第493回 【インフレ率の高い国の通貨は、いずれ下落する】

「実効為替レート」「購買力平価説(購買力平衡価格説)」という専門用語や学説があります。
 
FX取引(外国為替証拠金取引)をする際に、この専門用語や学説のことを考えても、役に立ちません。
 
いや、むしろ「邪魔」です。取引をする際には、知らない方がいいくらいです。
 
しかし、そうは言いながらも、「こういった知識は、知っている方がよい」と考えています。
 
こう述べると、私の言っていることは、「矛盾している」と感じる方も、きっといることでしょう。
 
相場をやると、必ず、壁にぶち当たります。
 
その際に、謙虚でないと、マーケット(外国為替市場)で生き残れないことに気が付きます。
 
かといって、謙虚なだけでは、ポジションを取ることができません。
 
失敗すること(負けること)が怖くなるからです。
 
謙虚でなければ、マーケットで生き残れないのですが、一方では、「他の人のことは知らないけれど、自分だけは勝てるはずだ」といった、謙虚ではない、傲慢な気持ちを持たないとダメなのです。
 
そういった、あい矛盾する事柄をアウフヘーベン(止揚(しよう))していかないと、結局は、相場で生き残れないことに気が付きます。
 
アウフヘーベン(止揚)とは、哲学用語で、あい矛盾する事柄をより高い次元で、どちらも生かすことを言います。
 
矛盾する諸要素をより高い段階で、発展的に統合することです。
 
アウフヘーベンをしないと理解できない事柄が、相場の世界にはたくさんあります。
 
たとえば、「金利とは何か?」という問い。
 
それは、「その通貨を発行する国のインフレ率」です。
 
インフレ率の高い国の通貨は、いずれ下落します。
 
しかし、高金利通貨を買い、低金利通貨を売ると、つまり、円キャリー・トレードをすれば、その金利差を享受できます。
 
だから、その需給から、インフレ率の高い通貨の価値(価格)が、上昇傾向にあるケースも起こります(起こりました)。
 
こういった、一見すると、あい矛盾するように見える2つの命題(テーマ)も、実は矛盾しているのではなく、それぞれ独立してワークしている(効果を発揮している)のだ、と考えられます。
 
アウフヘーベンをすれば、矛盾していないのです。
 
もう一度繰り返しますが、マーケットの需給で、高金利通貨が買われ、その価値(価格)が上昇するケースもありますが、しかし、インフレ率の高い国の通貨は、いずれ下落するのです。
 
直近のマーケットでも、その典型例が起こっています。
 
どの通貨ペアを示唆しているのかは、読者の皆様で考えてみてください。
 
(2012年5月31日東京時間01:00記述)
 

第492回 【尊敬に値しないFRB議長と日銀総裁】

1970年代後半から80年代のカーター、レーガン大統領政権下でFRB議長を務めたポール・ボルカー氏の政策は、イソップ寓話の「北風と太陽」に例えるなら、北風的で、マーケットに強烈なインパクトを与えました。
 
彼が決定する政策は、市場参加者の想像を超えるもので、しかも、それを確実に実行に移したことから、多くの人たちは畏怖の念を抱いたものでした。
 
1985~86年ころ、私はニューヨーク市場で働いていましたが、「ボルカー」の名前を聞くだけで、皆が、座っている椅子から、一斉に立ち上がったのを覚えています。
 
 
1990年代から2000年代のFRB議長アレン・グリーンスパン氏は、ボルカー氏の後任でしたが、その就任当初は、
『このウッディ・アレンのようなオッサンは、誰だ?』
などと、揶揄(やゆ)されたものです。
 
その風貌は、確かにウッディ・アレンに良く似ている、と思いますが、怖いほどの威厳のあったボルカー氏に比べて、後任者のルックスに、とぼけた優しさがあったので、
『こんなオッサンで、大丈夫なのかなぁ・・・』
と思ったのでしょう。
 
