第339回 ゴールデンウィーク(GW)は休んだ方が良い

今週は、木曜日(4月29日)からゴールデンウィーク(GW)がスタートします。
日々の仕事から解放されて、遊びもFXもと張り切っている投資家も多いことでしょう。
その気持ちに冷や水を浴びせるようですが(そして繰り返しになりますが)、世界のマーケット参加者が取引を控えるようになり値段が乱高下しやすくなるGW中は取引を休むべきです。
「遊びもFXも」と欲張っているのならなおさらです。
「遊びながら、相場でも儲ける」と安易に考えているならば、損して当たり前。
相場をやるなら、休みを返上して、真剣にフル態勢で臨むべきと考えます。
遊びながら適当にやって儲かるほど相場は甘くありません。

それでもやりたい、遊びはあきらめてフル態勢で真剣に臨むというのであれば、これから挙げる問題点に注意して取引してください。

まずユーロ。
救済策が発表されたギリシャの財政赤字問題は解決に向かうのか、ギリシャ以上の財政危機とも噂されるスペイン、ポルトガル等への波及はあるのかが一番の問題です。
アイスランドの火山噴火も予断を許しません。
現時点では沈静化に向かいそうですが、再噴火や被害拡大の可能性も残されています。
欧州や世界経済に与える悪影響を十分に考慮しなければなりません。

中国元は切り上げが喫緊の課題です。
米国を始めとする主要国が切り上げ圧力を強めていますが、中国は世界にも自国民にも他国の圧力で切り上げたとは思われたくない。
しかし切り上げが避けられないことも理解している。
そのため面子が保てればいつでも切り上げを行うでしょう。

ドルにも不安材料が山積しています。
新たな不安材料はゴールドマン・サックスが証券取引委員会(SEC)に証券詐欺の疑いで提訴された問題です。
米紙によれば提訴の対象はゴールドマンにとどまらず、メリルリンチやUBSなどの名前も挙がっているそうです。
UBSは欧州(スイス)の銀行です。そのことからマーケット参加者が「次の次」の調査対象と想像するのは、欧州の大手銀行でしょう。
この問題は長引くと同時に、外国為替市場にも影響を及ぼしそうです。

GW期間中取引する場合、こうした問題が新たな展開を迎えるかもしれず、世界各国の動きから目が離せなくなります。
せっかくの休みなのに気が休まることはないでしょう。
でも保有ポジションを整理して、GW中は取引を休むと決めればニュースなど見る必要はありません。
どちらを選ぶのかは投資家自身の判断ですが、ただ一つ言えることはGWが明けても相場は存在していると言うことです。それなのに無理をする理由があるのでしょうか。
(2010年04月26日記述)

第338回 ドル/円の対応が難しい

ドル/円の対応が難しい、と感じています。

明確な方向性が、あいまいで、なおかつ、値動きも小ぶりだからです。

現在のドル/円を、概して言うならば、
「90円程度を中心とした小動き」
あるいは、
「88円台から94円台程度の持ち合い(ボックス相場)」
と言えます。

また、ドル/円そのものに主体性が無く、「ユーロ/ドル(EUR/USD)」や「ドル/中国元(人民元)(USD/CNY)」の影響から、従属的に動いている、と感じます。

引き続き、ギリシャ問題は、外国為替市場の大きなテーマであり、中国元(人民元)も、近い将来に、切り上げが行われる、と考えます。

そこに来て、米証券取引委員会(SEC)が、ゴールドマン・サックスを証券詐欺の疑いで訴追しました。
すでに、メリル・リンチ(米系)やUBS(欧州系)も同じ証券詐欺容疑で、マスコミに名前が出ています。

総合的に判断するならば、この状況では、少なくとも、
『ドル/円を買うわけにはいかない』
ということです。

この考え方は、積極的に、利益を狙いに行くのではなく、
『○○は、できない』
『○○は、しない方が良い』
といった程度の判断に過ぎません。

しかし、三つの選択肢の中で、ひとつを削ることも、重要な判断です。
その点も、吟味してください。

つまり、ドル/円の取引をするならば、「ドル/円を買う」「ドル/円を売る」「何もしない」という三択ですが、現状では、その中から、「ドル/円を買う」が削除される、ということです。

結論は、現状では、ドル/円の取引をするならば、「ドル/円を売る」あるいは「何もしない」となります。
(2010年04月22日記述)

