第601回 【(テレビなどの)相場のコメントを鵜呑みにしない方が良い】

こういった表題(タイトル)だと、私自身が相場のコメントをしているので、自己否定しているようで、なんだか滑稽な気もするのですが・・・。

そこで、表題(タイトル)に、「テレビなどの」と付け加えました。

決して、自己否定する気持ちも全く無いし、極めて真摯な内容です。

国民の投資に対する関心が高まり、マーケットの現況をリアルに伝えるテレビ番組が増えてきました。

その多くは、株式指標や個別銘柄の株価、為替相場などのデータとともに、証券会社関係者や株式評論家の解説やコメントがあり、投資家の興味を引くような作りになっています。

こうした番組や新聞雑誌の相場記事等を見ていて気になることは、株価の上昇(株の買い)材料に対しては声が大きく、下落(売り)材料に対しては声が小さいということです。

個人投資家の多くは、現物株取引なので、基本的に「買い」からしか入れません。

そのため、買い材料を重視するのは致し方ないことでしょう。

しかし、悪材料が出ていて株価急落の恐れがある場面でも、それをはっきりと伝えないという姿勢は、好ましくないどころか、間違っている、と思います。

結論から言えば、この体質は変わらないでしょう。

証券関係者や株式評論家のコメントには、 『バイアスがかかっている』 『意図的に買い材料と売り材料のバランスを崩している』 と疑ってかからないと、投資家の利益を損ねる可能性が高い、と考えます。

為替相場に関しても、関係者の発言が、すべてニュートラルであるとは言えません。

日本の大手企業の大半は輸出企業であるため、円高は悪というバイアスがかかった発言が見受けられます。

しかし、国民の立場(=広く、消費者の立場)で考えれば、「円高=自国通貨が強くなること」であり、良いことなのです。

円高になれば国富が増え、円安になると減ってしまいます。

また、円安の状態が続くと輸入物価が上昇し、国民生活は圧迫されます。

だから、基本的に円高(=自国通貨高)は、良いことなのですが、大手企業に配慮しているのか、円安を歓迎するコメントが多く見受けられます。

投資家が解説やコメントを投資の参考にする場合は、その人物の立場を考慮しつつ、発言内容を吟味する必要がある、と考えてやみません。

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(2013年7月29日東京時間10:15記述)

第600回 【中国の貸出金利の下限撤廃は、シャドーバンキング問題の解決策にならない】

中国のシャドーバンキング問題(影の銀行問題)が危惧されています。

シャドーバンキング問題が、中国の経済の「バブル崩壊」のトリガー(引鉄)となるのではないかと、懸念されるからです。

シャドーバンキングとは、当局の監視下にある銀行ではない企業や個人が、高利で資金を貸し付ける行為で、不動産価格高騰の大きな要因となる一方で、借金が返せず破産する借り手が急増しています。

シャドーバンキングの資金供給源となっているのが、貸出債権や債券などに投資する「理財商品」と呼ばれる高利回り商品で、残高は8兆2000億元(約130兆円)に達するという報道もあります。

6月に上海株式市場が急落しました。

その際の原因は、銀行間で取り引きされる短期金融市場の金利の急騰にあり、中国人民銀行が理財商品へ流れる資金を減らすために資金供給を絞ったためでした。

まったく同じ状況とは言いませんが、多くの人たちは、およそ25年前の日本の「バブル崩壊前夜」を思い出すのではないでしょうか?

中国政府や中央銀行は軟着陸を目指していますが、私は、「バブル崩壊」の可能性は高いと考えています。

また、米国の出口戦略(ドル回帰の動き)と絡んで、新興国通貨からの資金流出が加速し、アジア通貨危機の再現が危惧される、と考えます。

先週末に、モスクワでG20が開催されましたが、G20直前の7月19日に、中国人民銀行(中央銀行)は、銀行の貸出金利の下限規制を20日から撤廃すると発表しました。

硬直的な金利規制が「影の銀行(シャドーバンキング)」を拡大させている、といった国際的な批判をかわすことが目的だったのだろう、と考えます。

中国が、金利自由化へ向け一歩を踏み出したことになるので、一定の評価はするべきでしょう。

しかし、貸出金利の下限撤廃は、中国のシャドーバンキング問題の抜本的な解決策にならない、と考えます。

そして、先週末に開催されたG20では、中国のシャドーバンキング問題は議論されていない、と日本の財務省幹部は発言しています。

シャドーバンキング問題がG20のテーマにならなかったことは、中国の関係者にしてみれば、思惑通りなのでしょうが、懸念が深まった(深まっている)、そして、問題は先送りされた、と判断すると、ますますリスクは高まっている、と考えるべきです。

