第309回 通貨ペア「米ドル/カナダドル」の特徴

先週のクリスマス・イブ、クリスマスが終わりましたが、今度は年末年始です。
 クリスマスの週と同様に、市場参加者が極端に少ない時期です。
 ですから、年末年始の相場は、引き続き、値が飛び易い「クリスマス相場」が継続している、と言えます。

 この状態は、例年ならば、1月の米国失業率(米国雇用統計)の発表まで続きます。
 来年(2010年)の1月の米国失業率(米国雇用統計)の発表は、1月8日(金)ですから、その時までこの状況が続くのでしょう。

 年末年始を含む、この「クリスマス相場」の時期は、無理をせず、相場に手を出さないか、ポジションを縮めて、不測の値動きに備えることが大切です。

 読者のみなさま、今年もお世話になりました。
 良い年末年始をお迎えください。

 さて、本論です。

豪ドル同様に資源国通貨として人気

 鉱物や原油などの天然資源に恵まれたカナダのカナダドルは「資源国通貨」として人気があります。
 資源国通貨仲間の豪ドル同様、商品相場と連動しやすいというイメージがあるのですが、(それを真っ向から否定するわけではありませんが)必ず連動するという
わけでもなく、データ的にも証明されているわけではありません。

米ドルとはシーソー関係にある

 加えて豪ドルよりもさらに取引量が少なく、リクイディティ(市場流動性)が低いマイナーカレンーであることも忘れてはいけません。
 マイナーカレンシーは大口取引の影響を受けて、為替相場が予想外の動きを見せることがあるからです。
 また米ドルが弱くなるとカナダドルが強くなるというシーソー関係にあることも知っておく必要があります。

カナダドル情報は少ない

 カナダ経済は米国経済と密接に関わっていて米国の影響を強く受けます。
 そこで米ドル/カナダドル取引する時は、米国経済指標とカナダ経済指標の双方を抑えておく必要があります。
 ただカナダドル関連の情報は少なく情報収集に苦労しそうです。

 カナダドルを銀行間で取引する時の受け渡し日は、通常の2営業日後ではなく翌営業日となっています。
 それが個人投資家の取引には直接影響するわけではありませんが、このことからもカナダドルは古い歴史を背負った特殊な通貨であることが分かると思います。

第308回 通貨ペア「スイスフラン/円」の特徴

本日は、クリスマス・イブです。
 読者の皆様が、素敵なクリスマスをお過ごしになるよう祈念いたします。

スイスフランはユーロとの連動性が高い

欧州の永世中立国・スイスは金融立国であり、欧州の主要通貨がユーロに統合される中でスイスフランは独立を保っています。

「米ドル/スイスフラン」の項目でも紹介しましたが、欧州の小国でありながら統合を避けているのは、ユーロに統合されればスイスに集まっている世界各国の匿名資金が逃げ出すことが予想されるからでしょう。

それでは金融立国が成り立たなくなり、もし統合が決まればスイスフランは大きく売られてしまいます。

スイスとしては独立を保つしか選択肢がないのです。ただ為替相場だけを見るとスイスフランとユーロは連動性が高いといえます。

チャートに素直に動くと言われたが......

独立を保つということをFX取引の視点で言えば、自国や諸外国の政治的な思惑が為替市場に反映されにくいということ。

そのためスイスフランはチャートに素直に反応し、テクニカル分析がしやすいといわれてきました。

ただ個人的にはスイスフラン/円が、とりわけチャートに素直に反応するとは思っていません。ユーロ/円と同程度の「素直さ」ではないでしょうか。

スイス中央銀行が積極的に為替介入

またチャートに素直に動くといわれているのは、スイスの中央銀行であるSNBが為替介入に消極姿勢で、スイスフランの値動きを市場に任せていたことも影響しているのかも知れません。

ところが最近はSNBの姿勢が一転、積極的にユーロ/スイスフランではユーロ買い/スイスフラン売り、スイスフラン/米ドルではスイスフラン売り/米ドル買い介入を行っています。
そのため相場が乱高下しています。

