第293回 【孤立を深める英ポンド、そして、ドル円トレンドは本来の姿に】

前回もお伝えしましたが、外国為替相場全体が調整局面に入っていました。

10月上旬に88円台を売り込んで一時87円台をつけたドル/円は、その後92円台まで、大台(ビッグ・フィギュア)でみれば、5円リバウンド(反発上昇)しています。

もう少し前から振り返ってみるならば、8月上旬の98円(正確には97円台後半)から10月の88円(正確には87円台後半)にまで、約2カ月で10円落ち、その後5円程度リバウンドしたことになります。

「5円程度リバウンド」は文字通りリバウンドであって、『ドル安』という大きな流れは変わっていない、と考えます。
ドル安の流れは最も取引量の多いユーロ/米ドルを含め、どの通貨ペアでも同じでした。

ただ英ポンド/米ドルだけはドル安の流れに沿いながらも乱高下を繰り返すという異質な動きを見せています。

乱 高下の理由は英国の経済指標に改善の兆しが見られず、米ドルと英ポンドという"弱い者同士"の綱引きが繰り広げられているところにあるのでしょうが、それ に加えて欧州の主要通貨がユーロに統一されていく中で英ポンドだけが加わらず、孤立を深めている、異質な立場に立たされているということも影響していると 思います。

そのことはユーロ/英ポンドのチャートを見るとわかります。
1999年にユーロが発足し世界各国に認知されて以降、2007年まではユーロと英ポンドの力が拮抗し、大きな目で見ればほとんど動かない状態でした。
ところが2008年ごろから英ポンドの力が衰えユーロ/英ポンドは乱高下を始めています。
この乱高下が英ポンド/円、ユーロ/円にも影響を与えています。

難しい相場つきになっている今、結論は「それぞれの通貨ペアごとに流れを見て取引する」ということです。

平凡な結論ですが、そうとしか言いようがありません。
アヤを追わずに、ドル安という大きな流れに乗って取引したほうが最終的には利益を得られる、と考えます。

今週になって、ドル/円は、改めて下落の様相を呈しています。
一昨日(10月27日)は、92円台にありましたが、本日(10月29日)の東京市場では、90円台ミドルまで急落しています。

すでに上記に述べた通りに、87円台から92円台までの「5円程度リバウンド」は文字通りリバウンドであって、『ドル安』という大きな流れは変わっていない、と考えます。

(2009年10月29日東京時間10:30記述)

第292回 ポンド/ドルの買い圧力がドル/円に及んだ理由

米ドル/円に限らず、外国為替相場は全体的に修正局面(調整局面)に入っています。

10月上旬に88円台を売り込んで一時87円台をつけたドル/円は、その後92円台まで、大台(ビッグ・フィギュア)でみれば、5円リバウンドしています。

しかしこのリバウンドのスタートは、「織り込み済み」と呼べる値動きと言えるかもしれません。

なぜなら多くの相場関係者は、昨年12月と1月につけた87円10銭がチャートポイントになることに気がついていたからです。
ここを下に割り込めばもう一段急落する可能性があり、サポートされればリバウンド的な反転上昇があってもおかしくない。
結果は87円10銭に届かずに事実上88円台で修正局面に入りました。

この解釈は間違いではありませんが、今回の相場には別の力も働いていました。

10月15日、イングランド銀行(英中央銀行)のフィッシャー理事は「資産購入プログラム(英資産の買い取り)を一旦中止する可能性がある」と発言。
これがサプライズと受け止められてポンドが買われ、ポンド/ドルが急騰しました。

ここでドル/円にとって不思議なことが起こりました。
ポンド買いにはドル売りを伴うので、ドル/円でもドルが売られ円が買われて下るというのが常識です。
ところがドル/円では円が売られたのです。
理由はポンド/円の値動きを見ると分かります。
10月15日の値動きでは、ポンド/円は142円台から147円台へ大きく動きました。ポンド買い圧力が円売りを誘発したのです。

