第412回 【ドル/円は、77円台に下落し、一段の円高】

マーケットには、「夏休み相場」の雰囲気が漂っています。

 

毎年、『「夏休み相場」は、ポジションを取らずにのんびりすれば良い』と考えます。

 

今年も同様です。

 

準備万端に夏休み体制が整ったならば、8月下旬まで何もしないで(ポジションを取らないで)、休暇を取ることも、素晴らしい戦略と考えます。

 

※もちろん、「夏休み相場」のシーズンでも、真摯に相場に向かい、マーケットの動きを追いかけてコメントを書きます。

 

※それは、「夏休み相場明けの時期」が、1年の中でも、最も重要なシーズンであり、その時期に、ベストな状況で戦いたい、と考えるからです。

 

※また、夏休みシーズンであっても、利益を狙える場合には、相場をやって構わない、とも考えるからです。

 

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今週のドル/円は、77円台に下落し、一段の円高水準を見ています。

 

オバマ米大統領が、25日夜(日本時間26日午前)に、米債務問題について演説しましたが、問題解決への進展がみられないことが「ドル売り」のきっかけでした。

 

このままでは米国がデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が強まっています。

 

また、格付け会社が米国債を格下げする可能性も「ドル売り材料」となっています。

 

個人的には、米国はデフォルト(債務不履行)を回避するために妥協し、米債務の上限引き上げとなるのだろう、と予測していますが、目先、この問題が解決するまでは、「ドル売りの材料」とされるのだろう、と考えます。

 

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目先のトレードで、80円台や81円台でドル/円を買っていた市場参加者は、79円台後半や、80円台前半程度のリバウンドがあれば、いわゆる「やれやれの売り」で、ポジションを手放そうとするでしょう。

 

そういった意味で、79円台後半程度から、売り注文が並ぶ状況です。

 

下値には、介入警戒感がありますから、77円台、78円台を単純に売るわけにもいかない。

 

だから、目先のドル/円は、円高気味に推移しつつも、動きようがない相場となっていますが、『このような状態がしばし続く』と考えています。

 

ドル/円に関しては、ポジションをスクエア(=ポジション無し)にして、『夏休み』で良い、と考えます。

 

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今、一番まずい戦い方は、『値ごろ感で、ドル/円のロング・ポジション(買い持ち)を持つこと』と考えます。

 

値ごろ感で、ドル/円を買った場合、損切りを余儀なくされる可能性が高い、と考えます。

 

このペースで時間が経過すると、いったん『介入の有るや無しや』を調べる展開になる可能性が高まります。

 

つまり、『下値がどのくらいになると、介入するのか?』を確認するために、マーケットがいったん売りに傾くのです。

 

目先は、何もしないで(ポジションをスクエアにして)、ドル/円をロングにするのならば、介入が実施されたことを確認してからの方が賢い、と考えます。

 

日銀の「ドル買い円売り介入」に関しては、介入が実施されたことを確認してから、行動するべき、と考えます。

 

「介入があるかも知れない」「介入があるに違いない」といった、介入を期待してのドル/円ロング(買い持ち)は、はっきり言えば、愚策と考えます。

 

もちろん、そういった愚策でも、『当たれば利益になる』といった考え(思考)も理解します。

 

しかし、愚策に頼る対応では、長く生き残ることはできない、と考えています。

 

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20110728日記述)

第411回 【アジア通貨とどう付き合うべきか】

8月1日から、取引所FXで、中国人民元、韓国ウォン、インドルピーのアジア通貨が取引できるようになります。



高金利でありさらなる成長が期待できそうに映るアジア通貨と、個人投資家はどう付き合えばよいのでしょう。



外国為替取引で最も重要なことは「自由な取引が保証されていること」です。



買いたい時に買える、売りたい時に売れることはもちろん、規制がない市場であることも自由な取引に欠かせない要素です。



では、アジア通貨は自由な市場で取引されているのでしょうか?



