現地レポート『これだけは知っておきたい!貧困問題基礎講座2016』に参加しました
自立生活サポートセンター・もやい

こんにちは。「インヴァストミッションプロジェクト」推進チームです。
「ミッションプロジェクト」は、みなさんのトレードが取引量に応じてポイント化され、
そのポイントによりさまざまな社会貢献活動を行っている認定NPO法人を支援できるというプロジェクトです。
ご支援いただくと、みなさんにも税制優遇などのサポートが受けられる場合もありますので、ぜひご参加いただければと思います。

さて、今回はミッションプロジェクトでご協力いただいている「認定NPO法人 自立生活サポートセンター・もやい」さん主催のイベント
「これだけは知っておきたい!貧困問題 基礎講座2016」に参加してきました。その模様をレポートさせていただきます。

今回で3回目となるこの講座は、約40名の福祉関連職従事者や学生を中心に一般の方が参加し、貧困問題の現状把握をテーマに、2日間にわたって開催されました。
専門家も多く参加する講座ですが、一般の私たちにも大変分かりやすい内容で、色々とショッキングな気付き、目からウロコの情報がありましたので、みなさんとシェアさせて頂きます。
※講座の概要はこちらをご覧ください(もやいのページに遷移します)

「ホームレス」は全国に何人いる?

講座テキスト
もやい主催「これだけは知っておきたい!貧困問題 基礎講座2016」資料

もやいさんは、ホームレスに代表される生活困窮者の方々への支援を行っている団体です。具体的には、ホームレスの方が新たにアパートを借りる際に必要な保証人になったりしています。
国の調査によると、ホームレスの人口は2015年時点、全国で6,541人、東京都で約1,000人程度と、減少傾向にあるそうです。渋谷駅前スクランブル交差点における、青信号時の通過人数が多い時に1回あたり約3,000人といわれているのに比べると、思ったより少ない印象ですが、そこにはやはり「からくり」がありました。
まずホームレスとは、国により「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」と定義され、さらにその集計方法は、「昼間」に、「目視」で、行われているそうです(日本野鳥の会のように目で見てカウントする方法です)。すなわち、「昼間に、公園とか駅、河川や道端いる人」しかカウントされないシステムです。

しかしホームレスといっても、今ではその生活パターンが多様化しており、上記で定義されている「定住型ホームレス」と「移動型ホームレス」のほかに、「たまにホームレス:お金がある時はネットカフェ等、ない時は路上生活」、「ネットカフェ難民:ネットカフェやファーストフード店などで生活」、「不安定住居層:脱法ハウスや安宿など宿泊施設等で生活」、「住居喪失予備軍:住み込み層や実家暮らし(ニート・ひきこもり層)」など、カウントの対象外となっている「ホームレス状態」の方がたくさんいるのが実情です。国の調査方法では、定住型と移動型で昼間、目に付く場所にいる方々しか、カウント出来ません。
考えてみれば、全国で6,541名、東京で約1,000名なはず、ある訳ないですよね。

「6人に1人が貧困」という言葉の実態

セミナーの模様
講座の模様

もやいさんでは、ホームレスの住宅支援を軸に、幅広く「貧困問題」の解決にも取り組んでいます。 「貧困」という言葉をイメージしてみて下さい。毎日のご飯を食べることも難しいような、日々の生活をすることもままならないような状態を思い浮かべるかも知れません。国連の人間開発報告では、このような状態を、1日1.25ドル以下の生活をしている「絶対的貧困」と呼んでいます。
一方日本では、「相対的貧困」が大きな問題とされています。「相対的貧困」とは、国民全員の可処分所得を全て合計し、人口で割って中央値を算出し、その半分以下の可処分所得しかない状態を指します。 現在、日本における所得の中央値は244万円で、貧困ラインはその半分の122万円以下という状況です。
ひと月に換算してみると、月に約10万円以下で生活をしている人たちが、相対的貧困層ということになります。

過去15年間を見てみると、バブル崩壊後の失われた時代から今に至る過程で、この中央値は298万円から244万円に減少しました。これは貧困ラインも、149万円から122万円に下がっていることを意味します。その一方で、「貧困率」は上昇傾向にあり、2012年時点の日本の貧困率は16.1%、すなわち6人に1人が、相対的貧困層となる計算です。
しかし、「貧困問題」というと、「絶対的貧困」のイメージが先行するため、これらの「相対的貧困」は「見えない貧困」としてなかなか認識されていないのが現状です。

なぜ人は貧困に陥るのか?

では、なぜ人は貧困に陥るのでしょうか? 一般的に低収入になる理由は、以下の通りです。

  • 非正規労働の拡大:派遣社員や契約社員の増加で、正社員に比べて低賃金、低就労収入
  • 資産形成の困難さ:長期低金利、ゼロ金利状態で、資産運用も元手となる投資元本がないと出来ない
  • 核家族化:家族、親戚の関係が疎遠になったり、経済的理由から、相互扶養能力の低下
  • 社会保障の脆弱さ:長期経済低迷で税収も伸び悩む一方、高齢化社会到来で社会保障原資が厳しい状況に

で上記のうち、とくに非正規労働の拡大においては、1990年には106万人だった25歳~34歳の非正規労働者数は、2014年には300万人と、約3倍弱に増加しているそうです。
非正規雇用の場合、最低賃金での労働環境も少なくなく、フルタイムで働いても相対的貧困層の所得に近い水準となります。

また認識面でも、まだまだギャップが大きいといえます。一般に「非正規労働の拡大」は「社会的な問題」として捉えられています。一方で「貧困」はどうでしょうか?たとえば、「40代の派遣社員の貧困」と聞くと「個人の問題」として考えられる方も多いのではないでしょうか? これらは「貧困」のイメージが、「絶対的貧困」であるのか「相対的貧困」であるのかという認識も関係してきます。
これらのギャップにより、近年の社会保障はより「個別的」なものとなり、その「対象」に入らなければ支援を受けづらい環境になっています。もちろん税金を使って支援をするのですから、不正受給問題に挙げられるような「怠惰」で「素行不良」であるような人には使われたくない、というのも当然の考えです。

なぜ人は貧困に陥るのか?

講座の内容を丁寧にご説明いただきました

過去15年間を見てみると、バブル崩壊後の失われた時代から今に至る過程で、この中央値は298万円から244万円に減少しました。これは貧困ラインも、149万円から122万円に下がっていることを意味します。その一方で、「貧困率」は上昇傾向にあり、2012年時点の日本の貧困率は16.5%、すなわち6人に1人が、相対的貧困層となる計算です。
しかし、「貧困問題」というと、「絶対的貧困」のイメージが先行するため、これらの「相対的貧困」は「見えない貧困」としてなかなか認識されていないのが現状です。

貧困問題は思っているよりも身近な問題。だから、できることから

このように世界第3位の経済大国であるわが国でも、「貧困」に関してはさまざまな問題を抱えています。生まれながらの環境、急な疾病、経済の停滞、そして自然災害の影響など、貧困に陥るきっかけはさまざまです。誰にでも起こりうる問題であり、単なる「個人の問題」として処理をするだけでなく、柔軟に考えるべきテーマのひとつです。
インヴァストミッションプロジェクトの社会貢献ポイントによるご支援は、そんな彼らを応援するためにできる、身近な一歩のひとつです。ぜひホームページやプロジェクトページをご覧いただき、ご支援をいただけますようお願致します。

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