TQQQは再び最高値を目指すのか!?

ナスダック100トリプル(TQQQ)は2020年9月2日につけた175ドル付近の最高値を再度目指すことが十分に考えられます。その理由は第一にまだ次期大統領が確定していないとはいえ、不確実性の高かった米国大統領選挙を無事に通過できたこと。第二にコロナワクチンの有効性に関する報道がでてきており実用化へ着実に近づいていること。最後に、コロナが終息しても在宅ワーク継続など人々のライフスタイルが大きく変化し、ITおよびハイテク機器の重要性がこれまで以上に大きな存在となることが考えられます。こういったハイテク株を中心に構成されるナスダック100指数も引き続き相場をアウトパフォームする可能性は高いと考えられます。

以上の3点からナスダック100トリプルは再び最高値を目指す可能性は十分にあると考えられます。また直近のナスダック100トリプルはダブルボトムを形成して短期的な底値を固めたように見え、今後最高値の更新を目指すのかが注目されます。

1.ダブルボトム発生で上昇か!?

最近はレンジ相場が続いていましたが、ダブルボトムに近いチャートパターンが発生しています。またワクチンの有効性などの株価にとってはプラス材料も出てきていることから、高値を目指す値動きになると考えられます。
ダブルボトムとは「安値を二回つけた後、その間にできた高値を上回った場合に買いサインとなるチャートパターン」を指します。

出所:Bloomberg

現在のナスダック100トリプルのチャートでは、9月下旬の安値(①)および10月末の安値(②)の110ドル付近を底値と捉えることができます。その間につけた10月上旬の高値155ドルを超えることができれば、最高値の180ドルが次に意識される価格となります。155ドルを超えた場合には、買いが買いを呼ぶ展開となり、一気に最高値を目指すシナリオが考えられます。
反対に110ドルの底値を割った場合には、ダブルトップ(売りサインとなるチャートパターン)となる可能性も残っています。その場合には自動売買プログラム「ヘッジャー」の活用が考えられます。
ヘッジャーについての解説記事は こちら

2.ナスダック100トリプルの最近の動向

選挙前の9月に最高値をつけて以来、110ドルから150ドル付近のレンジ帯での値動きとなっていました。
選挙期間中、一時はトランプ氏が巻き返す動きもありましたが、バイデン氏優勢の報道を価格に織り込むような流れとなりました。

出所:Bloomberg

選挙後は各州の開票速報により為替は影響を受ける場面がありましたが、米国株式市場開始時刻までにバイデン氏の勝利が大勢となり、11月4日は大きな混乱なく取引が行われました。

11月9日にファイザー、11月16日にモデルナから待望のワクチン有効性に関する報道が出たことで、金利が急騰し、ナスダック総合指数は大きく下落し、TQQQも下落しましたが、そのまま下方向には行かず再度切り返して横ばいが続き、再度160ドルを目指す様相になってきました。現在は大統領選やワクチンニュースなど、転換期を迎えているように考えます。
直近コロナ患者が世界各国で急増していることもあり、今の株価市場に与える最大要因の一つのため、ワクチン報道と価格推移には注意が必要だと考えます。

3.まとめ

ワクチン期待により株価は上昇しており、11月24日にはNYダウは史上最高値を更新し、3万ドル台で取引を終えました。一方で日本国内、世界各国でコロナ感染者数は日に日に増加しています。ワクチン開発が成功しても、まだ臨床試験など実用化までにもう少し時間が掛かることは明らかなため、株式市場でも一時的な調整の動きは出てくることが想定されます。ナスダック100トリプルの底値110ドル付近から下落した場合には、ヘッジャーの売り注文を活用することがリスク回避手段の一つと考えられます。
経済が崩壊しないように各国で大規模な金融緩和や政策を行っています。ワクチンの実用化がより現実的になれば、金融政策によって余ったキャッシュが株式市場にも流入してくることが考えられ、ナスダック100トリプルの最高値更新もそう遠くないのかもしれません。
ワクチンに期待しつつ、体調面のリスク管理だけでなく、トレード面のリスク管理を行うように気を付けましょう。