ポンド/円の値動き全体で見るならば、ポンド/円は、このところの安値は10月初旬の139円台です。そして、高値は、先週末(10月23日金曜日)に、153円台を付けています。

冷静に考えてみればフィッシャー理事の発言は驚くような内容ではないのですが、発言によって玉突き現象が起こりました。
まず溜まっていたポンド売り/ドル買いポジションが動きだし、ポンド買い/ドル売りが優勢となり、ポンド/ドルが上昇することで、ポンド/円も上昇して、通常の値動きならば、本来売られるはずのドル/円に逆の影響を与えたというわけです。

本日(10月26日)の東京市場では、ポンド/円は先週末と比べて、急落して149円台を付けています。
ポンド/ドルが、先週末から急落を始めている影響が大きいのです。
『この影響(ポンド/ドルとポンド/円の値動き)が、ドル/円に、これからどういった影響を与えるのか?』に注目しています。
ポンド/円の影響が大きくなれば、ドル/円には下落圧力が働きます。
ポンド/ドルの影響だけならば、ドル/円には上昇圧力がかかります。

個人的には、『ポンド/円の影響が大きくなるのではないか?』とみています。

(2009年10月26日東京時間09:30)

第291回 相場の「アヤ」の正確な予測は不可能

上昇トレンドなら上昇方向へ、下降トレンドなら下降方向へ、トレンドに沿った大きな相場の流れに対して、逆らうようにトレンドと反対に動くことを「アヤ」といいます。

※「アヤ」は、漢字では「綾」と書きます。


「アヤ」が事前に分かれば良いのですが、それを予測することはほとんど不可能です。いつ起こるのか、どこまで逆行するのか、いつまで続くのかは、誰もが知りたいことですが、誰にも分かりません。

そのため大きな「アヤ」をトレンド転換と見誤ったり、大きな「アヤ」のせいでストップ・ロスがついたという経験をした投資家も多いでしょう。

とはいえ、ドル/円で何十銭の単位の反対側の「アヤ」といわれて納得できても、1円、2円も動いた状態までも「アヤ」と呼んで良いのか?――そんな疑問を持つ投資家もいることでしょう。
しかし、私は5円程度の逆行は「アヤ」だと解釈しています。

つまりFX取引では、その程度の「アヤ」は織り込んでおかなければならないということです。

繰り返せば「アヤ」はいつ起こるのか、どこまで逆行するのか、いつまで続くのかわからない。

ところがチャートを見ていると、必ずではないけれど、かなりの確率でトレンドとは逆に相場が動く時間帯があることがわかります。
結論から先に言えば、これは「アヤ」ではありません。

例えば東京市場は日本時間(以下同じ)で8時、9時ごろから活発になります。
基本的に東京市場はニューヨーク市場の値動きの後追いなので、NYが下落すれば売る、上昇すれば買うという動きをします。

東京市場で午後の取引が行われている15時、16時ごろになるとロンドン市場が開きます。

そのときは東京市場の相場の流れとは反対側に大きく動くので一見「アヤ」のようですが、実はロンドン勢が東京勢のストップ・ロスを狙って仕掛けた動きであることが多いのです。

正確な「アヤ」は誰にも分からないけれど、FX取引の経験を積んでいくとなんとなく「アヤ」ではないかという感覚は養われます。
ただそうした目分量的なものは、言葉では説明のしようがありません。

第290回 「くりっく365」

今回は、「くりっく365」について取り上げます。
もちろん、詳しいことは、「くりっく365」のホームページ
http://www.click365.jp/ で確認してください。

FX取引には「取引所取引」(取引所FX)と「店頭取引」(店頭FX)の2通りがあります。
取引所取引は投資家の注文を、一般的な株取引と同じように取引所で成立させる方法。
FX会社は投資家の注文を取引所に取り次ぐ役割をします。
店頭取引は取引所を介さずに、FX会社が売買の相手方となって投資家の注文を成立させます。
「くりっく365」は東京金融取引所(金融取)が上場しているFXの愛称。
取引所FXには「くりっく365」のほかに大阪証券取引所の「大証FX」があります。