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(2013年07月24日東京時間23:35記述)

第599回 【当面の主要材料が出尽くし】

バーナンキFRB議長は7月17日の議会証言で、量的緩和策の縮小を「既定路線ではない」とした上で、「景気が予想以上に回復すれば量的緩和の縮小を速める可能性がある」という趣旨の発言をしました。

バーナンキ議長が5月に入って出口戦略を語り始めたことで「縮小」の流れが生まれ、6月19日の記者会見で、9月から始まる量的緩和の縮小と終了の暫定的な行程表を明らかにしました。

その影響で米株が下落し、エマージング(新興国)通貨が下落し、エマージング株が大きく下がったことで、関係者はマッチポンプ的に量的緩和策の縮小を否定しましたが、バーナンキ議長は17日の議会証言では縮小へ向かうことを否定せず、基本的に従来の発言を踏襲しました。

このことで「ドル買い圧力」は継続される、と考えます。

19日・20日に、モスクワでG20会合が開催されました。

エマージング諸国側からは、量的緩和策縮小が自国経済に影響を与えるため、配慮を求める声があり、G20声明には「先進国に信頼できる財政戦略を要請」と盛り込まれました。

しかし、具体的に為替市場に大きな影響を与える可能性は低い、と考えます。

そして、21日は参院選の投開票が行われました。

事前予想では早くから自民党圧勝、衆参ねじれ解消が伝えられており、ほぼ間違いなく同様の結果になると考えていましたが、結果はその通りでした。

しかし、マーケットは自民党が勝つことを織り込んで円安方向へ動いたことから、「材料出尽くし」と考えます。

週明け月曜日のマーケットでは、「ドル買い円売り」が先行するのでしょうが、その流れは、それ程長続きしないのではないか、と考えています。

つまり、「噂で買って結果で売る」という格言通り、「材料出尽くし」で、選挙後は円高方向(ドル売り)へ圧力がかかるのではないか、と考えています。

では、量的緩和策縮小による「ドル買い圧力」と、参院選結果による「ドル売り圧力」ではどちらが強い影響力を持つのか?

圧倒的に、量的緩和策縮小による「ドル買い圧力」と考えられるので、選挙結果に関してはあまり考慮しなくて良さそうだ、と考えています。

また、エマージング通貨については、量的緩和策縮小による「ドル買い圧力」の結果として、「エマージング通貨売り/ドル買い」の方向に圧力がかかる、と考えますが、大荒れになる恐れがあるので、手を出さないほうが賢明と判断します。

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(2013年7月22日東京時間00:30記述)

第598回 【参院選までは、政権与党の思惑通りに運んだけれど・・・】

振り返ると、ユーロはゴールデン・ウィーク中に金利引き下げが行われました。

欧州中央銀行(ECB)は5月2日に開いた定例理事会で、政策金利を過去最低の0.5%としました。

これ以上金利を引き下げることは事実上不可能なので、ユーロはぎりぎりのところまで追い込まれました。

この時点で、ドラギECB総裁が、ユーロのマイナス金利に言及しているので、今後、マイナス金利を実施する可能性もありますが、通常の常識で考えるならば、これ以上の金利引き下げは出来ないところまで追い込まれた、と言えます。