グリーンスパン氏は、その風貌もあって、一見、何もしないように見えて、実は、丁寧にマーケットをウォッチし、なるべく規制を行わない太陽的な政策によって、マーケットをコントロールしようとしました。
 
その手法をマスコミは賞賛したものの、サブプライムローン問題に発展すると一転して「元凶」と批判しました。
 
しかし、当時、サブプライムローン問題を予見できた人物は誰もいなかったはずです。
 
それでも、彼は批判を甘受し言い訳を一切せず、表舞台から去りました。
 
でも、誰からどう批判されようとも、彼はやるべきことはやったという自負と満足感を抱いているのではないでしょうか?
 
後になって、彼を批判する人は多いけれど、私は、グリーンスパン氏を尊敬します。
 
その人柄を含めて、敬愛します。
 
ボルカー氏は、畏敬の念をもって、尊敬します。
(ボルカー氏に対しては、怖い、といった印象が強く、敬愛はできませんが・・・)
 
 
尊敬に値する前任者たちに対し、現在のFRB議長であるベン・バーナンキ氏に対しては、私は、「嘘つき」という評価を下します。
 
サブプライムローン問題に対する対応の中で、彼は明確な説明もなくベアスターンズやリーマン・ブラザーズを破たんさせ、同様に窮地に追い込まれていた別の金融機関を救済しました。
 
そこには政治的な意図が働いていて、彼も本意ではなかったのかもしれませんが、FRB議長として、己の考えを主張することをしなかった、と考えます。
 
もちろん、現在の米国の金融政策を左右する立場の人物なので、バーナンキ氏の言動には注意を払うけれど、個人的には、彼を尊敬することができません。
 
では日銀総裁はどうでしょうか?
 
印象に残っているのは、この4月に亡くなった三重野康氏です。
 
庶民を苦しめていた地価の上昇を抑えるために、バブル退治に乗り出し、その当時、マスコミは「平成の鬼平」と持ち上げましたが、バブルが弾けて不況に突入すると、評価は一変しました。
 
グリーンスパン氏と、良く似た処遇にあった、と考えます。
 
三重野氏は、バブルをコントロールできなかったという忸怩たる思いを抱いたまま、亡くなったのではないでしょうか?
 
その後の日銀総裁には良い意味で印象に残る人物はいません。
 
悪い意味では、福井俊彦氏がいます。
 
1998年に発覚した大蔵省接待汚職事件(ノーパンしゃぶしゃぶ事件)に関係して、副総裁を辞任したにも関わらず、2003年に日銀総裁として返り咲きました。
 
その厚顔無恥ぶりが、中央銀行としての日銀の品位を落とし、世界のマーケット関係者の嘲笑の対象となった、と考えます。
 
そして、現在の白川方明総裁。
 
残念ながら政策的に見るべきものがなく、注目に値しない人物という評価を、私は、下します。
 
そんなふうに、私が彼らを批判するのは、
『正直な目で為政者を見ない限り、マーケットで勝つことができない』
と考えるからです。
 
『他者の評価に従うのではなく、自分で評価し、その評価に従って行動する』
 
その気概がないとマーケットの中で生き残ることは難しい、と考えます。
 
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(2012年5月27日東京時間14:00記述)

第491回 【ユーロ/ドルの「窓(Gap)」】

ユーロ/ドルの下落が目立っています。

振り返ると、ゴールデン・ウィーク明けの5月7日(月)のユーロ/ドル(EUR/USD)は、「窓(Gap)」を空けて急落して始まりました。

5月14日(月)のユーロ/ドル(EUR/USD)も、二つ目の「窓(Gap)」を空けて急落して始まりました。

だから、5月18日(金)と5月21日(月)でも、ユーロ/ドルが、3個目の「窓(Gap)」を作る可能性が高い、と考えていましたが、5月18日(金)のニューヨーク市場では、ショート・スクイズとなり、高値引けしました。

そのため、今週は、今のところ「窓(Gap)」は発生していません。

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【ショート・スクイズ】(Short Squeeze)について説明しておきます。

