第437回 【連日、ドル/円が歴史的最安値をつける巨大豆腐マーケット】

先週のニューヨーク外国為替市場では、3日連続、ドル/円が、歴史的最安値の更新をしました。
 
しかし、その更新の値幅は数銭という、語弊があるかも知れませんが、巨大な外為市場から見えれば『誤差の範囲』と言えるような小さなものです。
 
なぜ大きく円高に振れず、数銭という小さな単位で円高に向かっているのでしょう。
 
マーケット参加者は、売り方・買い方ともに、日本政府主導による『ドル買い/円売りの介入』を警戒しています。
 
こうした状況では売り方は警戒して売らなくなり、売りがぴたりと止まります。
 
買い方は、『介入が行われて相場が跳ねたところを狙って売るつもり』で買うのですが、口先介入ばかりで、現実の介入が行われないために、どんどん「買い持ち」が溜まっていて、もうマーケットはパンパンの状態です。
 
マーケットは、パンパンの状態――それは1m四方もあるような大きな豆腐をイメージしてください。
 
水の中に泳がせている間は四角い形を保っていますが、空気中に出して大皿の上に置くと自重で潰れて、豆腐の形が歪んでしまうでしょう。
 
円が小幅で歴史的最安値を更新しているのも、同じようなイメージで解釈してください。
 
マーケットは売り方と買い方の力が拮抗せずに、一方にだけ力が集中すると、「自重」で形が歪んできて、ある方向へじりじりと動いてしまいます。
 
今は、マーケットが介入を期待した買い方に偏っている状態です。
 
つまり、多くの市場参加者がドル/円を買い持ちにしている状態なのです。
(一方、売り方は、売るのを手控えている状態です)
 
そういった状況で、耐え切れなくなった一部の買い方が、ポロリポロリと脱落して損切り覚悟で売り始め、円高にじりじりと動いてしまう。
 
かといって、歴史的最安値を更新すると、『介入があるのではないか?』といった疑心暗鬼が生じ、あわてて買いが出てくるわけです。
 
そういった状態が、連日の小幅の歴史的最安値更新の理由だと考えます。
 
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(2011年10月30日東京時間22:00記述)
 

第436回 【ちまちまと歴史的最安値を更新するドル/円】

10月中旬のドル/円の値動きを見ると、76円台から、77円台ミドル程度にまで、短時間で上昇する動きが散見されました。
 
しかし、相場が落ち着くと、再び、76円台に下落していました。
 
短時間で動くので、大きく動いたような気持になるのですが、しかし、結局のところ、それは、8月上旬以来続いていた「下限75.95-上限77円台後半のボックス相場」のレンジ内での小動きに過ぎないものです。
 
8月4日に日銀が単独介入(ドル買い円売り介入)を行ったのですが、その8月の介入以降の値動き(値幅・振幅)は、極端に小さくなりました。
 
つまり、8月の介入以降のドル/円は、基本的に76円台から77円台での小動きに終始していたわけです。
 
そういった状況で、10月中旬に、ドル/円が、短時間で76円台から77円台に急に乗せるような動きを見せると、ものすごい値動きのように感じたのではないでしょうか?
 
しかし、それは、相対的な感覚に過ぎず、全体の中で見れば、それは単なる小動きに過ぎません。(=特別な意味合いは無い)
 
もちろん、そういった値動きをきっかけに、マーケットに変化が出てくる可能性もありますから、油断をするつもりもないのですが、先週末(10月21日金曜日)のニューヨーク市場では、ドル/円が急落し、75.78を付け、歴史的最安値を更新しました。
 
特別の材料も無い中で、ドル/円が75.78まで下落した理由は、
『多くの市場参加者が、ドル/円をロング(買い持ち)にしていたので、自らの重みで、垂れ下がって、それまでの歴史的最安値であった75.95を下に割り込んだあたりにあった
ストップ・ロス・オーダーを付けた』
ということだと考えています。
 