第337回 外国為替相場を歪める自国通貨安政策

米国を始めとする世界の主要国が、中国に対し人民元の切り上げを要求しています。

中国政府は、外国の圧力に屈したのではないという面子を保ちながら、切り上げに応じるでしょう。

しかし、人民元の切り上げはゴールではありません。

世界の主要国は、切り上げの先にある「人民元の変動相場制移行」を目論んでいます。

世界経済の中で中国の存在感は高まるばかり。

それなのに中国だけが実質的な固定相場制(中国独自の管理相場制)という別のルールを用いているのは不公平だからです。

中国が切り上げ(そして変動相場制移行)に消極的な最大の理由は、自国通貨安を続けて輸出企業を守り、輸出を拡大するためです。

一方で、中国の保護主義的な姿勢を非難する米国も、ドル安誘導により輸出拡大を目論んでいます。

スイスの場合も、スイスフラン高を阻止するために中央銀行が介入しているフシがうかがえます。

(スイスは、明言を避けていますが、介入しているに決まっている!
 =私は、スイス中銀が介入している、と判断しています)

輸出に頼る経済体質の国では、自国通貨が高くなると受け取る輸出代金が減ってしまいます。

その例として、日本では為替が円高に振れるたびに、輸出企業の利益が何百億円吹っ飛んだという報道が行われます。

しかし、それは主に輸出で利益を得ている大企業の話。

国民の視点で見ると、自国通貨が強くなることは輸入物価が下がることであり、さまざまな物品やサービスが安く買えることにつながります。

自国通貨高(日本であれば円高)のほうが、国民生活は恩恵を受けるのに、国が自国通貨安を指向するのは、輸出大企業を守るための保護主義的な政策を採っているということです。

そうした不公平を為替の面から解消しようという理念に基づいて、採用されているのが変動相場制です。

外国為替市場は、本来、マーケット参加者の自由な売買によって為替レートを決めるために存在します。

ところが、現状では多くの国が理念を忘れて、自国通貨安競争に走っています。

外国為替市場の自由を守るためには、「自国通貨安競争を止める」という勇気が必要です。


こういった意見を述べると、大企業に勤務している人や、その利害関係者から、「余計なことを言うな!」といったプレッシャーを頂くことがあります。

しかし、そうなると、私は、いっそう声高に言いたくなるのですが、
『本当は、円高になって、困る一般の日本国民はいません!』

円高になれば、輸入することで、生活必需品が、安くなります。
あるいは、輸入品との競争で、物価は安くなります。
(ぜいたく品も安く買えるようになりますが・・・)

物価が安くなって、困る一般の国民はいないのです。

経済をマクロ的に見て、景気が良いとか、景気が悪いといった観点から見れば、デフレは困るのでしょうが、一般国民生活を見るならば、生活必需品の物価が安くなれば、消費者にとって良いことです。(=生活し易くなります)

ストレートに言えば、円高になって困るのは、一部の大企業だけです。

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(2010年04月19日東京時間09:00記述)

第336回 ギリシャ問題

ギリシャ問題(ギリシャの財政赤字問題)で、外国為替市場では、ユーロ/ドル(あるいは、ユーロ/円などのユーロ絡みの通貨ペア)は、右往左往しています。

もっと平たく言えば、ユーロ関連の為替相場が、乱高下をしている印象です。

ギリシャ問題は、非常に大きな問題です。
それは政治的な問題であり、場合によっては、非常識な政策で、結論が、ゆがめられている、と考えます。

例えば、今回、ユーロ圏各国で最大300億ユーロ(約3兆8000億円)、IMFが150億ユーロを、ギリシャに融資するという政策が発表されました。

期間3年の融資を約5%の金利で、今年度最大で300億ユーロの拠出を準備することとなっています。

既存のギリシャが発行する3年債利回りは、約7%程度ですから、優遇金利での融資となります。

市場の金利は、約7%なのに、約5%で貸し付けるということは、その差額の2%の金利分は、キリシャに寄付をする(ギリシャに無償であげる)ということです。

単純に計算しても、約3兆8000億円の2%で、3年ですから、1年あたり、760億円相当、3年で2280億円相当のお金をギリシャにあげる、ということです。

ギリシャがこの融資を受けるか、どうかは、今後のギリシャの判断次第なのですが、『ギリシャが国債を発行しても、その国債を買う投資家がいるのか?』という問題があります。