人民元に関して言えば中国政府の規制が徹底していて、市場に自由はありません。



韓国ウォンも中国よりは緩やかとはいえ規制の中で売買することになります。



アジア通貨が注目されている理由の一つに、好調な貿易取引による実需マーケットの拡大があります。



日本のスマートフォン市場はすでに韓国製が主流。



国産が圧倒的に強い自動車市場でも、いずれ安価な韓国車から売れるようになるでしょう。



米国市場を見れば容易に想像がつきます。



このように対中や対韓貿易に関わり実需を伴う取引を行う場合は、地道にカバーを取ってリスクヘッジをする真っ当な取引をすべきです。



アジア通貨のような実需の影響が大きい世界では、実需の状況を知っていれば勝てる確率が高くなるでしょう。



しかし、そうした情報を個人投資家が手に入れるのは不可能だし、手に入れられたとしても断片的なものに過ぎません。



つまり、実需の拡大に便乗して、実需の伴わない個人投資家が儲けてやろうと思っても、そう上手くいくものではないということです。



江戸時代に本間宗久が米相場で勝てたのも、実需の情報を持ち、莫大な投資資金と米という実物を保有していたからであり、その他大勢のスペキュレーターは短期間で消えていきました。



制度的にアジア通貨の取引ができる環境が整うことは良いと思いますが、一個人投資家の立場ではまったく興味がありません。



勝てるはずがないからです。



目新しい通貨は先行者利得が得られそうな気がしますが、それはまさに「気がする」だけで、投資の世界にうまい話などありません。



だとしたら、個人投資家は、情報がオープンで参加者も多いユーロ/ドルやドル/円を手がけるべきだ、と考えます。



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(2011年7月25日記述)

第410回 【「夏休み相場」です】

例年7月4日の米国独立記念日を過ぎると、外国為替市場は「夏休み相場」に入ります。



今年は儲かっている投資家が少ないため、「夏休み相場」入りが遅れるのではないかと思っていたのですが、独立記念日以降の1週間を見ると、あまりやる気が感じられず、「早くも市場参加者たちは夏休み気分なのかな?」などと感じました。



ところが、7月中旬になって、ドル/円では80.00を明確に割り込む円高が進み、そういった夏休み気分も、吹き飛ぶ雰囲気になりました。



ただ、ドル/円が、79円台、78円台に下落した直後には、緊張感が有りましたが、それも見慣れてくると、再び、「夏休み相場」特有の小動きになっています。



この上半期に予定していた利益があげられなかった(場合によっては、損失を膨らませた)投資家は、夏休みを返上して頑張って利益を上げたいと熱くなりがちです。



その気持は充分に理解できるのですが、ここは冷静になって、考えてみてください。



自分一人が、自分の都合で熱くなって取引しても、マーケットには何の影響も与えません。



そんなことをしても、結局独り相撲で終わるに過ぎないことをしっかり認識してください。



夏休み相場は8月いっぱいで終わり、9月になれば、必ず、市場参加者がたくさんいるいつもの状況の戻り、活況な相場が戻ってきます。



これは毎年繰り返されるパターンであり、「外国為替相場の常識」です。



そこで「夏休み相場」の期間は、休めるのであれば休んで体力を温存しましょう。



もしも参加するのなら、気まぐれに動く相場に右往左往せずに、真摯に相場を見つめ、トレンドを判断した上で、なおかつ、市場参加者の薄いことによるリスクを充分に認識して、つまり、「夏休み相場」であることを充分に認識しつつ、フル体制で(100%の体制で)真剣に臨むべきです。



「夏休み相場」だからといって、休暇を取りながらポジションを取るような、なめた態度で相場に臨むと、ロクなことはありません。



休むなら、きちんと休むべきですし、相場をやるのなら、休みを返上して、真剣に、100%の体制で臨むべきです。



いつの時代でも、中途半端が一番まずい戦い方です。



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(2011年07月21日記述)

第409回 【80円台割れ相場の対処法】

ドル/円相場が再び80円を割り込んでいます。

投資家はどう対処すればいいのかという話の前に、大震災後から今日までの動きを振り返っておきましょう。

ドル/円は大震災をきっかけにしてパニック的な状況に陥りました。

右往左往している状況での取引だったので、ドル売りでもドル買いでもどちらでも良かったのでしょうが、たまたま相場が下を向いていたので、リスク回避という名目のもとに相場が動き出し、歴史的な円高となる76円25銭まで突っ込んでいきました。