ドルを売った状態にしておくことを英語ではドル・ショート(Dollar Short)という。
ドルを売った、その持ち高はポジション(Position)という。

だから、ドルを売りの持ち高に傾けておくことをドルの「ショート・ポジション」と呼ぶ。

何かしらのことを理由に、先行きの相場の見通しを立てることを「思惑(おもわく)」という。

多くの人達が「思惑(おもわく)」でドルを「ショート」にしている場合に、その「思惑(おもわく)」とは逆に相場が動き出してしまうことがある。

「思惑(おもわく)」と逆に動けば、損失が出る。
ドルを「ショート」のままにしていると、ドルが上がれば上がるほど損失が膨らむことになる。

だから、多くの人たちがその損失に耐え切れなくなっていっせいにドルを買い戻すようなことがおこる。

このように、「損切り(ロス・カット、Loss Cut)」を巻き込みながら、「思惑(おもわく)」のドルの「ショート・ポジション」を絞り出すように、ドルが上昇することを、特に「ショート・スクイズ」と言う。

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最近の外国為替市場の値動きでは、平日は、途切れなく、マーケット(市場)が連続していますから、「窓(Gap)」を作るケースが少なくなっています。

かなり昔のマーケット(市場)では、平日でも、「窓(Gap)」を作るような、激しい値動きがあったのですが、最近は、そういったことが少なくなっています。

世界的に、市場参加者が増大した結果なので、決して悪いことではないのですが、値動きが小振りになり、ワクワクしない(正直なところ、少しつまらない)マーケットだな・・・、などと思っています。

何を言いたいのか、というと、
『最近のマーケットでは、「窓(Gap)」を作るケースは、週明け月曜日に集中している』
ということです。

だから、『この相場展開で、近々に、3個目の「窓(Gap)」が出る場合』とは、5月21日(月)である可能性が高い、と考えていた次第です。

もちろん、毎週月曜日(今回のケースならば5月21日)に、必ず、「窓(Gap)」を作るとは限らないので、期待し過ぎるのもいけませんが・・・

そして、結局、今のところ、3個目の「窓(Gap)」は発生していませんが、近々に、3個目の「窓(Gap)」が出る場合は、通常のように「売りシグナル」ではなく、「買いシグナル」になることに要注意です。

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(2012年5月24日東京時間04:00記述)

第490回 【ギリシャとユーロの混迷は続く】

この週末(5月18日、19日)に、米国ワシントン近郊キャンプデービッドで、主要国首脳会議(サミット)が開催されました。
 
その首脳宣言では、欧州債務危機の克服に向け、G8首脳が経済成長と財政健全化を両立させる方針で一致したことを明記しています。
 
また、世界経済の安定と回復には「強くまとまりのあるユーロ圏が重要」として、政局混迷に揺れるギリシャにユーロ残留を促しました。
 
ギリシャに関しては、少しさかのぼって振り返ると、5月6日のギリシャ総選挙の結果を受けた連立協議が、緊縮財政反対を訴えて第2党に躍進した急進左派連合(SYRIZA)のチプラス党首が拒否の姿勢を貫いたことで不調に終わりました。
 
その結果、ギリシャでは6月に再選挙が行われることになりました。
 
チプラス党首の立場では、再選挙を行えばSYRIZAが第1党になれる可能性があるのだから、今の時点では緊縮財政推進派と連立を組むことはできないでしょう。
 
ギリシャ国民は、前政権がユーロ各国の要求を受け入れて緊縮財政を進めたことにより、公共サービスの低下、失業率の増大、年金削減、収入減収といった不安と不便を強いられているので「緊縮財政を支持したくない」が本音でしょう。
 
かといって、ギリシャの世論調査では、ギリシャ国民は、ユーロ離脱も望んでいません。
 
「岡目八目」の第三者の立場では、ギリシャの財政は破たんしているのだから緊縮財政を敷いて、せめて減額してもらった借金くらいは返済すべきだと考えますが、同時に個人の立場では、ギリシャ国民の緊縮財政も嫌、ユーロ離脱も嫌という気持ちも、十分に理解します。
 