ギリシャの国債を購入する投資家がいなければ、ギリシャは支援を要請して、融資を受けることになります。

融資を受けた方が得なのですから、妙な話です・・・。
常識で考えるならば、融資を選ぶべきでしょう。

ギリシャが、どのような判断をするのか、注意深く見るつもりです。

ただ、目先は、300億ユーロ(約3兆8000億円)の融資で、危機は乗り越えることができたとしても、融資だろうと、国債での借金だろうと、ギリシャは、その返済をしなければならないのです。

目先、ギリシャの破綻が先送りされただけで、『ギリシャがその借金を返済し、財政問題を解決できるのか、否か?』は、全く、不透明です。

私は、出来ないだろう、と、現時点では、懐疑的に見ています。

実際に、いくらかの借金を返済して、良い兆候が出てきてから、初めて、ギリシャが財政問題を解決できる可能性が出てくるのであって、欧州各国の高官や、ギリシャ政府関係者が、『解決できる!』といくら言っても、私は信じられません。

そうこうしているうちに、『欧州の潜在的な問題が、出てきてしまうのではないか?』と、危惧しています。

『欧州の潜在的な問題』とは、ポルトガルやスペインの財政問題や、あるいは、東欧に投資された資金のことです。

ポルトガルやスペインも、ギリシャと同じような財政問題を抱えていると、すでに、ウワサが出ています。

また、欧州諸国の金融機関から、東欧に投資された資金は、世界同時不況で不良債権化しているでしょうが、それは、今のところ顕在化していません。
(個人的には、あるに違いない、あるに決まっている、と考えています)

(2010年04月15日記述)

第335回 GWが近付いています

ギリシャへの支援の枠組みが発表されて、外国為替市場は大荒れの値動きになっています。
しかし、もうすぐそこに、ゴールデンウィーク(GW)が近付いています。

欧米の人たちが長期休暇を取る4月上旬のイースター(復活祭)が終わって、ロンドン市場やニューヨーク市場にも、平常通りに参加者が戻りました。

イースターの直前直後のころは、ちょっとしたきっかけで値段が大きく動くようなスカスカの状態だったのですが、マーケットの値動きもしっかりしたものに変わってきました。

しかし安心するのはまだ早い、と考えます。
今月末から最大11連休になるゴールデンウィーク(GW)が始まります。

そう言うと必ず
「GWは日本だけの連休で、ニューヨークやロンドンなどの主要海外市場は開いている」
という指摘を受けます。

確かにその通り。欧米市場は開いています。

しかし、東京市場が休みの時は香港、シンガポールなどアジア市場全体が閑散状態になり、ロンドン、ニューヨーク市場の参加者も、マーケットがスカスカになることを嫌って、取引を控えるようになります。
そのため、ゴールデンウィーク(GW)も、イースター休暇のようなおかしな値動きが目立つようになりがちです。

私は市場が正常な状態ではないGW中は取引を休むべきで、GW明けから再開すればよいと考えています。
しかし、あえてGWに取引をしたいというのであれば、「休みを返上してフル態勢で臨むべき」です。
それもマーケットが想定外の動きをしても致命傷を負わないように丁寧に。

たぶん多くの人が考えがちなGW休暇を楽しみながら、一方で取引をして小遣いを稼ごうというやり方が、一番損をするパターンです。
(一番リスクの高い、危険な対応法です)

自分だけ上手いことをやろうという心構えでは、相場に勝てなくて当たり前だと思っています。
(2010年4月12日記述)

第334回 【機関投資家の立場ではユーロは買えない】

財政難に陥っているギリシャ救済策が発表されました。

それをひと言でいえば、欧州各国とIMFが協調して、ギリシャの資金調達が困難になったときには救済する、という内容です。

この発表を、外国為替市場に大きな影響を与える機関投資家は、どう受け止めているのかを明らかにしていきましょう。

それが今後のユーロ相場を予測するカギになる、と考えるからです。

ギリシャ救済策が発表され、マーケットは一応の落ち着きを取り戻しています。
(イースターが明けてから、また、不穏な雰囲気になってきていますが・・・)

しかしそれは静観しているというだけであり、ユーロに投資を再開したということではありません。

機関投資家の立場では、お客様のお金をリスクのある通貨に投資することは許されないのです。

よほど大きなリターンが見込めるのであれば、リスクを取りに行くプロフェッショナルもいるでしょうが、そうではないことは明らかなのだから、現時点ではユーロ投資は間違いということになります。

