豪ドルNZドル-2021年相場予想と戦略-

三角保合から新たな動きが見えるのか?

【2020年の豪ドル/NZドル相場を振り返って】

 2020年の豪ドル/NZドル相場は、新型コロナウイルスの感染拡大や両中銀の金融緩和策にも、揉み合い気味の展開で終了しました。
 年初は、米中通商協議第1弾の署名が行われてことで、若干豪ドルに買いが強まりましたが、その後新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、世界の国々が緊急事態を宣言、ロックダウン政策などの対策が実施されたことで、世界的に株式市場が急落、豪ドル/NZドル相場も、リスク回避的にパリティを割り込み0.9994の歴史的な安値まで下落しました。
 ただ、その後はFOMCや世界の中央銀行が利下げや資産買い入れなどの金融緩和策を発表、3月3日には、豪州準備銀行、3月16日にNZ準備銀行が利下げを発表、株価が下げ止まりをみせ、徐々に新型コロナウイルスに対しての警戒感が薄れたこともあって、豪ドル/NZドルは1.0882まで反転に転じました。
ただ、モリソン豪首相が、中国に対して新型コロナウイルスの独立調査の実施を主張したことで、中国が嫌悪感を示し、対抗策として豪州の大麦の輸入に高関税を付加、石炭輸入制限を発表したことで1.0567まで売り込まれましたが、堅調な金価格や鉄鉱石価格の上昇を受けて、8月には、2020年の高値1.1044を示現しました。
8月に入ると南半球である豪州では、冬場で新型コロナウイルスの感染者が再拡大したこと、ビクトリア州がロックダウンを再開、豪州準備銀行がターム物金融供給ファシリティの増額と延長を発表、NZの総選挙で、アーダーン首相率いる労働党が圧勝し、中国が豪州からの石炭輸入まで制限をかけ、豪ドルに悪い材料が続いたことで、1.0418の2020年の2番底安値まで売り込まれました。ただ、世界各国の株価が歴史的な高値を示現、豪州S&P/ASX200指数が、6700ポイントまで値を回復したことで、買い戻しが優勢で引けています。  

【2021年の主な材料】

以下が現在、判明している今年のイベントや材料です。注目度の高いものはマーカーで表示しています。ただ、あくまで予定で、変更されることがあります。

01月01日:ポルトガル・EU議長国就任
01月05日:米ジョージア州上院議員決戦選挙
01月06日:米大統領選における選挙人投票結果開票(上下院合同会議)
01月16日:独キリスト教民主同盟党(CDU)党首選挙
01月18日:日本・通常国会、アジア金融フォーラム(香港、19日まで)
01月20日:米大統領就任式
01月24日:ポルトガル大統領選挙
01月25日:ダボス会議(29日まで)
01月XX日:米大統領・一般教書演説(26日頃?)、IMF・世界経済見通し公表

02月XX日:米大統領予算教書・経済報告書公表
02月20日:米パリ協定復帰
02月27日:G20財務相・中央銀行総裁会合

03月XX日:中国第13期全国人民政治協商会議第4回全体会議、第13期全国人民代表大会第4回全体会議(北京)
03月14日:独バーデン・ビュルテンベルク、ラインラント・プファルツ州議会選挙
03月17日:オランダ下院選挙
03月25日:東京オリンピック・聖火リレー開始(最終的オリンピックの開催可否を決定?)
03月26日:米通商代表部・外国貿易障壁報告書公表
03月XX日:バイデン政権・気候サミット開催、ECBパンデミック緊急購入プログラム期限

04月07日:G20財務相・中央銀行総裁会合(8日まで)
04月09日:IMF・世界銀行春季総会(ワシントンDC)
04月XX日:国連・世界経済状況予測公表

05月06日:英地方議会選挙(ウェールズ、スコットランド)、英ロンドン市長・ロンドン議会選挙
05月19日:欧州復興開発銀行年次総会(アルメニア・エレバン、20日まで)
05月25日:世界経済フォーラム特別年次会合(シンガポール、28日まで)
05月XX日:G7サミット(英国)、米財務省・半期為替報告書公表