米国も日本も中国も為替相場を自国通貨安に誘導して輸出振興を図る傾向が強まっていますが、スイスも同じ効果を狙っているのでしょう。

なおスイスフラン/円をトレンドに従って取引する場合はSNBが発表する各種指標や金融政策、日本の経済指標や日銀の金融政策等を抑えておく必要があります。

第307回 通貨ペア「米ドル/スイスフラン」の特徴

スイスフランがユーロ統合を避ける理由

欧州の永世中立国・スイスには金融立国という顔もあります。
欧州の主要国の通貨がユーロに統合される中で、スイスフランと英ポンドだけが独立した存在です。

スイスフランが統合しない理由は金融立国として金融の独立を保つため――といえば聞こえは良いのですが、本音は統合することにより各国の監視が強まり、スイスに集まっているさまざまな性格の資金が逃げ出すことを避けたいというところでしょう。
その中には匿名性を守りたい富裕層の資産もあればマネーロンダリングや脱税絡みの資金もあり、犯罪の温床となっていると国際社会から批判を浴びています。
しかし公開すれば金融立国が崩壊し強烈なスイスフラン安に見舞われることは明らかです。
だから、スイスフランがユーロに統合されることは、当面のところ無いだろう、と考えることができます。

ユーロとの連動性が強い

スイスフランはユーロから独立した存在とはいえ、為替相場の視点で見ると連動性は非常に強く、ユーロ安/米ドル高のときは、米ドル高/スイスフラン安の傾向が強まります。

ユーロ/スイス相場を見ると現状はスイス高で推移しています。
そのため、このところの外国為替市場では、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行(SNB)がたびたび介入している様子がうかがえます。
また戦争のような有事が起きた時は、独立性の高いスイスフランが買われやすくなることも知っておきましょう。

チャートに素直に反応する性格

スイスフランはメジャー・カレンシーであり、新興国のマイナー・カレンシーのような流動性の低さ、信用リスクの高さという問題はありません。

またチャートに素直に反応するためにテクニカル分析がしやすいという特徴があります。

米ドル/スイスフランの取引をする時はSNBが発表する指標とアメリカの雇用統計などの指標を、スイスフラン/円取引ならスイス、アメリカに加えて日本の指標をチェックする必要があります。
しかし日本国内で得られる情報の少なさを考慮すると、わざわざ手がける必要がある通貨なのかという疑問も残ります。
トレンドに従って取引するのであれば、圧倒的に情報量の多いユーロ/米ドルで十分に代用できます。

第306回 通貨ペア「豪ドル/円」の特徴

資源国通貨だがゴールドとの連動性は強くない

オーストラリアの通貨・豪ドルと円の通貨ペアは、豪ドル/米ドルと米ドル/円を掛け合わせた合成通貨ペアで、豪ドル/米ドル相場の影響を強く受けます。

豪ドルは資源国通貨としてゴールドとの連動性も指摘されています。
しかしイメージ的にそう思われているだけで、実はそれほど強い連動性があるわけではありません。

ローカル通貨特有の値動きには注意

豪ドル/円が日本の投資家に人気が高い理由は、米ドルやユーロのようなメジャー通貨に比べて相対的に金利が高いところです。

オーストラリアは政治的にも財政的にも安定しているので、南アフリカランドのような新興国の高金利通貨に比べれば安心感があるため、スワップ・ポイントを得ることを目的に豪ドル/円を買う投資家も目立ちます。

とはいえ米ドル/円やユーロ/米ドルに比べるとマーケット規模が小さいために、ローカル・カレンシー特有の値動きを見せることがあります。
例えば大口投資家の注文によって値動きが止まったりします。
希には他のマーケットの値動きとは逆に動いてしまうこともあります。

金利目的なら豪ドル/米ドルも検討を

クロス円取引は、米ドルが絡むドル・ストレート取引よりも、相場を読む際に考えなければならない要素が多く、難しいと思います。

例えば、米ドル/円が80円を割り込むような事態になれば、豪ドル/円も円高方向へ振れるでしょう。
すると豪ドル/米ドルは上昇しているのに、豪ドル/円は下落する、というような事態が起こるかもしれません。
そのような場合は、金利目的の豪ドル/米ドル取引は利益になるのに、金利目的の豪ドル/円の買いポジションでは投資家は損失になるかも知れません。