最も有利な価格で取引ができる

「くりっく365」の大きな特徴として金融取があげているのは次の3点。
まず有利な価格。
「くりっく365」では外国為替市場(インターバンク市場)に参加している複数の金融機関から価格の提供を受け、その中から最も安い売り価格と、最も高い買い価格を選んで投資家に提示。
投資家はその時点の最も有利な価格で取引ができるというわけです。

また2国間の通貨の金利差相当額であるスワップポイントを、受取側と支払側とで同額(一本値)に設定しているところも特徴です。
高金利通貨の買いポジションを持っている場合にはスワップポイントを受取り、高金利通貨の売りポジションを持っている場合にはスワップポイントを支払うことになります。
一般的な店頭FXでは投資家の受取額より支払額のほうが大きく、その差額はFX会社の利益になります。
「くりっく365」では同額のため、金融取もFX会社もスワップポイントでは利益を得ていないことになります。

投資家のお金は取引所に預けられる

二つ目は安心な仕組み。
「くりっく365」に参加できるのは資格審査に合格したFX会社のみ。
投資家の証拠金は全額金融取に預託することが法律で義務づけられているために、万が一FX会社が破たんしても、預託された証拠金は原則として全額保護されます。
また金融取に預託された証拠金は取引所の財産とは分別して保管されています。
なお投資家の建玉(保有しているポジション)はFX会社が破たんしても決済することができます。

税金面でも優遇措置がある

三つ目は取引所FXにだけ認められている税制優遇措置。
FX取引で個人投資家が得た利益は取引所FX、店頭FXを問わず原則として雑所得とみなされて課税されます。
このあたりの詳しいことは「くりっく365」のホームページ
http://www.click365.jp/ で確認してください。
取引所FXが有利な点は、得た利益が申告分離課税の対象となるため税率は所得にかかわらず一律20%で済むところ。
店頭FXでは給与所得などと合算した総合課税となるため、最大50%の税率がかかる累進課税が適用されてしまいます。
取引所FXは所得税を計算でも有利です。
FXの利益や損失は取引所上場先物取引である商品先物取引や証券先物取引の利益や損失と差し引き計算(損益通算)することができます。
「くりっく365」で利益が出て、他の先物取引で損失が出たときは、両者を損益通算することで節税ができます。
さらに「くりっく365」の取引で出た損失のうち、損益通算してもその年に控除しきれなかった分は、翌年以降3年間にわたって「くりっく365」や他の取引所上場先物取引で発生した利益から控除することができます。
なお税金については個々のケースのより異なるために必ず税務署等で確認してください。

第289回 今回の円高は、二つの流れが影響し合って形成された

9月25日のニューヨーク市場でドル/円相場が7カ月半ぶりに90.00を割り込み、89円台をつけて以来、概してドル/円相場は、2週間以上、1ドル80円台後半で推移しています。

今週の初め、10月12日(月)は、東京市場とニューヨーク市場が休場で、その間に、一時90円台に乗せましたので、言い換えれば、『ドル/円は、90.00近辺のドル安円高水準にとどまっている』と言えます。

今 回の急激な円高は、藤井財務相が金融サミット開幕前の9月24日にガイトナー米財務長官と初めて会談し、「円安政策をとらない」と為替介入に否定的と取れ る発言を藤井財務相がしために、それ以前から続いていた円高の流れを加速させたことで、「ドル売り円買い」が起こった、と解釈されました。

その後藤井財務相は「異常な事態になれば色々あり得る」と発言を修正したのですが、それはともかく、藤井発言が「円高の流れを加速させた」という解釈は正しいのでしょうか?

