第285回 【ポンド/円が先行して下落していたことに、注目しています】

今、このコラムを書いている現在の時間は、9月28日(月)東京時間02:30。
だから、あと数時間もしないで、週明け月曜日の東京市場が始まる。

先週末のニューヨーク市場のドル/円は、[89.75-85]レベル。
久々に90円割れの89円台を見たし、かつ、先週末の終値は、89円台であった。

注目だったドル/円のチャート・ポイント[90.00]を割り込んで、[89.50]の安値を付けたことは、それはそれで、センセーショナルだ。

しかし、現時点では、(9月25日金曜日のニューヨーク市場クローズまででは、)[89.50]にタッチしたが、まだ、[89.50]は完璧に下に抜けていない。
チャート・ポイント[89.50]は、まだ、生きている。

つまり、9月28日の週明け月曜日の東京市場が始まる前の時点では、以下の通りだ。

●ドル/円は、なかなか下に抜けなかったチャート・ポイント[90.00]を、すでに割り込んだ。

●『その下にある、次のチャート・ポイント[89.50]を、週明け月曜日の東京市場で、完璧に、下に抜けることができるのか?』に最大の注目点がある。

こんなことを書いていても、この勢いならば、東京市場が始まる前のシドニー市場で、[89.50]を、突き抜けてしまう可能性もある。
その場合は、今回の『ドル安』の速さ(スピード)に脱帽だが、この数年のドル/円の値動きを俯瞰すると、そうそう大した値動きにもなっていない。
だから、『東京市場で、[89.50]を、どのように、こなすのか?』、興味津津に期待している。
後述するが、『シドニー市場で、ぶっ飛ぶケース』もあるので、シドニー市場にも十分注目する必要がある、と考えている。

ところで、先週の後半を振り返ると、外国為替市場全体を見れば、もっとも注目されていたのは、ポンド/円(GBP/JPY)だった、と考える。

あるいは、外国為替市場全体で、もっとも注目されていたのは、ドル・ストレート取引でのポンド/ドル(GBP/USD)だった、と言えるのかもしれない。

その時点では、まだ、ドル/円がチャート・ポイント[90.00]を割り込んでいない。
だから、すでに動き出したポンドが注目されていた。

一般に、日本人の感覚で言うと、
『先週の後半に、ポンド/ドル(GBP/USD)が、1.65から1.59まで600ポイント急落した』と言うよりも、
『先週の後半に、ポンド/円(GBP/JPY)が、150円から142円にまで、約8円急落した』と言う方が、インパクトが大きい。
日本人には、対円価格で表示した方が理解しやすいからだ。


●9月24日(木)の時点で、ポンド/円に関しては、大きなダブル・トップを完成した可能性があった。

9月24日の時点では、チャート上の微妙な水準(146.70アラウンド)にポンド/円があったので、大きなダブル・トップが完成したのか、まだなのか、明瞭ではなかったが、
『ポンド/円が、大きなダブル・トップを完成したことが、明確になれば』
チャート分析上のターゲットは130円アラウンドになる、と考えます。

ポンド/円は、9月24日(木)の東京市場夕方から、9月24日のロンドン市場、9月24日のニューヨーク市場と、146.70アラウンドで小動きになった。
つまり、まさにチャート・ポイント上の、微妙な水準で、煮詰まった状況にあった、と言えます。

9月25日(金)に日付が変わると、東京市場が始まる前のシドニー市場で、ポンド/円は、もう一段、急落して、144円台ミドルを見ている。
シドニー市場のわずかな時間で、ポンド/円は、2円以上の急落を見たわけだ。

●9月25日(金)東京市場夕方になって、少しリバウンドして145円台に戻していますが、9月25日(金)の東京市場で、『ポンド/円が、大きなダブル・トップを完成したことが、明確になった』と考えます。

●つまり、オーソドックスなチャート分析に従うならば、ポンド/円の『売りシグナル』点灯で、ターゲットは130円アラウンドになる、と考えます。

●東京市場で、こういったポンド/円の『売りシグナル』が点灯するのは、珍しいことです。

通常は、ロンドン市場、ニューヨーク市場で、シグナルを発します。

●それだけ、『緊急性を要した』ということです。

『誰の緊急性を要したのか?』というと、『ロンドン市場、ニューヨーク市場の市場参加者の緊急性』です。

通常の東京市場は、世界の外国為替市場参加者にとっては、休憩時間で、安眠をする時間帯ですが、9月25日(金)の東京市場は、世界の投機家が徹夜をするか、あるいは、早起きをして、注目していた、ということです。