 
先週末の10月21日に、75.78を付け、歴史的最安値を更新して以降は、76.00近辺の安値圏での小動きになっていましたが、今週の10月25日(火)のニューヨーク市場では、再び売り気配が強くなり、75.73を付けて、さらに歴史的最安値を更新しました。
 
更新したと言っても、わずか5銭ですから、大勢に影響はないと考えますが、新値を更新しても大きく急落しないのは、マーケットの介入警戒感が強いことを示しているのだ、と考えます。
 
そして、昨日(10月26日)のロンドン市場では、75.71を付けて、またまた歴史的最安値を更新しました。たった2銭の新値更新ですから、新値更新後に急落しないのであれば、それ自体にさほど意味があるとは思いません。
 
通常は、新値を更新しての下落は、「売りのシグナル」なのですが、日銀の単独介入に対する警戒感が強いので、気楽にドル/円を売ることも難しい雰囲気です。
 
しかし、すでに、多くの市場参加者が、ドル/円をロング(買い持ち)にしている状態なので、上がったところを売りたいと考える市場参加者もたくさんいるようです。
(それが、ドル/円の上値を重くしている原因のひとつだ、と考えます)
 
介入を期待する声が多いようですが、このような状況では、日銀の単独介入があっても、その効果は薄い、と考えます。
 
※介入金額が、異常なほど巨額であれば、相応の効果があるのでしょうが、そういった巨額の介入は、常識で考えると、正しいとは言えません。
 
それでも、もう一段の円高水準を見れば、日本は単独介入に踏み切るのだろう、推測します。
 
このような相場状況では、ドル/円の取引は忌避し、違う通貨ペアに注目した方が良い、と考えます。
 
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(2011年10月27日東京時間01:00記述)

第435回 【欧州債務危機解決の夢は、夢のまま終わるのではないかと危惧しています】

10月23日の欧州連合(EU)首脳会議が始まる前から、独仏首脳は26日までに同様の会合を再び開く必要があると、結論先送りの姿勢を見せています。

ただ2回の会合を持ったからといって、ドイツのメルケル首相の報道官が言うように、欧州債務危機が解決されるという夢は現実のものにはならないでしょう。

報道官は、会合を目前に控えて、
「欧州連合(EU)首脳会議で、ユーロ圏の債務危機解決に向け最終的な解決策がまとまるとの期待は、非現実的だ」
と指摘しています。


大きな問題点は、欧州の銀行システムの信頼回復のために行う自己資本比率の大幅引き上げです。

欧州連合(EU)は、22日の財務相理事会で、域内の銀行に1000億ユーロ(約10兆6000億円)の資本増強を求める方針で原則合意した、と報じています。

しかし、莫大な負債を抱えると見られる欧州の銀行には、もはや誰も資金を提供しません。

そのため自力調達はほぼ不可能な状態ですが、だからといって公的資金が注入されることには、ドイツ銀行が公然と反対しています。

なぜなら資本注入をして自己資本比率を9%に高めるという案は、ドイツ銀行によれば「むやみに銀行の脆弱性を強調するにすぎない」からです。

また、ギリシャ国債保有者に求めたヘアカット率(債務元本の減免)の拡大に関しては、欧州中央銀行(ECB)、各銀行共に反対しています。

ヘアカット率が高まれば、ECBはより大きな銀行の破たんリスクを負わなければならなくなるし、銀行は現行のヘアカット率に基づき引き当てを計上しているので、引き上げは、一層財務内容を悪化させるからです。

各国政府は引き上げに応じるように銀行を説得しているようですが、見通しは不透明です。
 
仮に、公的資本の注入が実施されれば、各国の財政がひっ迫するとの観測から、欧州各国の債券利回りが軒並み上昇(債券価格は下落)し、銀行の含み損が拡大するという「負の連鎖」を招く恐れがあります。

すでにフランス国債の利回りは17BP上昇して3.13%となり、ドイツ国債とのスプレッドは93BPと過去最大となりました。

イタリア国債も一時5.96%まで上昇しています。

自己資本比率の引き上げは銀行の健全性を高める意味では必要な措置ですが、銀行による資産売却の加速や貸し渋りなどにより、景気を下押しするリスクを伴います。

また銀行の資本強化がその国のソブリンリスクを拡大させ、本来公共事業等に使われるはずだった資金が資本注入に回ることで、景気の下押しに繋がる可能性もあります。

さて、2度にわたるEU首脳会議ではどのような答えが出るのでしょうか??

