第547回 【来年の円安を想定したポジションは、来年になってから作れば良い】

12月16日に実施された衆院選は下馬評通りの結果となりました。

「なぜ自民が勝って民主が惨敗したのか?」その分析は外国為替相場には関係ないので行いませんが、「円相場が衆院選と密接な動きを見せたこと」は、吟味しておく必要がある、と考えます。

野田首相が、衆院解散を表明した11月14日を境に、ドル/円の上昇が始まりました。

それは、『マーケットが、自民党政権が誕生する』、その場合は、『安倍総裁が首相に就任する』、そして、『公約として掲げた大胆な金融緩和を行う』、という思惑が働いたためです。

事前予想通りに自民が大勝し、自公で衆院の3分の2を超える325議席を確保したので、2013年は公約通り大胆な金融緩和策をとる可能性が高くなりました。

日銀も安倍総裁が求める上昇率2%のインフレ目標の採用を検討する考えを明らかにしています。

前例を踏まえた保守的な政策しか採用してこなかった日銀にしては、大きな変化です。

そうした情勢を先読みして、ドル/円は、解散表明時点の79円台から現在の85円台まで6円以上も動いています。

昨日(12月26日)は、安倍新政権の発足で、期待感から、一段と円安が進んでいます。

安倍新政権が本格稼働する2013年はどうなるのでしょう。

私自身は、今年2月時点で円高から円安へ相場が転換し、3月から10、11月までの調整期間を経て、10、11、12月は円安方向へ動いたと捉えています。

今後は、調整局面で一時的に円高へ向かうことはあっても、79円台に戻ることはない、と考えます。
(現時点で、そう考えていますが、年末年始の値動きを、確認する必要がある、と考えます)

安倍新政権が掲げる金融緩和とはまったく異なる大きな材料が出ない限り、円安の流れは変わらないだろう、と現時点では考えている訳です。

しかし、クリスマスが終わり、年末年始相場の今、来年のことを考えてポジションを作る必要はありません。

『これから年末までに、どのような材料が出てきても、分析にとどめておいて、来年、新たなポジションでスタートする』というやり方がセオリーだ、と考えています。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(2012年12月27日東京時間10:30記述)

第546回 【来年の相場には、期待が持てる】

今週は、衆院選挙明けで、日本の金融マーケットは、活気づいていると感じます。

新政権に対する期待感から、日経平均株価も1万円台を回復しました。

衆院選挙の結果は、事前の下馬評通りに、自民党の圧勝、民主党の歴史的な惨敗でした。

この衆院選の結果、12月17日(月)のオセアニア市場では、ドル/円は、先週末のニューヨーク・クローズ(83円台ミドル)から大きく値を飛ばし、いわゆる「窓」を空けて、84円台前半で取引が始まりました。

民主党政権から自民党を中心とする政権に交代すれば、さらなる金融緩和が行われるという期待感(思惑)から、円安が進んだ格好です。

11月14日の衆院解散の決定以降、政権が交代すれば、日銀に対する追加緩和圧力が増す、といった思惑が働き、「円安傾向」が鮮明でした。

衆院解散の決定(11月14日)の時点で、ドル/円の水準は、79円台ミドル程度だったのですから、衆院選の結果で、『約5円のドル高円安』となった訳です。

クリスマス明けの12月26日(水)には、特別国会が召集されて、安倍新政権が誕生します。

選挙直後の外国為替市場は、自民党が公約として掲げた金融緩和を材料に円安方向へ振れました。

しかし、今年の相場はもう終わったと捉えるべきだ、と考えます。

組閣が行われ、新任の財務大臣が金融緩和について発言すれば多少は動くかも知れませんが、実際に金融緩和が行われたり、日銀法改正、日銀総裁人事が焦点となるのは来年の話です。