重要なことは、ポンド/円に注目しているというよりも、ポンド/円に端を発して、ユーロ/円や、その他のクロス円が、連鎖して急落する可能性に、本当は、気をもんでいる、ということです。

『誰が気をもんでいるのか?』というと、『世界のファンド・マネージャー達が、気をもんでいる』ということです。

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●ポンド/円が、急落している割に、ユーロ/円の下げが緩いのは、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)が、急騰しているからです。

このユーロ/ポンド(EUR/GBP)の急騰が、いつまで続くのか、予想は不可能です。

ユーロ/ポンド(EUR/GBP)の値動きは、『動き出すと、狂ったように、止まらない』といった特徴があります。

だから、ユーロ/円は、後で、最終的には、ポンド/円につれて、下落する、と考えていますが、それが、『どのくらいのタイム・ラグなのか?』がわかりません。

つまり、目先、ユーロ/ポンド(EUR/GBP)の急騰が続く間は、ポンド/円が、急落しても、ユーロ/円の下げが比較的穏やかになる、ということです。

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(2009年09月28日東京時間02:30記述)

第284回 FX取引では、どの通貨を選ぶべきか?

FX取引では、どの通貨を選ぶべきか?

FX取引の対象となる通貨は、取引しているFX会社がラインナップしている通貨の中から選びます。
FX会社は他社との競争に勝つためにラインナップを増やす傾向にあり、どの通貨を選べば良いのか迷ってしまいますが、実は、答えはハッキリしています。
「メジャー・カレンシー(主要通貨)を選んでください」。


新興国通貨の取引は避ける

メジャー・カレンシーとは米ドル、ユーロ、円、英ポンド、スイスフランの5通貨のこと。人気のあるオーストラリアドルやニュージーランドドルはマイナー・カレンシー(非主要通貨)という位置づけでありおすすめできません。ましてや高金利で話題の南アランドやトルコリラのような新興国通貨は問題外です。


主要通貨は売買しやすく情報が多い

メジャー・カレンシーを「選ぶ理由」は大きく二つ。
取引している市場参加者がたくさんいるため、売りたい時に売りたい値段で売れて、買いたい時に買いたい値段で買えるからです。

また通貨に関する情報が多く、売買の判断材料を得やすいからです。
為替相場は必ずしも材料通りに動くわけではありませんが、材料とは逆方向へ動いたとしても、「一般的には売り材料なのになぜ買い方向へ動いたのだろう?」という分析を行うことで経験値を高めることができます。

マイナー・カレンシーを「選ばない理由」は、メジャー・カレンシーを選ぶ理由の真逆。
市場参加者が少ないために値段がつきにくいし、判断材料となる情報が少ないためです。
判断材料を持たずに勘だけで取引するのはギャンブルと同じ。
しかも情報がないために、なぜ動いたのかも分かりません。


米ドル/円やユーロ/円がおすすめ

FX取引では通貨を単独で売買するわけではなく、ドルと円、ユーロと円、ドルとユーロというように2つの通貨を組み合わせて売買します。
この組み合わせを通貨ペアと呼びます。

では、メジャー・カレンシーの中では、どの通貨ペアを選べばよいのでしょう?

最も取引量の多い通貨ペアはユーロ/米ドル、次いで米ドル/円、英ポンド/米ドル、米ドル/スイスフランの順です。
このようにドルを介在させたメジャー・カレンシーの組み合わせを「ドルストレート取引」、米ドルを介在させないユーロ/英ポンドのような取引を「クロス取引」と呼び、ユーロ/円のように対円で米ドルを介在させない取引を「クロス円取引」と呼びます。

日本国内で取引するのであればメジャー・カレンシー同士の通貨ペアの中でも米ドル/円やクロス円、もっとはっきり言えば、米ドル/円、ユーロ/円がオススメです。
私たちにはなじみが深く、情報が得やすく、どのFX会社でも取引できる状況が用意されているからです。

第283回 「ドル余剰」が顕在化

ドル/円は、[90.00]を目前に、乱高下をしていますが、外国為替市場全般を俯瞰するならば、ドルが全面安の状況となっています。

リーマン・ショック以降、決済通貨として、さらに景気対策としてもドルを大量供給し、金融危機以降、ドル需給は、大幅な供給過剰になっています。

各国政府の経済対策により、世界的な株価上昇、好調な経済指標(除く雇用部門)を背景として、「出口戦略」議論がなされていましたが、G20において、「出口戦略」には慎重に臨む方向性が確認され、各国の低金利政策は維持されることとなりました。