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(2011年10月23日東京時間15:00記述)

第434回 【格付けの整合性】

今週、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、スペイン国債の格付けを「Aa2」から「A1」に2段階引き下げました。

スペイン国債が、引き続き金利上昇圧力にさらされていることや、経済成長の低迷などを理由としています。

欧州債務危機が、直接の原因とも言えます。

また、スペイン国債の格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」とし、さらなる格下げの可能性があることも示唆しています。

スペイン国債の格付けに関しては、米欧系のフィッチ・レーティングスが今月上旬に「AAマイナス」に2段階引き下げています。

米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も今月中旬日にスペイン国債の格付けを「AAマイナス」に1段階下げており、今月に入り格付け大手3社が相次いで引き下げたことになります。

そういった欧州国債の格付けにもかかわらず、外国為替市場の反応は鈍く、このことを材料に、特段ユーロが売られるわけでもない状況です。

米国や日本の国債の格付けに目を向けると、今年8月、格付け会社のS&Pが、米国債の格付けを最上級のAAAから一段下のAA+に引き下げ、格付け会社のムーディーズは、日本国債を中国と同じ上から4番目のAa3(ダブルA-相当)に格下げしました。

ところが、格下げされた米国債も日本国債も売られるどころか逆に買われて、国債価格は高止まり状態。

金融政策により金利が引き下げられているので、行き場を失った資金が国債を買っているという「需給による買い」が生じていることはわかるのですが、日米の国債に関しては、格下げと需給がリンクしない状況が起こっています。

一方で、欧州のユーロ建て国債に目を向けると、ムーディーズが、7月に3段階格下げして、債務不履行に陥る可能性が非常に高いCaとなったギリシャ国債は大暴落。

ドイツ国債は、最上級のAaaを保っており安定した売買が行われています。

欧州国債に対してマーケットは格付け通りの反応を示しているのです。

日米国債価格は格付けに反応せず、欧州国債価格は格付け通りに動くという状況は奇異に映ります。

かといって、格付け通りに反応しないマーケットが間違っているというわけではありません。

格付け会社が悪いわけでもないでしょう。

だからこうせよというような具体的な答えを持っているわけではないのですが、整合性が保たれないようであれば格付けに対する信認が失われ、マーケット参加者は何を信じて売買すればいいのか分からなくなります。

多くの投資家により形成されたマーケットの価格は正しいのですから、
『格付けも整合性を保つような方策を講じるべきではないか?』
と思えてなりません。

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(2011年10月20日東京時間10:00記述)

第433回 【潔い日本と粘り腰の欧州】

欧州金融安定化基金(EFSF)の機能拡充策をスロバキア議会が可決してユーロ圏17カ国の足並みが揃いました。

これでようやく欧州財政危機が解決に向かう――と判断するのは早計です。

破たん処理されたデクシアのように、金融不安の種はこれからまだまだ噴出するだろう、と考えています。

なぜなら、欧州は大量の血が流れる根本的な治療を避けているからです。

個人的な感覚なのですが、外資系金融機関で働いた経験からいえば、日本人は良くも悪くも潔く、追い詰められると生か死かの二択で判断してしまうのですが、欧州の人々は土俵際まで追い詰められても、そこから粘り腰で交渉を続けて延命を図ろうとします。

そのため世界を不安に陥れている現段階でも、まだ落としどころが見えず、根本的な治療を行うことができないのです。

ということは、フランスとドイツが主導しているEFSFを含めた救済策は、「取り繕い」に過ぎないということです。

それはマーケット関係者も良くわかっているのですが、「取り繕い」であっても材料が出れば相場が反応しています。

フランスとドイツが必死に取り繕っているのは、手をこまねいていると、フランスやドイツの大手銀行が破たんに追い込まれる可能性が非常に高いからだ、と考えます。

現実は、そこまで深刻な状況だ、と判断しています。

そうした中で、ユーロの対する信認は、まだあるのでしょうか?