ギリシャ問題は、今後ますます混迷を極めるでしょうが、解決策は、有るには有ります。
 
ユーロ加盟国として最も恩恵を受けていて、財政的な余裕もあるドイツが、ギリシャの借金の多くを肩代わりするか、借金を棒引きにして、ユーロから離脱させるかの二者択一です。
 
ギリシャをユーロから切り離した上で、借金を返済させるという都合の良い選択肢はありません。
 
借金を棒引きにするという選択は、債権国や債権者である機関投資家には痛い話ですが、彼らは十分な調査能力と判断力を備えたプロの貸し手なのだから、貸し手責任を甘受するべきだと思います。
(もちろん第一義的な責任はギリシャにありますが・・・)
 
冒頭に述べたように、G8首脳は、ギリシャのユーロ離脱は望ましくない、と考えているようですが、ギリシャ国民の立場で考えると、借金を棒引きにしてもらい、ユーロの枠組みの外で、身の丈にあった国の再建をめざすほうが、幸せのようにも思えるのですが、どうなのでしょうか?
 
いずれにせよ、まだまだ、ギリシャ問題は、解決には程遠い状態です。
 
だから、ギリシャとユーロの混迷も、まだまだ続くことになります。
 
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(2012年5月20日東京時間17:30記述)

第489回 【ユーロ/ドル】

ユーロ/ドルの急落が目立っています。

ギリシャの総選挙では、連立協議が決裂し、6月に再選挙となったことがユーロ売りの材料となっています。

マーケットは、このギリシャの再選挙で、ギリシャのユーロ離脱を視野に入れ始めたのだろう、と考えています。

そこで、「ユーロ/ドル(EUR/USD)1時間足チャート」をご覧になってください。

ギリシャ総選挙直後の5月7日、週明け月曜日のユーロ/ドル(EUR/USD)は、「窓(Gap)」を空けて急落して始まりました。

オセアニア・アジア市場で1.29台ミドルまで下押ししたのですが、この時点では、1.2950にはタッチせずに、その後の欧州市場では、「窓を埋める」動きになりました。

欧州市場、そして、5月7日は、その後のニューヨーク市場でも「窓埋め」にトライしたのですが、結局、1時間足チャートを見ればわかる通りに、「窓」埋めることが出来ませんでした。

テクニカル分析(チャート分析)では、「窓(Gap)」を作った時点で、それはユーロ/ドルの「売りシグナル」となります。

そして、通常は、『リバウンドは、窓埋めまで』の格言通りに、リバウンドの目処(めど)は、1.3080アラウンド、となります。

この「窓(Gap)」を、目先の相場で、埋めるのか、埋めないのか、この「窓(Gap)」を作った時点で当てるのは不可能ですが、時間が経過したことで、そして、さらに、その下に、二つ目の「窓(Gap)」を作ったことで、「窓埋め」は完了しなかったことが判明しました。

5月14日(月)も、ユーロ/ドルは、小さな「窓(Gap)」を空けて始まりました。

二つ目の「窓(Gap)」も、【「窓(Gap)」=「売りシグナル」】がセオリーです。

だから、セオリーに従い、一つ目の「窓(Gap)」で、「ユーロ売りドル買い」で良い、と考えます。

そして、二つ目の「窓(Gap)」で、さらなる「売りシグナル」を発した、と考えます。
(つまり、二つ目の「窓(Gap)」で、さらに売って良い、と考えます)

