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【奥村尚監修_コアレンジャー_米ドル円】レポート

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お客様に大変ご好評いただいております「有名ストラテジスト監修コアレンジャー」ですが、今回2023年3月までの相場を想定したロジックとして2022年7月30日にバージョンアップ!

ストラテジストによる解説動画

こちらのレポートではトリオアセットマネジメント株式会社代表、奥村尚氏の予想する米ドル円相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「奥村尚監修コアレンジャー米ドル円」の解説と、相場の先行きについて解説致します。

1.概論

1- 1. 設定値

通貨ペア:USD/JPY
想定期間:2022年7月~2023年3月末

USD/JPYストラテジスト想定値想定レンジ利確幅
サブレンジ(売り)146.60~145.10146.25~144.4560pips
コアレンジ(売り買い)145.10~138.50144.45~138.1530pips
サブレンジ(買い)138.50~136.00138.15~136.3560pips
出所:トライオートFXのツール画面よりインヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、他のコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」というアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し、


①将来の相場予測に基づいたレンジ設定であるという認識をもってください。
②運用通貨ペアがレンジ相場を形成するかどうかについて。
③ストラテジストの相場予測が腑に落ちるかどうかについて。

という点から自動売買プログラムを選出して頂けますと幸いです。

1-3.注意点

ストラテジストによる相場想定は、2022年7月時点のものです。
今後の相場状況等の変化により、想定が変更される可能性がございます。
相場の状況と、解説レポートの内容、及び自動売買ロジックの注文設定をご確認いただき、お客様のご判断のもとで運用をご検討ください。

2.想定レンジ根拠

2-1.米ドル円の過去の動向

米ドル円レートの、今後半年を予想せよという課題のため、その数倍の期間、すなわち数年前からの過去を振り返ってみようと思ったが、別項で紹介しているユーロポンドでは超長期で推移を確認しているので、米ドル円も超長期の推移を眺めてみる。

今後半年を観るうえでは、大過去から振り返る必要は全くないのだが、たまには、チャートを眺めながら、過去起きたことと為替の変化合わせてみておくのも悪くない。

出所:TrioAM作成

1998年、阪神淡路大震災による円高、長銀破綻による円安(最高値147.65)と激動だった。夏にロシア財政危機も起きた。当時ロシアの政策金利は150%(15%ではない)まで引き上げられたが、財政が悪化し対外債務デフォルトとなった。

2001年、米国同時多発テロで金融市場は混乱し米ドル円も急上昇(円安)したが、2002年から続く景気(小泉景気)が円高(と言っても120円程度)をもたらす。

2008年、リーマンショックが起こり、円高が進んだ。2010年にギリシアが赤字財政を隠していたことがきっかけで欧州の国債も通貨も売られ円高が進んだ。2011年阪神大震災でさらに円高が進む。2013年アベノミクスで円安に反転、2016年のイギリスEU離脱国民投票、トランプ氏の大統領選挙でボラテリティが高まった。そして2022年、FRBの利上げによって円安が急激に進み、現在も続いている。

2-2.米ドル円の今年の動向

ここからは、今年の動きをクローズアップしよう。米長期金利と合わせて見ると関係が一目瞭然だ。今年にはいってから、おおざっぱに言って長期金利が上昇し、それに合わせて米ドル円が上昇している。

出所:TrioAM作成

では、米長期金利がどのくらい上がると、米ドル円はどれくらい動くのだろうか。横軸に金利、縦軸に為替レートで眺めてみる。

出所:TrioAM作成

全体として見ると、金利が上がると米ドル円も上昇、その関係を数字に落とすと、米長期金利が1%上がると14.13円程度、円安に進む。

今後も、FRB(正確に言うとFOMC)は米政策金利を上げてゆく。だから、長期金利も上昇するはずだ。そうなると、米ドル円も上げてゆく。

 そのはず、なのだが、問題は現時点では金利が上がっても米ドル円レートが反応しなくなっているのだ(楕円で囲ったエリア①②)。

① 金利とは関係なく米ドル円レートが動く。6月以降そうなってきた。
② ①と同じ期間の米ドル円レートの動きをあらためてみても、これは明らか

より細かく見てゆくと、6月15日から起きた現象だ。この日はFOMCがあった。FOMCをきっかけとして、今までの関係が崩れたのだろう。

直近の関係はどうなっているか、7月13-14日の米ドル円が1円50銭上げた日の動きを1時間足でみてみよう。

出所:TrioAM作成

この間の金利x-米ドル円yを数字で見ると、弱い関係ではあるが、1%の金利上昇で6.16円の上昇を示す線が引ける。

出所:TrioAM作成

先に示した1月から7月8日までの期間では金利1%で14円強動いたのと比較すると、傾きが緩くなったのがわかる。

2-3.米国のFF金利

ところで、米国の長短金利の関係を今年の推移でみておくと、FF金利は7月16日時点で1. 5%上昇、10年もの長期利回りは1.42%上昇した。結果の数字だけ見ると同期しているが、実はかなり違う。 政策金利であるFF金利は階段状に上昇するが、短期金利、長期金利ともに、国債市場でつけるものなので、予想や思惑も入り込み一定の関係を保ちながらも別々に動く。

出所:TrioAM作成

FF金利は金利先物市場では来年3月までに3.5%まで上昇することが予想されており、7月のFOMCを含めて今後1.75%上昇を債券市場は予想する。ここでは、来年3月までに長期金利はその半分、0.875%上昇すると見込み、米ドル円の予想を行う。

長期金利1%で6.16円動くとして0.875%上昇すると5.4円程度円安になり、2023年3月時点で145円程度になる。

その時の上下のレンジであるが、弊社が開発したトワイライトゾーンの考え方で求めてみる。これは、リスクを計測したうえで、そのリスクが継続する場合、8割の確率でゾーンの範囲に収まる幅をコアレンジとする。説明できる範囲を90%に広げると、ゾーンは広がり、それをサブレンジとする。

2022年7月14日に計算した,コアレンジ上が+1.5円、下が-1.5円。サブレンジ上が+3円、下が-3円。

2-4.想定レンジ

ここで予想した半年の推移をグラフで示すとこのようになった。

出所:TrioAM作成

レンジは相場の上昇に合わせて切り替わるが、米ドル円が直線で推移すると仮定すると、実勢レートは以下の日付で切り替わる。日付は参考にならないが、切り替わりの実勢レートは参考になる。以下の予想実勢レートに対し、コア±1.5円サブ±3円。

7月17日 139円 

9月17日 140.6円

11月20日 142.1円

2023 1月23日 143.6円

なお、ここでは日銀が誘導する政策金利はゼロのままであり、来年3月末まで(つまり現在の黒田総裁の任期ギリギリまで)、その姿勢が続くと想定している。日本も利上げをするとなると、途端に円高方向に巻き返すので、コアレンジまで算出しなおす必要があるので、その点留意していただきたい。