現時点では、ユーロから大量の資金が逃げ出している気配はありません。

実は、フランスとドイツが、真っ先に逃げ出したいのでしょうが、もちろん逃げ出せず、ユーロ資産の損切りもしていない。
(それぞれの国家との暗黙の約束のようなものがあるのでしょう)
(あるいは、すでに債務超過になるので、損切りできないのかも知れません)

だから、ユーロからの逃避という動きが本格化していません。

しかし、このまま取り繕いを続けていれば、マーケットもしびれを切らすでしょう。

そこから大きな動きが起こるのでしょうが、それでも日本人が納得するような「生か死か」的な結論は出ないでしょう。

それが欧州の人々の本性なのです。
(決して、それが悪いと言っているのではなく、欧州の人々、国家などの気質を知らないと、その向こう側にある本質・真実が読み取れない、と考えます)

欧州の不良債権問題は、まだまだ、解決には程遠いし、まだまだ時間がかかる、と考えます。

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(2011年10月17日東京時間00:30記述)

第432回 【欧州危機を大局から振り返る】

ギリシャに端を発したユーロ圏の債務危機を防ぐための、ヨーロッパ金融安定化基金(EFSF)の拡充には、ユーロに加盟している17カ国すべての承認が必要となるのですが、16カ国ではすでに承認されていて、唯一残るスロバキアが注目されていました。

今週、スロバキアの議会は、EFSFの拡充策を否決しました。

しかし、最終的にはスロバキア議会でも承認される見通しが広がっており、マーケット(金融市場)は、欧州危機に対して楽観的な雰囲気になっています。

また、80億ユーロ(約8500億円)の追加融資で、ギリシャのデフォルトは当面回避されるのではないか、という思惑も広がり、欧州危機に対する楽観論が強くなっています。

しかし、私は、
『欧州危機は日々深刻さを増すばかりで、根本的な解決には程遠い状態が続いている』
と考えています。

ストレステストを通過した仏・ベルギー系の金融サービスグループ、デクシアの国内銀行部門が国有化されました。事実上の破たんだ、と考えます。

EFSFの拡充が実施されても、破たんを避けるだけで、欧州危機の根本的解決にはならない、と考えます。

なぜ、欧州危機がそこまで深刻な状態に陥ったのか、発端は米国のサブプライム・ローン問題にありました。

2007年夏ごろから起こった米住宅価格の下落により、サブプライム・ローン問題が表面化し、米国金融機関が膨大な損失を被り、それを嚆矢としてリーマン・ショックに発展していきました。

米金融機関は強制的な不良債権処理を余儀なくされ、大手証券のメリルリンチは、米大手銀行のバンカメ(バンク・オブ・アメリカ)に買収され、大手銀行のシティバンクは公的資金による資本注入を受けて生き延び、リーマン・ブラザーズは破たん処理されました。

こうした措置の是非は別にして、米国金融機関は、荒療治によって不良債権処理を済ませることができたのは事実です。

サブプライム・ローン問題は欧州にも飛び火し、当時は、欧州の主要金融機関が、莫大なサブプライム・ローン関連の不良債権を抱えているという噂が流れました。

しかし、欧州金融機関は莫大な不良債権の存在を否定し、抜本的な不良債権処理を先送りしてしまいました。

彼らは、米金融機関が行った金融地図が塗り変わるようなドラスチックな手法を避けて、現在の立ち位置を守りながら、20年、30年という長い時間をかけて償却していくことを選択したのです。

