アメリカのマーケット展望【2022年7月度】

■短期の相場見通し

S&P500指数の向こう1カ月のターゲットは3600とします。

(出典:ヤフー・ファイナンス)

7月27日の連邦公開市場委員会(FOMC)では6月に続き0.75%の利上げが行われ米国の政策金利であるフェデラルファンズ・レート(略してFFレート)は2.25~2.50%になると考える投資家が多いです。

(出典:CME FedWatch)

その次の9月21日のFOMCでは0.50%の利上げが行われ政策金利は2.75~3.00%になるという意見が多数派です。

(出典:CME FedWatch)

さらに11月2日のFOMCでも0.50%の利上げが行われFFレートは3.25~3.50%になると見られています。

(出典:CME FedWatch)

しかしこの辺りで利上げは足踏みとなり、12月14日のFOMCでは更なる利上げがあるかどうかは微妙な感じになっています。

つまり連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを前倒しにして目先はアグレッシブに金利を引き上げてゆくけれどクリスマスの頃にはインフレの鎮静化、景気の減速が顕著となりFRBは利上げの手を緩めるというのが大方の見方なのです。

もしアグレッシブな利上げが前倒しで実施されるのであれば株式は上昇しにくいと思われます。7月は相場が安いと考える理由はここにあります。

■米国経済の現況

米国の経済指標の中でいま最も注目を集めているのは消費者物価指数です。5月の実績は8.6%で、過去40年で最悪の数字でした。

(出典:セントルイスFRB)

7月13日(水)に発表される6月の消費者物価指数がこの数字を下回るかどうかに注目したいと思います。

6月は全米平均レギュラーガソリン価格が高騰した関係でインフレは高止まりしているリスクもあります。その場合、FRBはタカ派のレトリックをいっそう強めることも考えられます。

■企業業績

一方、企業業績は全般的に好調です。米国を代表する株価指数であるS&P500指数を構成する企業の一株当たり利益(EPS)は今年が前年比+10.4%の230.11、来年が+9%の251.01になると予想されています。

(出典:ファクトセット)

いま向こう12カ月のEPSに基づいた株価収益率(PER)は15.8倍で、過去10年の平均である16.9倍より割安になっています。

■注目ETF

上にのべてきた通り7月はマーケットが安いと考えています。従ってトレード戦略としてはパワーシェアーズQQQ信託シリーズ(QQQ)、SPDR S&P500 ETF(SPY)、テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLK)、資本財セレクト・セクターSPDRファンド(XLI)、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)などを売り建てるやり方が考えられます。