そうした事態を想定するならドル・ストレートの豪ドル/米ドルを手がけるほうがいいでしょう。

ただどちらにしろ、豪ドルはマイナー・カレンシーです。
大暴落が起こった時には流動性が低下するはずです。
いつでも逃げられる態勢を整えておくべきです。

第305回 通貨ペア「英ポンド/円」の特徴

1日に10円動くマニアックな通貨ペア

英国の通貨である英ポンドと円の通貨ペアは、1日の値段の振れ幅が大きいところが特徴です。
1日で5円、10円という値幅で激しく動くこともあります。

ポンド/円は米ドル/円とポンド/ドルを掛け合わせた合成通貨ペアなので、そのレートはドル/円とポンド/ドルレートから算出できます。
現在のポンド/ドルレートは1.6前後。そこでドル/円が1円動く時は、ポンド/円は、理論上は、1.6倍動くことになります。
しかし実際には1.6倍を上回ることも多く、そこにこの通貨ペアのもつ値動きの激しさが現れています。

テクニカルには素直に反応するが......

値動きは激しいものの、チャート分析(テクニカル分析)をすると、テクニカルには割合素直に反応していることがわかります。

しかし、ポンド/円取引を行う時は、ドル/円、ポンド/ドルのチャートを分析しつつ、ポンド/円も見て総合的に判断しなければなりません。
ここにドルが絡まないクロス円取引の難しさがあるのですが、それでもポンド/円が投機的な取引を好む投資家に人気があるのは、やはり「値幅の大きさ」でしょう。

英中央銀行や日銀の金融政策にも注目

ファンダメンタルズ面では、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)の金融政策や英国の経済指標、日本の金融政策や経済指標なども抑えておく必要があります。

英ポンド/円は、マニアックな通貨ペアであり素人向けではありません。
欧州通貨を取引したいのであれば、ユーロ/円のほうが王道と言えるでしょう。

第304回 通貨ペア「豪ドル/米ドル」の特徴

豪ドルはローカルなマイナーカレンシー

オーストラリアの通貨・豪ドルはローカルカレンシーであり、マイナーカレンシーです。
そのため基本はユーロ/米ドル、ポンド/米ドルのようなメジャーカレンシーと同じように動きますが、時として異なる動きを見せることがあります。

それは2008年から2009年にかけてのチャートを見ると良くわかります。
ユーロ/米ドル、ポンド/米ドルといったメジャーカレンシーのチャートと豪ドル/米ドルのチャートは良く似た形をしています。
ただ細かく見ると異なる点が見つかります。
例えばユーロ/米ドル、ポンド/米ドルは2008年夏につけた高値水準まで戻していませんが、豪ドル/米ドルはほぼ高値水準まで戻しているというようなところです。

市場参加者が少なく過度に動く

豪ドル/米ドルも含めたマイナーカレンシーの特徴は「過度に動く傾向が強い」こと。
その最大の理由は「市場参加者の少なさ」にあります。
大量の注文が出た時にマーケットが吸収しきれずに過度な値動きになるのです。
逆にマーケットの取引が薄く凪の状態のときは、一層に静かになってしまいます。
米ドル/円であれば凪の時でも50銭くらいは動くものですが、豪ドル/米ドルはほとんど動かなくなります。

世界の大手銀行はローカルカレンシーを積極的には扱いません。
特に体制が手薄になる休日などは、世界の大手銀行がオーストラリアの銀行にリーブ・オーダー(指値注文)を預けるために、世界中のオーダーがオーストラリアの銀行に集中する現象が起こります。
そこへ巨大な機関投資家や自動車会社のような輸出企業が大口のオーダーを入れると、値動きを堰き止めてしまいます。
例えばドルが下落している状況では、豪ドル/米ドルは上昇していくはず。
その時、一定の水準に大量の売りオーダーがあると、そこが「堅い蓋」となって突き破れず動かなくなるというわけです。

