人気の高い米社債関連ETFの今後の動向をチャートで見る

人気の高い米社債関連ETFの今後の動向をチャートで見る

こんにちは!インヴァスト証券テクニカルアナリストの山口です。

先週末に英国のEU離脱が決まり、市場はリスク回避姿勢となる中で、米国の利上げ期待感もやや後退しています。

シカゴ・マーカンタイル取引所が金利先物から算出する米国の利上げ確率(FEDWATCH)は、来年2月のFOMCでの利上げ(0.50-0.75%)が13.3%、また、現状維持(0.25-0.50%)が80.6%、また、今までは表示されていなかった利下げ((0.00-0.25%)が6.1%となっており、現在の市場は米国の年内利上げはないと見ているようです。 先週末以来、米10年債は買われて長期金利は低下、リスク回避により日本円や米国債、金(Gold)などの安全資産が買われやすい状況にあるというのが、今のマーケットの雰囲気だと思います。

そんな中、トライオートETFで人気が高い銘柄が社債関連ETF。

「iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF【高利回り社債】(ティッカーシンボル:HYG)」と「iシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETF【投資適格社債】(ティッカーシンボル:LQD)」です。

この2つのETFの中身に関しては、以前の記事「分配金が毎月もらえる!債券ETF ・LQD【投資適格社債】とHYG【ハイイールド債】」をご覧ください。  

iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF【高利回り社債】(HYG)

当面は81ドルから87ドルの間でのレンジ相場。中長期的な観点では買いとみています。

各移動平均線を見るとそれぞれが下向きでの推移となっていましたが、13週移動平均線は今年3月に、また26週移動平均線も横ばいから上向きに変化してきています。

また、5月には緑色の丸印のタイミングで13週移動平均線と26週移動平均線がゴールデンクロスとなっており、当面は26週移動平均線がサポートとして意識されそうです。

下段のストキャスティクスは80%から下向きとなっているため、当面はもみ合いかやや上値の重い日柄調整となりそうな気配で、これが過去の高安から見た当面のレンジ「81ドル~87ドル」のイメージとなります。  

iシェアーズ iBoxx米ドル建て投資適格社債ETF【投資適格社債】(LQD)

【投資適格社債】(LQD)は【高利回り社債】(HYG)に比べるとデフォルトリスクが低いため、リスク回避の受け皿として買われてきています。

当面は122.5ドル前後がレジスタンスになりそうですが、中長期的な観点では買いと見ています。

各移動平均線が上向きで相場はそれぞれの移動平均線の上に位置しているため強い上昇トレンドと見受けられ、今後は122.50へのトライ後、これを上抜けてくるものと思われます。ストキャスティクスは80%を超える水準で横ばいとなっており、これが下向きとなるようであれば、当面は120.50から122.50前後でのレンジ相場になる可能性もあります。