為替相場は複雑な要因が影響し合って形成されていくので、日本の財務大臣の発言がまったく影響しなかったと言い切ることはできませんが、「円高の流れを加速させた」というほどの影響力ではなかったと思います。

今回の円高を整理してみましょう。
二つの流れが影響し合って形成されたことが分かると思います。

まずひとつ目の大きな流れとしてドル売り圧力による「ドル安」がありました。
その流れの中でドル/円も円高傾向を強めていました。

もうひとつの流れはドルが絡まないクロス円の動きです。
ポンド/円の下落が先行して始まり、ユーロ/円、豪ドル/円など他のクロス円に飛び火して、クロス円全体に売り圧力がかかりました。

ここで二つの流れが影響し合います。
とりわけクロス円の売り圧力がドル/円相場に強く影響を与え、ドル売り圧力を加速させて、今回の円高が形成されたというわけです。

その後、クロス円に関しては、ドルが各通貨に対してさらに弱くなった影響でリバウンド(反発)する場面も出ていますが、ドル/円が下落する過程で、クロス円での「円買い圧力」があったことは事実でしょう。

現在の米国に改めて目を向けると、米国政府による必死の景気対策のために、ドルは市場で余剰となり、じゃぶじゃぶの状態です。

米国の株式市場や債券市場が好調なのは、大量に吐き出されたドルが景気対策に向かわずに、株や債券や米国外の投資先へ向かっていることを示しています。

この構造が変わらない限りドル売り圧力は続き、今後しばらくは一時的な調整が起こるとしても、ドル安の大きな流れは変わらない、と考えています。

(2009年10月15日東京時間05:35記述)

第288回 米国の不況状態

本日(10月8日)の東京市場では、今のところ、ドル/円は88円台にあります。
年初来の安値、[87.00-10]水準が、徐々に、近づいています。
[87.00-10]水準を割り込むと、「損切り(ストップ・ロス)」を巻き込み、大きく下落する可能性があります。

この状態を呼び込んだ潜在的理由には、先週末に発表された米国失業率(雇用統計)が挙げられます。
米国の不況状態は、まだ、回復していません。
米国経済には、楽観論が流行っていた感があります。
その「しっぺ返し」が起きている、と考えます。


リセッション状態にある米国と薄れたG7の存在意義

10 月2日に発表された9月の米雇用統計のうち、失業率は予想9.8%に対し結果9.8%。予想道理の結果だったので、マーケットは失業率についてはニュート ラルに受け止めていますが、8月9.7%より0.1%悪化しています。このままでは早晩10%を超えてしまうでしょう。

非農業部門雇用者数変化は前月悪化に歯止めがかかったこともあり、今回も良い数字が出るという期待が高まっていました。ところが予想マイナス18.7万人に対し、結果はマイナス26.3万人。

雇用の悪化が続いている以上、米経済は明らかなリセッション(景気後退)状態にあり、回復の兆しはほとんど見られません。
それでも米雇用統計以外の数字を用いて「米経済は回復に向かっている」とコメントしている人もいるようですが、それは投資家向けのリップサービスと受け止めておくべきです。

雇用統計発表の後の値動きでは、「結果」が悪い数字だった割には、米ドルは粘りを見せました。
瞬間売られたものの落ち切らずにリバウンド気味に終わりました。
この意外な動きの背景には、同じ時期にトルコのイスタンブールで開催されたG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)がありました。
G7でのサプライズ的な合意に備えて、マーケットが「ポジション調整の買い戻し」をしたからです。

しかし10月3日夜(日本時間4日未明)に発表されたG7の共同声明は、為替相場に関しては「引き続き為替市場を注視し適切に協力する」というありきたりな内容でした。
その1週間前に米ピッツバーグでG20(20カ国・地域首脳会議)が開催されていたため、取り立てて話し合うこともなく(実際3時間で終了したと報じられています)、またG20を凌駕するような合意が行われるはずもないのです。

今回の開催ではG7の「存在意義」が問われました。
これまで為替相場の変動要因の一つであったG7ですが、現状のままの開催が続くのであれば、まったく無視はできないものの、為替相場に与える影響は次第に小さくなっていくでしょう。

