第372回 【円高で困る国民はいない】

ドル/円相場が円高基調で推移しています。

週明けの月曜日(8月30日)には、あるいは、今週中には、菅首相と日銀総裁の会談で、何か新しい政策や対策が発表される可能性がありますが、週末(8月29日)の時点では、具体的な発表はありません。

ドル/円は、先週の8月24日に、83円台ミドルを記録し、80円割れした1995年以来の円高水準を示現しています。

それだけに、マスコミも騒ぐし、国民もこの先どうなるのかという不安心理に駆られていると思います。

そのため「円安待望論」が台頭し「為替介入」を求める声が上がっています。

しかし、米国も欧州も今回の円高には無関心を装っており、協調介入の可能性はほとんどありません。

日本が単独介入を行った場合、効果はほとんど得られず、円高基調という根本的な流れを変えることはできない、と考えます。

そのような介入は、個人的には「無用」だと考えています。


マスコミの論調や解説者のコメントの多くは「円高悪説」に立っていますが、そもそも論で考えた場合、「円高=悪」は間違っている、と考えます。

確かに自動車などの大手輸出企業にとっては、円高は不都合でしょう。

円高は大手輸出企業の利益を減少させて税収にも響くでしょう。

大手輸出企業の株価にも悪影響を与えます。

しかし、それは円高のデメリットの部分が強調されているだけであり、円高にはメリットもあるはずです。

自説ですが「円高で困る日本国民はいない」と思います。

例えば、円高になると輸入物価が下がります。

卑近な例をあげれば、国産ビールや発泡酒よりも遙かに安い値段で輸入ビールが買えるようになるでしょう。

具体的に、バドワイザーが、100円程度、もしくは、もっと安く買えるのならば、わざわざ発泡酒などのビールの代替物を買う理由は無くなるでしょう。

品質に大差がなければ国産にこだわる必要はないのです。

ただ現状ではさまざまな障壁が残っており、円高がストレートに価格に反映されません。

この部分を変えて(改善して)、円高を国民が享受できる仕組みを作る必要がある、と考えます。

円高メリットを国民に還元すべきです。

ほかにも、円高メリットの還元には、ガソリン価格の低下や、電気料金の引き下げ、ガス料金の引き下げなどが考えられます。

円高になって、輸入価格が下がっているのに、消費者は、旧来の高い価格のまま買わされている、と考えます。

円高になって困る国民はいません。

困っているのは、一部の大手企業であり、世論をそのように導いている点に欺瞞があります。

毎日食べる食品の値段が、半分になれば、一般消費者には、大きなメリットだ、と考えます。

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(2010年08月30日東京時間00:15記述)

第371回 【『夏休み相場』を振り返り、『9月の相場』に臨む体制を整える】

いよいよ『夏休み相場』の終わりが近づいてきました。

今年は8月30日月曜日がレイト・サマー・ホリデー(ロンドン市場のお休み)に当たるため、8月31日火曜日から、参加者が市場に戻り、本来の活気ある相場へと徐々に回復します。

9月は、『夏休み相場』を終えて、がんばるべき時です。

市場参加者も十分に休みをとって、やる気のある相場つきになるシーズンの始まりです。

そこでFX取引再開に際して、『夏休み相場』を振り返る機会を作ってください。

『夏休み相場』を完全に休んでいたのならなおさら、リハビリを兼ねて7月、8月の出来事を確認しておきましょう。

例えば、米国の経済状態は相変わらず悪く、回復の兆しは見えていません。

以前は、年後半から出口戦略の一環として、ドル金利が上昇方向へ動き出すのではないかという期待があったのですが、夏休みの間に発表された米国雇用統計などの内容を見る限り利上げ期待は遠のきました。