そして、来週は、月曜日がクリスマス・イブ、火曜日はクリスマス当日です。

12月25日のクリスマス当日は、外国為替市場で実質的に開いているのは東京市場だけとなり、開店休業の状態を迎える、と考えます。

個人投資家の皆さんが、今やるべきことは、
「来年の相場を予測し備えること、そして、そのためにゆっくりと休むこと」
と考えます。

年内は静かに過ごして英気を養い、正月明けから頑張りましょう。

「来年の相場には、期待が持てる」と考えています。

だからこそ、今は、ゆっくりと休みましょう。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(2012年12月20日東京時間10:15記述)

第545回 【選挙が終われば、本格的なクリスマス相場】

外国為替市場はすでに「クリスマス相場」に突入していますが、予想していたよりも穏やかな相場つきが続いていた、と考えています。
 
日本の場合、まだ銀行も企業も通常通りの営業を続けているため、マーケット参加者が皆無というわけではないのですが、積極的な取引を控えているようで、ニュースに対する反応が鈍くなっています。
 
例えば、12日には北朝鮮の事実上のミサイルが発射されて成功し、米国本土が射程内に入ったと伝えられたものの、マーケットは、それ程大きく反応しませんでした。
 
個人的な感想ですが、それで良かったと思っています。
 
市場参加者が薄くなる時期は、ニュースに過剰反応して突拍子もない動きを見せ、精神的に滅入るような荒んだ相場つきになることが多いからです。
 
本日、12月16日には衆院選が行われました。
 
選挙前の下馬評では自民大勝、民主大敗と伝えられており、その結果をマーケットは、織り込んでいた、と考えます。
 
衆院選挙の結果は、事前の予想通りだったので、選挙明けの12月17日月曜日も驚くような動きにはならないのだろう、と考えています。
 
自民大勝で、金融緩和への期待が高まり、円安・株高が進むのだろう、と考えますが、それも、一時的な動きになると考えています。
 
自民党が勝つ場合は、金融緩和策を推し進めるだろう、という思惑で、衆院選挙前に円安・株高が進んだのだから、選挙の結果が出て、その通りになったのだから、円安・株高を推し進めた向きの「利食い」が出る、と考えるからです。
 
そして、12月18日以降は、本格的な「クリスマス相場」に突入していきます。
 
日本の市場参加者にとっても、年末年始の休暇が迫ってきます。
 
その間、突発的なニュースは何も起こらずに、凪のような、静かな相場が続くことを祈っています。
 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(2012年12月16日東京時間23:00記述)

第544回 【師走の雰囲気に流されずに、冷静に】

12月も残すところ「2週間と少し」になりました。

いわゆる「クリスマス相場」に入った外国為替市場は、相対的に静かな状態を迎えています。

昨日、北朝鮮が「事実上の弾道ミサイル」を発射したことで、「地政学的リスク」から、一段と「円安傾向」が出ていますが、外国為替相場全般を俯瞰すれば、いつもの「クリスマス相場」と比べれば、静かなものだ、と感じています。

一方で、日本国内は衆議院総選挙を控えていることもあって、師走らしい慌ただしい雰囲気が漂っています。

何となく、せき立てられているように感じている投資家の方々も多いのではないでしょうか?

しかし、何度も書いていることですが、日本の政治は国内の株式市場にとっては大きな材料でも、外国為替市場にとってはローカルな話題に過ぎません。

衆院選は16日に投開票が行われ、17日には新しい政治の枠組みが決まります。

17日以降の相場では、『新しい政権が、日銀への金融緩和圧力を高める』といった思惑が強くなるだろう、と予測しています。

だから、総選挙直後しばしの間は、外国為替市場も、それなりに取引が拡大し、活況を呈するのだろう、と考えています。

国内市場に関しては、年内の間は、それなりの活況が持続するのかも知れません。

しかし、12月18日以降に、外国為替市場で、日本の総選挙に関するテーマ(材料)が終われば、世界の市場参加者は、一気に潮が引くように、閑散とした状態になるはずです。

