、ユーロ/ドル、そしてユーロ/円という組み合わせが存在します。

そして、それぞれの通貨ペアの値段(価格・プライス)は、それぞれの理由に従って動いていますが、まったくばらばらというわけではなく、複雑に関連・影響し合っています。

具体的に言えば、ユーロ/円の値段は、「ドル/円×ユーロ/ドル」というかけ算を行う裁定取引によって決定されるため、さまざまな連鎖が起こります。

このところのマーケットは、ドル/円の視点で見れば上場気味に推移しており、ドル高傾向が強いのですが、ユーロ/ドルで見ると、ドル高には動いていません。

ユーロ/円はドル/円の上昇にひきずられて上昇気味に動いていますが、ではなぜドル/円の影響を強く受けているのかと言う問いに対して、的確な答えは見あたりません。

それでも相場が動いている以上、FX投資家は無条件に受け入れて、それに対応するしかありません。

FX投資家の投資姿勢を見ていると、株や不動産を主戦場とした投資家に比べて、「短視眼的な見方に陥りがち」という印象を受けます。

株や不動産の投資家が、1年、2年、あるいは5年、10年という長期スパンで相場を見るのに対し、FX投資家は数秒・数分、長くても数時間で結果を出したがります。

そのやり方を否定するつもりはありませんし、レバレッジを掛けているので短期売買で決着を付けたい、そういう気持ちも分かります。

しかし、短視眼的な売買ほど、結果を出す(=利益を得る)ことが難しくなることも事実です。

短期売買の方が、職人的テクニックや特殊な感覚を必要とするので、トレンドに従った売買よりも難しくなるのです。

ドル/円に関しては、私自身は、2012年2月にドル安からドル高へのトレンド転換が起こった、と考えていますが、昨年11月の衆院解散決定が転換点と判断する人もいます。

どちらを採用するにせよ、トレンド転換が起こってから、すでに1年以上が経過しました。

通常は2、3年から5、6年は同じトレンドが続く傾向があるので、「まだ1年しか経過していない」と言い直すべきかも知れません。

FX投資家がこの長期トレンドに乗って利益を得るつもりであれば、数秒・数分の戦いではなく、数カ月・数年単位のスタンスで相場と向き合うことを考えるべきだ、と考えます。

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(2013年12月12日東京時間00:30記述)

第635回 【米国雇用統計で再確認すべきこと】

先週の12月5日(木)のECB理事会で、追加的な金融緩和が見送られたことで、その時点で、マーケットの次の興味は、12月6日(金)に発表される2013年最後の米国雇用統計に集まっていました。

そして、雇用統計は遅効スパンの性格が強いために、12月6日に発表される11月の数字も、10月の数字と同様に、比較的良さそうだ、という見方が強まっていました。

この統計は、今月17・18日に開催されるFOMCで議題となるテーパリングを判断するための重要な鍵となるため、事前の予想通りに良いものであれば、マーケットは量的緩和の縮小開始を材料とした値動きを見せるであろう、と予測ができる状況だった、と考えます。

また、仮に、今月(12月)のテーパリングが見送られる場合でも、12月6日の米雇用統計が良かったならば、これまで有力だった来年3月開始説よりも来年1月開始説のほうが強まるだろう、と予測ができる状況でした。

つまり、そうなると、ドルが買われる展開になるだろう、と予測できます。

先週末(12月6日)に、実際に発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数が+20.3万人となり市場予想の+18.5万人を上回っています。

失業率は7.0%と市場予想の7.2%より大幅に改善しました。

事前に想定されたように、今回の米国雇用統計の発表で、テーパリングの開始時期が早まる思惑が強まる状況が整った、と考えます。

しかし、FRBが再三強調しているように、テーパリングは量的緩和を徐々に縮小して市中に流れるお金の量を減らしていくことであり、利上げではありません。

まず、その点を再認識しておきましょう。

ただし、テーパリングは、確かに利上げではありませんが、それは理解した上でも、金融緩和策からの脱却です。

つまり、FRBの金融政策の方向性が180度変わるという大きな転換点です。
(金融緩和策を止める=金融引き締め方向に舵を切る)

だから、テーパリングは、将来の利上げに向けた第一歩になることも、忘れてはならない、と考えます。

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(2013年12月9日東京時間02:00記述)

 

第634回 【過去の歴史から読み取れることがある】

最近になってFX取引(外国為替証拠金取引)を始めた方々にとっては、「LTCMショック(1998年10月)」や「ブラック・マンデー(1987年10月)」「プラザ合意(1985年9月)」となると、「歴史的出来事」にしか思えないのではないでしょうか?

「米国同時多発テロ事件」も2001年9月11日のことですし、「ロンドン同時爆破テロ事件」も2005年7月7日のことです。

ごく最近になって、市場参加者の仲間入りをした人たちにとっては、
「だから、それがどうした?」
「過去の値動きなんて、興味がない!」
「もう大昔のことだから、関係ないよ!」
といった感覚でしょうか?