結果として、国際金融市場では、「ドル余剰」が顕在化し、ドル資産から、他通貨資産への、アセットアロケーションの動きが加速しています。

ドル余剰の影響は外国為替市場において、最も顕著に表れています。

この傾向は今後も継続すると考えられます。

ドルの下落は、需給だけでなく、米国家計部門の「過剰消費」から「過剰債務圧縮」への変化も重要な要因となっていると考えます。

また、このところ、米国発の「強いドル」というコメントが聞かれなくなりました。
米国内でも、この状況を追認していると考えます。

つまり、景気対策を優先するならば、ドルが多少弱くなるのは仕方がない、といったニュアンスがある、と考えます。


ドル/円は、[90.00]が目先のサポートになっていますが、オプション取引絡みのストップ・ロス(損切りのドル売り円買い)は、[89.50]に集中しています。

その手前の、[90.00]を割り込んですぐの[89.70-90]のゾーンには、オプション取引絡みではない、通常の、ストップ・ロス(損切りのドル売り円買い)が集中しています。


目先、[90.00]を割り込むことに抵抗していますが、需給面とその流れから、いずれ、[90.00]を割り込むことになるのだろう、と考えています。

(2009年09月17日東京時間12:00記述)

第282回 現在の相場こそが、臨機応変が求められるところ

読者のみなさま、各自で、ドル/円の日足チャートを見てください。

今年(2009年)の2月以降、9月8日(火)までのドル/円は、
『上限101.50アラウンド、下限91.80アラウンドの「ボックス相場」』
を形成している。

今年の2月以降、9月8日(火)までのドル/円は、大きく上下動を繰り返している。
しかし、全体を俯瞰してみれば、この上下動は「大きなボックス相場」だった、ととらえることができる。この「ボックス相場」は、値幅が約10円だった。

そして、それは、先週の9月9日(水)に下にブレイクし、その時点で(91.80アラウンドを明白に下に抜けた時点で)、ドル/円は、「売りのシグナル」を発した。

もう少し、「ボックス相場」について記述します。
「ボックス相場」の戦い方の原則は、
【上限のインサイド(内側)で「売り」、下限のインサイド(内側)で「買い」】となる。
そして、【上限、下限を突き破った時点で、損切り(ストップ・ロス)】となる。

こういった「大きなボックス相場」は、取引に際して、『ボックス内で動いている場合』は、使い方が難しい。

小さなボックス相場の場合は、『上限、下限を突き破った時点で、損切り(ストップ・ロス)』は、良い目安になるのだが、「大きなボックス相場」では、値幅が大きいので、そういった、うまい目安にはならないからだ。

もう少し、具体的に説明しよう。

仮に、「ボックス相場」の上限のインサイド(内側)で「売り」を行ったとしよう、今回のケースならば、99円台とか、100円台程度で、売り持ち(ドル/円のショート)を持ったとする。

この場合、当初は、101.50、ないしは[101.60-80]程度に、損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)を置けば良い。

しかし、仮に、この相場が、ボックスの下限まで下落する、と予想して、94円台~96円台程度で、売り持ち(ドル/円のショート)を持った場合は、101.50、ないしは[101.60-80]程度のストップ・ロス・オーダーでは、遠すぎて、適当な目安とは言えない。

あるいは、このボックス相場が、下に放れる(下にブレイクする)ことを期待して、94円台~96円台程度で、売り持ち(ドル/円のショート)を持つ場合でも、同様である。

※大きなポジションではなく、損切りまでの値幅が大きくとも構わないのならば、ボックスの外側に置く損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)は、
(上記ケースで、101.50、ないしは[101.60-80]程度の損切り注文は、)
セオリーに従っているので、投資行動として、間違いではない。

※ただし、その場合は、リスク&リターンは、当然に、非効率的である。つまり、リスクが非常に大きく、リスクの代替であるリターン(利益)がリスクよりも極端に小さい。

※だから、こういったセオリーも、臨機応変に使い分けないと、有効ではない。

※上手くいかない場合でも、それはセオリーが間違っているのではなく、その使い方に問題がある、と認識した方がよい。(臨機応変が要求される)

こういったケースでは、『便宜的な損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)』を使うと良い。

例えば、上記のケースで、94円台~96円台程度で、売り持ち(ドル/円のショート)を持った場合は、98円台程度に『便宜的な損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)』を置くということだ。

先週末(9月11日金曜日)のニューヨーク市場では、ドル/円は、90円台前半(90.20-25レベル)にまで下落した。
今週の相場で、90.00も割り込んで、このまま下落すると予想し、売り持ち(ドル/円のショート)を持つ場合は、各自適宜、『便宜的な損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)』を置きながら相場に臨むところ、と考える。

テクニカル分析(チャート分析)で、現在のドル/円の『損切り注文(ストップ・ロス・オーダー)』を考えるならば、96円台ないし97円台程度に置けば良いのだが、それでは、損切りまでの値幅が大き過ぎる。
(念のため付記しますが、中長期でポジションを持ち、96円台ないし97円台程度に損切りを置くことが可能ならば、それはセオリーに従った行動であり、それで良い、と考えます。)

現在の相場こそが、臨機応変が求められるところ、と言える。

第281回 ストップ・ロス・オーダーとは?