06月06日:独ザクセン・アンハルト州議会選挙、メキシコ連邦下院議員・州知事選挙、イラク国民議会選挙(予定)
06月18日:イラン大統領選挙(予定)
06月28日:G20外務相会合(イタリア・マテーラ、29日まで)
06月30日:IMF・世界経済見通し公表
06月XX日:フランス地域圏議会選挙・県議会選挙、世界銀行・世界経済見通し発表、WTO閣僚会議(カザフスタン・ヌルスルタン)、OPEC総会

07月01日:オセアニア圏・新会計年度開始、スロベニア・EU議長国就任
07月09日:G20財務相・中央銀行総裁会合(イタリア・ベネチア、10日まで)
07月23日:東京オリンピック開催(8月8日まで)、中国共産党結党100周年
07月31日:米債務上限の適用停止期限
07月XX日:中国北戴河会議、IMF・改訂版世界経済見通し発表

08月24日:東京パラリンピック(9月5日まで)
08月XX日:カンザス連銀シンポジウム(ジャクソンホール)

09月05日:香港立法議会選挙
09月13日:ノルウェー議会選挙
09月19日:ロシア下院選挙・統一地方選挙
09月26日:独連邦議会選挙、英国労働党大会(ブライトン。29日まで)
09月30日:菅自民党総裁任期満了、独議会・任期満了
09月XX日:東方経済フォーラム(ウラジオストク開催)、中国一帯一路サミットメルケル首相退任、仏2022年政府予算案・社会保障会計法案発表

10月01日:ドバイ万国博覧会(2022年3月31日まで)、米新会計年度開始
10月15日:IMF・世界銀行年次総会(ワシントンDC、17日まで)、G20財務相・中央銀行総裁会合(ワシントンDC、16日まで)
10月XX日:英国保守党大会(バーミンガム)
10月21日:衆議院議員・任期満了
10月24日:アルゼンチン中間選挙
10月30日:G20首脳会合(ローマ、31日まで)
10月XX日:中国共産党中央委員会全体会議(5中全会)

11月01日:国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(英グラスゴー、12日まで)
11月XX日:APEC閣僚・首脳会議
11月29日:スイス国民議会議長・全州議会議長選挙
11月XX日:米財務省・半期為替報告書公表

12月08日:スイス連邦大統領・連邦副大統領選挙
12月XX日:中国・中央経済工作会議
12月XX日:OECD経済見通し公表、OPEC総会

【2021年の注目点】

 2020年の相場環境を踏まえて、2021年の豪ドル/NZドル相場の注目点をまとめてみました。

・ 豪州とNZのファンダメンタルズの違い
・ 商品価格の上昇は続くのか?
・ 中央銀行の政策に変化はあるのか?

〇豪州とNZのファンダメンタルズの違い

 ご存知の通り、豪州とNZは、両国ともイギリス連邦の加盟国であり、地理的にも近く、地政学的リスクが低いこともあって、高金利通貨として、過去人気を博してきました。
 ただ、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大もあって、両国とも歴史的な低金利水準となっています。金利面での投資妙味の低下も、豪ドル/NZドル投資に関しては、影響は少なそうです。
ただ、そういった中でも、AUD/NZD相場は、不思議に軟調な展開を続けています。

以下のチャートをご覧ください。これは豪ドル/NZドル相場と、両国の市場性金利となる10年物国債利回り差を示したチャートです。豪ドル相場とNZドル相場は、元来金利との連動性の高い通貨ペアです。過去の推移見て頂ければわかるように、豪ドル金利高となるなら豪ドル高、逆ならNZドル高と、通常は両国の金利差に順じて、豪ドル/NZドル相場が連動して上下しています。ただ、何故か2016年中盤から金利差が拡大(豪金利高)しているにも関わらず、豪ドル/NZドル相場は安値圏で放置される動きを続けています。