ギリシャ債を始めとする欧州債の格付け引き下げ観測も浮上しています。

機関投資家のルールでは、A格からB格に引き下げられた場合、売却しなければなりません。(投資適格の条件を満たさないと保有してはいけない)

現在保有しているA格の債券を、引き下げ観測だけですぐに売りに出すことはないでしょうが、将来に懸念がある以上、新規投資は控えるでしょう。

また満期が到来した債券を売った資金で、再び同じ債券を買うこともないでしょう。

誰しも個人的にはギリシャを応援したい気持でいるはずです。

しかし機関投資家の立場では、財政難が解消されたわけではないのだからギリシャ国債でユーロ投資はできません。(しない、したくない、能動的に避ける)

では個人投資家はどのようなスタンスで臨むべきでしょう。

それこそ迷うことはありません。
自分の大切なお金なのだから、機関投資家以上に慎重に臨むべき、と考えます。

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(2010年04月08日記述)

第333回 【中国元(人民元)を変動相場制に移行させる圧力】

中国政府の管理下に置かれている中国元(人民元)相場の自由化を求める声は、常に聞こえてきます。

欧米の圧力を受けた中国政府は、2005年に管理変動相場制に移行して、少しずつ切り上げを行っているものの、自由化までには遠い道のりのように映ります。

中国はメンツを重んじる国なので、外圧に屈服して切り上げを行ってきたのではないという姿勢を保っていますが、実際のところは、その都度、ある程度の中国元高を容認し、欧米と折り合いを付けてきています。

しかし、中国政府が中国元相場を厳しく管理しようとすればするほど、矛盾は内包され拡大されていきます。

例えは、北京や上海の不動産価格が急騰しているのも、矛盾が中国内部に向かっていることを示していると解釈できます。

果たしていつまで中国政府は現在の政策を維持できるのでしょう?

先進国には、『変動相場制の国々と管理変動相場制の中国という異なるルールを持つ者同士が、同じ土俵で戦うのは不公平ではないか』という不満が、ますます高まっています。

中国元は最終的には他の通貨と同じように変動相場制へ移行せざるを得ない、と考えています。

それは、キャリー・トレードの終焉と同じように、必ず起こることです。

ただその時期は誰にも分かりません。

中国首脳であっても予測できないでしょう。

だからといって投資家が無防備で良いわけではありません。

ある日突然発表される中国元の変動相場制移行に備えて、心構えだけはしておくべきだ、と考えています。

第332回 ドル/円のトレンド転換の可能性に気をつける

本当に、不思議なもので、相場は、『誰にとっても』難しいものです・・・。

ブルとベアしかいない、二者択一なのに、なかなかうまくいかない。
「休むも相場」を含めれば、三つの中から一つを選ぶと考えても良いのですが、選択肢が増えれば、かえって難しくなります。

相場が難しいのは、「方向性」だけでなく、「大きさ」の問題があるからでしょう。

つまり、『相場が上がるのか?下がるのか?』だけでなく、その『振幅(値幅)がどれ程であるか?』、具体的に『どれ位上がるのか?どれ位下がるのか?』がポイントになります。

個人的には、この「振幅(値幅)」に関しては、平素は考えないようにしています。

それは、難しいので、残念ですが、個人的には、最初からあきらめています・・・。

だから、「トレンド(=方向性)」で戦うつもりでいるのですが、ここにきてドル/円の水準が微妙なところにあります。

ドル/円のチャートを見てください。

2007年6月の124円台から、今年(2010年)3月に至るまで下落しましたが、3月下旬の直近になって、2007年6月の124円台を起点としたレジスタンス・ラインを少し上に抜けたように見えます。

だから、トレンド転換の可能性について考える必要があります。

レジスタンス・ラインを上に抜けたことで、ドル/円が、トレンド転換した可能性がありますが、ドル/円の下落スピードが、緩やかになっただけで、新たなレジスタンス・ラインを作る可能性も残っています。

個人的な発想ですが、トレンド転換が容易ではないことをふまえて、93.80のレジスタンスを上に抜けるまで、「トレンド転換」の判断を留保したい、と考えています。

(※93.80アラウンドは、2010年1月に付けた高値水準。目先のポイント。)

つまり、93.80をはっきりと上に抜ける場合、言い換えれば、94円台にしっかりと乗せる場合は、トレンド転換と考えても良いのではないか、と考えています。

トレンド転換のときは、対応が難しいので、無理をすることなく、相場の値動きを良く見て、納得のいくところで取引をする必要がある、と考えます。

(2010年4月1日9:40記述)



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