目論見通り20年、30年の間、平穏無事であれば良かったのですが、2009年12月になってギリシャの債務危機が顕在化しました。

当初は、ドイツやフランスが中心となって救済して終息するという楽観的な見方もあったのですが、信用不安はギリシャに留まらず、欧州全体に広がり、最近ではイタリア国債の格下げや、フランスとベルギーの両政府が、ギリシャ国債を大量保有している大手金融グループ(デクシア)の支援に乗り出す事態に至っています。

つまり、欧州金融機関はサブプライム・ローン関連の不良債権処理を先送りしたうえに、実質的に紙くず同然となったギリシャ国債などの不良債権をも抱え込み、抜き差しならぬ状態に陥ったのです。

そのためユーロ体制を牽引するフランスやドイツは、ギリシャをデフォルトさせて切り離すという抜本策を講じることができず、様子を見ながら少しずつ資金を投入するという対症療法に頼らざるを得ません。

ギリシャをデフォルトさせれば、ダブルパンチをくらった欧州金融機関が連鎖的に倒れる可能性が高いからです。

このように大局的に欧州危機を見てみると本質の部分が見え、ユーロが立ち直るためには相当な時間がかかることが分かります。

あるいは、立ち直ることができずに、別の体制へ移行することを余儀なくされるのかも知れませんが・・・。

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(2011年10月13日東京時間10:30記述)

第431回 【現在のドル/円は、手を出さないことも立派な戦術です】

引き続き、ドル/円の考え方は変わっていません。

2007年6月以来、ずっと「ドル安円高トレンド」が続いています。

この「ドル安円高トレンド」は、2007年6月から、現在(2011年10月)に至るまで、一度として、転換したことはありません。

だから、まるまる4年以上の間、「ドル安円高トレンド」が持続しています。

このことが、大前提にあります。(当然のことながら、今現在は、「ドル安円高トレンド」です)

ところが、このところのドル/円は、76円台から77円台での小動きが持続しています。

その絶対値(76円台とか、77円台)が円高水準なので、介入を期待する声も随所で聞こえてきます。

しかし、もし、介入が実施される場合は、相場が大きく荒れるパターンを考えるべき、と考えています。

(1)「ドル買い円売り介入」が実施されれば、介入の最中や、介入の効果がある時間は、ドル/円は上昇する。

(2)しかし、介入が終わり、その効果が無くなれば、ドル/円は下落する。

(3)(結論)だから、介入が実施されれば、相場は荒れる。

また、介入があるとしても、それは日銀の単独介入であり、G7による協調介入は期待できない、と考えます。

すでに、8月4日(木)の日銀単独介入の時点で、米国、欧州ともに、明確に協調介入を否定した、と考えています。


介入に関しては、この夏の8月4日(木)に、77円台前半で、日銀による単独介入(ドル買い円売り介入)が実施されました。

その際には、介入により、77円台前半から、80円台に乗せましたが、そういった値動きを期待しての「ドル買い」は愚策と考えます。

つまり、介入を期待しての「ドル買い円売り」はダメだ、と考えます。


しかし、77円台で単独介入が実際に実施されたのですから、78円台や77円台、76円台を単純に売るわけにもいかない。

だから、目先のドル/円は、やりようが無い相場となるのでしょうが、『このような状態が続く』と考えています。

いよいよ、1年で最も重要な秋の相場シーズンになったのですが、状況に変わりが無く、引き続き、『やりようが無い相場』が続いています。

仕方がないので、ドル/円に関しては、無理をせずに、しばし、ポジションを取らずに、次の展開を待つところ、と考えます。

それでも、どうしても、何かポジションを取りたいのならば、「ドル売り円買い」のショート・ポジションを持つべきだ、と考えます。

しかし、何かしらの理由で(現時点では何が理由になるのか分かりませんが)、ドル/円が上昇したところで、「ドル売り円買い」のショート・ポジションを作った方が良い、と考える次第です。