●●ストップ・ロス・オーダーとは?

基本的な事柄ですが、初心に帰って、耳を傾けてくだされば嬉しく思います。

ストップ・ロス・オーダーとは逆指値注文のこと。
逆指値注文は、「現在の値段から上がったら売れ、下がったら買え」というように現状の値段よりも有利な方向に指示を出す指値注文とは「逆」に、「現在の値段から上がったら買え、下がったら売れ」と不利な方向に指示を出す注文方法です。

●●損失を限定させる注文方法

なぜわざわざ不利な値段の方向に注文を出すのでしょう?
それはストップ・ロス・オーダーが「損失を限定させるためのオーダー」だからです。

例えば買いポジションを持っている時に、予想に反して値段が下がってしまったとします。
ストップ・ロス・オーダーを設定しておけば、これ以上損失を膨らませたくないという水準で損切り(ロスカット)ができます。

売りポジションなら、値段が上昇してきたところで買い戻すことで、一定の水準で損失を確定させてポジションをスクエア(ポジションを持たない状態)にできるのです。

●●損切り水準は事前に想定

このようにストップ・ロス・オーダーは自分の資産を守るための注文方法なのですが、「損切り」という語感の悪さのせいなのか利用をためらう投資家もいます。
しかし、それは食わず嫌いというもの。

新しくポジションを建てた時、事前に利食いの水準を決めてしまう必要はないけれど、損切りの水準は考えておくべきです。
損失を膨らませないために、早い段階でストップ・ロス・オーダーを設定するようにしましょう。
それは、命綱(いのちづな)のようなもので、自らを守る行為、と考えると良いでしょう。



●●ストップ・ロス・オーダーの水準

では、ストップ・ロス・オーダーは、どの水準で設定すれば良いのでしょう。
「10万円負けたら損切る」「50万円負けたら損切る」というように、許容できる損失を計算して決めれば良いのでしょうか?
あるいは、「20銭の儲けを狙っているのだから、逆に20銭動いたら損切る」と考えれば良いのでしょうか?

●●小刻みな動きが当たる確率は50%程度

マーケットの値段は常にランダムに動いています。
このフラクチュエーション(値段の上下動)の中で、通常のドル/円ならば、24時間のうちに動くのは1円弱程度でしょう。

多くの投資家は、そのうちの20銭だけ取れればいいと考えているはずです。
でも実際には大きなトレンドは比較的簡単に読めても、その中で小刻みに動くフラクチュエーションを読むことは非常に難しく、当たる確率はせいぜい50%程度です。
五分五分の勝負では儲けることはできません。
「20銭の儲けを狙っているのだから、逆に20銭動いたら損切る」というやり方は、損切りばかりを繰り返すことになり、いたずらに投資資金を減らしてしまうでしょう。

●●チャート・ポイントの外側に置く

「10万円負けたら損切る」とか「逆に20銭動いたら損切る」といった「自分の都合に合わせたストップ・ロス・オーダー」は避けるべきです。

不思議なもので、そういった自分の都合で計算したストップ・ロス・オーダーは、ほとんど付きます。

正しいストップ・ロス・オーダーとは、チャートを分析してチャート・ポイントを見つけ、その外側に置くことです。
チャート・ポイントとは、チャート上の節目となるレートのこと。
このレートを下回ると価格が大きく下落する、あるいは上回ると大きく上昇する可能性がある水準(レート)です。
トレンドが大きく変わる可能性のあるポイントと言い換えても良いでしょう。

もし「チャート・ポイントの外側にストップ・ロス・オーダーを置くと損失が大きくなり過ぎる」というのであれば、「ポジションを縮める」ことを考えましょう。
大きな利益が欲しいから、大きなポジションを維持したまま、ストップ・ロス水準のほうをいじるというやり方は本末転倒です。

第280回 「ボックス相場」と「放れる相場」

●●「ボックス相場」と「放れる相場」

相場の値動きを追いかけていると、一定のレンジ(値幅)で上下動を繰り返しているとき、つまり「ボックス相場」のときと、そのレンジをブレイクして(突き破って)、大きく一方方向に突っ走るようなとき、つまり「放れる相場」のときがあることに気が付きます。