二つ目の「売りシグナル」が出たので、全体のストップ・ロス・オーダー(損切りの水準)は、1.31台ミドル程度(窓埋め完了の少し上)に近づける、と考えます。

※「ユーロ売りドル買い」を持つ場合のターゲットですが、1.2950を明確に下に抜けたので、1.2500アラウンドがターゲット、と、今のところ、考えています。

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蛇足ですが、今回は、「窓(Gap)」は、まだ2個です。

この相場展開で、近々に、3個目の「窓(Gap)」が出る場合は、その時点で、すぐに買い戻すことを念頭に置いて、「ユーロ売りドル買い」がセオリーと考えます。

「セオリー(=定石)」ですが、『三空(さんくう)に買いなし』という「相場の格言」があります。

今回のケースでは、相場が下落していますから、『三空(さんくう)に売りなし』と言うべきなのでしょう。

この相場展開で、近々に、3個目の「窓(Gap)」が出る場合は、「売りシグナル」ではなく、「買いシグナル」になります。

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(2012年5月16日東京時間20:00記述)

第488回 【今、欧州投資は、「してはいけない」】

GW期間中の薄いマーケットの中で、市場参加者たちは、5月4日に発表された米雇用統計(失業率)に注目していました。

個人的な思惑では、
「米雇用統計は、米国にとって、良い結果が出るだろう」
と考えていました。

なぜなら、5月6日に控えていたフランス大統領選では、緊縮財政を求める「サルコジ路線」が否定される(=ユーロにとって悪材料)ことが明らかだったので、悪材料が出ることが分かっている時は、その前に出る指標は、悪材料を助長する内容になることが多いという経験則に従ったのです。

ギリシャ総選挙でも、連立与党が過半数を取れないと予測する声が多かったので、なおさらに、この経験則は当たるのだろう、と考えました。

つまり、ユーロ売りの材料が待ち構えている時は、その前に出る指標は、ドル買いの材料になることが多い、ということです。

ところが、結果は外れて、米雇用統計(失業率)発表直後は、「ドル売り/ユーロ買い」方向へ動きました。

しかし、欧州の選挙結果は下馬評通りとなり、週明けの相場はユーロ/ドル、ユーロ/円とも、窓(Gap)を開けて下落するユーロ売り一色となりました。

それから数日が経過し、ギリシャは組閣ができずに、再び選挙が行われる公算が高まっています。

現状を見る限りは、今すぐに緊縮財政を進めて借金を返済するという選択肢はなさそうです。

といってユーロを離脱したいわけでもない。

ずるずると現状を維持したいということかもしれません。

しかし、現状維持は最悪の選択であり、それは、ユーロの足を引っ張ること以外の何ものでもありません。

オランド新大統領は国民の手前、緊縮財政を見直すという公約をあからさまに修正することはできないでしょうが、かといって、サルコジ前大統領が合意した国際的な約束事を反故にすることもできず、にっちもさっちも行かない状態に追い込まれるでしょう。

それは、明らかに、ユーロにとってプラス材料ではありません。

私が投資家の皆さんにアドバイスできることは、仏大統領選、ギリシャ総選挙の結果は、共にユーロにとってプラス材料ではないのだから「欧州に投資してはいけない」ということです。

投資の世界では、「しても良いこと」はわからなくても、「してはいけないこと」はわかることが、多々あります。

今のユーロの状況がまさにそう。

少なくとも、
『今、ユーロは、買わない方が良い』
と考えます。

『ユーロだけでなく、英ポンドもスイスフランも買わない方が良い』
と考えています。
(同じ欧州だから、ユーロの影響が無いはずが無い)

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(2012年05月14日東京時間09:00記述)

 

第487回 【仏新大統領誕生は、ユーロ買いの材料にあらず】

日本ではGW最終日となる5月6日(日曜日)、フランス大統領の座をめぐって第1回投票で首位に立った野党・社会党のオランド候補と現職のサルコジ大統領の間で決選投票が行われました。

事前予想では、オランド候補有利と言われていましたが、下馬評通り、新大統領が誕生しました。

17年ぶりの左派大統領が誕生した場合に気になることは、欧州危機に対する姿勢です。

これまでの路線を180度変えることはないのでしょうが、オランド氏は、サルコジ大統領が同意したEU新財政協定の再交渉を行うと明言するなど、ドイツ・メルケル首相やECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁と歩調を合わせてきたサルコジ路線の見直しを示唆していました。

