トレンド相場とは?レンジ相場との見分け方や取引手法を解説

FXトレードでトレンド相場にのったつもりが、結局損失を出してしまう、あるいはあまり利益が取れないという方はいませんか?トレンド相場はレンジ相場との違いを理解して、テクニカル指標を駆使して早めに兆候をつかむことが大切です。

この記事ではトレンド相場とレンジ相場の見分け方、トレンド相場の判断方法について解説しています。トレンド相場で大きな利益を狙ってみたいという方は参考にしてください。

トレンド相場とは

トレンド相場とは、相場が継続的に上昇局面、あるいは下降局面に向かっている相場のことを言います。為替相場は、常に価格が上がったり下がったりを繰り返しますが、ときに上がり続ける、または下がり続けるトレンド(方向性)が出ることがあります。

トレンド相場には、価格が上がり続ける上昇トレンドと、下がり続ける下降トレンドの2種類があります。

上昇トレンドとは、継続的に為替レートが上昇し続ける状態のことを言います。ただし一方的に上昇し続けるわけではなく、何度か高値と安値を切り上げながら上昇していくことが一般的です。逆に、継続的に為替レートが下落することを下降トレンドと言いますが、一方的に下落し続けるわけではなく、高値と安値を切り下げながら下落していくことが一般的です。

レンジ相場との違い

為替相場は大きく、レンジ相場とトレンド相場の2つに分類されます。レンジ相場とは一定の値幅で価格が推移し続ける状態のことで、為替相場においては7割がレンジ相場、3割がトレンド相場と言われています。

トレンド相場でトレードをするメリット・デメリット

トレンド相場のトレードは、大きな利益が狙える半面、損失が生じることがあります。ここではトレンド相場でトレードをするメリット・デメリットについて解説します。

トレンド相場のメリット

トレンド相場は、しばらくの間は上昇局面や下落局面が継続します。そのため現在為替レートが上昇トレンドなのか、下降トレンドなのかを理解してエントリーすれば、比較的容易に利益を出せる可能性があります。

また、トレンドは同じ方向の値動きが継続するため、多少エントリーが遅れても利益が得られるうえ、大きな為替差益を狙えます。テクニカル指標から、トレンド転換のタイミングに注意していれば手仕舞いのタイミングも比較的容易に見極められるでしょう。

トレンド相場のデメリット

トレンド相場は永続的に続くわけではありません。いつまでもトレンド相場を追い続けていると、反転して損失を被る可能性があります。投資の世界では、「頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。この格言は、投資は最安値で買い、最高値で売ろうとする意識が強すぎると失敗するため、早めの損切りや利確の重要性を説くものです。

テクニカル指標を組み合わせながら、トレンド転換の兆候を早めにつかみ、深追いしなければトレンド相場の反転による損失は減らせるでしょう。

トレンド相場とレンジ相場の見分け方

トレンド相場とレンジ相場は、テクニカル指標で確認ができます。テクニカル指標を使ったトレンド相場とレンジ相場の見分け方を解説します。

移動平均線を使用する場合

移動平均線とは、一定期間の終値の平均値を表した図表のことです。上昇トレンドの場合は、移動平均線は上向き、下降トレンドの場合、移動平均線は下向きになります。また上昇、下降トレンドの度合いが強いほど上向き、下向きの角度は急になります。

【移動平均線におけるトレンド相場のイメージ】

相場に方向感がなく一定の価格帯を推移するレンジ相場では、移動平均線も上向き、下向きといった方向性がほとんどありません。

【移動平均線におけるレンジ相場のイメージ】

ボリンジャーバンドを使用する場合

米国の投資家、ジョン・ボリンジャーが考案したテクニカル指標です。為替レートの値動きは95.45%の確率で2σと-2σの間に収れんするという統計学の考え方を用いています。ボリンジャーバンドの場合、レンジ相場ではバンドがほぼ水平に推移しますが、トレンドが発生するとバンドの幅が拡大していることがわかります。

【ボリンジャーバンドにおけるトレンド相場とレンジ相場のイメージ】

トレンド相場の判断方法

FXのチャート上ではトレンドの発生をどのように見つければ良いでしょうか?トレンド相場の判断方法を紹介します。

ローソク足から見極める

ローソク足とは一定期間の始値、終値、高値、安値を1本のローソク型の棒で表したもので、ローソクを時系列に並べた図表をローソク足チャートと言います。

ローソク足チャートは、ローソクの形や、その並びから市場のトレンドをつかむ分析方法です。例えば以下のローソク足チャートでは、高値圏で始値と終値が同じ価格である十字の形をしたローソクが発生(十字線)。これは買い手と売り手の拮抗を表しており、トレンド転換の兆候です。その後、大きな下落を表す大陰線が発生し、そのまま下落トレンドに向かっています。

