第396回 【誰が一番嘘つきか】

アイルランド危機に対して、EUIMFは、850億ユーロ(約94000億円)規模といわれる支援策を協議し、大筋合意したようです。

 

金融立国を目指したアイルランドの銀行は、実力以上のリスクを取り、その結果、瀕死の状態に追い込まれました。

 

アイルランドの銀行が膨大な不良資産を抱え込んでいるのであれば、ドイツやフランスの大手行はそれ以上の爆弾を抱え込んでいるはずです。

 

しかし欧州の隠蔽体質によって表面化せず、いつまでも危機を引きずる結果になっています。

 

そんな隠蔽体質を黙認しているのがトリシェECB総裁です。

 

欧州危機以前の彼の言動は、常識的で中央銀行総裁としてふさわしいものでした。

 

ところが、欧州危機後は一転して事実を事実として認めない嘘つきな行動に出ています。

 

嘘つきは米国にもいます。

 

バーナンキFRB議長です。

 

ブッシュ大統領の下で財務長官をつとめていたポールソン氏は、危機に陥った大手金融機関のうち、一方を切り捨てながら一方を救済しました。

 

大手金融機関を潰すという重大決定にFRB議長が関わらないはずがないのに、バーナンキ氏は無関係を装いました。

 

本心ではポールソン氏の決定をおかしいと思っていたはずなのに。

 

振り返ってみると、グリーンスパン前FRB議長がいちばん嘘をつかなかった気がします。

 

市場の自由に任せるという彼の判断は、結果的には間違っていたかも知れないけれど、自分が正しいと思うことをやり通しました。(私には、そのように見えます)

 

では日本銀行総裁はどうでしょう。

 

嘘つきではないと思います。

 

ただし、嘘をつかなければならないほどの重要な判断をしていない、というところに寂しさを感じます。

(日銀は、影響が無いので、関係ない、ということです。残念ですが。)

 

20101129日記述)

第395回 【今日からクリスマス相場の始まりです】

夜の街に美しく輝くクリスマス・ツリーが目につく季節になりました。

 

今週のテレビのニュースでも、帝国ホテルのロビーに、巨大なクリスマス・ツリーを運び込む様子を放映していました。

 

1225日のクリスマスまで、まだ1カ月ありますが、日本の「勤労感謝の日」も終わり、本日の米国の「サンクス・ギビング・デー」が過ぎると、外国為替市場は「クリスマス相場」が始まります。

 

マーケット参加者が休暇を取り始め、次第に閑散とした相場に変わっていく「クリスマス相場」は、経験則が通じない荒れた相場、突飛な相場になりがちなので、個人投資家の皆さんも休むべきだということは、これまでにも何度もお話ししました。

(毎年、同じことを、繰り返し伝えています)

 

今の時点(11月下旬)で言えば、まだ、クリスマスの雰囲気ではなく「普通の相場」のように映りますが、これから徐々に市場参加者の薄い「クリスマス相場」特有の値動きに変化していくことは、間違いありません。

 

去年のクリスマス相場は市場参加者が少なかったけれど、今年は去年と違って、市場参加者がたくさん残っていて市場参加者の厚い相場になる、などということはありません(あり得ません)。

 

海外勢、特にロンドン市場やニューヨーク市場の参加者は、必ず、クリスマス休暇を取るからです。

 

そこで普通の相場の今の時点から、ポジションを閉じて休みに入る準備をしてください。

 

今年は十分に利益が出たという人は、余裕をもって、今年の残りの時間をのんびりと過ごせば良いでしょう。

 

損失が出ている人は、荒れる相場、突飛な相場と聞いて、もう一儲けを狙ったり、起死回生の勝負に出たくなるのでしょうが、それはやらない方が良いでしょう。

 

誰にとっても突飛な相場は、万人にとって突飛なのであって、私だけは相場の動きが読めるなどということはあり得ないからです。

 

もし読み取れると思うのなら、それは一か八かのギャンブルになっていることに気づいていないだけです。

 

そして、一か八かのギャンブルは、最終的には必ず負けます。

 