『何かしらの理由でドル/円が上昇する可能性があるのならば、ドル/円を買えば良い』
と考える人もいるでしょうが、その可能性は、薄弱な根拠であり、トレンド(4年以上続いたドル安円高トレンド)を考慮すると、
『何かしらの理由で、ドル/円が上昇するとは限らない』ということにも十分に留意すべきだ、と考えます。

手を出せない相場が1か月以上も続き、困ったものだ、と考えますが、辛抱強く、チャンスを待つことが大切です。
(無駄なリスクを避けることも、相場に勝つためには、必要なテクニックです)

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(2011年10月06日東京時間00:30記述)

第430回 【大局を見る目を養う】

このところの、直近の風潮ですが、日本の株価が上昇すると、その理由として、
「欧州の財政破たん懸念が薄らいだ」
「ギリシャ問題が一服した」
そんなふうに、株式関係者がマスコミを通じてコメントしたり、マスコミの媒体自身(=テレビ、新聞など)が、解説していることがあります。

はっきり言えば、私は、それは「疑わしい」と考えています。

読者や視聴者を納得させるために、納得しそうな理由を並べているだけです。

「欧州の財政破たん懸念が薄らいだ」というのは、その日たまたま悪いニュースが無かっただけのことであり、日本の株価が上昇したのは、それ(欧州問題)とは無関係に、ニューヨーク市場が上昇し、それ(ニューヨーク株価上昇)を反映した写真相場になっているだけ、それが本当の理由ではないか、と考えています。

善し悪しは別にして、『株式関係者の間には株価の上昇は良いこと、下落は悪いこと』という共通認識があり、通常「株価が下がる可能性を語ること」はタブーになっています。

こうした株式関係者のタブーは、マスコミにも浸透していて、株価上昇は声高に語り、株価下落には声を潜める傾向にあるようです。

私自身は外国為替市場がメインのステージであり、個人投資家の立場なので、相場が下がる可能性が高いのなら、そのことを投資家に指摘することが彼ら(株式関係者)の責務だ、と、常々思っているのですが・・・・。

(なかなか、そうはいかないのでしょうが・・・・)

そもそも相場が上昇するのは、誰かが買うからであり、下落するのは誰かが売るからです。

しかし、買えるのは売る人がいるからだし、売れるのは買う人がいるからです。

つまり、このことだけでは、売りが強いとか買いが強いなんてわからないはずです。

「売買が成立する」ということは、買った金額と売った金額はイコールであり、なおかつ、その取引価格もイコールなのです。(そうでないと、取引は成立しません)

それなのに、漠然と下落しているから売りが強い、上昇しているから買いが強いと判断してしまう投資家が多いようです。

注目すべきはスピードです。

先々相場が上昇する、と投資家が考えると、相場で高くなっていても、追いかけて買う、という行動になります。

先々相場が下落する、と投資家が考えると、相場で安くなっていても、追いかけて売る、という行動になります。

そのスピードが速くなればなるほど、多くの投資家が反応して、相場が動き出すというわけです。

もし相場が静かだったら、一定の価格で、売値と買値が対峙して、たまにその中間の価格で取引が成立し、大半の市場参加者は、誰も反応をしないでしょう。

わざわざその上の値段を買ったり、その下の値段で売ったりする必要がないのですから。

話を戻しますが、1日ごとに日替わりで、欧州の調子が良くなったり悪くなったりするわけがありません。

昨日まで破たん寸前の状態だったギリシャの財政が、今日になって好転することがあり得るでしょうか?

そんな手品のような方法は、あるはずがないのです。

米国の失業率だって、今日は悪いけれど明日は良くなるということはありません。

もし今月の失業率が悪かったのならば、この先半年程度は、悪い状態が続くと判断するのが普通だと思います。

要するに、大局を見る目を養うことが大切。

関係者やマスコミの言葉にごまかされていては、相場に勝てるはずもありません。

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(2011年10月2日東京時間23:00記述)


 



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