高金利通貨だがあえて選ぶ理由はない

冒頭で解説したように豪ドル/米ドルは米ドルの流れに沿って、メジャーカレンシーと同じ方向に動いています。
であれば個人投資家がわざわざマイナーカレンシーを選んで取引する必要は無いと思います。
豪ドルは相対的に高金利なところが人気です。
でもそれはインフレ率が相対的に高いとか、高金利を提示しなければ投資してもらえない経済状態にあるということを認識しておきましょう。

豪ドル/米ドルでもチャート分析は有効ですが、先に挙げた理由からマーケットが歪められることがあるために、メジャーカレンシーほどではありません。
取引に当たってはオーストラリアの経済指標や、オーストラリアの中央銀行であるオーストラリア準備銀(RBA)の金融政策のチェックは欠かせません。
ただメジャーカレンシーに比べて情報量が少ないことは覚悟しておきましょう。

第303回 『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』から抜粋引用

拙著『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』から抜粋引用します。
以前にも、このコラムで引用したことがありますが、何度でも、お伝えしたい内容です。

相場に勝ちたかったら、総合的に判断する必要があります。
「12月が、1年の中で、どういった位置づけなのか?」という事柄です。

「そんなことは、オレの(私の)位置づけと違う!」と叫んでも、通用しません。
残念ですが、マーケット(外国為替市場)の都合が最優先されるからです。

相場に勝ちたければ、まず、敵(マーケット=外国為替市場)を知ることです。

孫子の兵法にも、以下のようにあります。
「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」

自分を知り、セルフ・コントロールをしていくことも、敵を知ること以上に大事なことです。

以下『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』から抜粋引用

第5章 12月は休みなさい!
相場に臨むスタンスをアップデートする

1 年間スケジュールを知っていれば、無駄なリスクを避けられる

開店休業状態の相場はギャンブル性が高い

12月も中旬になると、クリスマス・シーズンたけなわ。といっても、外国為替市場はオープンしています。クリスマス当日の週も、オープンしていることは、しています。
しかし、そのときには、もう、やる必要がないし、のんびりと構えていたいものです。クリスマスの週は、マーケットは事実上、「開店休業」状態になります。
取引が薄い中を、乱高下する可能性はありますが、それを、事前に察知することは不可能ですし、そういったことを狙ってポジションを張るのは、単なるギャンブル。
所詮、相場はギャンブルだ、といった考え方もありますが、そうはいっても、サイコロ賭博や宝くじとは、おのずと違う、と述べました。
クリスマス・シーズンは、薄くなったところで、――市場参加者が少なくなったところで――乱高下があるものです。
そういった乱高下を横目で見ながら、「ふーん......。あっそう」と眺めていればいいのです。
突如とした値動きを、タイミングよく、直前に察知することは不可能なのですから、「12月に為替相場をやっているヤツは、負けたヤツ」と思って、泰然と眺めていましょう。

外国為替市場オリジナルの年間スケジュール
外国為替市場は、1月から「よーいドン!」で始まります。
ですから、「年間スケジュール」は、1月になってからではなく、12月のうちに考えておくことなのです。
相場は、私たちの都合を聞いてはくれません。
しかし、毎年、決まりきったパターンがあります。
ですから、「12月のうちに考えておくこと」ではあるけれど、一度、覚えてしまえば、毎年の年間スケジュールは、ほぼ同じです(イースターの時期が違うのですが、それも大差がありません)。
外国為替市場の年間スケジュールを見てみましょう。

1月【頑張る月】
まずは、リハビリ(12月は、のんびりしているので)。
トレンドを調べる、チャートを調べる、12月中のニュースを紐解くなど、確認の作業から始めます。

2月【もっと、頑張る月】
3月【もっと、もっと、頑張る月】
「イースター」が3月にある場合は、小休止を入れます。

4月【後半のゴールデン・ウィークに備える月】
ゴールデン・ウィークはポジションを取らずに、いったん休憩。
「イースター」が4月にある場合は、そこも休憩します。

5月【ゴールデン・ウィーク明けから頑張る月】
まずは、リハビリ(ゴールデン・ウィーク中は、のんびりしているので)。
1月と同じように、確認の作業から始めます。

6月【しっかり、頑張る月】

7月【夏休み(サマー・バケーション・シーズン)】
夏休みのスタートは、米国の「独立記念日」(7月4日)から。
8月【夏休み(サマー・バケーション・シーズン)】
夏休みの終了は、ロンドンの「レイト・サマー・ホリデー」(8月の最終週の月曜日。サマー・バンク・ホリデーとも言う)まで。
7月~8月の夏休みは、年によって、そのスタートが遅れる場合があります。しかし、夏休みの終了は、「レイト・サマー・ホリデー」までで、だいたい不変です。