『相場が好きで、休みたくない』

『どうしても相場に参加したい』

というのであれば、クリスマス相場の季節は、負けても全体に響かない小さなお金で、遊び心を持って臨むべき、と考えます。

 

20101125日記述)

第394回 【投資家が意識し始めた欧州不良債権問題】

FOMC(連邦公開市場委員会)が追加の量的緩和措置を決めた翌週、突如として欧州の不良債権問題が再燃し、アイルランドやポルトガルの国債利回りが大きく上昇しました。

 

一般の受け止め方は「突如として」なのかも知れませんが、実は突如ではありません。

 

私自身も指摘し続けていたように、FOMCに注目が集まっていたためにほとんど報道されていなかっただけで、欧州の不良債権問題はギリシャの財政不安が表面化して以来、ずっとくすぶっていたのです。

 

そして、私見ですが、個人的には米国が抱える問題よりも、欧州の不良債権問題の方が根が深く、深刻であるのではないか、と考えています。

 

マーケットのテーマも量的緩和から不良債権問題へ移りました。

 

量的緩和はこれから実施されるという意見もあるでしょうが、注目が集まっていたからこそ投資家の多くが量的緩和を先読みした投資行動に走り、FOMCで結論が出た時にはテーマとしては「終わった」と受け止めました。

 

それが相場特有の「織り込み済み」ということです。

 

FOMC後に投資家の意識が欧州の不良債権問題に向いてお金が動き出しました。

 

しかし、他国の不幸をあげつらうつもりはありませんが、客観的に見てアイルランドやギリシャは破たんするだろう、と考えています。

 

それがわかっているのだから投資家としては、そういうところへ投資すべきではありません。

 

投資家の立場で言えば、儲けることが善であり、損をすることが悪です。

(もちろん、一般的な立場や、常識では、必ずしも『儲けることが善であり、損をすることが悪』とはならないことは、重々承知です。)

 

投資家の立場で言えば、お金は安全なところに投資すべきだし、どうすれば有効活用することができるか、それだけを考えるべきです。

 

20101122日記述)

第393回 【形骸化する国際会議】

1110日・11日に開催されたソウルの主要20カ国・地域(G20)首脳会議、1113日・14日に開催された横浜のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が「無事」に終わりました。

 

以前から指摘しているように、このような国際会議はすでに形骸化しており、各国首脳が激論を交わして紛糾することもなく、皮肉な見方をすれば「無事」に終わらせることが目的となっているようです。

 

そのため、G20でもAPECでも、マーケットにインパクトを与えるような材料は何も出ませんでした。

 

それどころか一番目立った報道が、オバマ大統領が鎌倉の大仏を眺めながら抹茶アイスを食べたこと、というのでは、莫大な税金を使って開催した意義を問われてしまいます。

 

世界を相手にした厳しい競争の中で、過去20年、30年とリストラや構造改革を続けてきた経済界に比べ、政治や官僚組織は改革が遅れていることを浮き彫りにした4日間といえるでしょう。

 

G20APECで見せた日本の外交下手は、その象徴といえるかも知れません。

 

今回のG20APECは、外国為替市場の材料としては、直接的に影響のあるものではない、と考えます。

 

 

10月上旬には、主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が米国ワシントンで開催されました。

 

このG7も注目すべき合意はありませんでした。

 

10月のG7で、日本は、9月に行った「ドル買い円売り介入」の説明を行い、理解を得たと発表しましたが、米国や各国から批判を浴びただろう、と推測します。

 

変動相場制を採用している限り、相場はマーケットが決めるという大原則があるためです。

 

しかし、原則論を振りかざす一方で、米国も自国通貨安に誘導しているという現実もあります。

 

世界の距離が縮まり経済・金融の連鎖が強まる中で、日本が為替相場に単独で繰り返し介入することは難しい状況です。

 

また、金融政策についても、日銀はやるべき事をひととおりやっており、手詰まり感が強まっています。

 

為替に関しては相場を変えようとするのではなく、相場に合わせて私たちが行動するしか道はない、と考えています。

 

 

G7の形骸化や、G20の無秩序の原因をひと言で表せば米国の没落です。

 