どちらのパターンも得意で、柔軟に対応できればよいのだけれど、なかなか、そうはいかないものです。
得意なパターンだけやって、苦手なパターンがきたら、「ストップ・ロス・オーダー」で、自動的に止める。それが賢い対応だ、と考えています。

●●「ストップ・セル・オーダー」と「ストップ・バイ・オーダー」

「ストップ・ロス・オーダー(Stop Loss Order)」とは、逆指値(ぎゃくさしね)注文のことです。
たとえば、「現状の値段から、ある一定の値段までドルが下落したら、ドルを売れ」「現状の値段から、ある一定の値段までドルが上昇したら、ドルを買え」といったオーダー(注文)のことを指します。

通常のオーダーは、「現状の値段から、ある一定の値段までドルが下落したら、ドルを買え」「現状の値段から、ある一定の値段までドルが上昇したら、ドルを売れ」という意味ですから、売り買いが逆になっています。

ドル/円の取引で、具体的に説明しましょう。
ドルの値段が上昇するだろうと考えて、ドルの買い持ち(ドル・ロング)にしているときに、その思惑に反して、ドル/円の値段が下落したとします。
当然、損失が発生するのですが、ある一定の値段でストップ・ロス・オーダーを出しておけば、その値段でドルを売って、ドルの持ち高を解消することができます。

このように、それ以上の損失が発生しないようにするために、「損切り」のオーダーを入れる場合があります。
ドルを買い持ちにしているときのストップ・ロス・オーダーは、ドルの売りオーダーになりますから、この場合は「ストップ・セル・オーダー」と言うこともあります。

ドルの値段が下落するだろうと考えて、ドルの売り持ち(ドル・ショート)にしているときに、その思惑に反して、ドル/円の値段が上昇したとします。
この場合も当然、損失が発生します。ある一定の値段でストップ・ロス・オーダーを出しておけば、その値段でドルを買って、ドルの持ち高を解消することができます。
ドルを売り持ちにしているときのストップ・ロス・オーダーは、ドルの買いオーダーになりますから、この場合は「ストップ・バイ・オーダー」と言うこともあります。

第279回 スワップポイント

以下は、以前に掲載した内容と同じですが、リマインドする意味で、再度採り上げます。

●スワップポイントは通貨間の金利差

スワップポイントは通貨同士の金利差のこと。
金利差は単純に高金利通貨の金利から低金利通貨の金利を差し引いたものではなく、少し複雑な計算式に基づいて算出します。
金利差が大きくなればスワップポイントも大きくなり、金利差が小さくなればスワップポイントも小さくなります。
スワップポイントを便宜上スワップ金利と表現することもありますが、本来は、正しい言葉ではありません。

●主要通貨の金利低下により金利差も消滅

ここでは日本円と外貨の通貨ペアを例に解説します。
かつて円の金利と、米ドルなど外貨の金利との間に大きな差があった時期は、円を外貨に転換して外貨を保有すればスワップポイントが得られました。
しかし今は米ドル、ユーロ、英ポンドなど世界の主要通貨の金利が低下して円金利との差がほとんど無くなったため、スワップポイントを目的とした取引は事実上成り立たなくなっています。

●新興国の高金利は高リスクを反映

では、現在も高金利の新興国通貨は、スワップポイントを目的とした取引に向かないのでしょうか?
金利はその国のインフレ水準を表しています。
金利が高いほどインフレ率も高く、インフレ率の高い通貨はいずれ暴落します。

ここ2、3年の間にオーストラリアドル(豪ドル)やニュージーランドドル(NZドル)、南アフリカランドのような高金利通貨は暴落しました。
例えば豪ドル/円の為替相場は2007年の100円台から2008年の55円台へ、NZドル/円は同じく95円台から45円台へ、わずか1年間で半分になりました。
そのため豪ドルやNZドルを買って高いスワップポイントを得たとしても、円に戻した時に為替差損が生じて収支は赤字になったはずです。

●スワップポイントはおまけと割り切る

当分の間、主要国通貨間で大きな金利差が生じることはないでしょうが、仮に金利差が生じたとしても、スワップポイントにこだわった取引はおすすめできません。
スワップポイントは「おまけ」みたいなもので、スワップポイント狙いでポジションを立てることはFX取引の本道とは言えません。本末転倒です。

また高金利通貨を売ればスワップポイントを支払わなければなりませんが、それはコストと割り切るべきで、スワップポイントを支払うのがイヤだからポジションを立てないというのも、これもまた本末転倒といえるでしょう。



 >   >  2009年09月