(2009年10月08日東京時間11:35記述)

第287回 米国雇用統計、G7、オリンピック開催地

先週末(10月2日金曜日)に発表された米国雇用統計は、以下の通り。

米国失業率(9月)
結果[9.8%]
予想[9.8%]
前回[9.7%]

米国非農業部門雇用者数変化(9月)
結果[△26.3万人]
予想[△17.5万人]
前回[△20.1万人]([△21.6万人]より上方修正)

当然ながら、外国為替市場において、世界中の経済指標の中で、もっとも注目される数値が、これだ。

結果は、ご覧の通りに、予想よりも悪いものだった。

米国失業率(9月)に関しては、事前の予想通りなので、外国為替市場に与える影響は、ニュートラル(影響なし=売りでも、買いでもない)。

米国非農業部門雇用者数変化(9月)に関しては、予想よりも悪い。

とびきりに悪いとは思わないが、『悪い』としか、言いようがない。
(感覚的には、『まあ、こんなもんでしょう』、といったところ)

ましてや、この数字は、もともとが『マイナス』(=雇用者の減少=失業者の増加)を事前予想しているわけで、仮に、事前予想通りだとしても、『悪い』ことに変わりは無い。

この数字(米国経済指標)を材料に、ドルは売られた。


この日(10月2日金曜日)には、2016年のオリンピック開催地を決める会合があった。

東京と、シカゴが立候補していたが、残念ながら、どちらも選に漏れた。
(最終的に、マドリードも落選した)

オリンピック開催地は、ブラジルのリオデジャネイロに決定して、それを材料に、ブラジル・レアルが、対ドルで上昇したようだ。

しかし、オリンピック特需なども、いずれは出てくるだろうが、オリンピックの開催地になることは、基本的に、外国為替レートに関係ない。

2016年開催なのだから、特需が起こるにしても、まだ先の話だ。

オリンピック開催地のニュースは、外国為替レートに関係ない。

だから、東京が落選したことは、「円売り材料」ではないし、シカゴが落選したことは、「ドル売り材料」でもない。
もちろん、マドリード(スペイン)が落選したことも、「ユーロ売りの材料」ではない。

もちろん、そういった雰囲気で(=遊び心で)、取引をしたり、お祭り気分で、開催地決定を祝って、ご祝儀相場に乗ることを否定はしないが、そんなことを、わざわざ、為替相場でやることもあるまい、と考える。

つまり、2016年のオリンピック開催地が、リオデジャネイロに決定したことを材料に、「ブラジル・レアル買い」に走るのは、お祭り気分に乗ったお調子者に過ぎないので、止めておいた方が無難。

また、シカゴや東京が落選したからといって、『ドルを売る』『円を売る』のは、ばかげている。

先週末(10月2日)の金曜日のニューヨーク市場は、この週末に控えていたG7会合に配慮して、早々にポジション調整になった、と考えている。

その注目されたG7だが、特段のこともなかった。

もともと、注目は、されてはいたのだが、ただその内容は『何も目新しいことはないだろう』と予想されてもいた。

『万が一、何か特別な合意や、新しいことがあるかもしれない・・・』
といった期待感は、こういったイベントには、必ずある。

しかしながら、結局、何も無かった。

G20が行われているのだから、G7だけで、それ(G20)を無視するようなことは決められない。

と言うか、G20をやって、別途にG7をやることに意義があるのだろうか?