25年前のレーガン大統領の時代の米国は、G5(米国、フランス、英国、西ドイツ、日本)でも圧倒的なリーダーシップを握っており、「プラザ合意」では日本と西ドイツは不利な条件を突きつけられても米国の言うことを聞かざるを得なかった。

 

しかし、今は米国の力が衰え、誰もリーダーシップを取れない状態です。

 

その中で、第2の大国として"暴れん坊"の中国が台頭し、世界を攪乱しています。

 

世界のパワーバランスが崩れている中で日本はどのような道を行くのか、投資家である私たちはどのように対応していくのか、しっかり考え、態度を決める時が来ている、と感じます。

 

20101118日記述)

第392回 【11月は手仕舞いの準備を】

11月も半ばの今、気が早いようですが、外国為替相場の世界は「今年も終わり」という時期を迎えました。

 

日本でいえば23日の勤労感謝の日のころ、米国でいえば25日のサンクスギビングデー(感謝祭、第4木曜日)を境に市場参加者は三々五々クリスマス休暇に入ります。

 

それに習って個人投資家の皆さんも、ポジションを手仕舞う準備を始めましょう――と、毎年同じ事を言っていますが、とても重要なことなので、今年もあえて言うことにします。

 

12月を前に手仕舞いする理由は、市場参加者が薄いクリスマス相場が、経験則が通用しない「わけのわからない相場」になりやすいためです。

 

市場参加者に厚みがある相場では、急激に上昇した時は売って頭を抑える動き、急激に下落した時は買う動きが起こり、一定のところで歯止めがかかります。

 

ところが、市場参加者が薄いと歯止めがかからず突き抜けた動きになってしまいます。

 

通常の相場つきのときに大事件が起こり「わけのわからない相場」に陥ったのであれば不可抗力ですが、クリスマス相場はそうなることがわかっているのだから、あえて入って行くのは無謀な行為でしかありません。

 

長年相場の世界に身を置いていても「相場は難しい」と感じます。

 

でも今年の相場はとりわけ難しいと感じました。

 

そんな年のクリスマス相場は例年以上に荒れるものです。

 

なぜなら損失を抱えているヘッジファンドや投機筋のファンドマネージャーが、最後の命がけの勝負に出るためです。

 

クリスマス相場に入っていくということは、彼らのような修羅場をくぐってきている(しかも手負いの)猛者たちと戦う事。

 

それがわかっていて、致命傷を受けない程度の資金で遊ぶというのであれば「ご自由に」ですが、もう一勝負して利益を上積みしたいという欲にかられていたり、今年の負けを最後の勝負で取り返す、というような自分を追い込む気持になっていたら危険です。

 

12月は反省と充電の期間にあてて、来年1月から新たな気持で相場に向き合いましょう。

 

上手くいかない時ほど目の前の相場しか見えなくなるものですが、大丈夫、相場は来月も再来月も、来年も再来年もちゃんと存在します。

 

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20101114日記述)

第391回 【金曜日のニューヨーク市場】

金曜日のニューヨーク市場は、午後になると市場参加者が極端に少なくなる。

 

金曜日以外の平日は、ニューヨーク市場が終了しても、次の市場がある。

 

具体的に言えば、同じ北米市場であるロサンゼルス市場が、同一日付であるのだし、翌日付になって、ウェリントン市場、シドニー市場、東京市場と連続している。

 

だから、金曜日以外の平日ならば、ニューヨーク市場の参加者は、ポジションを取って、アゲインストになっても、次の市場でロス・カット(損切り)を行なうことが出来る。

 

ウェリントン市場、シドニー市場、東京市場で取引をすれば、当然にバリュー・デート(決済日、応答日)は一日先になるが、時間的なリスクは小さい。

 

持っているポジションを閉じようと思えば、いつでも取引が可能だからだ。

 

ところが、金曜日は、ロサンゼルス市場もニューヨーク市場に合わせてクローズ(終了)してしまう。

 

ロサンゼルスのディーラーにしてみれば、市場参加者が薄くなって、場合によっては、誰もいないマーケットで残っていても仕方がないから、ニューヨーク市場に合わせているだけだ、と答えることだろう。

 

