第403回 【相場の材料は来年に持ち越し】

今日からは、クリスマスを終え年末相場ですが、外国為替市場は「つまらない相場」が続いています。

 

12月のクリスマス相場になれば、欧米の市場参加者が休むのだから、「つまらない相場」になるのは当然だし、だからこそ、12月は取引を控えたほうがいいと個人投資家の皆さんにも助言しているのですが......。

 

これまでに30回近くクリスマス相場を経験していますが、毎回「つまらない相場」でした。

 

昔の外為市場はプロのための市場だったので、クリスマスの時期は今よりももっと凪の状態が続きました。

 

コンピューター取引が普及する前の人間が値段を読み上げる方式だった頃は、ディーリングルームに値段を告げる声が聞こえるのは1時間に1回くらい、しかも2時間も3時間も同じ値段のままということが珍しくありませんでした。

 

ロイターモニターという値段を表示するシステムがあったものの、取引する際は、改めてブローカーにリアルマーケットの値段を聞かなければならない状態でした。

 

「今いくら?」

と聞くと、相手は、

2030です」

「まだその値段なの?」

「取引がないので・・・」

そんな会話をしたこともありました。

 

今は個人投資家が増え相場の様相も少し変わってきました。

 

自宅のPCでリアルレートが見られるし、クリスマス相場を休んでいても、年明けに過去の値動きを調べることが簡単にできます。

 

外為市場にはユーロの問題を始め、相場に影響を与えそうなさまざまな材料があるのですが、現状の雰囲気を見るならば来年に持ち越しになりそうです。

 

仮に何かが起こっても、来年焼き直されることでしょう。

 

今週は、クリスマスを終えて、年末ですから、今以上に、市場参加者が少なく、動意も無い状態が予想されます。

 

しかし、それでも、『何も無いならば、何も無いことを確認すること』が重要です。

 

このクリスマス・年末の時期に、仮にニュースが出ても、マーケットが反応しないケースがあります。

 

その場合は、その材料が、年明けに持ち越しされて、市場参加者が出そろってから焼き直されることが多いものです。

 

みなさま、年末年始をお過ごしください。

 

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20101227日記述)

第402回 【誇りを失った中央銀行】

前々回に、今年の相場は難しかったという話をしましたが、その主因のひとつに「中央銀行の嘘」がありました。

サブプライムローン問題では、金融機関が利益を追求しすぎてバブルを招き、市場をクラッシュさせて金融危機を引き起こしました。

彼らの行動に問題があることは事実ですが、「私企業が利益を追求する」という行為そのものはおかしいことではありません。
(といっても道義的な問題が残るので全面的に肯定するわけではありません)

一方、中央銀行の行動はどうでしょうか?

米国FRBはリーマン・ショックの時に、明確な根拠を示さず恣意的な理由で、一方の金融機関を殺し、一方を救った。

それは、FRB議長がベストを尽くした結果であり、すべてを救えないのであれば取捨選択するのは当然だし、人智を越えた部分もあって、やむを得ない決断だったのでしょうが、それでも不公平感が募り、釈然としません。

放漫経営により年金が負担できなくなったGMは、FRBの間接的な介入により破たん処理を余儀なくされました。

現在は再生し、再上場まで果たすところまで改善されましたが、手放しで喜んで良いのでしょうか?

破たん処理により年金を切り捨てられた人々は、どのような老後を送っているのでしょうか?

今年を振り返って中央銀行の最大の欺瞞は、7月に公表された欧州銀行を対象にしたストレステスト(財務の健全性を評価する検査)でした。

中小銀行7行が問題ありとされたものの、大勢は悪くないという結論です。

ところがここにきて、一段落ついたと思われていた欧州の財政問題が再びクローズアップされています。

その背景には大手金融機関が抱えている不良債権問題があることは明らかです。

レバレッジの効いた不良債権は大手銀行の体力を、大きく消耗させています。

『ECB(欧州中央銀行)は、ストレステストによって投資家をだました(欺いた)』
と言えるのではないでしょうか?

同じような内容の発表を私企業が行った場合「詐欺」と非難されるでしょう。

ところが中央銀行がやると詐欺になりません。

中央銀行は許される、私企業は許されない――金融界には、そんな不可思議な常識がまかり通っています。

いままで最も信頼できた人達が今、信用できなくなっています。

以前のFRB議長やECB総裁は誇りを持ち、その名に恥じない行動を心掛けていました。

しかし今は違います。

では日銀総裁は?

残念ながら歴代総裁は、旧来の欧米中央銀行に人たちに比べると誇りが感じられずに格落ちの感がありました。

彼らは「誇りよりも国家を守ることのほうが大事だ」と言うのでしょうが、それは誇りを持たないことに対する詭弁とか思えません。

金融業界も外国為替市場もきれいなものではないことは十分承知していますが、それでも釈然としないものを感じた一年でした。

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(2010年12月20日記述)

第401回 【クリスマス・シーズンの材料は、年明けに焼き直される】

クリスマスまであと1週間ほどになりました。

 

外国為替市場は『クリスマス相場』真っ直中です。

 

この時期になると、毎年なのですが、

「この時期(クリスマス・シーズン)は休んだ方が良い」

と提案してきました。

 

『クリスマス相場』とはいえ市場参加者がまったくいない状態ではないので、相場が動くことがあります。

 

そうすると投資家心理として取引したくなるものだし、まして入れ込んでいる時はチャンスを逃すまいと、いつまででも続けたくなる気持もわかります。

 

「休めと言うけれど、相場から離れている時に重要な材料が出たらどうする?