 ここでひとつポイントとなるのが、豪ドルとNZドルは、「オセアニア通貨」として、一括りに考えられがちですが、実際産業面で大きな違いがあります。一言でいってしまえば、豪州は資源国であり、ニュージーランドは、農業国であることです。 
相場の動きに変化が出てきたのが、2016-2017年であることを考慮すると、この時に起こった「中国経済の景気減速懸念」が、鉄鉱石や石炭などの資源価格の下落を招き、加えてトランプ政権の誕生で、関税強化などで対中政策を強化したことが、中国と関係の深い豪州経済にマイナスの影響を与えたとの見方が、豪ドル相場を圧迫したことです。現状豪州では貿易収支などが改善、鉄鉱石や金価格などの商品価格に立ち直りが見えますが、モリソン豪首相が、中国に対して強気姿勢を示したことから、現在では直接的に、中国と対立する形となっています。年末には、WTOに中国を提訴したようですが、こういった結果には時間がかかること、加えて中国に対して更に悪いイメージを与えることもあって、今年も豪中の関係改善が見えなければ、豪ドル相場には良い影響を与えないでしょう。こういったニュースには、細心の注意を払っておきましょう。 
一方で、ニュージーランドも乳製品の対中輸出など、中国経済の悪化による影響も一部ありますが、コロナウイルス対策が功を奏していることや政権の安定性もあって、総じてリスクマネーが、NZに入り易いのかもしれません。この面では、当面対豪ドルでのNZドル高は続きそうだといえるかもしれません。 

〇商品価格の上昇は続くのか?

 金価格が今年市場高値を更新、鉄鉱石価格も大きく上昇していますが、更に上昇できるのか、テクニカル面からチェックしておきましょう。
 以下は金のスポット価格の月足ですが、2075ドルの歴史的な高値示現後は調整気味です。特に注目はモメンタムを示すスロー・ストキャスティクスの動向で、買われ過ぎの位置から反転下落気味です。ダイバージェンスの可能性もありますが、1920の高値と2075ドルの高値がダブル・トップとなる可能性もありそうです。1764ドルを割り込めば、1500ドルやサポート圏となる1300ドルへの調整リスクは残っています。ただ、こういった位置はサポートが控え支えられるでしょうが、今年もし、コロナウイルスの影響が改善に向かって、経済が立ち直るなら、ドル安や米金利の上昇し調整する可能性が、残っていることは注意しましょう。

こちらは、鉄鉱石の先物価格です。157.30ドルから38.03まで下落後、直近では中国の景気回復などを背景に、急伸しています。2013年の高値を越えるも安値から4.60倍近く上昇していますので一過性の可能性も高く、更なる上値追いは不透明です。ただ、モメンタムはまだ上昇を維持していますので、下値は127.49-117.88ドルゾーンが支えると堅調が想定されます。

 こちらは、鉄鉱石の先物のチャートに、オージードルと豪ドル/NZドル相場を重ねたものです。過去連動性が高いことがわかりますが、直近の豪ドル相場は、価格が乖離して、鉄鉱石に上昇についていけていません。
 鉄鉱石の上昇が中国の景気拡大が要因とは、皮肉な話ですが、豪中の関係が改善するまでは、豪ドル相場の上昇要因とはならないのかもしれません。

〇豪州準備銀行とNZ準備銀行のスタンス

 オセアニア圏は、南半球ということで、冬場の北半球に反して、既に新型コロナウイルスの感染拡大が終息に向かっているようです。ただ、今後感染の再拡大があるかは不透明ですが、豪NZ両準備銀行は、少なくとも更に利下げの可能性は低そうです。そうなると次の利上げのタイミングがポイントとなりますが、こちらも世界経済全体が回復に向かわない限り、慎重姿勢は崩さないでしょう。当面は現状の政策を維持すると思いますが、今後中銀のスタンスの変化に、相場が敏感に反応する可能性もあります。油断せずに中銀のスタンスの変化には注目しておきましょう。 