外国為替市場は、特定の場所に、特別な取引所がある訳ではないから、インターバンク・ディーラーが、それぞれの職場(銀行)に集まって、取引をすれば市場(マーケット)は開いているのだが、誰もいなくなってしまえば、自然消滅的にクローズ(終了)する。

 

インターバンク市場は、インターバンク・ディーラーが帰ってしまえば、取引をしたくとも取引が出来なくなる、ということだ。

 

ということは、金曜日のニューヨーク市場でポジションを取った場合は、ニューヨーク市場の開いているうちに、そのポジションをクローズしないと、自動的に週越えでのオーバーナイト・ポジションを持たされることになる。

 

だから、北米市場のディーラーは、オーバーナイトでポジションを持ちたくなければ、ニューヨーク市場のお昼前後までに―――ニューヨーク時間の12:00からせいぜい13:00ころまでに―――ポジションをクローズする。

 

かなり遅くなっても15:00ころまでにポジションをクローズしないと、マーケットが無くなってしまう(=取引する相手がいなくなってしまう)。

 

金曜日のニューヨーク時間の15:0016:00になると、週越えでオーバーナイト・ポジションを持ちたくないディーラーは、取引を断ることも当然のことなのだ。

 

インターバンク取引では、取引を断わることは、恥ずかしい行為でも、間違った行為でもない。

 

マーケットの取引は、やりたい者同士がそれぞれに自由に行なえば良いことなのだから、むしろ、取引を強要する行為は、間違っている。

 

金曜日の夕方の、そんな時間に、何らかの事情で、持ちたくもないポジションを持たされると、非常に迷惑する。

 

通常は、ニューヨーク時間のお昼前後までに、ポジションをかためて、既に、週越えに備えているからだ。

 

 

今週の金曜日のニューヨーク市場では、カバー・ディールをしたくても、カウンター・パーティ(取引の相手)がいなくて、嫌々ながら仕方なしに週越えのポジションを持たされる市場参加者がたくさんいそうな相場展開になっているように感じるのだが、どうだろうか・・・・?

第390回 【先週は、最重要イベントが続いた1週間】

先週は外国為替市場にとって最重要イベントが目白押しでした。

 

まず112日に投開票が行われた米国の中間選挙では、与党の民主党が議会下院で過半数を割り込む歴史的な大敗を喫し、オバマ大統領が「私に責任がある」と敗北を認めました。

 

続いて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、追加金融緩和策として20116月までに6000億ドルの米長期国債購入を決めました。

 

市場の事前予想は半年で5000億ドル程度だったので市場の期待以上だったことになります。

 

発表の直後は、為替相場が大きく変動しましたが、大勢としては、流れが変わっていない、と考えます。

 

FOMCに合わせて前倒しして開かれることになった日本銀行の金融政策決定会合では、金融資産買い取り基金の詳細を決定した。

 

国債購入はもちろん、不動産投資信託など値下がりリスクのある資産も購入することを決めた日本の金融緩和が開始される。

 

日本銀行の金融政策決定会合が為替相場に大きなインパクトを与えることはないでしょうが、無視するわけにもいかない、と考えます。

 

また、先週末の金曜日には、米国の雇用統計が発表されました。

 

雇用統計の中でも最も注目される失業率は、事前予想通りの9.6%。

 

ノンファーム・ペイロール(非農業部門雇用者数)は、事前予想よりも良かったのですが、たいしたことはない程度と考えます。

 

多少改善された数字が出たとしても、1、2カ月で劇的に景気が回復し雇用が改善されることはないのですから、「誤差」の範囲に過ぎないと受け止めています。

 

FOMCの追加緩和策決定が、それを裏付けています。

(雇用が改善しないから、量的緩和策を採ったのだから)

 

そのため、今回のノンファーム・ペイロール(非農業部門雇用者数)の数字をもって、ドル買いとはなりにくい、と考えます。

 

中間選挙、FOMC、米国雇用統計と続いて「宴の後」的な気分になりますが、11月はクリスマス休暇の前に、最後に一踏ん張りするところ、と思ってしっかり分析してください。

 

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20101107日記述)