 儲けのチャンスを逃すのではないか!」

という心配もあるでしょう。

 

市場参加者が少ない時に重要な材料が出れば、確かに相場は乱高下します。

 

しかし、過去の例を見ても明らかなように、参加者が少ないために材料を消化しきれずに、来年、また焼き直されるものなのです。

 

慌てる必要はまったくありません。

 

日本人は勤勉な性格なので、師走と呼ばれる12月はせわしなく体を動かしていないと、何か申し訳ない気がします。

 

その影響もあって、国内の株式市場であれば1230日の大納会に向けて取引が増えていくのでしょうが、外為市場は欧米の感覚で動いています。

 

それは「クリスマス相場でお休み」という感覚です。

 

もしまだ取引を続けているのであれば、もう休みませんか?

 

負けが込んで熱くなっているのなら、頭を冷やしませんか?

 

為替相場は来年も確実に存在するのだから、年が明けて市場参加者が戻り、相場に厚みが出てから取引を再開すれば良いだけのことです。

 

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20101216日記述)

第400回 【来年の相場はもっと難しい!?】

クリスマス相場真っ直中の今、今年を振り返ってみて、改めて、難しい相場だったと感じています。

 

簡単な相場で終わった年は無いけれど、平年よりも、より一層難しい年だった、が感想です。

 

一昔前の相場であれば、基軸通貨のドルを中心に考えれば、それなりの答えが出ました。

 

つまり、ユーロ/ドルが上昇すると判断したのなら、ドル/円は下落するという答えになるし、ユーロ/ドルが下落するなら、ドル/円は上昇するということです。

 

ところが、ここ数年はそれが通用しなくなり、今年の例ではユーロ/ドルが上昇・下落を繰り返しても、ドル/円は無関係を装うかのようにじわりじわりと円高が進行していきました。

 

円高が進んだ大きな理由の一つは、米国が中国元に対してドル安政策を採っていることです。

 

その影響がドル/円にも及んでいます。

 

ところが中国元、円に関してはドル安でも、欧州の財政不安などにより、ユーロ/ドルに関しては必ずしもドル安ではありません。

 

今の相場は過去の経験則が通用しなくなり、ドルとユーロ、ドルと円というように、それぞれの通貨ペアごとに考えていかなければ、答えが出ない複雑な相場に変わっています。

 

それは市場参加者が多様化していることにもよるのでしょう。

 

市場参加者がプロ中心だった時代は、目の付け所がほとんど同じで、相場の予想がつきやすかった。

 

ところが今は、多くの個人投資家も参入し、また多くの機関投資家も存在し、それぞれが、それぞれの思惑で動いているので、目の付け所も多様化してマーケットが複雑化しています。

 

今後、ますます各通貨ペアごとの個別化が進むのでしょう。

 

そのため、来年はもっと難しい相場になることを覚悟しなければなりません。

 

おそらく来年の今頃は、

「去年も難しかったけれど、今年はもっと難しかった」

と言っているかも知れませんね・・・。

 

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20101213日記述)

第399回 【クリスマス相場は休んだ方が良い】

毎年、この時期(クリスマス相場のシーズン)になると、同じことを言い続けています。

 

外国為替市場には、毎年、新規参入者がいますから、そういう人たちに伝える必要がある、と考えます。

 

毎年、新規参入者がいるように、もう一方で、毎年、やめていく人も、必ず、いるのですが・・・。

 

 

12月に入り、外国為替市場は「クリスマス相場」の真っ直中です。

 

今年は24日が金曜日に当たり、クリスマスまで2週間の時間はあるのですが、ロンドンやニューヨークの市場参加者の多くは、すでにクリスマス休暇を楽しんでいます。

 

と言っても、12月の日本は、師走の忙しさ。

 

あわただしく時間が流れている今、クリスマス相場、クリスマス休暇と聞いても実感がわかないでしょう。

 

しかし、残念ながら外国為替取引の中心地はロンドン市場とニューヨーク市場。

 

師走で忙しいから取引も活発なはずという東京市場の(日本人の)"常識"は通用しません。

 

それどころか、ロンドン市場やニューヨーク市場では、開店休業状態のクリスマスの月、クリスマスの週に出社して取引している市場参加者は、よほど大損してパニックになっている間抜けな奴としか見てもらえません。

 

日本人の感覚に置き換えれば、(市場は閉まっていますが)元日に出社して仕事をしている奇特な奴ということになるでしょう。

 

東京市場が力を付けてロンドン、ニューヨークを凌駕する日がくれば、クリスマス相場の様相も変わってくるのでしょうが。

 