個人的には、どちらか一方にするべき、つまり、『G20をやるのなら、G7を廃止する』ということだ。

G7を続けるのならば、『G20は、G7のご都合主義で開いた会合』という位置づけになってしまう。(実際のところ、その通りなのでしょう・・・)

国際社会の矛盾点を感じるし、先進諸国(G7)が、その優位性を維持しようとしている、と考えます。
(外交は、きれいごとばかりではないので、まあ、そういったことも、当然なのでしょうが・・・)

(2009年10月05日東京時間04:00記述)

第286回 米国失業率(米国雇用統計)

時間の経つのは速いもので、もう次の米国失業率(米国雇用統計)の発表が迫っている。

基本的に、『米国失業率(米国雇用統計)の悪化は「ドル売り圧力」を高める』。
それが大前提であり、セオリー。

前回の9月4日に発表された米国雇用統計では、8月の失業率は、予想の9.5%より悪い9.7%でしたが、非農業部門の就労者数(NFP=非農業部門雇用者数変化)は、予想の[-23万人]から[-21万6000人]と、予想よりも良い数値でした。

前回の9月4日の米国失業率(米国雇用統計)では、数字が発表された直後、ドル/円は92円台後半から92円台前半まで売られましたが、すぐに値を戻しました。

ドルが買い戻された理由を、非農業部門雇用者数が予想よりも若干良かったことに結びつけて、「雇用情勢に明るさが見られたため」という解説を目にしましたが、『その判断は間違いだ』と考えます。

非農業部門の就労者数がプラスに転じたというのならともかく、「予想の[-23万人]が実際には[-21万6000人]で済んだ」というのはほとんど誤差のうちです。
『米国の雇用情勢は、悪化している』という判断が正しい、と考えます。

まあ、この非農業部門雇用者数を材料に、ドルを買うのも、変だし、ドルを売るのも、また、変。
だから、9月の非農業部門雇用者数は、相場の材料としては、ニュートラルでしょう。

それよりも注目すべきは失業率。
7月の9.4%から大きく悪化し、予想よりも悪い9.7%と10%に迫ったことのほうが深刻です。

トータルで見れば、雇用情勢は改善されたどころか、悪化したと捉えるのが正しい、と考えます。

前回の9月4日の米国失業率(米国雇用統計)の発表の際に、雇用情勢が悪化したのに、ドルはなぜ売り込まれなかったのでしょう?

それは「弱いドル」を嫌う勢力が存在しているからです。中心は中国や米国でしょう。

約2兆ドルという世界一の外貨準備(世界第2位の日本の約2倍)を有する中国は資産価値を損なうドル安は迷惑です。
米国は本音では「ドル安」はさほど気にしていないと思いますが、対外的には「強いドル」を標榜しているし、中国の手前もあって、やはりドル安阻止の姿勢がうかがえます。
そうした勢力がドル/円を買い支えたのだろう、そんなとところが真相だろう、と考えています。

先月(9月)の米国失業率(米国雇用統計)で、雇用情勢のさらなる悪化が明らかになったことは、潜在的なドル売り圧力を高めたことは間違いありません。

そういったこともあって、(潜在的な米国経済のリセッション状態が持続していることが、雇用統計から明らかになって、)9月にドル/円は、90.00を割り込み、80円台に下落しているのだ、と判断します。

10月2日(金)に発表される米国失業率(米国雇用統計)では、どういった数値が発表されるのでしょうか?

今のところ、失業率の事前予想は、[9.8%]です。
(直前になって、予想値が変更されることもありますから、注意が必要です)

だから、今のところ、予想値は、10%台には届いていません。
しかし、米国の連銀総裁の中には、一部ですが、10%台を示唆する声もあります。
(今回の10月2日の失業率ではなく、『近いうち、いずれ』10%台に乗せるだろう、といったニュアンスでコメントしているのだ、と理解していますが・・・)

このところの米国製材指標は、たまに良いものもあるので、マチマチだ(悪いものもあるが、良い経済指標もあるので、米経済の回復を強調したコメント)、とする声も聞きます。

しかし、それでも、9%台後半や、10%台に乗せるような失業率では、米国経済に改善の兆候があるなどとは、到底言えません。
「マチマチだ」とする声は、「そうあって欲しい」という願望に見えます。

今週末(10月2日)に発表される米国失業率(米国雇用統計)は、当然ながら、世界中から注目されています。

(2009年10月01日東京時間02:40記述)



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