市場参加者が一気に少なくなり、閑散となることは、それはちょっとした材料によって大きく値が飛んだり、売買が成立しない状態に陥ることを意味します。

まだ、ポジションを持ち、取引を続けている投資家の方々は、今週中に手仕舞っても、選挙結果を見て手仕舞っても良いのでしょうが、どちらにせよ、師走の慌ただしさに呑まれることなく、冷静に撤退の準備を始めるタイミングであることを、意識した方が良い、と考えています。

来週(12月17日~12月21日の週)の後半は、外国為替市場では、市場参加者が極端に少なくなる、と考えます。

その翌週(12月24日~12月28日の週)は、ほとんど市場参加者がいない状態になるだろう、と考えています。

市場参加者がいなくて、相場がほとんど動かない、デッドな状態になるだけなら良いのですが、市場参加者がほとんどいない、薄いマーケットで、何か突発的なニュースが出ないことを祈っています。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

(2012年12月13日東京時間10:45記述)

第543回 【未消化のまま来年に持ち越される為替市場の材料】

2012年も残り3週間ほどになりました。
 
今年は特に、外国為替市場に影響を与える未消化の材料が多く残っているため、今年の締めくくりに、それらを整理しておきましょう。
 
まず日本です。野田首相の突然の決断によって、師走に衆議院議員総選挙が行われることになりました。
 
事前予想では与党・民主党は政権を維持できず、野党・自民党が政権に返り咲き、安倍総裁が新たな首相となる可能性が高いといわれています。
 
その安倍総裁が、「政権を担うことになれば、デフレ脱却・景気回復のために、日銀法改正も視野に入れた強力な金融緩和を行う」という意味の発言をしたことから、ドル/円では円安が進行しています。
 
しかし、今回の円安は、日本の政局が外国為替市場に影響を与えたためではなく、強力な金融緩和が実施される可能性が高いという思惑によって円が売られたと捉えるべきでしょう。
 
また、長期的に見えれば、日本経済、日本企業の競争力の凋落が続くと見られていることが原因です。
 
例えば、家電製品については、私も含めて多くの人は日本製品の高性能・高品質を評価していると思います。
 
しかし、海外市場では、一定の品質を備えながら価格の安い韓国や中国製品の方が受け入れられており、日本製品の強みが通用しなくなっています。
 
その原因は、個別の家電メーカーが、というより私たち日本人が、世界の潮流を見誤ったのだと思います。
 
とはいえ、日本の方が品質に対する要求も、賃金を含めた製造にかかるコストも高いことを考えると、高品質・高価格路線から転換できず、ガラパゴス化に突き進むのも仕方のないことかも知れません。
 
そういう意味で、これから長く続きそうな円安はバラ色の円安ではなく、悲しい円安だと思います。
 
福島の原発事故以降、原子力発電が停止しています。
 
一部稼働を始めた原発がありますが、現時点では、それは例外であり、今後、再稼働するには、いくつものハードルがあります。
 
その結果、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の輸入が拡大しています。
 
このエネルギー資源の輸入拡大は、日本の貿易収支の赤字を拡大させる円安要因です。
 
米国に関しては政府の歳出の大幅削減と減税措置の打ち切りが重なる「財政の崖」が目先の焦点となっていますが、これらは事前に分かっていること。
 
与野党が対立しているものの、手を打たなければ景気回復が腰折れしてしまうため、最終的には乗り越えることができるでしょう。
 
投資家の立場では結論を待つしかないのですが、米国以上に日本や欧州の状態が悪いので相対的には大きな問題ではない、と考えています。
 
欧州の債務危機は根本的な解決には至らず、綱渡りのような先送りが続いています。
 
しかし、その綱の渡り方は感心するほどの上手さ。粘り強くあの手この手でクラッシュを防いでいます。
 
欧州の人々の粘り強さを見る限り、5年でも10年でも景気が回復するまで綱渡りを続けそうです。
 
ただし、根本的な解決にはドイツの債務肩代わりが必要で、そのことをドイツ国民に納得してもらうのは容易ではありません。
 
欧州債務危機の解決については、結局2013年中にもメドが立たず、時間を掛けてゆっくり処理をしていくことになるのだろう、と考えます。
 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(2012年12月10日東京時間00:30記述)
 