それまでの歴史的な円高は79円75銭だったので、それより下にはオプション取引を含むストップ・ロス(損切りの売り注文)が大量にあり、損切りが損切りを呼ぶ連鎖的な動きとなったのだ、と考えます。

本来なら、この時点でほとんどすべてのポジション調整が行われて、ドル/円の買い持ちが解消されるはずでしたが、G7による協調介入によって、相場が人為的に逆方向へ担ぎ上げられたことで、大量の買い戻しに走る投資家が現れ、一気に85円台後半にまで上昇しました。

恐らく介入による直接的な戻りは83円台・84円台までで、それより上の84円台・85円台は、介入に提灯を点けたことによるオーバーシュート的な値段だったのでしょう。

そのため、その値段を維持できずに垂れ下がり、介入水準の79円台まで戻り、乱高下の後の調整による小動きが続いて、「79円台-82円台のボックス相場」にシフトしていきました。

それから4カ月が経過。

80円を挟んだ展開は絶対値としてはかなりの円高水準のため、値ごろ感によるドル/円の買いが膨らんでいました。

ところが、そこへギリシャ財政危機がイタリアやスペインに波及するという見方が出て、ユーロ/ドルが下落、その影響でユーロ/円が売られ、ユーロ/円のストップ・ロスがついて、ドル/円の売り圧力につながりました。

マーケットではある程度の買い持ちが溜まっていたことから、80円台、81円台で買っていた投資家のストップ・ロスがついて、80円を割り込んでしまい、瞬間的には78円台ミドルまで落ちました。

さてここからどうなるのか?

簡単には上がらない(円安方向には向かわない)でしょう。

さりとてもう一段下がるのかというと、そこには介入不安がある。

再び協調介入が行われるかどうかは不明ですが、日銀は介入するはずです(単独介入は十分にあり得ます)。

ただ介入が実施されるのが、新値を更新してからなのか、新値を更新する前なのかは、誰にも分かりません。

介入を指示する立場の財務大臣だって、今の段階では自分の行動を決めているわけではないでしょう。

介入水準が誰にも予測できない以上、介入を当て込んで買ったり、値ごろ感で買うのは愚策であり危険です。

一番おいしいところを買いたいという投資家の気持ちはよく分かるのですが、最良の策は美味しいところを狙わず「介入を見届けてから買う」に尽きます。

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(2011年7月17日記述)

第408回 【見えているもの(発表されていること)の裏にある真実】

東京電力の原発事故問題とギリシャの財政危機問題は、外国為替相場とは直接関係ないテーマに思えるかも知れませんが、「投資家の姿勢が問われている」という視点では、どちらも、決して無視できない重要なテーマを含んでいる、と考えます。
 
先月開催された東電の株主総会では、「脱原発」が提案されたものの否決されました。
 
現実問題として、すべての原発を即時停止させて他の発電方法に置き換えることは不可能なのだから、脱原発に向かうのであれば、ある程度の時間を掛けて徐々に切り替えていくしかないのでしょう。
 
そこで問題となるのは、
『東電という会社がこのまま当事者として存続して良いのか、どうか?』
と考えます。
 
株主総会では、最終赤字が1兆2473億円に上ることが明らかになりました。
 
有利子負債は約7兆円あり、そのうち5兆円が社債です。
 
そして未だに査定が済んでいないものの、賠償負担は5兆円、6兆円規模に達するでしょう。
 
現実の賠償額は、その何倍にも及び、最終的には国が負担することになるのでしょう。
 
東電は完全な債務超過状態です。
 
それなのに東電が当たり前のように存続し、株主総会を開き、しかも無価値なはずの株価が400円を超えている姿は異常です。
 
東電が潰れない大きな理由のひとつとして、株価が0円になり社債がデフォルトすると膨大な損失を被る機関投資家が存在することがあげられます。
 
同様に(私企業と国家では規模がまったく異なりますが)、ギリシャも国家破たんしているのに、そのことを欧州あげて取り繕っているのは、ドイツの大手金融機関やフランスの大手金融機関などの欧州の機関投資家が保有する国債が巨額なため、デフォルトすると新たな金融危機が発生する懸念があり、利害関係者が為政者に政治的圧力を掛けているためであろう、と推測しています。
 