 以下が中銀の金融政策会合の予定日です。ご参考にしてください。
豪州中銀・政策金利公表
02月02日-02月16日:議事録公表
03月02日-03月16日:議事録公表
04月06日-04月20日:議事録公表
05月04日-05月18日:議事録公表
06月01日-06月15日:議事録公表
07月06日-07月20日:議事録公表
08月03日-08月17日:議事録公表
09月07日-09月21日:議事録公表
10月15日-10月19日:議事録公表
11月02日-11月16日:議事録公表
12月07日-12月21日:議事録公表

NZ中銀・政策金利公表
02月24日・総裁記者会見
04月14日
05月26日・総裁記者会見
07月14日
08月18日・総裁記者会見
10月06日
11月24日・総裁記者会見

【テクニカル面】

 まず、豪ドル/NZドル相場を形成する、豪ドル/ドル相場の月足からチェックしておきましょう。
 豪ドル/ドル相場は、0.4775の安値からの長期サポートを割り込むも、0.5510で下げ止まりを見せて、堅調に反発しています。サポートを切れて騙し的な反発となっていますので、若干不透明ですが、現状は0.6992が支えると強く、割れても0.6343-0.6447ゾーン、0.60前後が支えると堅調が続きそうです。
 一方上値は、既に0.80前後のサイコロジカルで、マイナー・レジスタンスを目指す動きとなっていますが、若干スロー・ストキャスティクスも買われ過ぎに近く、更に上値追いは厳しいでしょう。また超えると動きがあれば0.8136-08164の戻り高値圏がターゲットとなりますが、ここから上値では、フィボナッチ・リトレースメント(0.5510~01.1083)の50%となる0.8297のクリティカルなポイントが、1.1083の高値から最終レジスタンスに控えています。上昇してもこの位置は上値を抑える位置となるでしょう。 
 従って、今年の豪ドル/ドル相場の想定レンジを、0.6600~0.8300とします。 

 次にNZドル/ドル相場の月足ですが、一時2000年からの長期サポート・ラインを割れて、0.5469の安値まで下落していましたが、この位置からは急反発となっています。下ヒゲで終わっており、一般的に「騙し」のカテゴリーとするなら、今後下値は、水色のゾーン、だいたい0.6182-0.6141、0.5844-0.5920ゾーンなどが支えると堅調が続くでしょう。
 一方上値は、既に0.7244の高値と0.70のサイコロジカルやマイナー・レジスタンス、0.7560をトップとしたネックラインも上抜けています。下段に示したスロー・ストキャスティクスも反転上昇が続いており、早期には0.7438-0.7580の高値を目指す動きとなりそうです。ただ、こういった位置まで上昇した場合、モメンタムが買われ過ぎゾーンに突入して、抜けきれなければ、一旦の調整の可能性も残っています。このような上昇では利食いが良さそうです。あくまで0.7438-0.7580を超えて、0.80方向への上昇期待ですが、この位置も長期の0.8842-0.8838のダブル・トップのショルダーに相当することから0.80-82台は重い位置となります。
 従って、今年のNZドル/ドル相場の想定レンジを、0.6200~0.7600とします。

 以下は豪ドル/ドル相場とNZドル/ドル相場の想定レンジから、マトリックス・チャート(価格帯によるクロス円の位置)です。 
 豪ドル/ドルの想定レンジを0.6600~0.8300,NZドル/ドルの想定レンジを0.6200~0.7600としましたので、これから算出された豪ドル/NZドル相場の、若干広いですが最大想定レンジは、0.9863~1.2000程度となります。