第389回 【今週は重要なイベントが目白押し】

今週は外国為替相場にとって重要ないベントが目白押しです。

まず11月2日には米国の中間選挙が行われました。

事前予想では民主党の苦戦が伝えられていました。

米国の選挙は下馬評通りの結果に落ち着くことが多いので、今回は民主党が敗れ共和党が勝つのだろうと思っていましたが、やはり、その通りになりました。

今後のオバマ政権には議会という足かせがはめられることになり、世界の政治にも大きな影響を与えることになるのでしょう。

しかし、外国為替市場にとって、もっと重要なのは、選挙後に開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)です。

米国はすでにゼロ金利政策をとっており、残された手段は追加の金融緩和策しかありません。

FOMCを直前に控えたマーケットでは、その関心は、金融緩和策の規模と、どんな形で金融緩和が実施されるのかに移っていました。

そして、マーケットはその規模を5000億ドルと事前予想して動いていました。

バーナンキFRB議長はマーケットの動きを十分に考慮しているでしょうから、金融緩和の規模が5000億ドルを大きく上回る可能性も否定はできない、と考えていましたが、昨日発表された結果は、事前予想よりも大きな6000億ドルでした。


しかし、これで終わりではありません。

さらに、明日の金曜日(11月5日)には米雇用統計の発表が控えています。

FOMCの陰に隠れていましたが、為替市場にとっては毎月恒例のイベントなので油断はできません。

ただ米国の景気が低迷を続けているので、失業率等の数字に劇的な改善が見られるとは思えません。

また同じ金曜日には日本銀行の政策委員会・金融政策決定会合が、15、16日予定分の前倒しの形で開催されます。

日銀関係者は認めていませんが、FOMCを意識した前倒し開催なのでしょう。

ただ為替市場の視点では「ふろく」に過ぎませんが、もちろん無視もできません。

今週の重要なイベントは半分終わりましたが、まだイベントは残っています。

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(2010年11月4日記述)

第388回 【自分の都合で行動してはいけない】

1ドル=80円台が目前に迫り、各企業でも円高対策がとられています。

トヨタ自動車は想定為替レートを現行の1ドル=90円から80円程度に修正しようとしているし、東芝は70円でも耐えられる経営をめざす考えを明らかにしています。

また生産拠点を海外に移したり、海外企業を買収する動きも目立っています。

こうした動きを否定するつもりはありませんが、日本経済のためには為替レートが動いて価格が値上がりしても売れる付加価値の高い製品を作ることが重要でしょう。

また円高に積極対応しようとする姿勢を見せているのは一部の企業だけで、相変わらず各所から円高対策を求める怠慢な他力本願的な声が聞こえています。

その一方で円高と騒ぐ割には消費者には円高メリットが還元されず、ガソリン価格は高止まりしたまま放置されています。

自分の都合・立場でしか考えない、モノを言わない、行動しない日本人が増えてきました。

例えば政府が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加を検討すると、農業の開放に反対する声が上がります。

そこには外国産の農作物を閉め出すのではなく、安い外国産の農作物が入ってきても消費者に国産を選んでもらえるような品質の良い農作物を生産するべきという発想はありません。

話を戻して円高が諸悪の根源のように言われていますが、為替に携わる人間として言わせてもらうと諸悪の根源扱いは不本意です。

株価が上昇しないのは、本当に円高のせいでしょうか?

輸出企業の株価が上がらないのは、確かに円高も原因ですが、それは仕方がないことだ、と考えます。

しかし、その他の企業の株価まで上がらないのは、現状の政策などに問題がある、と考えます。

また、一般の投資家が株式投資に魅力を感じるように、証券業界の人たちは、あの手この手の努力をするべきだ、と考えます。

こうした現状を踏まえて投資家は、どう行動すれば利益に結びつけることができるのかを考えるべきです。

円高という「日本の弱み」(冒頭で書いたように弱味ではなく怠慢ですが)につけ込んで儲けるのは悪いことなのでしょうか?

そんなことはありません。

利益を上げると言うことは市場の動きに対応できたということ。

評価すべきです。

むしろ「今の円高はおかしい」と自分の都合で考えて、ポジションを取ることのほうが投資家失格の行動です。

(2010年11月1日東京時間08:30記述)



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