利下げは基本的に「ユーロ売りの材料」となります。

一方、米国を見ると、このところの雇用統計では、非農業部門雇用者の増加数が事前予想を上回る伸びとなり、景気回復期待が高まっています。

そして、バーナンキFRB議長は、緩和政策の出口戦略について発言するなど、量的緩和策の終わりが近づいています。

米国の量的緩和策の終わりは、基本的に「ドル買いの材料」です。

こう考えると、ユーロとドルに関しては、基本的に「ユーロ売りドル買い」のスタンスで臨むべき、と考えます。

もちろん、マーケットの需給や、ポジションの偏りで、相場が反対方向に動くこともよくあることなので、その都度、対応するべきことは、いろいろとあるのですが、基本スタンスは、上述で良い、と考えている訳です。

ユーロとドルの「結論」をベースにして、日本の状態を振り返った時、やはり、アベノミクスと日銀の金融政策に注目が集まります。

日銀が4月4日に「異次元の金融緩和」を決定したことで、マーケットは「円安株高」に向かいました。

5月に公表された金融政策決定会合の議事要旨には、委員からは異論が出なかったとあり、異次元の金融緩和策が強力に推し進められることは明らかです。

ただし、金融緩和策は現在、実行段階に入っているところであり、当面、マーケットに影響を与えるような新たな政策が出てくる状況ではありません。

ここで注意したいことは、「円安株高」が、今月(7月)に予定されていた参院選までのパフォーマンスを兼ねていたことです。

一時的な調整はありましたが、政権与党は参院選までは是が非でも「円安株高」を維持しようとしてきました。

為替に関しては、G20で為替操作を目的としないことを約束させられているので、「口先介入」のような露骨な発言は控えてきたようですが、「円安」を利して、株価を高くする意向であったことは明らかでしょう。

この週末には、その参院選が、いよいよ迫っています。

為替を見ても、株価を見ても、今年の最高値と比べると少し下げていますが、昨年と比べると、十分に「円安株高」です。

参院選までの残りの営業日は、二日だけですから、この二日間で、驚くほどの大変動が無ければ、目標達成と言えます。

政権与党にしてみれば、「してやったり」と、思っていることでしょう。

ここにきて、注意すべき点は、参院選が終われば、『選挙のための「円安株高」』は必要が無くなる、ということです。

もちろん、消費税増税のために、「円安株高」を維持しようとするのでしょうが、そうそう政権与党の思惑通りに、事が運ぶのだろうか・・・?

個人的には、懐疑的に見ています。 つまり、参院選の直後は、「円安株高」気味なのでしょうが、参院選が終われば、「材料出尽くし」となる可能性もあり得る、と考えています。

相場の格言に、「ウワサで買って、事実で売れ」とあります。

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(2013年07月18日東京時間02:45記述)

第597回 【高金利通貨はいずれ下落する】

ドル(USD)、円(JPY)、ユーロ(EUR)、ポンド(GBP)、スイスフラン(CHF)、そして、一般に先進国通貨とされる豪ドル(AUD)の6通貨のうち、現在、金利らしい金利がつくのは豪ドル(AUD)だけです。

では、『金利とは、何か?』というと、それは、『インフレ率』のことです。

それゆえに、インフレ率の高いオーストラリアは、金利(現在の政策金利は2.75%)も高く、豪ドル(AUD)はキャリー・トレードの対象とされて、資金が流入し、長く豪ドル高(AUD高)が続きました。

その資金流入の歯車が、今、逆回転をしています。

豪ドル/米ドル(AUD/USD)を例に取れば、4月までは資金が、オーストラリアに流入していたのですが、5月以降は流出に転じています。

巷では、原材料の輸出国であるオーストラリアは中国経済の依存度が高く、中国経済減速の煽りを受けて......という解説がなされています。

確かにそれも一因ですが、主たる原因ではない、と考えています。

袋に水を入れ続けている状態を想像してください。

いずれ袋には亀裂が入り、水が少しずつ漏れ出します。

亀裂は徐々に大きくなり、最後には袋が裂けて大量の水が噴き出します。

豪ドルは亀裂が大きくなっている状態であり、売りが売りを呼んでいる状態です。

一度始まった資金の流出は止めようがありません。

『この流失が、いつまで続くのか?』という時期、つまり、『終わる時はいつか?』は、予測できません。

過去に、豪ドルに流入した資金の一定量が、出て行けば終わるのですが、2008年、2009年頃から、今年(2013年)の初め頃まで、流入の時間は、数年間続いています。