【ローソク足チャートのイメージ】

関連記事:FXローソク足の見方と考え方|基本から組み合わせパターン

テクニカル指標(インジケーター)を使用する

テクニカル指標とは、過去の為替レートの動きを図表で表したものです。テクニカル指標を分析していると、過去と同じような値動きのパターンが確認できることがあります。こうした過去の値動きに関する経験則から、将来のトレンドを予測する手法をテクニカル分析と言います。

以下、代表的なテクニカル指標を紹介します。

移動平均線

移動平均線は、その向きや角度から、トレンドの方向や強さを判断できます。最もよく用いられる方法が、ゴールデンクロス、デッドクロスからトレンド転換を見つける方法です。ゴールデンクロスは短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜けた状態のこと。デッドクロスは短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けた状態を指します。

以下のチャートでは、デッドクロスが出現し、その後、下降トレンドに向かっていることが確認できます。

ボリンジャーバンド

レンジ相場のとき、ボリンジャーバンドはほぼ水平に推移しますが、トレンドが発生すると、ボリンジャーバンドの幅が広がります。
以下の表ではレンジ相場が続いた後、上昇トレンドが発生。基準線(赤線)から価格が大きく上昇した後に反転し、再度下降トレンドに向かっています。

トレンドライン

トレンドラインとはチャート上に引く線のことで、2つ以上のローソク足の安値と安値を結ぶサポートラインと、高値と高値を結ぶレジスタンスラインがあります。

下の表の場合、レジスタンスラインは上値の抵抗線となり、レジスタンスラインより上の価格を示す確率は低く、徐々に価格が切り下がっていることがわかります。しかしレジスタンスラインは上抜けすると、上昇トレンドに向かう傾向があります。

一方サポートラインは下値の抵抗線です。サポートラインよりも下の価格を示す確率は低く、徐々に価格が切り上がっていることが確認できます。サポートラインは下抜けすると下落トレンドに向かう傾向があります。

ダウ理論

ダウ理論とはアメリカの証券アナリストであるチャールズ・ダウが提唱した相場理論です。ダウは、相場は次の6種類の基本法則で構成されていると説いています。

  1. 平均価格はすべての事象を織り込む
    経済指標や金融政策といったファンダメンタルズ要因や需給バランスなどすべての事象は、平均価格に織り込まれているという法則です。
  2. トレンドは3種類ある
    トレンドは1年から数年以上続く長期トレンド、数週間から数ヶ月以上続く中期トレンド、数時間から数週間以上続く短期トレンドの3種類があります。また中期トレンドは長期トレンドと逆行する動きを見せ、調整局面を示す特徴があるという法則です。
  3. トレンドは3段階ある
    トレンドは先行期、追随期、利食い期の3段階あり、利食い期になるとトレンドの終焉を迎えるという法則です。
  4. 平均は相互に確認される
    トレンドは相関性のある複数の銘柄(通貨ペア)を見て判断するという法則です。
  5. トレンドは出来高でも確認できる
    出来高とは取引量のことで、出来高の多さでもトレンドの信頼度が確認できるという法則です。
  6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
    上昇トレンドで高値を更新しなかった、下降トレンドで高値を更新しなかったなどの兆候(シグナル)がない限り、トレンドは継続するという法則です。

この6つの法則の中で「トレンドは3段階ある」法則について、実際のチャートで検証してみましょう。

先行期は主に投資家が先行して購入を始める時期です。次に、為替が上昇したことで多くの投資家がトレンドに追随する「追随期」が訪れます。利食い期では一般投資家や初心者が参入して出来高が増加、一方、先行して購入した投資家は利食いを始める時期です。利食い期はトレンドの最終段階を迎え、その後は下落トレンドに転換します。

まとめ

トレンド相場とは、相場が継続的に上昇、あるいは下降局面に向かっている相場のことです。FXでは相場全体のうち、トレンド相場が3割、レンジ相場が7割と言われています。現在市場がレンジ相場なのか、トレンド相場なのかはさまざまなローソク足やテクニカル指標で確認ができます。相場の現状を踏まえたトレードができれば、FX の勝率は上がっていくでしょう。

しかし、ローソク足やテクニカル指標の基本的な知識を身に着けるのは、意外と時間がかかります。FXをなるべく早く始めたいという方は、自動売買システムの活用もおすすめです。

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