第542回 【世界的に見れば『リスクの高い特殊なシーズン』】

12月に入り、外国為替市場は、参加者が少なくなるクリスマス相場の様相を深めてきている、と感じています。

まだ、マーケットには、たくさんの市場参加者が残っていますから、それ相応に取引があって、それなりに為替レートは上下動しています。

しかし、どことなく、やる気の無い、閑散とした雰囲気が感じられます。

それにもかかわらず、日本国内に限れば、政権交代が予想されている衆院選の投開票が16日に控えていること、年末に向けて株式市場など他の市場が一段と活発に動いていること、そして、師走特有の慌ただしさから、FX投資家の皆さんも、きっと、「何かしなければ」という思いに駆られていることでしょう。

何度も繰り返し書いていることですが、本来日本の政治は外為市場にはほとんど影響を与えません。
(過去の外国為替相場では、日本の政治がメイン・テーマであった試しがありません)

ただ、今回は安倍自民党総裁の発言がドル/円を刺激したこともあり、ドル/円相場に限っては、衆院選投開票をはさんで何らかの動きがあるかも知れません。

そこでFX投資家の皆さんには、今の段階で手仕舞うべきとまではいいませんが、あわただしい雰囲気に呑まれて、撤退の機を逃さないように十分に注意していただきたいと願っています。

他の市場はどうあれ、外国為替市場は、世界的に見れば『リスクの高い特殊なシーズン』に入っていることは間違いありません。

何か突発的に魂消るような出来事(一番焦臭いのは欧州です)が、起こった時に無防備でいて、大切な資金を失わないように、ポジションを小さくして注意深く対応することをおすすめします。

年が明けて、1月になれば活発な相場が戻ってくるのですから、決して油断せず、クリスマス相場に臨みましょう。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

(2012年12月06日東京時間04:10記述)

第541回 【来年は「ドル/円の上昇トレンド」が明確になる】

テクニカル分析(チャート分析)で見る限り、ドル/円は今年(2012年)の2月、1ドル=84円まで上昇した時点で、上昇トレンドに転換したと考えています。
 
これが今年最大のトピックスだ、と考えています。
 
ところが、その上昇は長くは続かず、3月以降は下落に転じて、およそ8か月という長期の調整下落局面に入ったことから、「今年最大のトピックス」がかき消されてしまった、と考えています。
 
なぜ、このようなことが起こったのでしょう?
 
外国為替相場に大きな影響を与えるイベントとして、11月の米大統領選挙がありました。
 
希に見る混戦となったために、オバマ大統領有利、ロムニー候補有利という情報が流れる度に、マーケットは右往左往し、それが相場にも影響を与えました。
 
ところが、ふたを開けてみると現役有利の下馬評通り、オバマ大統領の再選が決まり、これまでの政策は想定通りに継続されました。
 
リーマンショック以降、バーナンキ議長率いるFRBが実施してきた金融政策も引き継がれることになりました。
 
政治が混乱した割には、大きな変化は起こらず、前例のない金融政策を実施しているはずなのに、景気回復は遅れて(現状の回復速度がリーズナブルなのかもしれませんが)、マーケット参加者の期待に応えることができず、だらだらとした相場が続くうちに、今年の1年間が経過してしまったという感じです。
 
投資家の立場で、はっきり言えば、
『今年のドル/円は、儲けにくく、また儲からない、つまらない相場つき』
だと思っています。
 
このまま今年が終わりそうな雰囲気ですが、来年はどうなるのでしょう?
 
トレンド転換は終わっているので、次第にトレンドが明確になり、利益を出し易い相場つきになると考えています。
 
(多分に、そうあって欲しいという願望が含まれているので、ポジション・トークに過ぎないのかも知れませんが、かなり、本気で、来年は利益を出し易い相場つきになるのではないか、と考えています)
 
新しい年に期待しています。
 
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
(2012年12月02日東京時間22:30記述)



 >   >  2012年12月