ARK イノベーション ETF【破壊的イノベーション】

近年、テスラをはじめとしSpotify、Zoomなど新しい製品やサービスを提供する会社が多く目立つようになってきました。そんな画期的な製品やサービスを取り扱う企業を構成銘柄として多く取り入れたETFがARK イノベーション ETF(ARKK)です。
ARK イノベーション ETFは、アーク・インベストメント社(ARK社)が設定するアクティブ運用型のETF。構成銘柄の条件として「破壊的なイノベーションをもたらす企業」を掲げています。

本記事では、一体どんな企業が含まれているのか、また、どのような特徴をもった銘柄なのか紹介していきたいと思います。

1.破壊的イノベーションとは

『破壊的イノベーション』とは、クレイトン・クリステンセン氏が提唱した概念になります。ここでいう破壊的イノベーションは「既存技術と比較し性能は低いが値段も安く、様々な市場で受け入れられ、既存製品の秩序を乱すようなイノベーション」と定義しています。
具体的な例を挙げると「iPhone」が該当します。「iPhone」はパソコンの代替機ともいえるような性質を持つ一方で、性能こそ劣りますが価格は安く、広く社会に浸透している製品です。また、パソコンでは併せ持つことができなかった携帯性、カメラ機能などの各種機能が既存製品を大きく脅かす存在でもあります。
一方で「超越した新技術を用いた技術革新」とは異なる点は注意が必要です。あくまでも既存技術を用いた延長線上にあるイノベーションであるというのが、クリステンセン氏が提唱する『破壊的イノベーション』の定義です。

2.ARK イノベーション ETFとは

ARKイノベーションETFはARK社が運営設定するアクティブ運用型のETFです。ARK社といえば「女性版ウォーレン・バフェット」とも言われているキャシー・ウッド氏が、2014年に創業したファンドであることも有名です。ARK社はARKイノベーションETF を構成する企業として「破壊的なイノベーションをもたらす企業」を条件とし、それを以下のように定義しています。
・生産性の向上をもたらすイノベーション
・コスト改革をもたらすイノベーション
・イノベーションを生み出すプラットフォームであること

つまり新たな価値基準を提供する企業のことを指しており、電気自動車の開発でトップを走る「テスラ」や、遠隔医療サービスを提供する「テラドック」など、今最も注目が集まる企業から、今後大きく成長していくと思われる企業が構成銘柄に含まれています。
主な構成銘柄は以下の通りです。

※2021年10月21日現在 ARK社 ARKK概要より作成

3.値動き

※『ARK イノベーション ETF(ARKK)』と『パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1(QQQ)』の変動率の比較(2016年10月3日~2021年10月18日)

ARKイノベーションETF の比較対象としてハイテク株を多く含む『パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1(QQQ)』を比較していきます。
上表は2016年10月から2021年10月までの変動率を表したものとなります。ARKKはQQQ同様に右肩上がりで推移しており、2020年4月ごろを境に一気にその値段を上げるような動きをしています。
これは、構成銘柄の「テスラ」を筆頭に、コロナの影響を鑑みて組み込まれたIT系の銘柄が大きく成長したことを受けての値上がりとなります。
一方で、2021年2月ごろに大きく値を下げていることも見て取れます。
この点においてもある意味でARKイノベーションETF を象徴する値動きであるともいえます。なぜならば、「破壊的イノベーション」をもたらす企業を多く含むため、大きな魅力から成長するときは一気にその値を上げるものの、短期的にはその値を下げるなどボラティリティが高くなることがあるためです。
もちろん、価格の傾向はこれに限ることはありませんが、このような特徴も踏まえてしっかりと証拠金に余裕をもった取引をすることをおすすめします。