独立した投資家というしがらみのない立場で言いましょう。
 
東電やギリシャは破たん処理すべきなのに、それを無理やり延命させて、しかもほとんど批判を浴びていないのは、為政者や利害関係者の政治的な力が働いているからだろう、と考えます。
 
大切な自分のお金で相場に参加している投資家は、『見えているもの(発表されていること)の裏にある真実』を見抜く力を養わなければなりません。
 
それを放棄すると為政者や利害関係者達の嘘に呑み込まれて、大切なお金を失うことになります。
 
そして失っても、東電やギリシャとは違って、誰も助けてはくれません。

第407回 【円高相場を支える中国政府】

未曾有の被害をもたらした大震災、終息のメドが立たない原発事故、電力不足による生産性の低下......など、マーケットから見れば、日本は売り材料にあふれています。
 
ところが外国為替相場は1ドル=80円台、81円台程度の小動きが続き、ドル/円レートの絶対水準で言えば、円高水準に張り付いたままの膠着状態が続いています。
 
なぜ日本円は売られないのでしょう?
 
理由はいくつかあるにせよ、最大の円高要因は中国ではないか、と推測しています。
 
中国政府は今年に入って日本国債や株式を積極的に買っています。
 
それは日本の将来性を評価しているのではなく、国富を米ドル(米国債)だけで蓄えるリスクを避けるためです。
 
かつて世界一の外貨準備を誇っていた日本は、貿易によって蓄えた国富を米ドルで蓄えていました。
 
日本の経済成長に伴い、為替相場は1ドル=360円から現在の80円まで4分の1以下になり、米ドル資産価値も同様に目減りしました。
 
2006年に日本を抜いて外貨準備では世界一になった中国は、以前はドル一辺倒で国富を蓄えていたのですが、方針転換し、現在では約3兆ドルに及ぶ外貨準備の分散保有を進めています。
 
そのお金の一部が日本に向かい、円高を支えているという構図です。
 
投資の格言「卵は一つの籠に盛るな」を実践している中国政府は、投資スタンスに限って言えば、日本政府よりも数段賢いと言えるでしょう。
 
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(2011年7月11日記述)

 

第406回 【外国為替市場の年間スケジュール】

今日は、七夕ですね。
 
さて、このコラムで、過去に何度も取り上げましたが、「外国為替市場の年間スケジュール」を再度取り上げます。
 
もう、「夏休み相場」のシーズンが始まったからです。
 
今週の月曜日(7月4日)は、アメリカ独立記念日でした。マーケットはこの日を境に、徐々に市場参加者が減り、「夏休み相場」に入ります。
 
今年は、利益をあげにくい相場つきが続いています。相場はいつも難しいものですが、とりわけ今のドル/円相場は、方向感が明確でなく、ちまちまとした値動きです。
 
このような相場は、面倒な割に儲からないものです。
 
こういった、プロでも充分な利益をあげにくい相場つきだったので、独立記念日が過ぎたとたんに一気にマーケットから人がいなくなる、ということはなさそうです。
 
しばらくは、マーケットにしがみつく(しがみつかざるを得ない)人が多いはずなので、7月中旬から下旬くらいまでは、市場参加者が残っていて、相場に臨むチャンスがありそうだ、とは思っています。
 
しかし、「外国為替市場の年間スケジュール」で考えれば、『「夏休み相場」は、すでにスタートしている』ということにも留意するべきだ、と考えています。
 
以下「外国為替市場の年間スケジュール」です。
 
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 外国為替市場は、1月から「よーいドン!」で始まります。
 ですから、「年間スケジュール」は、1月になってからではなく、12月のうちに考えておくことなのです。
 相場は、私たちの都合を聞いてはくれません。
 しかし、毎年、決まりきったパターンがあります。
 ですから、「12月のうちに考えておくこと」ではあるけれど、一度、覚えてしまえば、毎年の年間スケジュールは、ほぼ同じです(イースターの時期が違うのですが、それも大差がありません)。
 外国為替市場の年間スケジュールを見てみましょう。
 