住宅関連の米国経済指標も、悪い状態を示したままです。

これでは、期待されていた秋のドル金利引き上げは難しく、早くてもクリスマス、あるいは、来年に持ち越される可能性も高いでしょう。

場合によっては、このままでは、来年前半も、ドル金利引き上げは難しい状況が続く可能性も出てきた、と、個人的には考えています。

しかし、来年のことは、今ではなく、しかるべき時(クリスマスのころ)に考えればよいことですが・・・。

上述のことを踏まえて、ドル/円相場を考えるのならば、『夏休み相場』が明けた時に、円高が続いていたとしても、単純に買いから入ることはできません。

むしろ、売りから入っていくべき状況でしょう。

ここで注意すべきは「絶対値」に意味はないということです。

夏休み前の絶対値と、夏休み後の絶対値は違っていて当たり前。

9月相場は新値を切った円高水準から始まるかも知れませんが、「新値を切った」ことに囚われる必要もありません。

相場は絶対水準で戦うものではなく、相対的に高いところを売って安いところを買う、あるいは、安いところを買って高いところで売れば良いのです。

絶対値にこだわる必要はないし、新値も怖がる必要がありません。

相場が下がるのなら売っていけばいいし、上がるのなら買っていけばいいだけのこと――そんな覚悟を固め、9月相場に立ち向かう気力を充実させてください。

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(2010年8月26日東京時間00:05記述)

第370回 【為替介入はお化けと同じ】=『介入が実施されるのか、されないのか?』は、事前にはわからない

ドル/円相場が85円台程度で推移し、時に84円台後半程度も見ていることから、マスコミは「急激な円高」が経済に与える影響をしきりに指摘しています。

しかし、ドル/円相場で85円台前半というのは、実は驚くほどの円高ではありません。

短期間に10円程度動いたというのであれば「急激な円高」ですが、チャートを見ればわかるように87、88円だった相場が84、85円まで落ちて、85、86円までリバウンドして現在は85円台前半ということなので3、4円しか動いていないのです。

それでもマスコミが騒ぐ理由は、15年ぶりに84円70銭台という新値をつけたせいです。

新値をつけたことでさらなる円高懸念が強まり、さまざまな方面から為替介入の期待が高まっています。

しかし、円高懸念という口実では米国や欧州の同調が得られず、仮に、介入を実施するにしても、日本の単独介入になるでしょう。

単独介入は効かない――これが専門家の常識で、それでも強引に介入を行えば、マーケット参加者に絶好の売り場を提供するだけです。

介入を指示する権限は財務大臣にあるのですが、現実には財務大臣が判断するわけではなく、財務省や日銀の担当者がマーケットの状況を見て介入を進言する形になります。

だから、介入の時期は事前にはわかりません。

外部の人間であるマーケット関係者はもちろん、おそらく介入の担当者でさえ直前までわからないのでしょう。

そのように事前にわからないものを「介入があるぞ、あるぞ」とビクビクしながら待つ投資家がいます。

それは幽霊に怯えるようなもので、取引にプラスに働くことはありません。

もっと気持を強く持って、『実際に介入が行われてから判断すればいい』と構えていれば良いのです。

過去数年程度は、介入が行われていないので、実際の介入相場の経験者は少ないはずです。

だったらなおさら見たことにないものに恐怖心を抱いても意味がないということです。

『介入が、あるのか、ないのか?(介入が実施されるのか、されないのか?)』は、事前にはわからない。

だから、わからないものを考えることは、時間の無駄です。

(2010年08月23日東京時間09:00記述)

第369回 【お盆休みが明けても、まだ『夏休み相場』です】

東京勢が一斉に休みを取っていたお盆休みが明けました。

お盆休み中の週には15年ぶりにドル/円相場は一時、1ドル=84円70銭台まで上昇しました。

ここ数日は85円台程度で推移していますが、このように相場が急激に動いたり、デッドな状態になったり、極端な動きを見せるのが参加者の薄い夏休み相場の特徴です。

東京市場のお盆休みが明けたとはいえ、欧米勢の夏休みは続いています。

今年の夏休み明けは、レイト・サマー・ホリデー(ロンドン市場が休場となる8月最終週の月曜日)である8月30日の翌日31日。

そう言われると「まだ2週間も休みが続くのか」という気持になるでしょうが、市場参加者が少ないのは単なる季節要因なのだから、一人で焦って見ても仕方ありません。

相場が好きな人はせっかちで、とにかく動いていたいタイプが多く、焦る気持ちは良くわかります。

そこで、あえて「手綱を引く」ような内容を書いています。

「まだ2週間も休みが続く」と考えるのではなく、「あと2週間で休みが明ける」と気持を切り替えて終盤に入った夏休みを楽しんでください。

By the way,
7月8月になると毎年、「夏休み相場は取引を控えるべき」とアドバイスしています。

市場が閑散とする夏休み期間は突然値段が動かなくなったり、逆に大きく動いたり、極端な動きを見せがちです。

今年のマーケットも、やはり、「夏休み相場特有の値動き」になっている、と感じています。

夏休み相場は、休んだ方が良い、と感じます。

9月に入って、市場参加者が平常に戻り、「いつもの活況」「いつもの相場」になってから、積極的にポジションを持てば良い、と考えます。

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上述の通りに夏休み相場なのですが、
『現状の米国経済は、回復が遅れている(=引き続き、米国経済は悪い)』
という内容が、このところの経済指標から判断できます。