最後に豪ドル/NZドル相場ですが、一定のサイクルがありますので、超長期の月足チャートからチェックしてみましょう。
 御覧のように比較的上下に大きく動いていますが、まず、高値の動きを見ると①が8年4か月、②が10年6か月となっています。もし、2年多くなるパターンを想定すると、次の高値③は、12年後と仮定すれば2023年となります。これがぴったりと来るかは不透明ですが、世界経済の回復見通しとも一致します。従って少なくともAUD/NZD相場の本格反騰は、まだまだ先になりそうです。  
 一方底値は、もっとはっきりとしたサイクルが見えています。
 ④は1年11か月、⑤は2年10カ月でダブル・ボトムをつけてその後反発しています。今回は、異例に長い期間で、⑥は4年11か月となっていますが、まだ下げ止まりを確定できせんが、倍々で底値を付けると仮定すると現状の安値が歴史的な1.0020と0.9994の底値で、ダブル・ボトムを形成している可能性が高そうです。 
 ただ、そうであっても、前述の高値のパターンからは、まだまだ本格的に上昇できません。また、過去の安値となる1.0500、1.0668、1.0657、1.04301.0028、0.9994を平均した値が1.03795となりますが、これを底値レベルとして、一方で上値の1.4228、1.3644、1.3793を平均した1.3888を高値として、この半値を取ると1.2134となりますが、チャート上で示したように、ざっくりと過去の相場の中心値を示しています。
つまりこのレベルを超えるまでは、大きな上昇は期待できないこととなります。 

それでは、直近の月足からテクニカルをみてみましょう。
 今年の3月の0.9994の安値は、コロナウイルスのリスク回避で、世界的に株価が急落した時の動きですので、オーバー・シュートと見なすと、総じて三角保合の範囲の動きとなっています。当面は、この上下をブレイクしない限り相場に大きなトレンドは見えてこないでしょう。また、ブレイクがあっても、騙しの動きとなるケースや、揉み合いが続く可能性もあることは留意しておきましょう。その場合、当面この三角保合の中心値(APEX)となる1.0728を挟んで、0.0500レンジの上下となる可能性で見ています。
ただ、徐々に保合が狭まっていることも事実です。レンジ・ブレイクの可能性も注目しましょう。上値は、1.10前後がレジスタンスとなっていますが、この位置から1.1044,1.1174,1.1290を順次超えると1432などがターゲットとなります。ただ、1.1680の今年の上抜けは不透明ですが、超えるなら、中心値の1.2134への期待となります。一方下値は、サポートが1.0205から1.0250程度にあって、維持すると更に下落は拡大しませんが、維持出来ない場合1.0137や1.0020の安値圏がターゲットとなりますが、維持出来れば良いですが、ただ0.9994の安値を割れると相場が崩れ気味となること注意しましょう。 
しかしながら、1.0020と0.9994の安値でダブル・ボトムをつけていること、加えてモメンタムを示すスロー・ストキャスティクスが反転上昇していることから、上方ブレイクに期待したところです。 

【予想レンジと戦略】

 それでは以上を踏まえて、豪ドル/NZドル相場の今年の見通しと戦略についてお話します。
 ただ、あくまで新型コロナウイルスの感染が、最悪の事態まで再拡大しないことを前提としています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ファンダメンタルズ面での比較は、為替市場であまり意味をもたなくなっています。世界が正常に戻るまでは、こういった状況が続くでしょう。従ってテクニカル面を中心に、2021年の戦略を考察しています。  

今年の豪ドル/NZドル相場の想定レンジを1.0200~1.1500とします。前述のマトリックス・チャートからは0.9863~1.2000が算出されていますので、一応この範囲に留まっているので、不整合はないかと思います。

基本的に、戦略は逆張り気味ながら、押し目買いを優先したいと思います。 
 ストップを思い切って、0.9994に置いて、1.02ミドルから1.0000台まで慎重に買い下がり場を探してみましょう。下値の買いが付かないなら逆に強いと考えましょう。ターゲットは1.1000前後の動向次第で、抑えられるなら利食っても、その後も押し目を買い直しながら対応するのも一考となります。また上値がCapされるなら、売りも検討されますが、ストップは1.1290越えなどに置いて、利食いも三角保合のサポート圏が維持されるならしっかりと利食いましょう。 
 また、保合を超えても1.1044-1.1432ゾーンは慎重に利食い場を探しながら対応するのが良いでしょう。あくまで1.1680を超える動きを見てから、強気となるので、状況にもよりますが、逆にこの上抜からトレンドを追うように心がけるのが安全かもしれません。ただ、今年こういった上昇には、余程豪ドル相場に好材料が出て来ないと難しいのも事実です。特にオセアニア通貨の傾向としては、会計が代わる7月からの動きに注目しておきましょう。