9月【頑張る月】
10月【もっと、頑張る月】

11月【12月に、ちゃんと休めるように、もっと、もっと、頑張る月】
12月【クリスマス・シーズン=何もしない月】
「こんな時期に相場をやっているヤツは、負けたヤツ」と、横目で眺めていればOKです。

第302回 米財務長官の中国元変動相場制移行発言の真意

ガイトナー米財務長官が11月下旬、議会証言で中国人民元の変動相場制移行について言及しました。
国内ではあまり注目されていないようですが、私はセンセーショナルな発言と受け取りました。

その理由を説明しましょう。
今年6月、ガイトナー氏が訪中して、胡錦濤国家主席、温家宝首相とそれぞれ会談しました。

中国は米国債の最大の購入先であり保有国。つまり米国にとってのお得意さんです。

ところが中国首脳は、保有資産を目減りさせるドル安に対する不満や米国政府に対する不信感を高めており、米国債を売却するという観測も流れていたことから、『米国債のセールスマン』であるガイドナー氏が、説明に馳せ参じたという構図でしょう。

米政府高官がアジアを訪問する時、順番はさておき日本、中国、韓国を回るのが常です。
しかしガイトナー氏は中国に直行直帰しました。それだけ緊急性を要していたとも解釈できます。

会談の結果、中国側は引き続き米国債を購入することを了承し、条件として「中国元高」の圧力を鎮めるように要求したのだろう、と推測できます。

もちろん会談内容は推測に過ぎませんが、その後の両国の行動からも間違いないところでしょう。

例えば、会談後に開催されたG7やサミットの共同声明からは、中国元を想定した「新興国の通貨の変動幅には柔軟性を持たせるべきだ」という文言が消されています。

それなのに訪中から半年あまりで、ガイトナー氏自身が米国内向けの発言とはいえ『中国との約束』を破ってしまった。


理由は二つ考えられます。

(1)十分に国債を販売したので中国が買ってくれなくても良いと考えた。
(2)米国内で高まる「中国元高」への要求を抑えきれなくなった。米国製品が売れないのは中国元が安すぎるからだという「わかりやすい」意見がまかり通っているからです。

※米国製品が売れない最大の理由は品質の悪さに尽きる、と考えます。
もう少し正確に言えば、品質と価格のバランスで考慮すると、米国製品には価格競争力が無いことが、米国製品が売れない理由です。

価格が高くとも、他に競合する製品が無く、どうしても必要なものは売れます。
しかし、競合する製品がある場合でも、消費者が品質にこだわれば、品質の高いものが売れるケースもあります。
品質が同じならば、当然ながら安い方が売れます。
消費者が品質にこだわらない製品ならば、価格が安いということが、購入を決める最大の理由になるでしょう。

米国は、そういった問題点を克服できないでしょうから、実際には、中国元高になっても、米国製品は、結局は売れないことになる、と考えます。

つまり、中国元高になっても、米国内の問題は解決できない(米国の貿易不均衡問題は変わらない)、と考えます。


オバマ大統領の景気刺激策はまだ道半ばで、今後も中国や日本に米国債をたっぷり購入してもらわなければなりません。

そのため、ガイトナー氏の発言の真意は、米国内の不満に対するガス抜きということでしょう。

投資家として大切なことは、今回の発言に対して中国がどう反応するのかを注視すること。

中国の次の一手によって為替相場に大きな影響を与える可能性があるからです。

ただ中国がどう抵抗しようとも、中国元の変動相場制移行は時間の問題です。
そうは言っても、では、それがいつになるのか?
『予測は不可能ですが、遠い未来ではない』とだけは言えます。

重要なことは、『その時』には、大激震が起こるということです。
それを頭に入れておく必要があります。

(2009年12月03日東京時間10:30記述)



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