しかし、そういった中で、ドルは、対ユーロ、対ポンド、対豪ドルなどでは、比較的強い展開になっています。

米国経済回復の遅れは、世界全体の経済回復に悪影響を及ぼします。

つまり、米国経済の回復が遅れれば、欧州経済も弱い、ということであり、投資家心理では、リスクを回避したい(リスク回避志向)、となります。

その結果として、「ドル買い」傾向、というロジックのようです。
(こじつけに過ぎないのかも知れませんが・・・)

しかし、ドル/円に関しては、「円の方が、ドルよりもリスクが低い」というコンセンサスの下に、『ドル売り円買い』傾向になっています。


ドル/円に関しては、明らかに「ドル安円高トレンド」持続している、と考えています。

2007年6月の最高値124円台から、「ドル安円高トレンド」が始まり、すでに、まる3年以上、「ドル安円高トレンド」が持続・継続していることになります。

過去3年間にさかのぼって、どの時点でドル/円を買っても、現在にまでそのポジションを維持している場合は、必ず、損をしているはずです。

ドル/円の水準を85円台とすると、過去3年間での最安値圏にあるのですから、上述は正しいはずです。

逆に言えば、過去3年間にさかのぼって、どの時点でドル/円を売っても、現在にまでそのポジションを維持している場合は、必ず、利益になっているはずです。

何を言いたいのか、と言えば、「ドル安円高トレンド」ならば、ドル/円を売ることが大事だ、ということです。

こんなに単純で簡単なことなのに、なかなか理解を得られずに悩みます。

現時点では、セオリーに従い、以下のように考えています。

『明確なトレンド転換のシグナルが無い限り、現在のトレンドが持続する』
『トレンド転換の時期を、あて推量で、期待しない』
『相場は、必ず、明確なシグナルで、トレンド転換を教えてくれる』
だから、
『明確なトレンド転換のシグナルを見落とさないように注意深く見る』

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(2010年08月18日東京時間23:00記述)

第368回 絶対値を気にせずに売る時は売る

東京市場がお盆休みに入る直前の10日に開かれたFOMC(米連邦公開市場委員会)では景気に対して慎重な見方が示され低金利の維持と追加的な金融緩和策が発表されました。

これを材料にドル/円は86円台から「15年ぶりの円高水準」である84円台まで下落、現在はやや戻して「小康状態」を保っています。

反対にドル買いの材料は皆無と言えるほど見あたらず、この先お盆休みが明けて欧米勢の夏休みが終わるまでに83円、82円、81円というように足早に円高に向かい1995年4月19日につけた過去最安値である79円75銭を切る可能性も高い、と考えています。

しかしたとえ新値を切ったとしてもあわてて夏休み相場に参戦する必要はありません。

また絶対値を気にする必要もありません。

夏休み明けの時点で絶対値がどこにあろうと「売り」で戦うつもりなら売ればいいのです。

絶対値を気にせず、新値を切ったら、切った時点から売っていけばいい――そんなふうに気楽に構えて夏休み明けの相場を楽しみに待っていてください。

相場は、いつでもあります。

『夏休み相場』を休んでも、絶対水準を気にしなければ、相場は同じです。

(相対的に)高いところを売って、安いところを買えば良いだけで、絶対水準は関係ない。
(相対的に)安いところを買って、高いところを売れば良いだけで、絶対水準は関係ない。

今日(8月16日)から、お盆休み明けで働いている人も、きっと多いでしょうが、まだ、お盆休みの最中の人もたくさんいると思います。
まだ、お盆休みの方は、残りのお休みを楽しんでください。

(2010年08月16日記述)