短時間(今回のケースならば、2~3ヶ月)で、一定量の資金流出は不可能です。

だから、『まだ、流出を続ける可能性がある』という予測はできます。

豪ドル(AUD)の上昇に賭けていた投資家にとっては、異常事態に映るのかも知れませんが、「高金利通貨はいずれ下落する」のだから、現在の状態が正しい状態と言えることも事実です。

今、上述の「いずれ」の時が来ているのだ、と考えています。

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(2013年07月11日東京時間02:00記述)

 

第596回 【為替と株の連動はブームに過ぎない】

先週のドル/円は、100円台を回復し、週末には101円台に上昇ています。

先週の日経平均株価は、1万4000円を回復しています。

現在の相場は、為替と日本株の連動性が高く、ドル/円相場が円安方向へ向かうと株価が上昇し、円高方向へ向かうと株価が下落する傾向が強く出ています。

その背景には、円安は大手輸出企業にとってプラス材料なので日本株が上がり、円高は大手輸出企業にとってマイナス材料なので日本株が下がる、という発想があります。

過去はどうでしょう?

20年以上も前の話になりますが、日経平均が3万8915円の最高値をつけたバブルの時代は、日本株を買う海外投資家の円需要が高まり、株高=円高となりました。

「それは昔の話であり、今は状況が変わった」と捉えるのではなく、為替と株は本来連動するものではなく、「いまはたまたま連動がブームになっているに過ぎない」と解釈すべきです。

つまり、現在の相場つきを見ると、為替と日本株には「正の相関関係」があるように思われがちですが、これは、たまたま現在の相場にマッチしているだけで、未来永劫に、この「正の相関関係」が続く訳ではない、ということです。

しかし、だからといって相場の格言「人の行く裏に道あり花の山」を実践して、日本株が上昇している時に、ドル/円を売り向かっても、利益を出すことはできないでしょう。

ブームが続いている間は、ブームを意識して行動したほうが良い、ということです。

では、先に動くのは為替か株か?

株式投資をメインにしている投資家から見れば、為替相場が円安に向かったので株を買ったという発想でしょう。

逆に、為替取引をメインにしている投資家は、日経平均が上昇するとドル/円を買い、下落すると売るのではないでしょうか。

どちらが先に動くのかは判然としません。

最後に、米株と米ドル、日本株、日本円の間には連動性を見てみましょう。

NY市場で米株が上昇すると、翌日の日経平均が連動して上昇することが多いので、ドル/円は買われ、米株下落時は、翌日の日経平均下落で、ドル/円は売られる、といった傾向にあります。

しかしながら、これも、ブームの結果に過ぎず、未来永劫続く公式ではないので、要注意です。

ただし、ブームが続いている間は、その発想を利用して相場を読み、利益につなげることも重要です。

「使えるものは、何でも使えば良い」と考えます。

忘れてはいけないことは、「連動性が無くなる時が、必ず来ること」です。

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(2013年7月8日東京時間01:30記述)

第595回 【大きな上昇トレンドの中での調整局面】

4月上旬の日銀の金融緩和決定を材料に、ドル/円相場は、短時間で92円台から99円台へ大きく上昇しました。

100.00には上値抵抗がありましたが、100.00を上に抜けると、5月下旬には、103円台に上昇しています。

5月下旬の103円台の高値を付けた後は、大きく急落して、6月中旬に93円台を付けています。約10円の急落です。

そして、6月中旬の93円台からは反転急騰して、今週には、100円台を付けています。

こういった乱高下の原因は、 『短時間のうちに自動売買を繰り返す高頻度取引(HFT)にある』 という指摘があります。

確かに小さな利ざやを狙って売買を繰り返すHFTのアルゴリズムは、無数に存在するし、マーケットが一定の方向へ動く圧力になっていることも事実でしょう。

しかし、個々のHFTの資金サイズは小さいはずで、20銭、30銭という単位で市場を動かす力はあっても、短時間に5円も10円も動かすことはできないはずです。

ではなぜこれ程に大きく動いたのか?