オランド新仏大統領は、メルケル独首相との会合を前に、ファンロンパイ欧州連合(EU)大統領やユーログループのユンケル議長(ルクセンブルク首相)と今週会談し、オランド氏が主張している財政協定への成長促進項目の追加について話し合うと発表しています。

「欧州経済を低迷させている緊縮財政一辺倒の路線を修正する必要がある」
オランド氏はユンケル議長にそう伝える、とオランド氏の側近が発言しています。

そうなると、欧州危機のゆくえは、どうなるのか?
一段と深まる可能性もあります。

フランスにとって財政赤字削減は最優先課題ですが、国民の痛みを伴うために、先送りしたい課題でもあります。

財政赤字削減を強制されたギリシャの例では、緊縮財政の結果、失業率が高まり、公共サービスが低下し、治安が悪化して国民の不満が臨界点に達しています。

そうした前例がある中で、フランスの新大統領はどこまで踏み込んだ政策を打ち出せるのか?

マーケットは固唾を飲んで見守っています。

通常は新大統領の誕生はプラス材料として働き、ご祝儀相場となることも珍しくないのですが、今回はマーケットに良い影響を与えておらず、株式市場は全般に低迷しています。

GW明けの(仏大統領選後の)マーケットは、概して、ユーロ売り、欧州株売り方向に動いています。

当面のところ、ユーロを買う訳にはいかない、と考えます。

もう一段、ユーロ安が進む方向で、マーケットを注視しています。

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(2012年05月10日東京時間01:00記述)

第486回 【GW中の出来事は、GW明けに繰り返すことが多い】

今年のGW(ゴールデン・ウィーク)の相場は、『やはり、荒れていた』と感じています。

GW中の値動きとしては、『小振りだった』と思いますが、GW前の相場水準と、本日(5月7日)のGW明けの相場水準は、少し違っています。

今回のテーマは「アノマリー」。

ここでは相場のセオリーのように高い確率で「そうなる」ということではなく、根拠は無いのだけれど、「そうなりがち」「そうなることが多い」という意味合いで使っています。

マーケット参加者の多くが休暇を取るGW期間中、夏休み期間中、クリスマス休暇中は、相場が薄くなって荒れやすくなります。

なぜ薄いと荒れるのか?

個人的な感覚に過ぎないのですが、市場参加者がたくさん集まっている平時の相場には、それぞれの思惑が交錯して、それぞれの「買い」や「売り」が現れ、マーケットに「厚み」が生まれています。

だから節目節目のチャート・ポイントに値段が到達すると、待ち構えていた買いたい人、売りたい人のオーダー(注文)が入り、順調に取引が成立していきます。

マーケットの流れに乗りたい人もいれば、逆向かいする人もいて、バランスの取れた相場になります。

ところが、マーケットが薄い時は、売りたい時に売れなかったポジション、買いたい時に買えなかったポジションが、どんどん持ち越されてしまい、チャート・ポイントに到達しても、それらが消化しきれずに、一気に突き抜けてしまうのだ、と考えます。

逆向かいする人がいたとしても、持ち越されたポジションが、相対的に多過ぎて押し流されてしまうのだろう、と考えます。

GW中に、ドル/円が、あっさりと80.00を割り込み、円高がニュースになりましたが、まさしくそんな状況下で起こった感じがします。

アノマリー的なことを言えば(だから必ずというわけではないのですが)、マーケット参加者の多くが休んでいる間に起こったことが、休み明けに再び起こり、まるでデジャブ(既視感)現象のような相場になることが、多々あります。

今年は、昨日、5月6日(日)の仏大統領決選投票とギリシャの総選挙の結果という、特別なイベントがあったので、いつもの(毎年の)GW明けよりも難しい、と考えていますが・・・。

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(2012年05月07日東京時間10:00記述)



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