第367回 ドル/円は、昨年(2009年)に付けた安値84円台後半を更新

欧米勢が長い夏休みに入っている中で、東京勢もお盆休みに入っています。

夏休み相場の中でも、特に市場参加者が極端に少なくなる今週は、ほとんど商いが無くなるために相場がデッドになるか、逆にわずかな材料でも過剰に反応して手の付けられない乱高下状態になるか、そのどちらかでしょう。

個人的にはデッドなほうがみんな幸せになれると思っていますが......。

ただそんなときでも為替相場に影響を与えるような材料は出ています。

例えば、8月10日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、FRBが、金融危機後の2009~2010年春までに購入した住宅ローン担保証券(MBS)の償還資金を米長期国債に再投資するとして、事実上の追加緩和策が発表された。

その結果、ドル/円は、昨年(2009年)に付けた安値84円台後半を更新し、円高が進んでいます。

どうも、今年のお盆休みは、デッドな状態ではなく、荒れた相場になりそうに見えます・・・。

米国の金融緩和のみならず、このところ目立つ中国の景気減速を示す指標も気になります。

また、豪ドルも、ここにきて利上げが期待されている様子がうかがえます。

私は、目先、豪ドルの利上げは見送りで、据え置きとなるだろうと考えていますが・・・。

投資家としてはこうした材料に反応したくなるでしょうし、また相場が乱高下する時ほど儲かりそうに思うかも知れません。

しかし、経験則が通じないような荒れた相場は現実には収益につなげにくく、損失を被る可能性のほうが高いと言えます。

夏休み期間を通じて休むほうが良いことはもちろんですが、とりわけお盆休みはPCの電源を切り、相場を忘れて休養を取ることも、戦略です。
(たとえ、相場が荒れていようとも)

良い休暇をお楽しみ下さい。

もし、市場参加者の薄いお盆休みにも相場に臨むならば、いつも以上に真剣に対応してください。

夏休みを取りながら、儲けるなど、甘い夢は見ない方が良い、と考えます。

そんなに、相場は甘くありません。

(2010年8月11日記述)

第366回 【米国雇用統計は最悪、だけど、お盆休み】

先週末(8月6日金曜日)には、米国雇用統計(米国失業率)の発表がありました。

米国の7月失業率は、9.5%と市場の事前予想9.6%よりも良かったのですが、7月非農業部門雇用者数変化は、マイナス13.1万人と、こちらは市場の事前予想マイナス6.5万人を大きく上回る悪化となった。

また、6月の非農業部門雇用者数変化は、マイナス12.5万人から、マイナス22.1万人に下方修正された。
かつまた、5月の非農業部門雇用者数変化は、マイナス43.3万人から、マイナス43.2万人と、過去2ヶ月分が修正されている。

米国雇用統計の結果から判断すれば、米国経済の回復はまだまだであり、まったくドル買いの材料にはならない。(=すなわち、ドル売りの材料である)

しかしながら、8月初旬の重要なイベントである「米国雇用統計(米国失業率)」が終わったことで、これで心おきなく、本格的な夏休みに入るという市場参加者も、世界中にはたくさんいる。

つまり、「米国雇用統計(米国失業率)」が終わったので、これで、休暇(バケーション)を取る人たちも多い。

すでに、7月初旬から「夏休み相場」であり、現在は、夏休み相場の真っ最中です。

7月8月になると毎年、「夏休み相場は取引を控えるべき」とアドバイスしています。

市場が閑散とする夏休み期間は突然値段が動かなくなったり、逆に大きく動いたり、極端な動きを見せがちです。

今年のマーケットも、やはり、夏休み相場特有の予想外の展開が続いています。

ドル/円が昨年来の安値を更新しようとしたり、ユーロ/ドルが1.18台から1.33台まで大きくリバウンドしたのは、市場参加者が薄い中で米国から「追加の金融緩和策」という材料が出たせいです。

市場参加者が多ければ「追加の金融緩和策」に対してさまざまな考え方が交錯し値段が練られていくのですが、薄いマーケットの中ではスルスルと一方通行的に動いてしまい、みんながあ然としている間にとんでもない値段がついてしまいます。

『そこを捉えて夏休みは儲けるチャンス!』と煽るのは簡単ですが、現実には経験則が通じない相場は収益につなげにくく、まっとうなアドバイスをしようとすると、どうしても「取引を控えるべき」という"後ろ向き"とも受け取られそうな結論になってしまいます。