1月【頑張る月】
 まずは、リハビリ(12月は、のんびりしているので)。
 トレンドを調べる、チャートを調べる、12月中のニュースを紐解くなど、確認の作業から始めます。
 
2月【もっと、頑張る月】
3月【もっと、もっと、頑張る月】
「イースター」が3月にある場合は、小休止を入れます。
 
4月【後半のゴールデン・ウィークに備える月】
 ゴールデン・ウィークはポジションを取らずに、いったん休憩。
「イースター」が4月にある場合は、そこも休憩します。
 
5月【ゴールデン・ウィーク明けから頑張る月】
 まずは、リハビリ(ゴールデン・ウィーク中は、のんびりしているので)。
 1月と同じように、確認の作業から始めます。
 
6月【しっかり、頑張る月】
 
7月【夏休み(サマー・バケーション・シーズン)】
 夏休みのスタートは、米国の「独立記念日」(7月4日)から。
8月【夏休み(サマー・バケーション・シーズン)】
 夏休みの終了は、ロンドンの「レイト・サマー・ホリデー」(8月の最終週の月曜日。サマー・バンク・ホリデーとも言う)まで。
 7月~8月の夏休みは、年によって、そのスタートが遅れる場合があります。しかし、夏休みの終了は、「レイト・サマー・ホリデー」までで、だいたい不変です。
 
9月【頑張る月】
10月【もっと、頑張る月】
 
11月【12月に、ちゃんと休めるように、もっと、もっと、頑張る月】
12月【クリスマス・シーズン=何もしない月】
「こんな時期に相場をやっているヤツは、負けたヤツ」と、横目で眺めていればOKです。
 
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(2011年7月7日記述)

第405回 【日本と欧州に共通する甘い体質】

ギリシャ国会は今後5年間の緊縮財政策を実施するための法案を可決しました。
 
関係者は胸をなで下ろしているでしょうが、それで何が解決したのでしょう?
 
ギリシャが抱える膨大な借金が消えたわけではありません。
 
ただ単に危機を先送りしただけです。
 
ギリシャ危機を解決する唯一の方法は、経済力のあるドイツがギリシャを併合するしかありません。
 
でも"植民地化"は国際社会が反対するだろうし、ラテンの気質を持つギリシャ人と、生真面目なドイツ人では融和も難しいでしょう。
 
残る手段はギリシャのデフォルトというハードランディングしかありません。
 
それは誰にとっても起こって欲しくないことなので、誰もが目を背けています。
 
しかし、それでは投資家の態度としては正しくありません。
 
天変地異を想定して取引すべきだし、私は天変地異が起こると見ています。
 
欧州の為政者達が糊塗しようとしているギリシャ問題は、日本の原発問題に重なる部分が大きいように映ります。
 
政府や東電は福島原発事故当初、「メルトダウンしていない」と言い張っていました。
 
それが2カ月、3カ月経過してメルトダウン、メルトスルーしていたと認める。
 
ギリシャ問題でも「ギリシャは破たんしない」と言い張りながら、返済期限が近づくと危機が再燃する。
 
日欧に限らず、為政者たちは自分たちにとって都合の悪いことは隠します。
 
福島で避難している方々は、そう遠くない将来、帰宅できると信じています。
 
それは為政者が本当のことを言わないからです。
 
常識で考えれば汚染が深刻な10キロ圏内にはもう戻れないはず。
 
だったら新しい生活を始めるために具体策をすぐにでも提示すべきでしょう。
 
それなのにいつか帰れるという幻を与え続けている。
 
同じ事がギリシャにも言えます。
 
このまましばらく我慢すればギリシャ危機は去る――そんな幻想を国民だけでなく、世界の人々に抱かせています。
 
どうやら日本人と欧州人は「嫌な現実は見ない」体質のようです。
 
目先はそれで済むのですが、何の解決にもならないどころか、嫌な現実が深刻化するだけです。
 
ひと言でいえば「甘い」ということです。
 
『ギリシャがメルトダウン、メルトスルーしているのではないか?』
と、疑ってかかる必要性を感じてなりません。
 
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(2011年7月4日記述)



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