私も、東京市場の発展を願っていますが、今の時点では、東京市場が世界の中心になることは、夢想に過ぎず、現実は違います。

 

まだ取引をしている投資家は、手仕舞いする準備をしてください。

 

どうしても相場から離れたくないというのなら、損をしても致命傷にならない金額にとどめるべき、と考えます。

 

2010129日記述)

第398回 【ユーロ安は破たんで解決する】

※タイトルが過激だな、と、この文章を書いていて、自身、そう思います。

※以下の文章の内容のように、考えますが、現状の欧州首脳は、問題を先送りすることで、事態の好転を願うのでしょう。

※しかし、問題を先送りすれば、事態が悪化するのが普通で、何か転機が無ければ、問題が解決することはあり得ません。

※ギリシャやアイルランドに、資金を貸し付ける、ということは、ギリシャやアイルランドが、それを返済する、ということです。

※儲かる産業があれば、返済も可能でしょうが、現時点で儲かる産業を持たないギリシャやアイルランドが、増税して、返済しなければならないのですから、どうしても無理を感じます。

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現在のマーケットの主要テーマは「ユーロ諸国の財政問題(不良債権問題)」です。

ギリシャ危機、アイルランド危機に象徴されるように、経済力が異なる国々が共通通貨ユーロを使用することに対する矛盾がここにきて噴き出しユーロ安を招いている、と考えます。

ドイツのような経済力の強い国と、ギリシャのような弱い国が共通通貨を使うと、矛盾が生じることは導入以前からわかっていたはずですが、導入することを優先させて矛盾の解決は先送りされてしまいました。

解決方法はシンプルです。

共通通貨を使うことで強い国はますます強くなり、弱い国はますます弱くなったのだから、恩恵を受けた強い国が弱い国を救済、つまり資金援助すればいいのです。

そうするとドイツ国民からは、勤勉な自分たちが、なぜ自分たちの税金を使って、怠け者のギリシャ人を助けなければならないのだ、という不満が出るでしょう。

しかし、不満が出ることも事前にわかっていたし、それでも共通通貨を発進させたのです。

選択肢は2つしかありません。

財政危機を迎えている国を破たんさせずにドイツが丸抱えして延命させるか、破たんさせてユーロから外してから救済するか。

破たんさせないまま先送りすると不良債権は雪だるま式に膨らみます。

駄目なものは一度破たんさせて、ゼロからやり直しをさせたほうがいいということは、金融危機を体験した日本人なら理解できるでしょう。

ギリシャを破たんさせると、ギリシャ国債保有者に影響が及ぶという指摘もありますが、国債の購入は自身の価値判断で行ったことなので本来は自己責任。

国債が紙くずになっても仕方ありません。

個人的にはギリシャもアイルランドも一旦破たんさせるべきだと考えます。

しかし、果たして、欧州の首脳はハードラインディングを受け入れるだけの度量があるのかないのか?

決断を先送りする時間は無い、と考えます。

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(2010年12月5日記述)

第397回 【すでにクリスマス相場に突入しています】

外国為替市場が「クリスマス相場」に入る米国の感謝祭(今年は1125日)の直前、日本の勤労感謝の日(1123日)に、北朝鮮と韓国の武力衝突が起こりました。

 

この突発的な出来事を材料にして、ユーロ/円では114円台から110円台まで一気に4円落ちました。

 

ユーロ/ドルは1.37から1.33まで急落しています。

 

米国と日本という武力衝突の影響を大きく受ける国の通貨、つまりドル/円が1円程度の動きで止まったのは、マーケットがまず「有事のドル買い」方向へ動き、次にドル・キャリートレードの解消が起こり、結果として相殺される形になったから、と考えます。

 

為替相場に対するインパクトという意味だけで言えば、今回の武力衝突が「クリスマス相場」に入る直前の、まだマーケット参加者が多く残っているタイミングで起こって助かりました。

 

もしも「クリスマス相場」の真っ直中で起こったら、今回の2倍、3倍に増幅された大荒れの様相を呈した可能性があります。

 

『今回の武力衝突による相場により、これまで何回もお話ししている「クリスマス相場」の怖さが実感できたのではないか?』

と思います。

 

『市場参加者が極端に少なくなるクリスマス・シーズンには、通常のサイズのポジションよりも、小さいポジションにするべきです。』

 

『クリスマス・シーズンには、ポジションを持たないことも戦略です。』

 

『来年になれば、また、通常のマーケットに戻るのは、今から分かっていること。』

 

それでも、どうしても何かしたいのならば、自分の対応できる範囲で、自身の納得する範囲でリスクを取る、それが重要です。

 

繰り返しますが、もう122日ですから、もうすでに、「クリスマス相場」に突入しています。

 

休暇に入れる人は、来年までポジションを取らずに、新年のスタートダッシュのために体力・気力を温存しましょう。

 

新年まで、もう30日を切りました。できるなら、新年までのんびりしましょう。

 

「クリスマス相場」のスタートは、例年、米国の感謝祭(今年は1125日)からですから、もうすでに突入していることに注意を払ってください。

 

20101202日記述)



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