それはマーケットを通さず、相対取引を使って水面下で大量の資金が動いたからではないか、と考えています。

私の過去の経験からの個人的な感覚ですが、ドル/円を1円動かすためには1兆円程度の資金が必要です。

だから、例えば、5円動いたのなら、5兆円相当の資金が動いたはずだ、と考えています。

相応の資金が動いていないのに、値段だけが飛ぶことはあり得ません。

例え、それが薄いマーケットであっても同じことです。

私が夏休み相場やクリスマス相場の前に「マーケットが薄くなり値段が飛びやすくなるので取引を控えたほうがいい」とアドバイスするのは、水面下で相応の資金が動く可能性があることを前提としています。

また、マーケットの動きは、「マーケットを映す鏡」といわれるシカゴ・フューチャー(CME)の残高を見れば分かるという意見があることは十分に承知していますが、今回の調整局面では、さほど「鏡」には反映されなかった印象です。

平時であれば、シカゴ・フューチャーの残高は、マーケットが円高方向へ向かう時は円買いで膨らみ、円安方向は円売りで膨らみます。

それがビジュアル化されるので(可視化されるので)、シカゴ・フューチャーは便利な存在です。

しかし、時として映さないこと(反映されないこと)があるのは、大口資金はシカゴ・フューチャーを相手にしていないからです。

水面下で大きな資金が動いた場合は、シカゴ・フューチャーのほうがマーケットの後を追うことになり、「鏡」の役割を果たさないのです。

昨年の政権交代をきっかけに80円台から103円台まで上昇していく過程で、ポジションを膨ませ続けたドル/円は、103円台で調整が起こり93円台まで約10円下落しました。

93円台から100円台に再度上昇しましたが、現在は、大きな上昇トレンドの中での調整局面にある、と考えます。

この調整局面は、まだ続く可能性があります。

つまり、93円台から103円台の大きなレンジの中で、上下動を繰り返す可能性がある、と考えています。

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(2013年07月04日東京時間00:30記述)

 

第594回 【FRBの出口戦略で、新興国投資に赤信号?】

グリーンスパン前FRB議長の評価は、リーマンショック以前と以後では180度転換しました。

「マエストロ」と呼ばれていた人物が「金融危機を招いた戦犯」と非難されるようになったのです。

どんなに優れた人物であっても、先の先まで読み通せるわけがないことは誰でも承知していますが、それでも金融危機の責任を誰かに負わせるとしたら「前任者」ということになるのでしょう。

「前任者」が招いた金融危機、景気悪化に対処するため、バーナンキ議長は思い切った量的緩和策QE1、QE2、QE3を実行しました。

QE1から5年が経過し、最近の経済指標には金融危機が終息へ向かい、景気は回復基調にあることが示されています。

このことを踏まえて5月の議会証言でバーナンキ議長は量的緩和縮小を考えていることを示唆し、6月のFOMC後の記者会見ではさらに踏み込んで、量的緩和の段階的な縮小を年内に始める可能性があることを明言しました。

その背景には、任期中に出口戦略の道筋をつけておけば、2014年1月の退任後、万が一のことがあっても、免責されるだろう、という発想(期待)があるのかも知れません。

『グリーンスパン氏の二の舞を演じたくない』 そういった心理が働いたのではないか、と推測できます。

ここで投資家が肝に銘じておくべきことは、以下のことだと考えます。

まず、いったん出口戦略を始めるともう後戻りはできないこと。

出口戦略とは「ばらまいたお金を回収すること」だから、「米国株の下落要因」、「金や原油など商品の売り要因」、為替相場では「ドル買い要因」となるということです。

最も不安視されるのは新興国マーケットに与える影響です。

「新興国株売り」、「新興国通貨売り/ドル買い」が強烈な勢いで起これば、大量の資金を投下していたヘッジファンドは資金回収に躍起になり、新興国マーケットは大混乱に陥るでしょう。

そうなる前に新興国投資をしている投資家は、さっさと逃げるべきだ、と考えています。

新興国の資産を持っていなければ、損失を被ることもないのですから。

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(2013年06月30日東京時間23:00記述)

 



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