しかし、あえて言いたい。伝えたい。「同じことは、これからも起こる」と。

もちろん、まったく同じことは起こりません。

しかし、同じようなことが、これからも繰り返されます。

「同じようなこと」が繰り返されることは、歴史が証明しています。

「LTCMショック」について、お話ししましょう。

米国ニューヨーク州に隣接したコネチカット州で資金運用を行っていたヘッジ・ファンドが、「Long Term Capital Management(ロング・ターム・キャピタル・マネジメント/通称LTCM)」です。

このヘッジ・ファンドには、ブラック・ショールズ方程式を完成させ、1997年にノーベル経済学賞を受けた経済学者のマイロン・ショールズとロバート・マートンという有名人が籍を置いていたことから、投資の世界では「ドリーム・チーム」とあがめられ、一世を風靡(ふうび)します。

LTCMは、1994年の設立当初に、世界各国の証券会社・銀行などの機関投資家、富裕層から12億5000万ドルもの資金を集めます。
この資金を使って、割安と判断される債券を大量に購入し、逆に、割高と判断される債券を空売りしました。

その際に、コンピューターを駆使して、多くの銘柄を選び出し、自動的に注文を出すシステムを用いました。また、利益を大きくするために、レバレッジを使って、取引規模を拡大させていました。

LTCMの運用は、1998年初めまで大成功します。

その結果、LTCMにはますます資金が集まり、その運用資金は1000億ドルを超えることになりました。

ところが、1997年の「アジア通貨危機」、そして、それを引鉄とした、1998年の「ロシア危機」が、マーケット環境を激変させます。

投資家の不安心理が高まると、相対的にリスクが低く流動性が高い投資対象へ資金をシフトする傾向があります。これを「質への逃避」と呼びます。

ロシアが債務不履行を宣言したことで、エマージング国(新興国)の債券・株式はリスクが高いという認識が広まり、エマージング市場から資金の引き上げを始めました。

LTCMは、「質への逃避は長続きせず、いずれエマージング市場に資金は戻ってくる」と判断しました。遠からずエマージング国の債権・株式の買い戻しが起こると判断し、LTCMは、その判断に基づいてポジションを取ったのです。

しかし、投資家たちのリスクに対する不安心理は収まらず、むしろ、ますますエマージング市場からの資金引き上げを加速させました。

その結果、LTCMは破綻します。

しかし、LTCMは、欧米の金融機関から投資された1000億ドルもの資金を運用しており、さらには、1兆ドルにのぼる取引契約を世界の金融機関と締結していました。

そのために、LTCMが破綻すると、ただでさえもアジア通貨危機、ロシア危機で不安定になっていた金融市場に大きな影響を与え、「世界恐慌」に陥る危険性すらありました。

一私企業の救済は自由経済の原則に反する、といった意見もあったのですが、ニューヨーク連邦準備銀行の指示で、LTCMに緊急融資を行い、LTCMをゆるやかに解体することになりました。

米国では、当時のグリーンスパンFRB議長の指示により、ドルの短期金利であるFFレート(ドルの短期政策金利)を、1998年9月からの3カ月間で3回引き下げを行っています。

LTCM破綻で蔓延した金融不安をぬぐう政策を採ったのです。

今回のこのコラムでは、単に、過去に起きた歴史的事実のみを記述しました。

過去の歴史に学ぶところがあることは、言うまでもないことだ、と考えています。

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(2013年12月05日東京時間02:30記述)

第633回 【裏付け材料の無い日米株価と為替の上昇】

先週の木曜日(11月28日)は、サンクスギビングデーで米国市場は休場でした。

その前には、11月23日に日本の勤労感謝の日が終わっており、例年ならマーケット参加者たちはクリスマスシーズンに向けて撤退の準備をする時期です。

しかし、今年はテーパリングが焦点となるFOMCを12月17・18日に控え、クリスマス相場に突入する雰囲気はありません。

そうした中、マーケットは好調です。

NYダウは連日過去最高値を更新し1万6000ドル台に乗せました。

日経平均も1万5000円台後半を保ちつつ1万6000円を狙う勢いです。

ドル/円は102円台まで上昇し、全体的に見れば「好ましい状況」と言えるでしょう。

しかしながら、相場を細かく見ると上昇スピードが意外に遅く、日本株は5月に通った道をたどっているだけで新鮮みがありません。

為替は102円台を抜けて新高値を目指す動きになるのかも知れませんが、今のところ上昇スピードが加速する訳ではなく、遅々とした感じです。

だから、好ましい状況でありながらイライラする相場つきです。

なぜ好ましい状況になったのか、それを明快に説明できる材料がないことも気になります。

ドル/円に関して強いてあげれば、21日の日銀金融政策決定会合で異次元緩和政策の継続が確認されたというニュースがあるものの新たな声明が発表されたわけでもなく、またアベノミクスの成長戦略が決まったわけでもありません。

「NYダウ好調→写真相場で日経平均上昇、為替が連動して円安方向へ動いた」という連鎖という理由付けが一般的には納得しやすいものの、あまりにも弱い感じがします。

個人的には、それだけの理由では、かなり情けない材料だ、と感じます。

もちろん、全体的に見れば、好ましい状況であることを否定するつもりはありません。

12月6日の雇用統計、FOMCの様子を見ながら調整が起こることも考慮して、しばらくの間、イライラする相場と付き合うことになりそうです。

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(2013年12月01日東京時間22:30記述)



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