今年は、8月の第2週(=今週)が、東京市場のお盆休みに当たり、主要プレーヤーは誰もいなくなります。

そんなときに何かの材料が出れば、想像も付かないおかしな値動きになるでしょう。

ハラハラしながらお盆を過ごすと精神的にも資金的にも夏バテしてしまいます。

思い切って休んで9月の本格相場まで体力を温存することをおすすめします。

(2010年08月09日東京時間00:15記述)

第365回 【いつもの活況は9月まで持ち越し】

『夏休み相場』の時期には、相場から離れて、休んだ方が良い、というと、相場に臨もうとしている人の気をくじくので、反発を買うことも多いのですが、毎年、同じことを言い続けています。

それは、長い間の経験則で、私が言い出したことでもありません。(先人の知恵です。)

私にとっても、若いころ(1986年に)、先輩のディーラーから叩き込まれた知恵であり、20年以上にわたり、その知恵は正しい、と認識している経験則です。

今年は、7月11日に決勝戦を迎えたワールドカップサッカー、7月23日に公表された欧州金融機関を対象にしたストレステストと、夏休み前後に大きなイベントがあったせいか、「夏休み前の一稼ぎ」を目的とした「いつもの活況」が感じられないまま、ずるずると『夏休み相場』に入ってしまいました。

しかし「いつもの活況」は9月に持ち越されただけ。
今の時点で焦って相場に手を出す必要はない、と考えます。

とりわけ日本のお盆の時期(今年は、来週の8月第2週)は、市場参加者が一段と薄くなって、相場が極端な値動きを見せる可能性もあります。

つまり、極端に動かない(=誰も何もしないので)のか、あるいは、予想外の値動きをするようなケースです。

そういった値動きがあっても、それは活況でもなんでもなく、投資家の皆さんがこれまで積み上げてきた「経験則」がまったく通じない不可解な値動きに過ぎません。

そんな時期に不測事態が起こると、手がつけられないギャンブル相場に変わってしまいます。

大負けも覚悟のギャンブルと割り切って参加しているのであれば面白いのかもしれませんが、多くの投資家は真面目に利益を上げることを考えているはずです。

相場が薄い(=市場参加者が少ない)時は、値動きが大きくて収益機会も増える、などと「甘く」考えるのではなく、平時以上に真剣に相場に臨んでください。

といって、のめり込んで、猛暑も感じなくなるほど熱くなってしまっては勝てる相場も勝てません。

ベストな選択は繰り返しお伝えしているように完全に「休むこと」。

相場から離れたくないのなら眺めるだけにしておきましょう。

そして9月に入って「いつもの活況」「いつもの相場」が戻ってから、ポジションを持てば良い、と考えます。

(2010年08月05日記述)

第364回 【山積する問題を先送りした夏休み相場】

欧州の金融機関91行を対象としたストレステスト(資産査定)が終わりました。

不合格(資本不足)となったのは91行中わずか7行。

不足額は合計35億ユーロ(約3900億円)という結果でした。

大方の予想通り「欧州の金融機関は大丈夫だ」ということをアピールするための「お手盛り」の結果に終わったとはいえ、大きなイベントが終了してマーケットには一段落ついたという雰囲気が漂っています。

ストレステストにより欧州の金融機関が抱える(と思われる)不良債権問題やギリシャを始めとする複数の国の財政危機問題が解決したわけではなく、欧州経済の先行きは依然として不透明な状態です。

米国の景気も良い状態ではありません。

景気の状態を表す重要指標である住宅関連や雇用関連の数値は、単発的には良い数字も出ていますが、全体では改善された様子は見られません。

それでもわずかな材料で株価が急騰したり急落するところは、問題点を先送りしたまま夏休み相場に入ったことをうかがわせます。

日本の景気も低迷状態が続いています。

その中で日本円が85円にトライしそうな場面もありましたが、すぐに失速して円安方向へ向かったり円高に向かったり、相場の「意志」が感じられません。

欧州、米国、日本の3極が抱える問題が先送りされる中で、マーケットは本格的な夏休みに入ってやる気を失っているといって良いでしょう。

そうした状況の中で一人熱くなっても仕方ありません。

古くから言われているように相場は活況の時に参加すべきであり、参加者が少なくだれた夏休み相場は様子見するというのも正しい相場との関わり方と言えるでしょう。

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(2010年08月01日記述)



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